芋粥 テスト対策問題28問|今昔物語集・解答つきPDF

定期テスト対策

芥川龍之介『芋粥』の原話としても有名な、『今昔物語集』巻二十六第十七話。定期テストでは、身分の低い五位と豪勢な利仁の対比、「あはれ、いかで芋粥に飽かむ」の願望表現、使役・尊敬・謙譲の敬語(特に「せ給ふ」の識別)、係り結びが頻出です。本文の原文表記に沿って、読み・語意・現代語訳・文法・内容説明をまとめました。

本文(傍線①〜⑮)

【冒頭(利仁と五位の紹介)】
今は昔、利仁の将軍といふ人ありけり。若かりける時は、その時の一の人の御もとに、恪勤にてなむ候ひける。越前の国に有仁といひける勢徳の者の聟にてなむありければ、常に彼の国にぞ住みける
【大饗の場面】
しかる間、その主の殿に、正月に大饗行はれけるにそのかみは、大饗はてぬれば取食といふ者をば追ひて入れずして、大饗のおろしをば、その殿の侍どもなむ食ひける。
【芋粥のやりとり】
この五位、その座にて、芋粥をすすりて、舌打ちをして、「あはれ、いかで芋粥に飽かむ」と言ひければ、利仁これを聞きて、「大夫殿、いまだ芋粥に飽かせ給はぬか」と言ふ。五位、「いまだ飽き侍らず」と答ふ。利仁、「いで、飽かせ奉らむ」と言へば、五位、「いとかしこきことなり」と言ふ。

語注 利仁の将軍=藤原利仁(ふじわらのとしひと)。平安時代前期に実在したと伝わる武人。 御もと=おそば。お屋敷。 越前の国=今の福井県の北部あたり。 有仁=越前の有力者で、利仁の妻の父にあたる人。 聟=婿。婿として妻の家に入ること。 彼の国=あちらの国。 しかる間=そうしているうちに。 その主の殿=利仁が仕えていた主君の屋敷。 取食=読みは「とりばみ」。大饗の残り物をあさり取りに来る者。 大夫殿=「大夫」は五位の身分の人をいう語。「大夫殿」で五位への呼びかけになる。 五位=位階の一つ。ここでは人名ではなく、この主人公の通称。主君の屋敷に仕える下級の侍。 芋粥=山の芋を甘葛(あまづら)の汁で煮た、当時のごちそう。 舌打ち=舌鼓(したつづみ)を打つこと。うまそうに舌を鳴らすようすで、現代語の「不満で舌を鳴らす」意味ではない。 いで=さあ。それでは。 ※「恪勤」「勢徳の者」「大饗」「そのかみ」「おろし」「飽く」「かしこし」は意味を答える問題があるので、ここでは意味を示さない。 ※本文は『今昔物語集』巻二十六第十七話(利仁将軍、若き時、京より敦賀に五位を将て行く語)の初めの部分。ほぼ同じ話が『宇治拾遺物語』にもあり、本によって言い回しが違う。お使いの教科書の本文に合わせて読むこと。 ※この抜き出した範囲では、五位を紹介する一文が省かれているため、「この五位」といきなり出てくる。そのため、冒頭の見出しにある「五位の紹介」にあたる部分は、この範囲には入っていない。見出しは元の記事のままにしてある。

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読んだだけでは、テストでは書けません。本番と同じ縦書きで、実際に手を動かしてください。28問・解答と現代語訳つきです。

使い方のおすすめ。①まず何も見ずに解く → ②解答で答え合わせ → ③まちがえた設問の番号と同じ傍線を本文で探して読み直す。

設問

A 語句の意味と読み

  1. ③「恪勤にてなむ候ひける」の「恪勤」の読みと意味を書け。
  2. ④「勢徳の者」の意味を書け。
  3. ⑥「大饗行はれけるに」の「大饗」の読みと意味を書け。
  4. ⑦「そのかみ」の意味を書け。
  5. ⑩「おろし」の意味を書け。
  6. ⑪「あはれ、いかで芋粥に飽かむ」の「飽く」の意味を書け。
  7. ⑮「いとかしこきことなり」の「かしこし」の意味を書け。

