芥川 テスト対策問題26問|伊勢物語・解答つきPDF

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『伊勢物語』第六段「芥川(あくたがわ)」は、定期テストで非常によく出題される章段です。とくに和歌「白玉か何ぞ」の解釈と「なまし」の反実仮想、そして結末の「鬼一口(おにひとくち)」が何のたとえなのかは頻出ポイント。まずは本文を読んで設問に答え、最後の解答で答え合わせをして理解を確かめましょう。本文の流れがあやしい人は、先に伊勢物語『芥川』のやさしい解説を読んでから取り組むと得点しやすくなります。

本文(傍線①〜⑮)

むかし、男ありけり。女の、え得(え)まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でて、いと暗きに来けり。芥川(あくたがは)といふ河を率(ゐ)て行きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ」となむ男に問ひける
行く先多く、夜もふけにければ、鬼ある所とも知らで、神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて、男、弓、やなぐひを負ひて戸口にをり。「はや夜も明けなむ」と思ひつつゐたりけるに、鬼はや一口に食ひてけり。「あなや」と言ひけれど、神鳴る騒ぎに、え聞かざりけり
やうやう夜も明けゆくに、見れば、率て来し女もなし。足ずりをして泣けども、かひなし
 白玉(しらたま)か何ぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを

語注 え〜まじ=とても〜できそうにない。 よばふ=求婚する。 からうじて=やっとのことで。 率(ゐ)る=連れて行く。 なむ=係助詞。結びは連体形。 〜で=打消の接続助詞(〜ないで)。 さへ=そのうえ〜までも。 あばらなり=荒れ果てて、すきまだらけである。 やなぐひ=矢を入れて背負う道具。 あなや=ああ、大変だ。 足ずり=地団駄をふむこと。 かひなし=どうにもならない。 白玉=真珠。 なまし=反実仮想(〜だったらよかったのに)。

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読んだだけでは、テストでは書けません。本番と同じ縦書きで、実際に手を動かしてください。26問・解答と現代語訳つきです。

使い方のおすすめ。①まず何も見ずに解く → ②解答で答え合わせ → ③まちがえた設問の番号と同じ傍線を本文で探して読み直す。

設問

A 語句の意味と読み

  1. ②「よばひわたりける」の意味を書け。
  2. ③「からうじて」の意味を書け。
  3. ⑨「あばらなる」の意味を書け。
  4. ⑩「やなぐひ」の読みと意味を書け。
  5. ⑭「かひなし」の意味を書け。
  6. ①の「え〜まじ」は、どのような意味を表すか。

B 文法

  1. ①の「まじ」の意味として最も適当なものを書け。(打消推量/不可能/禁止/打消意志)
  2. ⑤「率(ゐ)て行きければ」の「ば」は何形に接続し、どのような意味を表すか。
  3. ⑦で、文末が「問ひけり」ではなく「問ひける」となっているのはなぜか。文法的に説明せよ。
  4. ⑧「知らで」の「で」は文法的に何か。意味も書け。
  5. ⑪の「なむ」を文法的に説明せよ。
  6. ⑮「消えなましものを」の「なまし」に用いられている文法を漢字で書け。

C 主語と指す内容

  1. ④「盗み出でて」と⑬「え聞かざりけり」の主語をそれぞれ書け。
  2. ⑥の「かれ」は何を指すか。
  3. ⑫「鬼はや一口に食ひてけり」の「鬼」は、実際には何をたとえたものと考えられているか。

D 口語訳

  1. ①・②を含む「女の、え得まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを」
  2. ⑥「かれは何ぞ」(誰が誰に言ったことばかが分かるように訳すこと)
  3. ⑬を含む「『あなや』と言ひけれど、神鳴る騒ぎに、え聞かざりけり」
  4. 和歌「白玉か何ぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを」

E 内容・記述

  1. ⑥のことばから、この女はどのような人物だと読み取れるか。簡潔に書け。
  2. 和歌の中の「人」とは、具体的に誰を指すか。
  3. 男が女を「白玉」「露」にたとえたのは、どのような効果をねらったものか。
  4. ⑮「消えなましものを」に表れている男の心情を、反実仮想の意味をふまえて書け。

