助動詞「まほし・たし」確認テスト(希望)|定期テスト対策|誰でも古典塾

まほし・たし|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

助動詞「まほし」と「たし」は、どちらも「〜たい・〜てほしい」という希望(願望)を表す助動詞で、定期テストでは「意味・接続・活用」の三点がねらわれます。最大のポイントは接続のちがいです。「まほし」は未然形に接続し、やや古めかしく優美な文章で使われます(例:あら+まほし=あらまほし)。一方「たし」は連用形に接続し、後の時代の口語的な文章で多く使われます(例:見+たし=見たし)。活用は「まほし=シク活用型(まほしく・まほしき・まほしけれ…)」「たし=ク活用型(たく・たき・たけれ…)」と、形容詞と同じ型である点もよく問われます。どちらも自己の希望が中心で、ときに「〜てほしい」と他への願望にもなります。接続や活用に不安がある人は、古文の助動詞27個を完全攻略|接続・活用・意味を体系的に整理する4ステップもあわせて確認しておきましょう。次の各例文を読み、後の問いに答えよ。

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本文

① 少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。(『徒然草』第五十二段)
② いかでこのかぐや姫を得てしがな、見まほしと、音に聞きめでて惑ふ。
③ 深き山の奥にこそ、心しづかに住ままほしけれ
④ いかで都の便りを聞かまほしう思へど、たより絶えてなし。
⑤ あはれと言ふべき人もあらまほしき世なり。
⑥ この花の散らまほしからぬほどに、いま一度見ばや。
⑦ 昔の友に今ひとたび逢はまほしきこと、せちなり。
⑧ われもその舟に乗りたしと申ししかど、許されず。
⑨ この刀、いかにもして手に入れたくおぼゆ。
⑩ いま一献、この酒を飲みたきものかな。
⑪ その山の景色、ひと目見たけれど、道遠くしてかなはず。
⑫ われは故郷へ帰りたし。されど世のしがらみ多くして、え帰らず。
⑬ 京なる人に、この事つぶさに語りたくこそ侍れ。
⑭ この書、写したくて、夜もすがら筆を執りぬ。

※②〜⑭は、助動詞「まほし」「たし」の用法を学ぶための学習用オリジナル例文(擬古文)です。①のみ『徒然草』からの正確な引用です。

設問

  1. 例文①「あらまほしき事なり」の「まほし」の表す意味として最も適切なものを、次から選べ。
    • ア 希望(〜てほしい・〜たい) イ 推量(〜だろう) ウ 打消(〜ない) エ 過去(〜た)
  2. 例文①「先達はあらまほしき事なり」を現代語訳せよ。
  3. 「まほし」「たし」はいずれも自己の希望が中心だが、ときに「〜てほしい」と他への願望を表すこともある。例文①の「先達はあらまほし」は、自己・他者のどちらへの希望に近いか。理由とともに簡潔に説明せよ。
  4. 「まほし」は動詞のどの活用形に接続するか。活用形の名称で答えよ。また、例文②「見まほし」の「見」は何形か、あわせて答えよ。
  5. 例文③「深き山の奥にこそ、心しづかに住ままほしけれ」を現代語訳せよ。
  6. 例文④「聞かまほしう思へど」の「まほしう」は、もとはどのような形が変化したものか。次から選べ。また、この音の変化を何というか答えよ。
    • ア まほしく イ まほしき ウ まほしけれ
  7. 例文⑤「あはれと言ふべき人もあらまほしき世なり」を現代語訳せよ。
  8. 例文⑥「散らまほしからぬほどに」の「まほしから」は、「まほし」に打消「ず」が付いて「散ってほしくない」の意になっている。この「まほしから」の活用形を答えよ。
  9. 例文⑧「その舟に乗りたしと申ししかど」の「たし」の表す意味として最も適切なものを、次から選べ。
    • ア 希望(〜たい) イ 当然(〜べきだ) ウ 完了(〜てしまった)
  10. 「たし」は動詞のどの活用形に接続するか。活用形の名称で答えよ。また、例文⑧「乗りたし」の「乗り」は何形か、あわせて答えよ。
  11. 例文⑩「いま一献、この酒を飲みたきものかな」を現代語訳せよ。
  12. 例文⑫「われは故郷へ帰りたし」は、だれの希望を表しているか。次から選べ。
    • ア 自己(話し手自身)の希望 イ 他者への願望(〜てほしい) ウ 一般的な事実
  13. 例文⑫「われは故郷へ帰りたし。されど世のしがらみ多くして、え帰らず」を現代語訳せよ。
  14. 例文③「住ままほしけれ」と例文⑤「あらまほしき世なり」では、希望の対象(願っている内容)はそれぞれ何か。簡潔に答えよ。
  15. 例文①「あらまほしき」、例文③「住ままほしけれ」、例文⑦「逢はまほしき」の「まほし」の活用形(未然形・連用形・終止形・連体形・已然形)を、それぞれ答えよ。
  16. 例文⑨「手に入れたくおぼゆ」、例文⑩「飲みたきものかな」、例文⑪「見たけれど」の「たし」の活用形を、それぞれ答えよ。
  17. 助動詞「まほし」の活用は、形容詞のどの活用型と同じか。次から選べ。
    • ア ク活用型 イ シク活用型 ウ ナリ活用型
  18. 助動詞「たし」の活用は、形容詞のどの活用型と同じか。次から選べ。
    • ア ク活用型 イ シク活用型 ウ ナリ活用型
  19. 次の二つの語のつながりについて、( )に入る動詞の活用形の名称を答えよ。
    • (1) 「住ま+まほし」…「住ま」は四段動詞「住む」の(  )形。
    • (2) 「乗り+たし」…「乗り」は四段動詞「乗る」の(  )形。
  20. 「まほし」と「たし」は意味がほとんど同じだが、使われ方にちがいがある。接続用いられる時代・文体の二点から、両者のちがいを説明せよ。
  21. 次の傍線部「たき」「たく」「たけれ」のうち、已然形はどれか、例文番号で答えよ。また、そう判断できる手がかりを一つ示せ。
  22. 「あらまほし」という語は、現代語の「あらまほしい(理想的だ・好ましい)」のもとになった。「あらまほし」を単語に分けると、どのような組み立てになるか説明せよ。
  23. 次の現代語を、希望の助動詞を用いた古文に直すとき、( )に入る最も適切な語を答えよ。
    • (1) 「(この花を)見たい。」… この花を 見(  )。(連用形接続の口語的な語で、終止形)
    • (2) 「(人が)いてほしい。」… 人 あら(  )。(未然形接続の優美な語で、連体形「〜き」につながる形)
▼ 解答・解説を見る

