おひたち(発見〜命名)テスト対策問題28問|竹取物語・解答つきPDF

定期テスト対策

『竹取物語』冒頭「おひたち」は、係り結び(なむ…ける)・重要古語(あやし・うつくし・ゐる・うつくしうの音便)・完了/存続の助動詞・尊敬語「おはす/給ふ」が集中して問われる定番中の定番です。原文の暗唱と現代仮名遣い、そして「なぜかぐや姫と名づけたか」の内容説明までをまとめて確認しましょう。

本文(傍線①〜⑮)

今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきのみやつことなむいひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋(ひとすぢ)ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸(さんずん)ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり
翁言ふやう、「我朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ。子になり給ふべき人なめり。」とて、手にうち入れて、家へ持ちて来(き)ぬ。妻(め)の嫗(おうな)にあづけて養はす
この子、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。……この子いと大きになりぬれば、名を、みむろとのいむべの秋田を呼びてつけさす。秋田、なよ竹のかぐや姫とつけつ。

語注 今は昔=今となっては昔のことだが。物語の書き出しの決まり文句。 まじる=分け入る。入りこむ。 よろづ=いろいろ。さまざま。すべて。 名をば=名を。「を」に「は」が付いてにごった形。 さぬきのみやつこ=竹取の翁の名。 もと=根もと。 一筋=一本。 あやしがる=不思議に思う。 筒=竹のふしとふしの間の、うつろになったところ。 三寸=一寸は約三センチ。三寸は約九センチほど。 うつくし=かわいらしい。いとしい。 うつくしうて=「うつくしくて」のウ音便。 ゐる=座る。じっとしている。 言ふやう=言うことには。 朝ごと夕ごと=毎朝毎晩。 おはす=「あり・をり」の尊敬語。いらっしゃる。 なめり=「なるめり」が変化した形。〜であるようだ。 うち入る=(手の中に)入れる。「うち」は語調を整える接頭語。 嫗=おばあさん。ここでは翁の妻。 養はす=養わせる。「す」は使役の助動詞。 すくすくと=ぐんぐんと。ずんずんと。 大きになりまさる=ますます大きくなる。 みむろとのいむべの秋田=人名。この子に名をつけた人。 なよ竹=細くしなやかな竹。 ※本文の「……」は、教科書などで一部が省かれていることを示します。

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読んだだけでは、テストでは書けません。本番と同じ縦書きで、実際に手を動かしてください。28問・解答と現代語訳つきです。

使い方のおすすめ。①まず何も見ずに解く → ②解答で答え合わせ → ③まちがえた設問の番号と同じ傍線を本文で探して読み直す。

設問

A 語句の意味と読み

  1. ①「いふ」を現代仮名遣いのひらがなに直して書け。
  2. ②「よろづ」の意味を書け。
  3. ③「使ひけり」を現代仮名遣いのひらがなに直して書け。
  4. ⑤「あやしがりて」の意味を書け。
  5. ⑦「三寸(さんずん)ばかり」の「ばかり」の意味を書け。
  6. ⑧「いとうつくしうてゐたり」の「うつくし」の、古語としての意味を書け。
  7. ⑧「いとうつくしうてゐたり」の「ゐる」の意味を書け。また「ゐたり」を現代仮名遣いのひらがなに直せ。
  8. ⑧「いとうつくしうてゐたり」の「うつくしう」は、もとの形が変化したものである。もとの形と、その変化の名を書け。

B 文法

  1. ④「となむいひける」に使われている係助詞と、その結びの語・活用形を書け。また、これと同じ係り結びが本文中にもう一か所ある。その一文をそのまま抜き出せ。
  2. ⑥「筒の中光りたり」の「たり」の文法的意味を書け。
  3. ⑪「なめり」を文法的に説明せよ。
  4. ⑫「家へ持ちて来(き)ぬ」の「ぬ」の文法的意味と活用形を書け。
  5. ⑭「なりぬれば」を文法的に説明せよ。「ぬれ」の意味と活用形、「ば」の意味を必ず入れること。
  6. ⑬「養はす」と⑮「秋田を呼びてつけさす」の「す」「さす」は、同じ働きの助動詞である。何を表す助動詞か、それぞれの意味とあわせて書け。

C 主語・指す内容・敬意の方向

  1. ⑨「おはする」の敬語の種類を答え、誰から誰への敬意かを書け。
  2. ⑩「給ふ」の敬語の種類を答え、誰から誰への敬意かを書け。
  3. ⑫「家へ持ちて来(き)ぬ」の主語は誰か。

