漢文句法「二重否定」確認テスト(無不・不可不ほか)|定期テスト対策|誰でも古典塾

二重否定|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

二重否定とは、否定の語が二つ重なって、結果的に強い肯定の意味を表す言い方です。「打ち消し」が二回かかることで「〜しないものはない=すべて〜だ」「〜しなければならない」のように、ふつうの肯定よりも強く念を押す働きをします。「無不(〜ざルハなシ)」「非不(〜ざルニあらズ)」「不可不・不得不(〜ざルベカラず)」「無非(〜ニあらザルハなシ)」「莫不(〜ざルハなシ)」などが代表的な形です。打ち消しを二つに分けて読み解き、最後に「結局どういう肯定の意味になるか」をつかむことが大切です。次の各例文について、後の問いに答えよ。

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本文

※例文は学習用です。
① 人飲食也。/人飲食せざるは莫きなり。
② 無其親者。/其の親を愛せざる者有る無し。
③ 城中此事。/城中此の事を知らざるは無し。
④ 是非行也。/是れ行かんと欲せざるに非ざるなり。
⑤ 我之。/我れ之を知らざるに非ず。
慎也。/慎まざるべからざるなり。
⑦ 学者不書。/学ぶ者は書を読まざるべからず。
⑧ 勢戦。/勢ひ戦はざるを得ず。
⑨ 民王臣。/民は王の臣に非ざるは無し。
⑩ 莫其徳。/其の徳を仰がざるは莫し。
⑪ 衆人莫歎也。/衆人歎ぜざるは莫きなり。
⑫ 天下無之者。/天下之を畏れざる者無し。

設問

  1. 傍線①「莫不」の読みを、送り仮名も含めて平仮名で記せ。
  2. 例文①「人莫飲食也」を書き下し文に直せ。
  3. 例文②「無其親者」を、強い肯定の意味に注意して現代語訳せよ。
  4. 傍線③「無不」の読みを、送り仮名も含めて平仮名で記せ。
  5. 例文③「城中無此事」は、結局どういう意味になるか。強い肯定の内容として最も適当なものを次から選び、記号で答えよ。
    • ア 城中の者はこの事を知らない。
    • イ 城中の者は皆この事を知っている。
    • ウ 城中の者はこの事を知りたがらない。
  6. 例文④「是非行也」を書き下し文に直せ。
  7. 傍線⑤「非不」の読みを、送り仮名も含めて平仮名で記せ。
  8. 例文⑤「我非之」を現代語訳せよ。
  9. 傍線⑥「不不」の読みを、送り仮名も含めて平仮名で記せ。
  10. 例文⑥「不慎也」を書き下し文に直せ。
  11. 例文⑦「学者不書」は、結局どういう意味になるか。強い肯定の内容として最も適当なものを次から選び、記号で答えよ。
    • ア 学ぶ者は書物を読んではならない。
    • イ 学ぶ者は書物を読まなくてもよい。
    • ウ 学ぶ者は書物を読まなければならない。
  12. 傍線⑧「不不」の読みを、送り仮名も含めて平仮名で記せ。
  13. 例文⑧「勢不戦」を現代語訳せよ。
  14. 傍線⑨「無非」の読みを、送り仮名も含めて平仮名で記せ。
  15. 例文⑨「民無王臣」を、強い肯定の意味に注意して現代語訳せよ。
  16. 例文⑩「莫其徳」を書き下し文に直せ。
  17. 例文⑪「衆人莫歎也」を現代語訳せよ。
  18. 例文⑫「天下無之者」を現代語訳せよ。
  19. 「無不」「莫不」のような形が、なぜ「すべて〜だ」という強い肯定の意味になるのか。打ち消しの働きに触れて、一〜二文で説明せよ。
  20. 「不可不」「不得不」のような形が、なぜ「〜しなければならない」という意味になるのか。打ち消しの働きに触れて、一〜二文で説明せよ。
  21. 次の各形について、強い肯定の意味をそれぞれ簡潔に記せ。
    • (1) 無不(莫不)
    • (2) 非不
    • (3) 不可不(不得不)
    • (4) 無非
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問1 答え:ざるはなし(〜ざルハなシ)。解説:「莫」は「〜なシ」、「不」は「〜ず」。下から「飲食せ・ず・は・莫し」と返って読み、「飲食しないものはない」となる。

