「なり」の識別 確認テスト(古典文法)|定期テスト対策|誰でも古典塾

なり|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

古文の「なり」は、姿は同じでも正体が四つに分かれます。①体言・連体形に付く断定の助動詞「〜だ・である」、②終止形(ラ変型は連体形)に付き、音声や人づての情報を根拠とする伝聞・推定の助動詞「〜という・〜ようだ・〜が聞こえる」、③動詞「成る・鳴る」の連用形、④「あはれなり」「静かなり」のような形容動詞ナリ活用の活用語尾です。見分けの決め手は、直前が体言・連体形か終止形か(接続)と、文脈上の意味です。次の各例文中の傍線部「なり」について、後の問いに答えよ。

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本文

※例文は学習用に作成しています。
① 我こそは この国の王なり
② 笛の音 山の方より聞こゆなり
③ 年月を経て、ついに大木となりぬ。
④ 庭の桜 いとあはれなり
⑤ かの人は 心やさしき女なり
⑥ 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり
⑦ 鐘の声、夜もすがら鳴りて、いとあはれなり。
⑧ 水の音 さやかに 聞こゆなり
⑨ この花の咲くは、まことに春のしるしなりけり。
⑩ 沖つ風 いたく吹くなり、舟出すな。
⑪ 道のほとり、いと静かなり
⑫ かの聖、徳高き人になりたまへり。
⑬ 雀の子の、ねず鳴きするに踊り来る、いとうつくし。
⑭ 訪ふ人もなき宿なりけり。
⑮ 都には今ごろ雪降るなりと、人の語りき。
⑯ かの山は、紅葉の名所なりと聞く。

設問

  1. 傍線部①「なり」の文法的意味を答えよ。また、そう判断できる根拠(直前の語の品詞・活用形)を簡潔に示せ。
  2. 傍線部②「なり」の文法的意味を、次から選べ。
    • ア 断定の助動詞 イ 伝聞・推定の助動詞 ウ 動詞「鳴る」の連用形 エ 形容動詞の活用語尾
  3. 傍線部②「なり」を、根拠(直前の活用形・判断のよりどころ)に触れつつ現代語訳せよ。
  4. 傍線部③「なり」の文法的意味を答え、終止形(基本形)も記せ。
  5. 傍線部④「あはれなり」のうち「なり」の正体を答えよ。これは何という品詞の一部か。
  6. 傍線部⑤「なり」の文法的意味を答えよ。直前の「女」の品詞は何か。
  7. 傍線部⑥「なり」の文法的意味を、次から選べ。
    • ア 断定 イ 伝聞・推定 ウ 動詞「成る」 エ 形容動詞語尾
  8. 傍線部⑥を含む一文「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。」を現代語訳せよ。
  9. 傍線部⑦「鳴り」の文法的意味を答え、その品詞と活用形を記せ。
  10. 傍線部⑧「なり」の文法的意味を答えよ。終止形に接続しているか、連体形に接続しているかを示し、判断の根拠(音声が根拠であること)にも触れよ。
  11. 傍線部⑨「なり」の文法的意味を答えよ。直前の「しるし」の品詞に注意して、何に接続しているかを説明せよ。
  12. 傍線部⑩「なり」の文法的意味を答えよ。直前の「吹く」は何形か。
  13. 傍線部⑪「静かなり」のうち「なり」の正体を答えよ。この語全体の品詞を答え、活用の種類も記せ。
  14. 傍線部⑫「なり」について、次の小問に答えよ。
    • (1) 文法的意味(正体)を答えよ。
    • (2) その終止形(基本形)を答えよ。
  15. 傍線部⑬「鳴き」の正体を答えよ。これは助動詞か、動詞の一部か。
  16. 傍線部⑭「なり」の文法的意味を答えよ。直前の「宿」の品詞に触れて根拠を示せ。
  17. 傍線部⑮「なり」の文法的意味を答えよ。また「人の語りき」とあることから、断定・伝聞推定のどちらと判断できるか、理由とともに記せ。
  18. 傍線部⑯「なり」の文法的意味を答えよ。直前の「名所」の品詞と、文末の「と聞く」に注意して根拠を示せ。
  19. 本文①〜⑯の傍線部のうち、断定の助動詞「なり」であるものをすべて選び、番号で答えよ。
  20. 本文①〜⑯の傍線部のうち、伝聞・推定の助動詞「なり」であるものをすべて選び、番号で答えよ。
  21. 断定の助動詞「なり」と伝聞・推定の助動詞「なり」は、どのような点に着目すれば見分けられるか。接続(直前の語の活用形)の違いを中心に、一〜二文で説明せよ。
  22. 伝聞・推定の助動詞「なり」が、断定の助動詞「なり」と異なり意味の面でどのような特徴(情報の根拠)を持つか、一文で説明せよ。
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問1 断定の助動詞「なり」。根拠=直前の「王」が体言(名詞)であり、体言に接続する「なり」は断定。訳「私こそがこの国の王である」。