B 文法

  1. ③「恪勤にてなむ候ひける」の「なむ」の種類を答え、結びの語とその活用形も書け。
  2. ⑤「常に彼の国にぞ住みける」の「ぞ」の働きを答え、結びの語とその活用形も書け。
  3. ⑥「大饗行はれけるに」の「れ」は何の助動詞の何形か。文法的意味もあわせて書け。
  4. ⑧「はてぬれば」の「ぬれ」は何の助動詞の何形か。また「ぬれば」全体はどのような意味になるか書け。
  5. ⑪「あはれ、いかで芋粥に飽かむ」の「いかで」と「む」は、ここではそれぞれどのような意味を表しているか。
  6. ⑫「飽かせ給はぬ」と⑭「飽かせ奉らむ」の「せ」は、それぞれ何の助動詞で何を表すか。見分けの決め手もあわせて書け。

C 主語・指す内容・敬意の方向

  1. ②「一の人」とは、どのような人物を指すか。簡潔に書け。
  2. ③「恪勤にてなむ候ひける」の「候ふ」は、誰から誰への敬意を表しているか。
  3. ⑬「いまだ飽き侍らず」の「侍ら」は何の敬語か。誰から誰への敬意かもあわせて書け。
  4. ⑭「飽かせ奉らむ」の「奉ら」は、誰から誰への敬意を表しているか。

D 口語訳

  1. ⑪「あはれ、いかで芋粥に飽かむ」を口語訳せよ。
  2. ⑫をふくむ「大夫殿、いまだ芋粥に飽かせ給はぬか」を口語訳せよ。
  3. ⑭「飽かせ奉らむ」を、「せ」と「奉ら」の働きがわかるように口語訳せよ。
  4. ⑮「いとかしこきことなり」を口語訳せよ。

E 内容・記述

  1. ⑦「そのかみ」とあるが、当時、大饗が終わったあと⑨「取食といふ者」はどのように扱われ、⑩「おろし」は誰が食べることになっていたか。本文に即して説明せよ。
  2. ⑪「あはれ、いかで芋粥に飽かむ」という言葉には、五位のどのような境遇や心情が表れているか。説明せよ。
  3. ⑪「あはれ、いかで芋粥に飽かむ」は、この話の中でどのような働きをしているか。⑭「飽かせ奉らむ」とのつながりにふれて説明せよ。
  4. ⑪と⑭を並べたとき、五位と利仁はどのような点で対比的に描かれているといえるか。説明せよ。

F 文学史(本文全体をふまえて答える)

  1. ①「今は昔」で始まるこの文章は、『今昔物語集』から取ったものである。この作品の説話は、末尾をどのように結ぶことが多いか書け。
  2. この文章の出典『今昔物語集』について、成立したおおよその時代と、どのような種類の作品かを書け。
  3. この芋粥の話は、大正時代のある作家が短編小説に書き直したことでも広く知られている。その作家名と作品名を書け。

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解答と解説

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A 語句の意味と読み

問1 読み=かくご/意味=主君のそば近くで熱心に勤めること。ここでは宿直(とのい)などの雑務を勤める侍のこと。※「かくごん」とルビを振る本もあるので、お使いの教科書の読み方に合わせること。
└ 「恪」は「つつしむ・まじめに勤める」の意。若いころの利仁が、権力者の家で下働きの侍をしていたことをいう

問2 勢力もあり、財力も豊かな者。土地の有力者。
└ ★「徳」は古語では「財産・富」の意味を持つ。現代語の「人徳」とは別。利仁がこの人の婿になったことが、あとの申し出の裏づけになる

問3 読み=だいきやう(現代仮名遣いでは「だいきょう」)/意味=正月などに催された、貴族の大がかりな宴会・ごちそう。
└ 「饗」は「もてなす・ごちそうする」の意。ここは主君の屋敷で正月に開かれた宴

