『登高』杜甫 定期テスト対策問題|書き下し文・句法・内容の頻出設問と解答

定期テスト対策

杜甫晩年の七言律詩の名作『登高』は、押韻・対句・律詩の構成といった漢詩の基本知識と、雄大な秋景と老病孤独の自己を対比させた主題が同時に問われる定番教材です。書き下し・現代語訳・修辞・情景と心情の対応を中心に頻出問題を確認しましょう。

本文

【首聯】
風急に天高くして猿嘯哀し 渚清く沙白くして鳥飛び廻る

【頷聯】
無辺の落木蕭蕭として下り 不尽の長江滾滾として来たる

【頸聯】
万里悲秋常に客と作り 百年多病独り台に登る

【尾聯】
艱難苦だ恨む繁霜の鬢 潦倒新たに停む濁酒の杯

問題

  1. この詩『登高』の詩の形式を、漢字四字で答えよ。また押韻している字をすべて抜き出せ。
  2. 傍線部「猿嘯」の読みを、送り仮名も含めて現代仮名遣いで記せ。
  3. 「蕭蕭」「滾滾」の読みをそれぞれ記し、意味も答えよ。
  4. 傍線部「不尽の長江滾滾として来たる」を現代語訳せよ。
  5. 頷聯・頸聯はいずれも対句である。傍線部「万里悲秋常に客と作り」と対になっている句を、書き下し文で抜き出せ。
  6. 傍線部「万里悲秋常に客と作り」とはどういうことか。「万里」「客」の意味を踏まえて説明せよ。
  7. 尾聯の傍線部「苦だ」の読みを記し、その働き(意味)を答えよ。
  8. この詩の前半四句(首聯・頷聯)と後半四句(頸聯・尾聯)は、それぞれ何を主に詠んでいるか。両者の関係を踏まえて詩の主題を説明せよ。

解答・解説

問1の解答

七言律詩。押韻は「哀・廻(廻)・来・台・杯」。一句が七字で全八句の律詩は、第一句末と偶数句末で韻を踏むのが原則。

問2の解答

えんしょう。「猿の鳴き声(猿の長く引く声)」の意で、「風急に天高くして猿嘯哀し」と続く。

問3の解答

蕭蕭(しょうしょう)=落葉がさびしくさらさらと散り落ちるさま。滾滾(こんこん)=川の水がとうとうと盛んに流れ来るさま。落葉の下降と長江の流れを擬態語で対照的に描く。

問4の解答

尽きることのない(果てしなく続く)長江の水が、とうとうと盛んに流れて来る。頷聯で「無辺の落木」と「不尽の長江」を対にし、天地の雄大な秋景を描く。

問5の解答

「百年多病独り台に登る」。万里⇔百年、悲秋⇔多病、常作客⇔独登台と語がきれいに対応する対句になっている。

問6の解答

故郷から万里も遠く離れた地で、もの悲しい秋に、いつも旅人(旅住まいの身)であり続けている、ということ。「万里」は故郷を遠く離れた放浪の距離、「客」は旅人・他郷での寄寓の身を表す。

問7の解答

読みははなはだ。「非常に・ひどく」の意で程度を強める副詞。「艱難苦だ恨む繁霜の鬢」は、度重なる苦難のために霜のごとく白くなった髪を、ひどく恨めしく思う、という意。

問8の解答

前半は風・空・猿・渚・落葉・長江といった雄大で澄んだ秋の情景描写、後半は放浪・老い・多病・白髪・断酒という詩人自身の境遇の述懐。壮大な大自然と、老病孤独に落ちぶれた自己とを対比させ、人生のやりきれなさ・晩年の孤愁を主題とする。

👉 本文の現代語訳・語句・文法のくわしい解説は 解説記事 で確認できます。

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