問2 イ(伝聞・推定の助動詞)。直前「聞こゆ」は下二段動詞の終止形で、終止形+「なり」は伝聞・推定。しかも「笛の音」という音声が根拠になっている。

問3 「聞こゆ」は終止形であり、音声(笛の音)を根拠とするので伝聞・推定の助動詞。訳例「笛の音が山の方から聞こえてくるようだ(聞こえるという)」。

問4 動詞「成る」の連用形。終止形(基本形)は「成る」(ラ行四段)。「大木となりぬ」=「大木になってしまった」。完了「ぬ」に連なる連用形であることも手がかり。

問5 形容動詞ナリ活用の終止形活用語尾。「あはれなり」で一語の形容動詞であり、「なり」はその一部(助動詞ではない)。訳「たいそう趣深い」。

問6 断定の助動詞「なり」。直前の「女」は体言(名詞)。訳「あの人は心やさしい女」。

問7 ア(断定)。直前「する」はサ変動詞の連体形。連体形+「なり」で断定。なお冒頭「すなる」の「なる」は終止形「す」+伝聞推定で、対比に注意。

問8 訳例「男も書くという日記というものを、女(の私)も書いてみようと思って、書くのだ。」(最後の「なり」は連体形「する」に付く断定。『土佐日記』冒頭を踏まえた学習用改変)。

問9 動詞「鳴る」の連用形。品詞は動詞(ラ行四段)、活用形は連用形(下に「て」が続く)。「夜もすがら鳴りて」=「一晩中鳴って」。

問10 伝聞・推定の助動詞。直前「聞こゆ」は終止形に接続。水の音という音声が根拠であり、「聞こゆなり」=「聞こえてくるようだ」。

問11 断定の助動詞「なり」。直前の「しるし」は体言(名詞)で、体言+「なり」は断定。訳「この花が咲くのは、ほんとうに春のしるしであったなあ」。

問12 伝聞・推定の助動詞。「吹く」はカ行四段動詞の終止形。終止形+「なり」で伝聞・推定(風の音という音声が根拠)。訳「沖の風が激しく吹いているようだ、舟を出すな」。

問13 形容動詞ナリ活用「静かなり」の終止形活用語尾。語全体の品詞は形容動詞、活用の種類はナリ活用。「なり」だけを助動詞と見誤らないこと。訳「たいそう静かだ」。

問14 (1) 動詞「成る」の連用形。直前「人に」の格助詞「に」+「なり」で「(高徳の)人におなりになった」と変化を表す。助動詞ではない点に注意。 (2) 終止形(基本形)は「成る」(ラ行四段)。

問15 形容動詞ではなく、ここでは「鳴き」=動詞の一部。「ねず鳴き」で「ねずみの鳴きまね(チューチュー鳴くこと)」を表す名詞的なまとまりで、「鳴き」は動詞「鳴く」の連用形が含まれる語。助動詞「なり」ではない。『枕草子』を踏まえた学習用例。

問16 断定の助動詞「なり」。直前「宿」は体言(名詞)なので断定。訳「訪ねて来る人もない宿であったなあ」。

問17 伝聞・推定の助動詞。「降る」はラ行四段動詞の終止形に接続。さらに「人の語りき」とあり、人づての情報(伝聞)が根拠なので伝聞・推定。訳「都では今ごろ雪が降っているというと、人が語った」。

問18 伝聞・推定の助動詞。直前「名所」は体言だが、ここは「名所なり」=断定「名所だ」に、引用の「と」+「聞く」が付いた形で、傍線部「なり」自体は体言+なり=断定。文末「と聞く」が伝聞を別に表している点に注意。訳「あの山は紅葉の名所と聞いている」。※「なり」単体は断定が正答。

問19 断定の助動詞であるもの:① ⑤ ⑥(=⑥の文末「なり」) ⑨ ⑭ ⑯。(いずれも直前が体言または連体形・体言相当)

問20 伝聞・推定の助動詞であるもの:② ⑧ ⑩ ⑮。(いずれも直前が終止形で、音声や伝聞が根拠)

問21 見分けの中心は接続。直前が体言または連体形なら断定(「〜だ・である」)、直前が終止形(ラ変型は連体形)なら伝聞・推定(「〜という・〜ようだ」)。まず傍線部の直前の語が何形かを確認するのが第一歩。

問22 伝聞・推定の「なり」は、音声・物音や人づての情報を根拠として「〜のようだ・〜という(のが聞こえる)」と、話し手が直接見ていない事柄を推し量って述べる点に特徴がある。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。

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