問4 その昔。当時。
└ 「かみ」=上・昔。ここから「当時はこういう習わしだった」という説明が始まる

問5 お下がり。主人たちが食べたあとの残り物。
└ 貴人に供えたものを下げることからできた語。五位たち侍はこのお下がりを食べていた

問6 十分に満足する。飽きるほど(思う存分)食べる。
└ ★現代語の「あきる・うんざりする」ではない。ここは「腹いっぱい食べたい」という願い。この語を取りちがえると、あとの会話がすべて逆の意味になる

問7 恐れ多い。もったいない。ありがたい。
└ ★現代語の「かしこい(頭がよい)」ではない。ここは利仁の申し出に対する五位の恐縮した返事なので「ありがたい・もったいない」と訳す

B 文法

問8 強意の係助詞。結び=「ける」(過去の助動詞「けり」)、活用形=連体形。
└ 「なむ」の識別=①(ナ変以外の)活用語の未然形+なむ→他への願望の終助詞(〜してほしい)②連用形+なむ→完了(強意)「ぬ」の未然形「な」+推量「む」(きっと〜だろう)③文末を連体形で結ぶ→係助詞④ナ変動詞(死ぬ・往ぬ)の未然形の活用語尾「な」+推量の「む」(死なむ・往なむ)。ここは「ける」(連体形)で結んでいるので係助詞

問9 強意の係助詞。結び=「ける」(過去の助動詞「けり」)、活用形=連体形。
└ 係助詞がなければ文末は終止形「けり」。「ぞ・なむ・や・か」→連体形、「こそ」→已然形

問10 助動詞「る」の連用形。文法的意味は受身(大饗が行われる)。※主催する主人を敬う尊敬と説明する教科書もあるので、お使いの教科書の説明に合わせること。
└ 「る」の意味は受身・尊敬・自発・可能の四つ。ここは「大饗」が行われる側なので受身と取るのがふつう

問11 完了の助動詞「ぬ」の已然形。「ぬれば」は已然形+「ば」で順接確定条件。ここは当時の習わしを述べている箇所なので、「大饗が終わると(いつも)」という恒常条件で取る。原因理由に取れば「大饗が終わったので」となる。※呼び方(恒常条件・一般条件など)はお使いの教科書に合わせること。
└ ★打消の「ず」の連体形「ぬ」と取りちがえない。「ぬれ」という形になれるのは完了の「ぬ」だけ。しかも打消なら「終わらないので」となって、あとの内容とつながらない

問12 「いかで」=なんとかして(願望)。「む」=〜したい・〜しよう(意志・願望)。あわせて「なんとかして芋粥を飽きるほど食べたいものだ」という願いを表す。
└ ★「いかで」には①どうして〜か(疑問)②どうして〜か、いや〜ない(反語)③なんとかして(願望)の三つがある。下に「む」「ばや」「もがな」があれば願望

問13 ⑫の「せ」=尊敬の助動詞「す」の連用形。下の尊敬の補助動詞「給ふ」(未然形「給は」)と重なって二重尊敬になる。⑭の「せ」=使役の助動詞「す」の連用形。決め手は下に何が続くか。尊敬の「す」は下に尊敬語(給ふ・おはします)が続くときに限られるので、謙譲の「奉る」が続く⑭の「せ」は使役にしかならない。「せ給ふ」の形である⑫だけ、「飽く」の動作主で確かめる=⑫は食べるのが五位自身なので尊敬、⑭は利仁が五位に食べさせるので使役。なお⑫の「給は」の下の「ぬ」は、未然形に付いているので打消の助動詞「ず」の連体形。⑫の二重尊敬は、五位が最高位の人だという意味ではなく、利仁が五位をことさら丁重に持ち上げて言っている言い方。※二重尊敬を「最高敬語」と呼ぶ教科書もあるので、お使いの教科書の言い方に合わせること。
└ ★決め手は「せ給ふ」か「せ奉る」か。謙譲の「奉る」の上の「せ」は使役と決まる(尊敬の助動詞は謙譲の補助動詞には続かない)。「せ給ふ」のときだけ、食べさせる相手が別にいるかを見る。この記事でいちばん出題されるところ

