虎の威を借る狐 テスト対策問題25問|解答つき縦書きPDF

虎の威を借る狐|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

「虎の威を借る狐」は、自分には実力がないのに、力のある者の権勢をかさに着て威張ることのたとえです。『戦国策』楚策に由来し、定期テストでは「無敢食我(敢へて我を食らふこと無かれ)」の禁止の句法、「子以我為不信(子我を以て信ならずと為す)」の使役・反語の読み、そして「狐の論理」と「虎の誤解」を説明させる問題が頻出します。次の文章を読み、後の問いに答えよ。

白文(原文)

【白文】

虎求百獸而食之、得狐。狐曰、「子無敢食一レ我也。天帝使我長百獸。今子食我、是逆天帝命也。子以我爲信、吾爲子先行。子隨我後觀、百獸之見我而敢不走乎。」
虎以爲然、故遂與之行。獸見之皆走。虎不獸畏己而走也、以爲狐也。

書き下し文(傍線①〜⑮)

虎(とら)百獣(ひやくじゆう)を求(もと)めて之(これ)を食(く)らひ狐(きつね)を得(え)たり。狐曰(いは)く、「子(し)敢(あ)へて我(われ)を食らふこと無(な)かれ。天帝我をして百獣に長(ちやう)たらしむ。今子我を食らはば、是(これ)天帝(てんてい)の命(めい)に逆(さか)らふなり。子我を以(もつ)て信(しん)ならずと為(な)さば吾(われ)子の為(ため)に先行(せんかう)せん。子我に随(したが)ひて後(うしろ)にし観(み)よ、百獣の我を見て敢へて走(はし)らざらんや。」と。
以て然(しか)りと為し、故(ゆゑ)に遂(つひ)に之と行(ゆ)く獣(じゆう)之を見て皆(みな)走る。虎獣の己(おのれ)を畏(おそ)れて走るを知らずして、以て狐を畏るると為すなり

語注 子=あなた(二人称)。狐が虎に向かって言っている。 長たり=かしらである。 走る=逃げる(現代語の「走る」ではない)。 然り=そのとおりだ。 畏る=おそれる。

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設問

A 語句と読み

  1. ③「子(し)」の意味と、これは誰が誰に向かって言った言葉か
  2. ⑬「獣(じゆう)之を見て皆(みな)走る」の「走る」の意味
  3. ⑤の「長たり」の意味
  4. ⑨の「随ひて」の読みと意味
  5. ⑪の「然り」の意味
  6. ⑧の「為」の読みと意味

B 句法

  1. ④「敢(あ)へて我(われ)を食らふこと無(な)かれ」の句法名と意味
  2. ⑤「我をして百獣に長(ちやう)たらしむ」の句法名を漢字二字で答えよ
  3. ⑦「我を以(もつ)て信(しん)ならずと為(な)さば」の「以A為B」の読みと意味
  4. ⑩「敢へて走(はし)らざらんや」の句法名と意味

C 何を・誰を指すか

  1. ⑥「是(これ)天帝(てんてい)の命(めい)に逆(さか)らふなり」の「是」は何を指すか
  2. ⑭「己(おのれ)を畏(おそ)れて走る」の「己」とは誰のことか
  3. ⑫「遂(つひ)に之と行(ゆ)く」の「之」とは誰のことか

D 口語訳

  1. ④「敢(あ)へて我(われ)を食らふこと無(な)かれ」
  2. ⑤「我をして百獣に長(ちやう)たらしむ」
  3. ⑩「敢へて走(はし)らざらんや」
  4. ⑮「以て狐を畏るると為すなり」

E 内容・記述

  1. ①・②から、虎と狐はどのような場面で出会ったのか。二十字以内で書け。
  2. ⑪「以て然(しか)りと為し」とあるが、虎は何を「そのとおりだ」と思ったのか。三十字以内で書け。
  3. ⑬「獣(じゆう)之を見て皆(みな)走る」について、獣たちが逃げた本当の理由を、狐か虎かを明らかにして書け。
  4. ⑮「以て狐を畏るると為すなり」について、虎はどのように誤解したのか。四十字以内で書け。
  5. この話における「狐の論理」とはどのようなものか。簡潔に書け。

F 故事・文学史

  1. この故事の出典となった書物の名を答えよ。
  2. 「虎」と「狐」は、それぞれどのような立場の者をたとえているか。
  3. 故事成語「虎の威を借る狐」の意味を答えよ。

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解答と解説

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A 語句と読み

問1 「あなた」(二人称)。狐が虎に向かって言っている
└ ★取り違えが多い

問2 逃げる
└ ×「走る」。古典の「走」は多く「逃げる」

問3 かしらである。統率者である

問4 したがひて/ついて行って

問5 そのとおりだ

問6 ために/〜のために
└ 「吾子の為に先行せん」

B 句法

問7 禁止(決して〜してはならない)
└ 「敢へて〜こと無かれ」

問8 使役
└ 「(人)をして〜しむ」

問9 「AをもってBとなす」/AをBだと思う

問10 反語(どうして逃げないでいられようか、いや必ず逃げる)
└ 「敢へて〜ざらんや」

C 何を・誰を指すか

問11 いま虎が狐を食べるということ

問12 虎自身

問13 狐

D 口語訳

問14 あなたは決して私を食べてはならない。

問15 天帝が私をあらゆる獣のかしらにならせたのだ。

問16 (獣たちが)逃げないでいられようか、いや、必ず逃げる。

問17 (虎は)狐をおそれているのだと思ったのである。

E 内容・記述

問18 獣を食べていた虎が狐をつかまえた場面。(十八字)

問19 自分は天帝から百獣のかしらに任命されている、という狐の言い分。(三十字)

問20 狐ではなく、そのうしろにいた虎をおそれて逃げた。

問21 獣たちは自分ではなく狐をおそれて逃げたのだと思い込んだ。(二十七字)

問22 自分は天帝に任命された百獣の長だから、食べれば天帝にそむくことになる。疑うなら先を歩くから見ていろ、という筋道。実際は虎の力を利用しているだけ。

F 故事・文学史

問23 『戦国策』(楚策)

問24 虎=本当に力のある者/狐=力がないのに、その権威をかさに着て威張る者

問25 自分には実力がないのに、力のある者の権勢をかさに着て威張ることのたとえ。

【テスト直前チェック】この三つ
「走」=逃げる。現代語の「走る」ではありません。
句法四つ=禁止「敢へて〜こと無かれ」/使役「〜をして…しむ」/「以A為B」/反語「敢へて〜ざらんや」。
誤解の中身=獣はをおそれたのに、虎はをおそれたと思った。ここが記述の答えです。

現代語訳(全文)

虎はあらゆる獣を探し求めては食べていたが、あるとき狐をつかまえた。狐が言うには、「あなたは決して私を食べてはいけない。天帝は私をあらゆる獣のかしらにならせたのだ。いまあなたが私を食べれば、それは天帝の命令にそむくことになる。もしあなたが私をうそつきだと思うなら、私はあなたのために先に行こう。あなたは私について後ろから見ていなさい。あらゆる獣が私を見て、逃げないでいられようか、いや、必ず逃げる。」と。

虎はそのとおりだと思い、そこでとうとう狐といっしょに行った。獣たちはこれを見て皆逃げた。虎は、獣たちが自分をおそれて逃げたのだということが分からず、狐をおそれているのだと思ったのである。

※この問題は誰でも古典塾のオリジナルです。本文は古典(著作権の対象外)から正確に引用しています。

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