漢文句法「書き下し文のルール」確認テスト|定期テスト対策|誰でも古典塾

書き下し文のルール|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

漢文を日本語の文語文として読むために、訓点に従って書き改めたものを「書き下し文(読み下し文)」といいます。書き下しには決まったルールがあり、これを守らないと正しい古文として読めません。最も大切なのは、助詞・助動詞にあたる字(之・者・也・乎・矣・不・無・可・与・而 など)は漢字のままにせず平仮名で書くこと、而・於・于・乎などの「置き字」は読まないので書き下し文にも書かないこと、そして再読文字(未・将・当・応・宜・須・猶 など)は一度目を漢字、二度目を平仮名で書くことの三点です。送り仮名は歴史的仮名遣いで添えます。次の各例文について、後の問いに答えよ。

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本文

※例文は学習用です。
① 我読書。(我、書を読む。)→ 我書を読む。
② 学而時習之。(学びて時に之を習ふ。)→ 学びて時に之を習ふ。〔而=置き字・読まない/之=平仮名/習+ふ〕
③ 過則勿改。(過てば則ち改むるを憚ること勿かれ。)→ 過てば則ち改むるを憚ること勿かれ。〔則・勿を平仮名に〕
④ 未だ嘗て~ず。例:未嘗有也。(未だ嘗て有らざるなり。)→ 未だ嘗て有らざるなり。〔未=再読文字・二度目「ず」は平仮名/也=平仮名〕
⑤ 将江。(将に江を渡らんとす。)→ 将に江を渡らんとす。〔将=再読文字・二度目「とす」は平仮名〕
⑥ 不虎穴、不虎子。(虎穴に入らずんば、虎子を得ず。)→ 虎穴に入らずんば、虎子を得ず。〔不=平仮名「ず」〕
⑦ 無己者。(己に如かざる者を友とすること無かれ。)→ 己に如かざる者を友とすること無かれ。〔無・者を平仮名に〕
⑧ 学不以已。(学は以て已むべからず。)→ 学は以て已むべからず。〔可=平仮名「べ」/不=平仮名「ず」〕
⑨ 己所欲、勿於人。(己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。)→ 己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。〔於=置き字・読まない・書かない〕
⑩ 青取之於藍。(青は之を藍より取る。)→ 青は之を藍より取る。〔於=「より」と読む場合は書く。読む置き字は書き、読まない置き字は書かない〕
⑪ 当務之急。例:事当此。(事当に此くのごとくなるべし。)→ 事当に此くのごとくなるべし。〔当=再読文字・二度目「べし」は平仮名〕
⑫ 与朋友交。(朋友と交はる。)→ 朋友と交はる。〔与=「と」と読み平仮名に/交+はる〕

設問

  1. ①「我読書。」を、訓点に従って正しく書き下しなさい。
  2. ②「学而時習之。」を書き下しなさい。
  3. ②の「而」は書き下し文ではどのように扱うか(書くか・書かないか、また送り仮名のどこに溶け込むか)を説明しなさい。
  4. ②の「之」を、書き下し文では何と読んで平仮名で書くか答えなさい。
  5. 次の書き下し文には誤りがある。②を「学び而時に之を習ふ。」と書き下した場合の誤りを指摘し、正しく直しなさい。
  6. ③「過則勿憚改。」を書き下しなさい。
  7. ③で「則」「勿」を漢字のままにせず平仮名で書くのはなぜか、助字の扱いという観点から一文で説明しなさい。
  8. ④「未嘗有也。」を書き下しなさい。
  9. ④の「未」は再読文字である。一度目と二度目を、それぞれ漢字で書くか平仮名で書くか答えなさい。また「也」をどう書き下すかも答えなさい。
  10. ⑤「将渡江。」を書き下しなさい。また「将」の二度目の読みを平仮名で答えなさい。
  11. ⑥「不入虎穴、不得虎子。」を書き下しなさい。
  12. ⑥の二つの「不」を、書き下し文では何と読んで平仮名で書くか答えなさい。
  13. 次の書き下し文には誤りがある。⑥を「虎穴に入ら不んば、虎子を得不。」と書き下した場合の誤りを指摘し、正しく直しなさい。
  14. ⑥「虎穴に入らずんば、虎子を得ず。」を現代語訳しなさい。
  15. ⑦「無友不如己者。」を書き下しなさい。
  16. ⑦の「無」「者」を、書き下し文ではそれぞれどのように平仮名で書くか答えなさい。
  17. ⑦「己に如かざる者を友とすること無かれ。」を現代語訳しなさい。
  18. ⑧「学不可以已。」を書き下しなさい。
  19. ⑧の「可」「不」を、書き下し文ではそれぞれ何と読んで平仮名で書くか答えなさい。
  20. 次の書き下し文には誤りがある。⑧を「学は以て已む可からず。」と書き下した場合の誤りを指摘し、正しく直しなさい。
  21. ⑨「己所不欲、勿施於人。」を書き下しなさい。
  22. ⑨の「於」を書き下し文に書くか・書かないか答え、その理由を説明しなさい。
  23. ⑩「青取之於藍。」を書き下しなさい。
  24. ⑩「青は之を藍より取る。」を現代語訳しなさい。
  25. ⑪「事当如此。」を書き下しなさい。また「当」の二度目の読みを平仮名で答えなさい。
  26. ⑫「与朋友交。」を書き下しなさい。また「与」を何と読んで平仮名にするか答えなさい。
  27. ⑩の「於」は「より」と読む。この場合、書き下し文に書くか・書かないか答えなさい。また⑨の「於」との違いを説明しなさい。
  28. 記述問題:「書き下し文を作るときの基本ルール」を、(ア)助詞・助動詞にあたる字、(イ)置き字、(ウ)再読文字の三点に触れて、二〜三文で説明しなさい。
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問1 我書を読む。