C 主語・指す内容・敬意の方向

問14 摂政・関白など、臣下の中で第一の、当時最も権勢のある人物。ここでは若いころの利仁が仕えていた主君にあたる。
└ 「一の人」=臣下の第一人者。この話では藤原基経を指すという説があるが、本文には名前は出てこない

問15 作者(語り手)から、利仁が仕えていた「一の人」への敬意。「候ふ」は謙譲語で、お仕えする相手を敬っている。
└ ★地の文の敬語は作者からの敬意。謙譲語は動作の向かう先(ここは仕えられる側)を敬う。仕えている利仁が敬われているのではない

問16 丁寧の補助動詞「侍り」。話し手である五位から、聞き手である利仁への敬意(「〜ございません」)。
└ ★丁寧語だけは、話題の人物ではなく「聞いている相手」を敬う。会話文なので話し手=五位からの敬意になる

問17 話し手である利仁から、動作の受け手である五位への敬意。「奉る」は謙譲の補助動詞で「〜してさしあげる」の意。
└ 会話文の敬語は話し手からの敬意。ここでは利仁が、身分の低い五位をていねいに立てて申し出ている

D 口語訳

問18 ああ、なんとかして芋粥を飽きるほど(思う存分)食べてみたいものだ。
└ 「あはれ」=ああ。「いかで〜む」で願望。「飽く」を「あきる」と訳すと反対の意味になる

問19 大夫殿は、まだ芋粥を飽きるほど召し上がっていらっしゃらないのですか。(「召し上がっていないのですか」でも可)
└ 「せ給ふ」は二重尊敬なので、訳でも「召し上がっていらっしゃる」と敬意を重ねて出せるとよい。「ぬ」は打消なので「〜ていない」

問20 (私が)飽きるほど召し上がらせてさしあげよう。※「せ」=使役の助動詞(利仁が五位に食べさせる)、「奉ら」=謙譲の補助動詞(〜してさしあげる)、「む」=利仁の意志。
└ 「せ」=使役(利仁が五位に食べさせる)、「奉ら」=謙譲「〜してさしあげる」、「む」=利仁の意志。三つを訳にすべて出す

問21 それはたいそうありがたい(もったいない)ことです。
└ 「かしこし」=恐れ多い・ありがたい。思いがけない申し出に、五位が恐縮して答えた言葉

E 内容・記述

問22 取食(残り物をあさりに来る者)は追い払って屋敷の中に入れず、大饗のお下がりは、その屋敷に仕える侍たちが食べることになっていた。
└ 「そのかみは〜食ひける」の一文が、当時の習わしをまとめて説明している。五位が芋粥をすすっていたのも、このお下がりの席

問23 主君の屋敷でお下がりの芋粥をすするしかない下級の侍で、その芋粥を腹いっぱい食べることさえかなわぬ願いだと感じている。ささやかな望みしか持てない、満たされない境遇と、その素朴でつつましい人柄が表れている。
└ ★「おろし(お下がり)の席で芋粥をすする」という場面とセットで考える。「飽く」は「腹いっぱい食べる」なので、不満ではなく、満たされない願いを言っている

問24 五位が何気なくもらしたこの一言を利仁が聞きつけ、「飽かせ奉らむ」という申し出を引き出している。ささやかな願いが思いがけず取り上げられ、話がここから動き出す発端としての働きをしている。
└ 「利仁これを聞きて」とあるとおり、五位のつぶやきを利仁が聞いたところから話が動く。語注に示した話の題名(京より敦賀に五位を将て行く語)のとおり、このあと五位は利仁に連れられて旅に出る話へ続く