問1 ア(希望)。「まほし」は「〜てほしい・〜たい」という願望を表す助動詞です。「あらまほし」は「あってほしい・いてほしい」の意味になります。

問2 「ちょっとしたことであっても、案内してくれる先導者(指導者)はいてほしいものだ。」(=何事につけても、導いてくれる人はあってほしいものだ。)

問3 (例)他者への希望に近い。「先達(案内してくれる人)」という自分以外の人が「いてほしい」と願っているので、自己の動作ではなく他者の存在を望む願望になっています。(「まほし」「たし」は基本は自己の希望ですが、このように「〜てほしい」と他への願望を表すこともあります。)

問4 「まほし」は動詞の未然形に接続します。例文②「見まほし」の「見」は、上一段動詞「見る」の未然形「見」です。

問5 「(できることなら)深い山の奥にこそ、心静かに住みたいものだ。」「こそ〜まほしけれ」の係り結びで、強調されています。

問6 もとの形=ア(まほしく)。音の変化=ウ音便。連用形「まほしく」の「く」がウ音便化して「まほしう」となりました(形容詞・形容詞型の助動詞によく起こります)。

問7 「しみじみと心を通わせて『あはれ』と言い合えるような人も、いてほしい世の中であるよ。」(情趣を解する相手があってほしい、という願いです。)

問8 未然形。「まほし」(シク活用型)の未然形は「まほしく/まほしから」で、打消「ず」が付くときは「まほしから+ず」となります。「散らまほしからず」で「散ってほしくない」の意です。

問9 ア(希望)。「たし」も「〜たい」という願望の助動詞です。「乗りたし」で「乗りたい」となります。

問10 「たし」は動詞の連用形に接続します。例文⑧「乗りたし」の「乗り」は、四段動詞「乗る」の連用形「乗り」です。

問11 「もう一杯、この酒を飲みたいものだなあ。」「一献(いっこん)」は「一杯(の酒)」、「〜ものかな」は詠嘆で「〜ものだなあ」と訳します。

問12 ア(自己の希望)。「帰りたし」で「(私は)帰りたい」と、話し手自身の願いを表しています。

問13 「私は故郷へ帰りたい。けれども世の中のしがらみが多くて、帰ることができない。」「え〜ず」で「〜できない」の意です。

問14 ③=(深い山の奥に)心静かに住みたい、という希望。⑤=しみじみと心を交わせる(情けを語り合える)人があってほしい、という希望。どちらも話し手自身の願いです。

問15 ①「あらまほしき」=連体形(下に体言「事」が続く)。③「住ままほしけれ」=已然形(係助詞「こそ」の結びで已然形)。⑦「逢はまほしき」=連体形(下に体言「こと」が続く)。「まほし」はシク活用型で「(まほしく)・まほしく・まほし・まほしき・まほしけれ・○」と活用します。

問16 ⑨「たく」=連用形(下に動詞「おぼゆ」が続く)。⑩「たき」=連体形(下に体言「もの」が続く)。⑪「たけれ」=已然形(下に接続助詞「ど」が続く)。「たし」はク活用型で「(たく)・たく・たし・たき・たけれ・○」と活用します。

問17 イ(シク活用型)。「まほし」は「まほしく・まほしき・まほしけれ」と、形容詞のシク活用と同じ型で活用します。

問18 ア(ク活用型)。「たし」は「たく・たき・たけれ」と、形容詞のク活用と同じ型で活用します。

問19 (1) 未然形(「住む」の未然形「住ま」+未然形接続の「まほし」)。(2) 連用形(「乗る」の連用形「乗り」+連用形接続の「たし」)。接続のちがいが、「まほし」と「たし」を見分ける決め手になります。

問20 (例)接続…「まほし」は未然形に接続し、「たし」は連用形に接続する。時代・文体…「まほし」は古く優美な文章で用いられ、「たし」は後の時代の口語的な文章で多く用いられる。(意味はどちらも「〜たい・〜てほしい」でほぼ同じです。)

問21 已然形=(見たけれど)。手がかり…下に接続助詞「ど(〜けれど)」が続いているので已然形だと判断できます。⑩「たき」は下に体言「もの」が続くので連体形、⑨「たく」は下に動詞「おぼゆ」が続くので連用形です。

問22 「あらまほし」=ラ変動詞「あり」の未然形「あら」+希望の助動詞「まほし」。つまり「あってほしい・あるのが望ましい」が原義で、そこから「理想的だ・好ましい」の意味(現代語「あらまほしい」)に広がりました。

問23 (1) たし(「見たし」=見たい)。「たし」は連用形「見」に付き、終止形は「たし」です。(2) まほし(「あらまほしき」=いてほしい)。「まほし」は未然形「あら」に付き、連体形は「まほしき」です。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。本文の引用は古典作品(著作権の対象外)から正確に行っています。

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