F 文学史

  1. 『伊勢物語』のジャンル・主人公のモデルとされる歌人・成立した時代を書け。
  2. 『伊勢物語』以外の歌物語を一つ挙げよ。
  3. 在原業平が選ばれている、すぐれた六人の歌人の総称を漢字で書け。

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解答と解説

▼ 解答・解説を見る

A 語句の意味と読み

問1 求婚し続けていた
└ 「よばふ」=求婚する

問2 やっとのことで・かろうじて

問3 荒れ果てて、すきまだらけである

問4 やなぐい/矢を入れて背負う道具

問5 どうにもならない・かいがない

問6 とても〜できそうにない(不可能)

B 文法

問7 不可能(〜できそうにない)
└ 上に「え」があるのが手がかり

問8 已然形(「行きけれ」)に接続し、順接の確定条件(〜したところ・〜ので)を表す。

問9 係助詞「なむ」を受けて、結びが連体形になっているから(係り結び)。

問10 打消の接続助詞「で」/〜ないで

問11 他に対する願望を表す終助詞「なむ」(〜てほしい)と取るのが一般的。教科書によっては、強意(確述)の助動詞「ぬ」の未然形+意志・願望の「む」と説明することもある。
└ ★お使いの教科書の説明に合わせること

問12 反実仮想
└ 「〜ましものを」=〜だったらよかったのに

C 主語と指す内容

問13 どちらも男

問14 草の上に置いていた露

問15 女を取り返しに来た者たち(女の兄にあたる人々)。女は二条の后(藤原高子)で、兄の基経・国経が連れ戻したと伝えられている。

D 口語訳

問16 とても自分のものにできそうになかった女のもとに、何年もかけて求婚し続けていたが、

問17 (女が男に)「あれは何ですか」と。

問18 (女は)「ああ、大変」と言ったけれど、雷の鳴る騒がしさで、(男は)聞くことができなかった。

問19 (あれは)真珠なのか、何なのかとあの人が尋ねたときに、「露だ」と答えて、私も露のように消えてしまえばよかったのに。

E 内容・記述

問20 露さえ知らないほど、深窓で大切に育てられた高貴な身分の女性。

問21 連れ出した女(露を尋ねた女)

問22 美しくはかなく、すぐ消えてしまうものとして女を表し、その死のはかなさと、失った悲しみを強めている。

問23 実際には自分は生き残ってしまった。あのとき女と一緒に露のように消えてしまえばよかったのに、という深い後悔と嘆き。

F 文学史

問24 歌物語/在原業平/平安時代(前期)

問25 『大和物語』(『平中物語』でも可)

問26 六歌仙

【テスト直前チェック】この三つ
「なまし」=反実仮想。「消えなましものを」=「(実際には消えなかったが)消えてしまえばよかったのに」。ここが最頻出です。
「となむ男に問ひける」は係り結び。係助詞「なむ」を受けて、結びが連体形「ける」になっています。
「鬼一口」は本当の鬼ではありません。女を取り返しに来た者たちのたとえと考えられています。

現代語訳(全文)

むかし、(ある)男がいた。とても自分のものにできそうになかった女のもとに、何年もかけて求婚し続けていたが、やっとのことで盗み出して、たいそう暗いなかを連れて来た。芥川という河のほとりを連れて行ったところ、草の上に置いていた露を(見て)、「あれは何ですか」と男に尋ねた。

行く先はまだ遠く、夜もふけてしまったので、鬼のいる所とも知らないで、そのうえ雷までもたいそう激しく鳴り、雨もひどく降ったので、荒れ果てた蔵に、女を奥に押し入れて、男は弓とやなぐいを背負って戸口にいた。「早く夜も明けてほしい」と思いながら座っていたところ、鬼が女をあっという間に一口で食べてしまった。(女は)「ああ、大変」と言ったけれど、雷の鳴る騒がしさで、聞くことができなかった。

だんだんと夜も明けていくので、見ると、連れて来た女もいない。地団駄をふんで泣いたけれど、どうにもならない。

 (あれは)真珠なのか、何なのかとあの人が尋ねたときに、「露だ」と答えて、私も露のように消えてしまえばよかったのに。

※この問題は誰でも古典塾のオリジナルです。本文は古典(著作権の対象外)から正確に引用しています。

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