最高敬語(二重尊敬)確認テスト(古典敬語)|定期テスト対策|誰でも古典塾

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最高敬語(二重尊敬)とは、尊敬の助動詞「す・さす・しむ」に尊敬の補助動詞「給ふ・おはします」が結びつき、「せ給ふ・させ給ふ・しめ給ふ」の形となって、天皇・上皇・中宮など最高位の人物への最上級の敬意を表す言い方である。注意すべきは、同じ「す・さす」でも、すぐ下に尊敬語(給ふ・おはします等)が続く場合は二重尊敬になるが、下に尊敬語が無い場合は「使役(〜させる)」の意味になるという点である。つまり「下に尊敬語があるかどうか」が、二重尊敬と使役を見分ける最大の手がかりとなる。ただし、「女房に」「近き者をして」のように使役の相手が文中に明示されている場合は、下に尊敬語があっても「す・さす」は使役と判断する(⑤・⑬)。次の各例文を読み、後の問いに答えよ。

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本文

※例文は学習用に作成しています。
① 帝、御簾を上げさせ給ふ。
② 上皇、いみじう笑はせ給ふ。
③ 中宮、歌を詠ませ給ふ。
④ 帝、大臣を呼ばせ給ふ。
⑤ 院、女房に火を灯させ給ふ。
⑥ 帝、御几帳を立てしめ給ふ。
⑦ 上、御車を寄せさせ給ふ。
⑧ 大納言、人に文を書かす。
⑨ 主人、童に水を汲ませけり。
⑩ 帝、御琴を弾かせおはします。
⑪ 翁、竹を取りて、それを使ひに持たす。
⑫ 院、御心地悩ませ給ふ。
⑬ 帝、近き者をして御文を奉らせ給ふ。
⑭ 后、御簾の内にて聞こしめさせ給ふ。
⑮ 中宮、女房どもに物を賜はせ給ふ。
⑯ 上皇、御堂を造らせ給ふ。

設問

  1. ①「上げさせ給ふ」の「させ」は、二重尊敬・使役のどちらか。下に尊敬語があるかを根拠に答えよ。
  2. ①「上げさせ給ふ」は誰から誰への敬意か。
  3. ②「笑はせ給ふ」の「せ」は、二重尊敬・使役のどちらか。判断の根拠も示せ。
  4. ②「笑はせ給ふ」は誰への敬意を表すか。
  5. ②「いみじう笑はせ給ふ」を現代語訳せよ。
  6. ③「詠ませ給ふ」の「せ」は、二重尊敬・使役のどちらか。
    • そう判断した根拠を一言で述べよ。
  7. ③「歌を詠ませ給ふ」を現代語訳せよ。
  8. ④「呼ばせ給ふ」の「せ」は、二重尊敬・使役のどちらか。下に注目して答えよ。
  9. ⑤「灯させ給ふ」の「させ」は、二重尊敬・使役のどちらか。
    • 「女房に」という語があることに注目して答えよ。
  10. ⑥「立てしめ給ふ」の「しめ」は、二重尊敬・使役のどちらか答えよ。
  11. ⑦「寄せさせ給ふ」の「させ」は、二重尊敬・使役のどちらか答えよ。
  12. ⑧「書かす」の「す」は、二重尊敬・使役のどちらか。下に尊敬語があるかを根拠に答えよ。
  13. ⑧「人に文を書かす」を現代語訳せよ。
  14. ⑨「汲ませけり」の「せ」は、二重尊敬・使役のどちらか答えよ。
  15. ⑨「童に水を汲ませけり」を現代語訳せよ。
  16. ⑩「弾かせおはします」の「せ」は、二重尊敬・使役のどちらか。
    • 「おはします」が何かを答えたうえで判断せよ。
  17. ⑪「持たす」の「す」は、二重尊敬・使役のどちらか答えよ。
  18. ⑫「悩ませ給ふ」は誰への、どの種類の敬意か(尊敬・謙譲・丁寧のいずれか)も答えよ。
  19. ⑬「奉らせ給ふ」について、「奉ら」「せ」「給ふ」のそれぞれの文法的な働きと、敬語であれば誰への敬意かを区別して答えよ。
  20. 次の二つの違いを説明せよ。
    • (A)「帝、笑ひ給ふ」
    • (B)「帝、笑はせ給ふ」
  21. 普通の尊敬(補助動詞「給ふ」だけ)と最高敬語(二重尊敬)とでは、敬意の高さや、その敬意を向ける対象にどのような違いがあるか説明せよ。
  22. 【記述】二重尊敬「せ給ふ・させ給ふ」と使役「す・さす」を見分けるとき、最も重要な着眼点は何か。本文中の語を例に挙げて、一〜二文で説明せよ。
  23. 【記述】最高敬語が用いられると、主語が誰であるかを推測する助けになることがある。それはなぜか、敬意の対象という観点から一〜二文で説明せよ。
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問1 二重尊敬。「させ」のすぐ下に尊敬の補助動詞「給ふ」があり、主語が「帝」(最高位)なので、最上級の敬意を表す二重尊敬と判断する。