D 口語訳

  1. ④をふくむ「名をば、さぬきのみやつことなむいひける」を口語訳せよ。
  2. ⑧「いとうつくしうてゐたり」を口語訳せよ。
  3. ⑩・⑪をふくむ「子になり給ふべき人なめり」を口語訳せよ。
  4. ⑭をふくむ「この子いと大きになりぬれば」を口語訳せよ。

E 内容・記述

  1. ⑤「あやしがりて」とあるが、翁は何を不思議に思ったのか。本文に即して書け。
  2. ⑥「筒の中光りたり」とあるが、光っていたのは何であったか。すぐあとの一文をふまえて書け。
  3. ⑩「給ふ」をふくむ「子になり給ふべき人なめり」と翁が考えたのはなぜか。本文に即して書け。
  4. ⑮「秋田を呼びてつけさす」とあるが、この子が「なよ竹のかぐや姫」と名づけられるまでの経緯を、名づけた人物をふくめて書け。また「なよ竹」の意味も書け。

F 文学史(本文全体をふまえて答える)

  1. この文章の出典『竹取物語』について、成立したおよその時代・作者・物語としての位置づけを書け。
  2. 『源氏物語』の中で『竹取物語』は「物語の出で来はじめの祖(おや)」と呼ばれている。この言葉の意味を書け。
  3. 『竹取物語』で、成長したかぐや姫はこのあとどうなるか。物語の大きな流れを簡単に書け。

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解答と解説

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A 語句の意味と読み

問1 いう
└ 語中・語末のハ行「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に直す

問2 いろいろ。さまざま。(あとに「こと」が続いて「いろいろなこと」の意)
└ 漢字では「万」。ここは「いろいろなことに使っていた」の意

問3 つかいけり
└ ①と同じきまり。語中・語末の「ひ」は「い」に直す。語頭のハ行はそのまま

問4 不思議に思って。
└ ★現代語の「怪しい(うさんくさい)」ではない。動詞「あやしがる」+接続助詞「て」

問5 「〜ほど・〜くらい」。だいたいの程度を表す。
└ 限定の「〜だけ」ではない。三寸は約九センチ(一寸は約三センチ)

問6 かわいらしい。いとしい。
└ ★現代語の「美しい(きれい)」ではない。小さいものをいつくしむ気持ちを表す

問7 意味=座っている。じっとしている。/現代仮名遣い=いたり
└ ワ行上一段動詞「ゐる」。「ゐ」は現代仮名遣いで「い」と書く

問8 もとの形=うつくしく(形容詞「うつくし」の連用形。「うつくしくて」の形)/変化の名=ウ音便
└ 「く」が「う」に変わる。現代仮名遣いでは「うつくしゅうて」と書く

B 文法

問9 係助詞=なむ(強意)/結び=「ける」(過去の助動詞「けり」の連体形)。もう一か所=「その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。」(この文でも係助詞「なむ」の結びが連体形「ける」になっている)
└ ぞ・なむ・や・か→連体形、こそ→已然形。「なむ」の強意は訳に出さなくてよい

問10 存続(〜ている)。「光っている」の意。完了(〜た)と説明する教科書もあるので、お使いの教科書の説明に合わせること。
└ 「たり」=完了・存続。ここは今まさに光っている状態なので存続でとるのがふつう

問11 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」が撥音便で「なん」となり、その「ん」が表記されない形+推定(婉曲)の助動詞「めり」。「〜であるようだ」の意。
└ ★「なンめり」と発音する。「べかめり」「ざめり」も同じ仕組み

問12 完了の助動詞「ぬ」の終止形。「〜てしまった・〜た」の意。
└ ★打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」とまぎらわしい。打消なら未然形に付いて「来(こ)ぬ」となる。ここは連用形「来(き)」に付いているので完了

問13 「ぬれ」=完了の助動詞「ぬ」の已然形。已然形+接続助詞「ば」で順接の確定条件(〜ので・〜と)を表す。
└ ★未然形+「ば」なら仮定条件(もし〜ならば)。已然形か未然形かが見分けの決め手

問14 どちらも使役の助動詞(「す」「さす」)。「養はす」=(嫗に)養わせる、「つけさす」=(秋田に)名をつけさせる、の意。
└ 四段・ナ変・ラ変には「す」、それ以外の活用には「さす」が付く。「養ふ」は四段、「つく」は下二段。「す・さす」は尊敬になることもあるが、ここはどちらも人にさせているので使役

C 主語・指す内容・敬意の方向

問15 尊敬語(「あり・をり」の尊敬語で「いらっしゃる」の意)。翁の会話文の中の敬語なので、話し手である翁から、竹の中にいる子(のちのかぐや姫)への敬意。
└ ★会話文(「 」)の中の敬語は話し手からの敬意、地の文なら作者からの敬意になる

