方丈記『ゆく河の流れ』定期テスト対策問題|現代語訳・無常観・文法の頻出設問と解答

ゆく河の流れ(方丈記) 確認テスト|定期テスト対策 定期テスト対策

方丈記の冒頭「ゆく河の流れは絶えずして……」は、定期テストで非常によく出る超頻出の一節です。本文の暗誦(暗記して書けること)が求められることも多く、現代語訳・語句の意味・文法・無常観(むじょうかん)の理解まで、まとめて問われます。まずは下の本文を読み、設問に答えてみましょう。最後の「解答・解説」で答え合わせをして確認してください。くわしい内容を先に知りたい人は、方丈記『ゆく河の流れ』のやさしい解説もあわせて読むと理解が深まります。

📥 PDFダウンロード(無料・印刷OK)
問題用紙とテスト形式で解きたい人はこちら。 📝 問題編PDF(全20問)✅ 解答・解説編PDF

本文

 ゆく河の流れは絶えずして〔①〕、しかももとの水にあらず〔②〕。よどみに浮かぶうたかた〔③〕は、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし〔④〕。世の中にある人と栖と、またかくのごとし〔⑤〕。

設問

  1. 傍線部①「絶えずして」を現代語訳しなさい。
  2. 傍線部①「絶えずして」の「ず」は何という助動詞か、活用形もふくめて文法的に説明しなさい。
  3. 傍線部②「もとの水にあらず」を現代語訳しなさい。
  4. 傍線部②「あらず」を品詞分解し、それぞれの語を説明しなさい。
  5. 傍線部②「もとの水にあらず」の「に」は、文法的に何か。助動詞の名前と活用形を答えなさい。
  6. 「よどみに浮かぶ」の「よどみ」とは、どのような場所を指すか答えなさい。
  7. 傍線部③「うたかた」とは何か、意味を答えなさい。
  8. 傍線部③「うたかた」は、ここで何の(どのようなものの)たとえとして用いられているか説明しなさい。
  9. 本文中の「かつ消えかつ結びて」を現代語訳しなさい。
  10. 「かつ消えかつ結びて」の「結び」を、終止形(基本形)に直し、活用の種類(〇行〇段)も答えなさい。
  11. 傍線部④「久しくとどまりたるためしなし」を現代語訳しなさい。
  12. 「ためし」(傍線部④の中にある語)の意味を答えなさい。
  13. 傍線部⑤「世の中にある人と栖と、またかくのごとし」を現代語訳しなさい。
  14. 傍線部⑤の「栖」の読み方をひらがなで答え、その意味も答えなさい。
  15. 傍線部⑤「かくのごとし」の「ごとし」は何という助動詞か。意味(はたらき)もふくめて答えなさい。
  16. 「ゆく河の流れ」と「うたかた(泡)」は、人の世の何にたとえられているか。傍線部⑤をふまえ、対応するものをそれぞれ答えなさい。
  17. 傍線部⑤「かくのごとし」が指す内容を明らかにしたうえで、この一文が述べようとしていることを説明しなさい。
  18. この文章全体に流れている、仏教にもとづく「この世のすべては移り変わり、とどまることがない」という考え方を、漢字三字で何というか答えなさい。
  19. 【文学史】この作品について、(ア)作者名、(イ)作品のジャンル(種類)、(ウ)成立した時代を、それぞれ答えなさい。
  20. 【文学史】『方丈記』は「日本三大随筆」の一つである。残りの二つの作品名と、それぞれの作者名を答えなさい。
▼ 解答・解説を見る(まず自分で解いてから)

問1 (答え)(流れが)絶えることがなくて。
「絶え」は「絶ゆ」(とぎれる・なくなる)の意味で、川の水がとぎれることなくずっと流れ続けている様子を表します。「~ずして」で「~ないで・~なくて」と訳します。

問2 (答え)打消の助動詞「ず」の連用形
「絶えずして」は「絶え(ヤ行下二段動詞「絶ゆ」の未然形)+ず(打消の助動詞・連用形)+して(接続助詞)」と分けられます。「~ないで/~ずに」と訳し、「絶えることなく(ずっと続いて)」という意味になります。

問3 (答え)もとの(同じ)水ではない。
川は流れ続けて絶えることがないのに、そこを流れる水は次々と入れかわり、もとの水のままではない、という意味です。「あら」はラ変動詞「あり」の未然形、「ず」は打消の助動詞で、「~ではない」と訳します。

問4 (答え)「あら」=ラ変動詞「あり」の未然形/「ず」=打消の助動詞「ず」の終止形。
「あらず」で「~ない・~ではない」という打消の意味を表します。直前の「もとの水に」の「に」は断定を表す部分で、全体で「もとの水ではない」となります。