問2 ①は、作者(語り手)から、動作の主体である「帝」への敬意。二重尊敬なので最上級の敬意である。

問3 二重尊敬。「せ」の下に尊敬の補助動詞「給ふ」があり、主語が「上皇」なので二重尊敬。「お笑いになる」の意。

問4 ②は、作者(語り手)から「上皇」への敬意。二重尊敬による最上級の敬意を表す。

問5 (上皇が)たいそうお笑いになる。

問6 二重尊敬。根拠は「下に尊敬の補助動詞『給ふ』があるから」。「(中宮が)歌をお詠みになる」の意で、他人に詠ませる使役ではない。

問7 (中宮が)歌をお詠みになる。

問8 二重尊敬。「せ」の下に「給ふ」があり、主語が「帝」なので二重尊敬。「(帝が)大臣をお呼びになる」の意。なお「大臣を呼ぶ」という内容自体に他者が関わるが、ここでは形(下に尊敬語)と主語の高さから二重尊敬ととる。

問9 使役。下に「給ふ」があるが、「女房に」と使役の相手が明示されているため、「させ」は使役と判断する。「(院が)女房に火を灯させなさる」の意で、「給ふ」は動作主「院」への尊敬。⑬の「をして」と同じく、使役の相手が示されていれば下に尊敬語があっても使役になる。

問10 二重尊敬。「しめ」の下に尊敬の補助動詞「給ふ」があり、主語が「帝」なので二重尊敬。「しめ給ふ」は漢文訓読調の文章に多い最高敬語の形。

問11 二重尊敬。「させ」の下に「給ふ」があり、主語が「上(=天皇)」なので二重尊敬。「(天皇が)御車をお寄せになる」の意。

問12 使役。「す」の下に尊敬語が無く(「書かす」で言い切り)、主語も最高位とは限らないため、「(人に)文を書かせる」という使役と判断する。

問13 人に手紙を書かせる。(使役なので「お書きになる」ではない点に注意)

問14 使役。「せ」の下に尊敬の補助動詞ではなく過去の助動詞「けり」が続いており、尊敬語が無い。主語も「主人」で最高位ではないので「(童に)水を汲ませた」という使役。

問15 子ども(童)に水を汲ませた。(使役)

問16 二重尊敬。「おはします」は尊敬の補助動詞(「〜ていらっしゃる・お〜になる」)。その上に「せ」があり主語が「帝」なので二重尊敬。「(帝が)御琴をお弾きになる」の意。

問17 使役。「持たす」の「す」の下に尊敬語が無く、主語も「翁」なので「(使ひに)持たせる」という使役。

問18 ⑫「悩ませ給ふ」は、作者から主語「院(上皇)」への敬意で、種類は尊敬。「(院が)ご病気でいらっしゃる・お苦しみになる」の意。

問19 「奉ら」は謙譲語で、御文を受け取る相手(より高貴な存在)への敬意。「せ」は使役の助動詞「す」(敬語ではない)。⑬は「近き者をして」と使役の対象が「をして」で明示された使役の構文なので、「(近き者に)奉らせなさる」と読み、「せ給ふ」を二重尊敬とはとらない。「給ふ」は尊敬語で、動作の主体である「帝」への敬意。このように、下に尊敬語があっても「をして」などで使役の相手が示されていれば、「せ」は使役と判断する。

問20 (A)「笑ひ給ふ」は補助動詞「給ふ」だけの普通の尊敬で「お笑いになる」。(B)「笑はせ給ふ」は「せ給ふ」の二重尊敬で、同じく「お笑いになる」と訳すが、(A)より一段高い、最上級の敬意を表す。訳語は似ていても敬意の度合いが異なる。

問21 普通の尊敬(給ふだけ)は広く高貴な人物一般に用いられるのに対し、最高敬語(二重尊敬)は天皇・上皇・中宮など最高位の人物に限って用いられ、敬意の高さが一段上である。つまり敬意の「高さ」と、向ける「対象の限定度」の両方で差がある。

問22 最も重要な着眼点は「す・さす・しむ」のすぐ下に尊敬語(給ふ・おはします等)が続くかどうかである。例えば本文⑧「書かす」は下に尊敬語が無いので使役だが、①「上げさせ給ふ」は下に「給ふ」があるので二重尊敬になる。

問23 最高敬語は天皇・上皇・中宮など最高位の人物にしか用いられないため、文中で「せ給ふ・させ給ふ」が使われていれば、その動作の主語はそうした最高位の人物であると推測できるから。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。

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