問16 尊敬語(〜なさる・お〜になる)。⑨と同じく翁の会話文の中なので、翁から、子になるはずの人(竹の中にいた子=のちのかぐや姫)への敬意。
└ 翁が敬語を使っていること自体が、この子をただ者ではないと見ている証拠になる

問17 竹取の翁。
└ 直前の「手にうち入れて」から続いている。子を手のひらに入れて家へ持ち帰ったのは翁

D 口語訳

問18 (その翁の)名前を、さぬきのみやつこといった。
└ 「なむ…ける」は強意の係り結び。強意は訳に出さなくてよい

問19 たいそうかわいらしい様子で座っていた。
└ 「いと」=たいそう、「うつくし」=かわいらしい、「ゐる」=座る。三語とも訳し方が決まっている

問20 (私の)子におなりになるはずの人であるようだ。
└ 「べし」は当然(〜はずだ)、「給ふ」は尊敬なので「おなりになる」、「なめり」は「〜であるようだ」

問21 この子がたいそう大きくなったので。
└ 已然形+「ば」なので「〜ので」。「もし大きくなったら」と仮定に訳すのは誤り

E 内容・記述

問22 いつも取っている竹の中に、根もとの光っている竹が一本あったこと。
└ 直前の「その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける」がそのまま根拠になる

問23 竹の筒の中に座っていた、三寸ほどのたいそうかわいらしい人(のちのかぐや姫)。
└ 続く「それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり」が答えになる

問24 自分が毎朝毎晩見ている竹の中にこの子がいらっしゃったので、自分に授けられた、子になるはずの人だと思ったから。
└ 「我朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ」がそのまま理由になる

問25 この子がたいそう大きく成長したので、翁が「みむろとのいむべの秋田」という人を呼んで名をつけさせ、その秋田が「なよ竹のかぐや姫」と名づけた。/「なよ竹」=細くしなやかな竹。竹から生まれたことにちなむ。
└ ★名づけたのは翁ではなく秋田。ここを取りちがえる答案が多い

F 文学史(本文全体をふまえて答える)

問26 平安時代の初めごろ(九世紀末から十世紀初めごろ)に成立したとされる。作者は未詳。かな(仮名)で書かれた、現存する日本最古の物語(作り物語)である。
└ 「最古の物語=竹取物語」「最古のかな日記=土佐日記」をセットで覚える

問27 物語というものが生まれた最初のもの、物語文学の元祖である、という意味。
└ 『源氏物語』絵合(ゑあはせ)の巻にある言葉。文学史の記述問題でよく問われる

問28 美しく成長したかぐや姫に五人の貴公子が求婚し、さらに帝も心を寄せるが、姫はどれにも従わず、八月十五夜に月の世界から迎えが来て天に昇っていく。
└ 「おひたち」はその出発点。昇天の場面は別の教材としてよく出る

【テスト直前チェック】この三つ
「うつくし」は「かわいらしい」。⑧を現代語の「美しい(きれい)」で訳すと即アウト。⑤「あやしがる=不思議に思う」、②「よろづ=いろいろ」も現代語とずれる語なのでセットで覚える。
係り結びは「なむ…ける」が二か所。④「となむいひける」と「もと光る竹なむ一筋ありける」。ぞ・なむ・や・か→連体形、こそ→已然形。結びの語と活用形をセットで答えられるようにしておく。
「ぬ」は完了か打消か。⑫「持ちて来(き)ぬ」は連用形に付くので完了。⑭「なりぬれば」は已然形+「ば」で「〜ので」。未然形に付いていれば打消「ず」の連体形。

現代語訳(全文)

今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいた。野山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに使っていた。名前を、さぬきのみやつこといった。その竹の中に、根もとの光る竹が一本あった。(翁は)不思議に思って、近寄って見ると、竹の筒の中が光っている。それを見ると、三寸ほどの(大きさの)人が、たいそうかわいらしい様子で座っていた。

翁が言うことには、「私が毎朝毎晩見る竹の中にいらっしゃることで、(この子のことが)わかった。私の子におなりになるはずの人であるようだ。」と言って、(その子を)手のひらに入れて、家へ持って帰った。妻の嫗に預けて養わせる。

この子は、養っているうちに、ぐんぐんと大きくなってゆく。……この子がたいそう大きくなったので、名前を、みむろとのいむべの秋田を呼んでつけさせる。秋田は、なよ竹のかぐや姫と名づけた。

※この問題は誰でも古典塾のオリジナルです。本文は古典(著作権の対象外)から正確に引用しています。

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