問2 学びて時に之を習ふ。

問3 「而」は順接(〜て)を表す置き字で、ここでは独立した字としては書き下し文に書かない。送り仮名「て」(「学び+て」)に溶け込ませる。

問4 「これ」と読んで平仮名で書く(「之を」=「これを」)。代名詞にあたる字なので漢字のままにしない。

問5 誤りは「而」を漢字のまま残している点。正しくは「学びて時に之を習ふ。」。「而」は置き字なので書かず、送り仮名「て」に溶かす。

問6 過てば則ち改むるを憚ること勿かれ。

問7 「則」(接続の「すなはち」)も「勿」(禁止の「なかれ」)も助詞・助動詞にあたる字(助字)であり、書き下し文では助字を平仮名で書くという原則に従うため。

問8 未だ嘗て有らざるなり。

問9 「未」は再読文字で、一度目は漢字「未(いま)だ」、二度目は平仮名「ず」。「也」は平仮名「なり」と書く。

問10 将に江を渡らんとす。 「将」の二度目の読みは平仮名「とす」。

問11 虎穴に入らずんば、虎子を得ず。

問12 いずれも打消の助動詞で「ず」と読み、平仮名で書く(「入らず」「得ず」)。

問13 誤りは「不」を漢字のまま残している点。正しくは「虎穴に入らずんば、虎子を得ず。」。「不」は平仮名「ず」にする。

問14 虎穴(とらの住む穴)に入らなければ、虎の子は得られない。(危険を冒さなければ大きな成果は得られない、の意。)

問15 己に如かざる者を友とすること無かれ。

問16 「無」は禁止で「なかれ」(または「なし」)、「者」は「もの」と読んで、いずれも平仮名で書く。

問17 自分に及ばない(自分より劣った)者を友としてはならない。

問18 学は以て已むべからず。

問19 「可」は「べし」(ここは打消を伴い「べ」)、「不」は「ず」と読み、合わせて「べからず」。いずれも平仮名で書く。

問20 誤りは「可」を漢字のまま残している点。正しくは「学は以て已むべからず。」。「可」は平仮名「べ」にする。

問21 己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ。

問22 書かない。「於」は対象(〜に)を示す置き字で読まないため、書き下し文には書かない。対象は送り仮名「に」(「人に」)で示す。

問23 青は之を藍より取る。

問24 青色は藍(あいの草)から取る(が、もとの藍より青い)。〔学問や努力によって師を超える「出藍」のたとえ。〕

問25 事当に此くのごとくなるべし。 「当」の二度目の読みは平仮名「べし」。

問26 朋友と交はる。 「与」は「と」と読んで平仮名にする。

問27 書く。⑩の「於」は「より」と読んで意味を担うので、平仮名「より」として書き下し文に書く。⑨の「於」は読まない置き字なので書かない。「読む置き字は書き、読まない置き字は書かない」という違いである。

問28 (記述・解答例)書き下し文では、(ア)之・者・也・不・無・可・与・而などの助詞・助動詞にあたる字は漢字のままにせず平仮名で書く。(イ)而・於・于・乎などの置き字は読まないので書き下し文には書かない(ただし「より」「に」などと読んで意味を持つときは平仮名で書く)。(ウ)未・将・当などの再読文字は一度目を漢字、二度目を平仮名で書く。さらに送り仮名は歴史的仮名遣いで添える。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。

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