李白の七言絶句『春夜洛城聞笛』は、押韻・詩形、反語(何人不起…)、「折柳」の故事、旅先で郷愁を呼び起こされる主題が定番の出題ポイントです。書き下し文・現代語訳とあわせて句法をおさえましょう。
本文
【書き下し文】
誰が家の玉笛ぞ 暗に声を飛ばす 散じて春風に入りて 洛城に満つ 此の夜 曲中 折柳を聞く 何人か起こさざらん 故園の情
問題
- この詩の形式を漢字四字で答えよ。また押韻している字をすべて抜き出せ。
- 「玉笛」の読みと意味を答えよ。
- 傍線部「暗に声を飛ばす」の「暗に」はどのような意味か。現代語で説明せよ。
- 第二句「散入春風満洛城」を現代語訳せよ。
- 傍線部「折柳」とは何か。この語が呼び起こす感情とあわせて説明せよ。
- 傍線部「何人か起こさざらん 故園の情」に用いられている句法を答え、意味を説明せよ。
- 第一句「誰家玉笛暗飛声」冒頭の「誰家(誰が家の)」にはどのような気持ちがこめられているか。
- この詩の主題(作者が最も表現したかったこと)を簡潔に述べよ。
解答・解説
問1の解答
七言絶句。押韻=「声・城・情」(下平声庚韻)。一句が七字・全四句なので七言絶句。七言絶句は第一・二・四句末で韻を踏むのが原則で、この詩も第一句末「声」、第二句末「城」、第四句末「情」が韻を踏む。第三句末の「柳」は押韻していない点に注意。
問2の解答
読み=ぎょくてき。意味=玉で作った美しい笛、立派な笛。実際に玉製というより、笛の音色の美しさをたたえる表現。
問3の解答
どこからともなく、姿は見えないままに、の意。夜の闇の中で吹き手の姿は見えず、笛の音だけが漂ってくる情景を表す。「暗」を単なる『暗い』でなく『こっそり・ひそかに/どこからともなく』と訳すのが定番。
問4の解答
(笛の音は)春風に乗って散り入り、洛陽の町いっぱいに広がる。「散じて春風に入りて」と読み、笛の音が春の夜風にのって町中に満ちわたる情景を描く。洛城=洛陽の町。
問5の解答
折柳(せつりゅう)は楽府の曲名「折楊柳(せつようりゅう)」のこと。旅立つ人を見送るとき柳の枝を折って贈る風習にちなむ、別れ・惜別を歌った曲。この別れの曲を聞くことで、旅人である作者の郷愁(故郷を思う心)が呼び起こされる。
問6の解答
反語。「何人か…ざらん」=「どうして…しない者があろうか、いや誰もがみな…する」の意。全体で『誰が故郷を思う気持ちを起こさずにいられようか、いや誰もが故郷をなつかしまずにはいられない』となり、故郷を思う情の深さを強調している。
問7の解答
「いったいどこの家の笛の音だろうか」という、音の主が誰とも知れない不思議さ・問いかけの気持ち。姿の見えない笛の音がどこからともなく聞こえてくる情景への感嘆をこめた表現で、旅先で一人静かに音に耳を澄ます作者の姿を示す。
問8の解答
旅先の洛陽で春の夜にふと耳にした笛の音、とりわけ別れの曲『折柳』によって呼び起こされた、故郷を恋しく思う強い郷愁。開元二十三年(七三五年)頃、洛陽に客居していた李白が異郷で望郷の念にかられた心情をうたっている。
👉 本文の現代語訳・語句・文法のくわしい解説は 解説記事 で確認できます。
📗 参考書・問題集で対策するなら|塾長が古文・漢文の市販教材を目的別に正直レビューしています。目的別おすすめを見る →
[広告・PR]
動画で授業を受けたい人へ
誰でも古典塾は「読んで覚える」無料テキスト専門で、動画授業はありません。「文字だけだと入りにくい」「授業を聞いて理解したい」人は、動画授業のスタディサプリ(古文・漢文=岡本梨奈先生)が相棒になります。


コメント