問25 五位は名も記されない下級の侍で、お下がりの芋粥を腹いっぱい食べたいというささやかな願いしか持たない。一方の利仁は、越前の勢徳の者である有仁の婿となり、その舅の財力を後ろ盾にできる立場にあって、五位の願いをその場で軽々と引き受けてみせる。乏しい者と豊かな後ろ盾を持つ者、小さな願いとそれをはるかに超える力という形で、二人が対比的に描かれている。※本文で「勢徳の者」と書かれているのは舅の有仁であって、利仁自身ではない。
└ ★冒頭の利仁の紹介と、お下がりの席の五位の姿を並べて考える。この落差が話全体の骨組みになっている

F 文学史(本文全体をふまえて答える)

問26 「となむ語り伝へたるとや」で結ばれることが多い。
└ ★「今は昔」で始まり「となむ語り伝へたるとや」で終わるのが『今昔物語集』の型。ただし「今は昔」は『宇治拾遺物語』の書き出しでもあり、同じ芋粥の話が『宇治拾遺物語』にも収められているので、書き出しだけで書名は決まらない。書名を問われたら、お使いの教科書の本文がどちらかを確かめること

問27 平安時代の末ごろ(十二世紀前半ごろ)に成立したとされる説話集。天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)の三部に分かれ、千を超える説話を収める。『芋粥』は本朝の世俗の話を集めた巻二十六に収められている。
└ 作者は未詳。ほぼ同じ芋粥の話が『宇治拾遺物語』にもあり、二つを読み比べる学習もよく行われる

問28 作家=芥川龍之介/作品名=『芋粥』。
└ 芥川龍之介には『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』から題材を取った作品が多い(『羅生門』『鼻』など)

【テスト直前チェック】この三つ
「飽く」は「あきる」ではない。「十分に満足する=腹いっぱい食べる」。⑪の願いも⑫⑬⑭の会話も、ここを取りちがえると全部逆の意味になります。
「せ」の見分けが最大のヤマ。⑫「飽かせ給はぬ」の「せ」は尊敬、⑭「飽かせ奉らむ」の「せ」は使役。決め手は下に続くのが尊敬の「給ふ」か、謙譲の「奉る」か。「奉る」の上の「せ」は使役と決まります。「せ給ふ」のときだけ、食べさせる相手が別にいるかを見る(⑫は食べるのが五位自身なので尊敬)。
傍線で問われる係り結びは③「なむ…ける」と⑤「ぞ…ける」(どちらも結びは連体形。係助詞がなければ文末は終止形「けり」)。本文にはほかに「侍どもなむ食ひける」(同じくなむ…連体形)と、「聟にてなむありければ」(「ければ」に続くため結びが流れる=結びの消滅)もあります。「すべて指摘せよ」と問われたら4つ全部を見ること。

現代語訳(全文)

【冒頭(利仁と五位の紹介)】
今となっては昔のことだが、利仁の将軍という人がいた。若かったころは、その当時の最高位の人(摂政・関白)のお屋敷に、熱心に勤める侍としてお仕えしていた。越前の国に有仁といった、勢いも財力もある有力者の婿であったので、いつもその越前の国に住んでいた。

【大饗の場面】
そうしているうちに、その主君の屋敷で、正月に大饗(貴族の大がかりな宴会)が行われたが、その当時は、大饗が終わると、残り物をあさりに来る取食という者は追い払って中に入れず、大饗のお下がりは、その屋敷の侍たちが食べることになっていた。

【芋粥のやりとり】
この五位が、その席で、芋粥をすすって、舌を鳴らして、「ああ、なんとかして芋粥を飽きるほど食べてみたいものだ」と言ったので、利仁はこれを聞いて、「大夫殿、まだ芋粥を飽きるほど召し上がっていないのですか」と言う。五位は、「まだ飽きるほど食べたことがございません」と答える。利仁が、「さあ、(それなら私が)飽きるほど召し上がらせてさしあげよう」と言うと、五位は、「それはたいそうありがたいことです」と言う。

※この問題は誰でも古典塾のオリジナルです。本文は古典(著作権の対象外)から正確に引用しています。

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