方丈記の冒頭「ゆく河の流れは絶えずして……」は、定期テストで非常によく出る超頻出の一節です。本文の暗誦(暗記して書けること)が求められることも多く、現代語訳・語句の意味・文法・無常観(むじょうかん)の理解まで、まとめて問われます。まずは下の本文を読み、設問に答えてみましょう。最後の「解答・解説」で答え合わせをして確認してください。くわしい内容を先に知りたい人は、方丈記『ゆく河の流れ』のやさしい解説もあわせて読むと理解が深まります。
本文(傍線①〜⑩)
①ゆく河(かは)の流れは②絶(た)えずして、③しかも④もとの水にあらず。⑤よどみに浮かぶ⑥うたかたは、⑦かつ消えかつ結びて、⑧久しくとどまりたるためしなし。⑨世の中にある人と栖(すみか)と、また⑩かくのごとし。
語注 ゆく=流れて行く。 絶ゆ=とぎれる・なくなる(ヤ行下二段)。 しかも=それでいて・それなのに。 よどみ=水の流れがとどこおってたまっている所。 うたかた=水面に浮かぶ泡。はかないもののたとえによく使う。 かつ〜かつ〜=一方では〜、また一方では〜。 結ぶ=(泡が)でき上がる(バ行四段)。 ためし=例・先例。 栖=すみか。住まい。 ごとし=比況の助動詞(〜と同じようだ)。
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使い方のおすすめ。①まず何も見ずに解く → ②解答で答え合わせ → ③まちがえた設問の番号と同じ傍線を本文で探して読み直す。
設問
A 語句の意味と読み
- ①「ゆく河(かは)」の「ゆく」の意味を書け。
- ③「しかも」のここでの意味を書け。
- ⑤「よどみ」とはどのような場所か。
- ⑥「うたかた」の意味を書け。
- ⑧の中の「ためし」の意味を書け。
- ⑨の「栖」の読みと意味を書け。
B 文法
- ②「絶(た)えずして」の「ず」を、文法的に説明せよ。
- ②の「絶え」の終止形(基本形)と活用の種類を書け。
- ④の「もとの水に」の「に」は文法的に何か。名称と活用形を書け。
- ④の「あらず」を品詞分解し、それぞれ説明せよ。
- ⑦の「結び」の終止形(基本形)と活用の種類を書け。
- ⑩「かくのごとし」の「ごとし」は何という助動詞か。意味も書け。
C 何のたとえか
- ⑥「うたかた」は、何のたとえとして用いられているか。
- ⑩の「かく」は、何を指しているか。
- ①「ゆく河の流れ」と⑥「うたかた」は、⑨の「人と栖」のどちらに重なるか。それぞれ書け。
D 口語訳
- ①・②「ゆく河の流れは絶えずして」
- ③・④「しかももとの水にあらず」
- ⑦・⑧「かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」
- ⑨・⑩「世の中にある人と栖と、またかくのごとし」
E 内容・記述
- ⑩「かくのごとし」が指す内容を明らかにしたうえで、この一文が述べようとしていることを書け。
- この文章の全体に流れている、仏教にもとづく考え方を漢字三字で書け。
- 作者は、なぜ「河の流れ」と「うたかた」の二つを並べたのか。四十字以内で書け。
F 文学史
- この作品の作者名・ジャンル・成立した時代を書け。
- 『方丈記』は日本三大随筆の一つである。残りの二つの作品名と作者名を書け。
- 三大随筆を、成立の古い順に並べよ。
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解答と解説
▼ 解答・解説を見る
A 語句の意味と読み
問1 流れて行く
└ ×「歩いて行く」ではない
問2 それでいて。それなのに。
└ 前の内容と逆のことをつなぐ
問3 水の流れがとどこおって、たまっている所
問4 水面に浮かぶ泡(あわ)
└ ★はかないもののたとえに使う語
問5 例・先例
└ 「ためしなし」=そのような例はない
問6 すみか/住まい
B 文法
問7 打消の助動詞「ず」の連用形
└ 「〜ずして」で「〜ないで・〜なくて」
問8 絶ゆ/ヤ行下二段活用
問9 断定の助動詞「なり」の連用形
└ ★下の「あら(ず)」と結びついて「〜ではない」
問10 あら(ラ行変格活用「あり」の未然形)+ず(打消の助動詞「ず」の終止形)
問11 結ぶ/バ行四段活用
└ ここは「(泡が)でき上がる」の意
問12 比況の助動詞「ごとし」/〜と同じようだ・〜のようだ
C 何のたとえか
問13 はかなく消えていく、この世の人やその住まいのたとえ。
問14 河の水が絶えず流れかわり、泡が消えてはできていくというありさま。
問15 ゆく河の流れ=世の中じたいは絶えず続いていくこと/うたかた=そこにいる一人ひとりの人と、一つ一つの住まいがはかなく入れかわること
D 口語訳
問16 流れて行く河の流れはとぎれることがなくて
問17 それでいて、(そこを流れる水は)もとの水ではない。
問18 一方では消え、一方ではでき上がって、長くとどまっている例はない。
問19 この世に生きている人と、その住まいとも、また同じようである。
E 内容・記述
問20 「かく」=河の水が絶えず入れかわり、泡が消えてはできていくありさま。人もその住まいも、それと同じように次々と移り変わり、同じ状態にとどまることはない、ということを述べている。
問21 無常観
└ この世のすべては移り変わり、とどまることがないという考え
問22 続いていく世の中と、その中で消えていく個々の人や住まいを対にして示すため。(三十六字)
F 文学史
問23 鴨長明/随筆/鎌倉時代(前期)
問24 『枕草子』=清少納言/『徒然草』=兼好法師
問25 枕草子(平安中期)→方丈記(鎌倉前期)→徒然草(鎌倉末期)
【テスト直前チェック】この三つ
❶「もとの水にあらず」の「に」は断定の助動詞「なり」の連用形。格助詞ではありません。ここが文法の最頻出です。
❷「うたかた」=水面に浮かぶ泡。人とその住まいのはかなさのたとえです。
❸主題は無常観。「かくのごとし」の「かく」が何を指すか言えれば、記述問題は書けます。
現代語訳(全文)
流れて行く河の流れはとぎれることがなくて、それでいて、(そこを流れる水は)もとの水ではない。よどみに浮かぶ水の泡は、一方では消え、一方ではでき上がって、長くとどまっている例はない。この世に生きている人と、その住まいとも、また同じようである。
※この問題は誰でも古典塾のオリジナルです。本文は古典(著作権の対象外)から正確に引用しています。
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