問5 (答え)断定の助動詞「なり」の連用形
「もとの水に+あら+ず」で「もとの水で+は+ない」という意味になります。この「に」は「~である」と言い切る断定の助動詞「なり」の連用形で、すぐ下の「あり(あら)」とむすびついて使われています。

問6 (答え)川などの水の流れがとどこおって、ゆるやかになっている所(流れがよどんでたまっている所)。
「よどみ」は、水がよどんで(流れがにぶって)たまっている場所のことです。そこに泡(うたかた)が浮かんでいる、という情景です。

問7 (答え)水面に浮かぶ水の泡(あわ)のこと。
「うたかた」は、できてはすぐ消えていく、はかないもののたとえとしてよく使われる語です。

問8 (答え)消えてはまたでき、長くとどまることのない泡は、はかなく移り変わっていくもの(人の世・人の命や住まいの無常)のたとえとして用いられている。
「ゆく河の流れ」も「うたかた」も、絶えず移り変わって同じ状態にとどまらないものの象徴です。

問9 (答え)(泡は)一方では消え、一方ではでき(結び)て。
「かつ……かつ……」は「一方では……、また一方では……」と、二つのことが同時に起こるさまを表します。「結び」は「(泡が)でき上がる・形をつくる」の意味です。

問10 (答え)終止形=結ぶ/活用の種類=バ行四段(活用)
「結び」は「結ぶ」の連用形です。ここでは「(泡が)でき上がる」という意味で使われています。

問11 (答え)(一つの場所に)長くとどまっている例(ためし)はない。
「久しく」=長く・ずっと、「とどまる」=そのまま居続ける、「ためし」=例・先例、「なし」=ない。泡が一つも長くとどまらないように、すべてははかなく消えていく、という無常を述べています。

問12 (答え)例(ためし)・先例
「ためし」は「以前にもあった例・前例」という意味の名詞です。「ためしなし」で「(そのような)例はない」となります。

問13 (答え)世の中に生きている人と、その住まいとも、またこれ(川の水や泡)と同じようである。
「ある人」=(この世に)生きている人、「栖(すみか)」=住まい・家、「かくのごとし」=このようである、の意味です。人も住まいも、川の水や泡のように絶えず移り変わっていく、ということを表します。

問14 (答え)読み=すみか/意味=住まい・家・すみか。
「栖」は人が住む場所(家・すみか)のことです。ここでは、人が住む家もまた移り変わっていくものとして取り上げられています。

問15 (答え)比況(ひきょう)の助動詞「ごとし」。意味は「~のようだ・~と同じだ」。
「かくのごとし」で「このようである・これと同じだ」となり、人と栖が、すぐ前に述べた川の水や泡と「同じようだ」ということを表します。

問16 (答え)「ゆく河の流れ」や「うたかた(泡)」は、世の中に生きる人と、その住まい(栖)にたとえられている。
絶えず流れる川の水や、できては消える泡のように、人もその住まいも移り変わり、いつまでも同じ姿でとどまることはない、という対応になっています。

問17 (答え)「かくのごとし」=「このようである」の意味で、直前の「川の流れ・水・うたかた(泡)が絶えず移り変わり、同じ状態にとどまらない」ありさまを指す。
(説明)この世に生きる人と、その人が住む家(栖=すみか)もまた、川の水や泡と同じように、絶えず移り変わり、いつまでも変わらずに在り続けることはない、ということ。自然の様子(川・泡)にたとえて、人間の世のはかなさ・無常を述べています。

問18 (答え)無常観(むじょうかん)。
この世のすべてのものは移り変わり、永遠にとどまるものはないという、仏教にもとづく考え方です。方丈記の冒頭は、この無常観を川の流れと水の泡にたとえて表した名文として知られています。

問19 (答え)(ア)作者=鴨長明(かものちょうめい)/(イ)ジャンル=随筆/(ウ)成立した時代=鎌倉時代(鎌倉時代初期)
『方丈記』は、清少納言『枕草子』・兼好法師『徒然草』とともに「日本三大随筆」の一つに数えられます。あわせて覚えておきましょう。

問20 (答え)『枕草子』=作者清少納言(せいしょうなごん)/『徒然草』=作者兼好法師(けんこうほうし。吉田兼好)。
『方丈記』(鴨長明)とあわせて「日本三大随筆」と呼びます。「枕草子=清少納言」「徒然草=兼好法師」「方丈記=鴨長明」をセットで覚えましょう。

※この問題はオリジナル作成です(教科書・市販問題集の転載ではありません)。本文は古典原文(著作権の対象外)を用いています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました