助動詞「じ」確認テスト(打消推量・打消意志)|定期テスト対策|誰でも古典塾

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助動詞「じ」は、推量の「む」とちょうど打消の関係に立つ語で、「〜ないだろう」(打消推量)と「〜まい・〜ないつもりだ」(打消意志)の二つの意味をもちます。接続は未然形で、活用はほとんど変化せず、終止形・連体形・已然形のいずれも「じ」の形をとります(無変化型)。意味の見分け方は「む」と同じで、主語が三人称なら打消推量、一人称(話し手自身)なら打消意志と考えるのが基本です。

次の各例文を読み、後の問いに答えよ。

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本文

※①は『古今和歌集』、②は『徒然草』第七段による。③〜⑯は学習用のオリジナル例文(擬古文)です。
① この子を見れば、苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。
② われは京には上らじ。この山里にてこそ世を終へめ。
③ さりとも、この事 人にはよも漏らさじ。
④ かばかりの罪 神も許させたまはじ。
⑤ 今は限りと思へば、何ごとも惜しからじ。
⑥ かかる乱れたる世には、誰か頼もしき人のあらむ、頼もしき人もあらじ。
⑦ 雨いたく降れば、今宵は人も来じ。
⑧ われ生きてあらむ限りは、この恩を忘れじ。
⑨ かの人の心、よも変はらじとぞ頼みける。
⑩ かばかり言ひてだに聞き入れねば、まして人の言葉をば用ゐじ。
⑪ つゆ違はじと、固く契りをかはしけり。
⑫ よも、たやすくは討たれじ。
⑬ 世を捨てし身なれば、今さら都の事も問はじ。
⑭ 老いぬる身は、再びこの花を見ることもあらじ。
⑮ 春の夜の闇はあやなし。梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる。
⑯ 命長ければ恥多し。長くとも四十に足らぬほどにて死なむこそ、めやすかるべけれ。

設問

  1. 例文①には「じ」は用いられていない。例文①の中から、助動詞「ぬ」(完了)と助動詞「けり」(過去)をそれぞれ抜き出し、終止形で答えよ。
  2. 例文②「上らじ」の「じ」の意味として最も適切なものを、打消推量・打消意志のいずれかで答えよ。また、そう判断した手がかり(主語の人称)も記せ。
  3. 例文②「上らじ」を単語に分け、「上ら」が(基本形・活用形)でいうと何の何形であるかを答えよ。
  4. 例文③「漏らさじ」の「じ」の意味を、打消推量・打消意志のいずれかで答えよ。
  5. 例文④「許させたまはじ」の「じ」の意味を、打消推量・打消意志のいずれかで答えよ。
  6. 例文④「許させたまはじ」とほぼ同じ「打消推量」の意味を、より強い禁止・不可能のニュアンスを込めて表す場合に用いる助動詞を、次から一つ選べ。
    • (ア)べし (イ)まじ (ウ)らむ (エ)けり
  7. 例文⑤「惜しからじ」の「じ」の意味を、打消推量・打消意志のいずれかで答えよ。
  8. 例文⑥「頼もしき人もあらじ」を、「じ」の意味を踏まえて現代語訳せよ。あわせて、この「じ」が打消推量・打消意志のどちらかを答えよ。
  9. 例文⑦「来じ」の「じ」の意味を、打消推量・打消意志のいずれかで答えよ。
  10. 例文⑦「来じ」の「来」は、カ行変格活用動詞「来(く)」の活用形である。その読み(ひらがな)と活用形の名称を答えよ。
  11. 例文⑧「忘れじ」の「じ」の意味を、打消推量・打消意志のいずれかで答えよ。
  12. 例文⑧「この恩を忘れじ」を、推量の助動詞「む」を用いた肯定の言い方「この恩を忘れむ」と比べると、意味はどう変わるか。「む」と「じ」の関係に触れて説明せよ。
  13. 例文⑨「変はらじ」の「変はら」の活用形を答え、なぜその形になるのかを「じ」の接続に触れて一文で説明せよ。
  14. 例文⑩「用ゐじ」の「用ゐ」は上一段活用動詞「用ゐる」の活用形である。何形か答えよ。
  15. 次の各「じ」について、主語が一人称か三人称かを示し、それに基づいて意味(打消推量/打消意志)を判別せよ。
    • 例文⑪「違はじ」
    • 例文⑫「討たれじ」
    • 例文⑬「問はじ」
  16. 助動詞「じ」が活用語に接続するとき、その活用語は何形になるか。活用形の名称を漢字で答えよ。
  17. 「じ」は無変化に近い活用をするが、終止形以外の用法も存在する。例文⑥「あらじ」の「じ」、および例文⑪「違はじと」の「じ」は、それぞれ文中での働きとして連体形・終止形のどちらと考えられるか答えよ。
  18. 次の例文を現代語訳せよ。
    • 例文②「われは京には上らじ。」
    • 例文⑦「今宵は人も来じ。」
  19. 次の例文を現代語訳せよ。
    • 例文⑧「われ生きてあらむ限りは、この恩を忘れじ。」
    • 例文⑭「再びこの花を見ることもあらじ。」
  20. 傍線部の「じ」と、打消の助動詞「ず」とを識別したい。次の各文の下線部が「打消推量・打消意志の『じ』」か「打消の『ず』(の活用形)」かを答えよ。
    • (a)人にはよも漏らさじ。(例文③)
    • (b)梅の花 色こそ見え。(例文⑮)
  21. 例文⑯「死なむこそ」の「む」と、例文②「上らじ」の「じ」は、推量・意志の上でどのような対応関係にあるか。「肯定」「打消」の語を用いて一文で説明せよ。
  22. 「じ」と意味の上で対(つい)になる推量の助動詞「む」について、「む」が一人称主語のとき表す意味を一語(漢字二字)で答えよ。
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問1 完了の助動詞「ぬ」=「やみぬ」の「ぬ」。過去の助動詞「けり」=「慰みけり」の「けり」。

問2 打消意志。手がかり:主語が「われ」(一人称)なので「〜まい・〜ないつもりだ」の打消意志。訳「私は都へは上るまい」。

問3 「上ら」はラ行四段活用動詞「上る」の未然形。

問4 打消意志。話し手が「(私は)人には決して漏らすまい」と自分の意志を述べている(「よも〜じ」で打消の強調)。

問5 打消推量。主語は「神」(三人称)で、「神もお許しにならないだろう」の意。

問6 (イ)まじ。(「じ」よりも強い打消推量・打消意志・不可能・禁止を表す。「む」に対する「べし」の打消版が「まじ」にあたる。)

問7 打消意志。「(私は)今はもう何ごとも惜しむまい」と、話し手自身の心づもりを述べている。

問8 訳「頼りになる人もいないだろう。」意味:打消推量(主語が三人称「人」で、「いないだろう」と推量している)。

問9 打消推量。主語は「人」(三人称)で、「今夜は人も来ないだろう」の意。

問10 読み「こ」、活用形は未然形。(カ変「来」の未然形は「こ」。)

問11 打消意志。主語は「われ」(一人称)で、「この恩を忘れまい・忘れないつもりだ」の意。

問12 「忘れむ」は「忘れよう(としよう)」という肯定の意志・推量を表すが、「忘れじ」はその打消で「忘れまい・忘れないつもりだ」の意になる。「じ」は「む」の打消にあたる助動詞で、「む」が肯定の推量・意志を表すのに対し、「じ」は打消推量・打消意志を表す(ちょうど裏返しの関係)。

問13 未然形。理由:助動詞「じ」は未然形に接続するため、四段動詞「変はる」は未然形「変はら」となる。

問14 未然形。(上一段「用ゐる」の未然形は「用ゐ」。)

問15 ⑪違はじ=一人称(契りを交わす当事者=話し手)/打消意志(決して違うまい)。⑫討たれじ=三人称(討たれる相手=他者)/打消推量(たやすくは討たれないだろう)。⑬問はじ=一人称(世を捨てた「身」=話し手自身)/打消意志(今さら都のことも尋ねまい)。

問16 未然形。(「じ」は未然形接続。)

問17 ⑥「あらじ」の「じ」=終止形(「頼もしき人もあらじ。」と句点で言い切る文末で、結びを求める係助詞「ぞ・なむ・や・か」がない。「誰か」の「か」は前の句の「あらむ」で既に結ばれており、「も」は文末の活用形を変えない係助詞である)。⑪「違はじと」の「じ」=終止形(引用の格助詞「と」の上は終止形。なお「じ」は終止形・連体形が同形)。
※「じ」は無変化に近く、連体形・已然形も「じ」の形をとる点が重要。

問18 ②「私は都へは上るまい。」/⑦「今夜は人も来ないだろう。」

問19 ⑧「私が生きているかぎりは、この恩を忘れまい(忘れないつもりだ)。」/⑭「再びこの花を見ることもないだろう。」

問20 (a)打消推量・打消意志の「じ」(未然形「漏らさ」+「じ」)。(b)打消の「ず」の已然形「ね」(係助詞「こそ」の結びで已然形。「色が見えないのに」の意)。

問21 ⑯「死なむ」の「む」は肯定の意志(〜よう)を表し、②「上らじ」の「じ」はその打消にあたる打消意志(〜まい)を表す。両者は肯定(む)と打消(じ)の対応関係にある。

問22 意志。(「む」は一人称主語のとき意志「〜しよう」を表す。その打消が「じ」の打消意志。)

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。本文の引用は古典作品(著作権の対象外)から正確に行っています。

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