問2 答え:人飲食せざるは莫きなり。解説:「莫」=「なシ」、「不」=「ず」。文末の「也」は「なり」と読む。

問3 答え:その親を愛さない者はいない(=誰もが皆その親を愛している)。解説:「無有〜者」で「〜という者は存在しない」、その中身が「不愛其親(親を愛さない)」なので、二重否定で「皆親を愛する」という強い肯定になる。

問4 答え:ざるはなし(〜ざルハなシ)。解説:「無」も「莫」と同じく「〜なシ」と読む。「知らざるは無し」で「知らないものはない」の意。

問5 答え:イ。解説:「知らざるは無し」は「知らない者はいない」、すなわち「皆知っている」という強い肯定。アは否定のまま、ウは意味がずれる。

問6 答え:是れ行かんと欲せざるに非ざるなり。解説:「非不欲行」は「非(〜にあらず)」+「不(〜ず)」+「欲行(行かんと欲す)」。「行きたくないのではない」という二重否定。

問7 答え:ざるにあらず(〜ざルニあらズ)。解説:「非」は「〜ニあらズ」と読む打ち消し。「知らざるに非ず」で「知らないのではない=ちゃんと知っている」の意。

問8 答え:私はそれ(このこと)を知らないのではない(=ちゃんと知っている)。解説:「非不知之」は「知らざるに非ず」。打ち消しが重なり、控えめに「実は知っている」と肯定する言い方。

問9 答え:ざるべからず(〜ざルベカラず)。解説:「不可」は「〜べからず(してはならない・できない)」。「慎まざるべからず」で「慎まないわけにはいかない=慎まなければならない」となる。

問10 答え:慎まざるべからざるなり。解説:「不可不慎」を下から「慎ま・ず・べから・ず」と返読し、「也」を「なり」と添える。

問11 答え:ウ。解説:「読まざるべからず」は「読まないわけにはいかない=読まなければならない」という義務・必要の意。アは禁止、イは不要の意味で誤り。

問12 答え:ざるをえず(〜ざルヲえズ)。解説:「不得」は「〜(する)を得ず=できない」。「戦はざるを得ず」で「戦わないではいられない=戦わざるをえない」の意。

問13 答え:勢いとして戦わないわけにはいかない(=どうしても戦わざるをえない)。解説:「不得不戦」は「戦はざるを得ず」。状況に迫られてそうせざるをえない、という意味。

問14 答え:あらざるはなし(〜ニあらザルハなシ)。解説:「無非」は「非(〜ニあらズ)」+「無(〜なシ)」。「王の臣に非ざるは無し」で「王の臣でない者はいない」となる。

問15 答え:民で王の臣下でない者はいない(=民は皆ことごとく王の臣下である)。解説:「無非〜」は「〜でないものはない」。打ち消しが重なり「すべて〜だ」という強い肯定を表す。

問16 答え:其の徳を仰がざるは莫し。解説:「莫不仰」を「仰が・ず・は・莫し」と返って読む。二字熟語の「其徳」は一二点で「其の徳を」と返る。

問17 答え:多くの人々で嘆かない者はいない(=誰もが皆嘆いた)。解説:「莫不歎」は「歎ぜざるは莫し」で全員が嘆く意。「也」は断定の「〜のだ」。

問18 答え:天下にこれを恐れない者はいない(=世の中の誰もがこれを恐れている)。解説:「無不畏之者」は「之を畏れざる者無し」。「無〜者」で「〜という者はいない」の形。

問19 答え:(例)打ち消しの語が二つ重なると、「〜しないものはない」となり、否定の否定で結局すべてのものを肯定することになるから。つまりマイナス×マイナスがプラスになるのと同じ働きである。

問20 答え:(例)「〜しないわけにはいかない(〜できないことはない)」という形で、しないことを打ち消すため、結局「必ず〜する/〜しなければならない」という強い肯定・義務の意味になるから。

問21 答え:(1) 無不(莫不)…〜しないものはない=すべて〜だ。 (2) 非不…〜しないのではない=実は(ちゃんと)〜する。 (3) 不可不(不得不)…〜しないわけにはいかない=〜しなければならない。 (4) 無非…〜でないものはない=すべて〜である。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。

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