助動詞「ず」確認テスト(打消)|定期テスト対策|誰でも古典塾

ず|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

助動詞「ず」は打消(「〜ない」)を表し、活用語の未然形に接続します。活用は「ず・ず・ず・ぬ・ね・○」と、ラ変型の「ざり系列(ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ)」=「ず」+「あり」からできた二系列があります。テストでは特に連体形「ぬ」・已然形「ね」が、完了の助動詞「ぬ」(終止形「ぬ」・連体形「ぬる」・已然形「ぬれ」・命令形「ね」)と紛らわしく、最も多く問われます。見分けの決め手は直前の語が未然形(打消「ず」)か連用形(完了「ぬ」)かです。次の各例文を読み、後の問いに答えよ。

📥 PDFダウンロード(無料・印刷OK)
問題用紙とテスト形式で解きたい人はこちら。 📝 問題編PDF(全22問)✅ 解答・解説編PDF

本文

① 人はいさ心も知らふるさとは花ぞ昔の香ににほひける(『古今和歌集』)
② これやこの行くも帰るも別れては知るも知らも逢坂の関(『後撰和歌集』)
③ 秋来と目にはさやかに見えども風の音にぞおどろかれぬる(『古今和歌集』)
④ 駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人にあはなりけり(『伊勢物語』)
⑤ 都へと思ふをものの悲しきは帰ら人のあればなりけり(『土佐日記』)
⑥ 京にはあら、あづまの方に住むべき国求めにとてゆきけり。(『伊勢物語』)
⑦ 神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見(『徒然草』)
⑧ 仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただ一人、徒歩より詣でけり。(『徒然草』)
⑨ ゆく河の流れは絶えして、しかももとの水にあら(『方丈記』)
⑩ 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。おごれる人も久しから、ただ春の夜の夢のごとし。(『平家物語』)
⑪ 親のあはすれども、聞かなむありける。(『伊勢物語』)
⑫ よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし(『方丈記』)
⑬ 逢ひ見ての後の心にくらぶれば昔は物を思はざりけり(『拾遺和歌集』)
⑭ めぐり逢ひて見しやそれともわか間に雲がくれにし夜半の月かな(『新古今和歌集』)

設問

  1. 例文①「人はいさ心も知らず」の傍線部「心も知らず」を現代語訳せよ。
  2. 例文③の傍線部「見えども」の「ね」の活用形を答えよ。
  3. 例文③には「ぬ」と「ね」が一つずつ含まれる。「秋来」の「ぬ」と「見えども」の「ね」は、それぞれ打消「ず」か完了「ぬ」か。判別し、理由を「直前の語が未然形か連用形か」という観点から説明せよ。
  4. 例文④の傍線部「あはなりけり」の「ぬ」は打消「ず」である。その活用形を答えよ。また、なぜ完了の「ぬ」ではないと言えるか、直前の語に着目して説明せよ。
    • 直前の「あは」は何形か。
  5. 例文④「うつつにも夢にも人にあはぬなりけり」を現代語訳せよ。
  6. 例文⑤の傍線部「帰ら人」の「ぬ」は打消「ず」である。その活用形を答えよ。
  7. 例文⑥の傍線部「あら」の「じ」は「ず」とは別の助動詞である。「じ」の意味を二つ答え、「ず」との意味の違いを一言で説明せよ。
  8. 例文⑦「山までは見ず」を現代語訳せよ。
  9. 例文⑧の傍線部「拝まざりければ」の「ざり」の活用形を答えよ。
    • その「ざり」のすぐ下にある「けれ」は、どの助動詞の何形か。
  10. 例文⑧「年寄るまで石清水を拝まざりければ」を現代語訳せよ。
  11. 例文⑨の傍線部「もとの水にあら」の「ず」の活用形を答えよ。
  12. 例文⑨の傍線部「絶えして」の「ず」の活用形を答えよ。
  13. 例文⑩「おごれる人も久しから」について、(1)「ず」の活用形を答え、(2)全体を現代語訳せよ。
  14. 「ず」は活用語のどの活用形に接続するか。文法用語で答えよ。例文①②③④⑤のうちから、その接続を確かめられる例を一つ挙げて示せ。
  15. 次の傍線部「ぬ」「ね」のうち、打消の助動詞「ず」(の連体形「ぬ」・已然形「ね」)であるものをすべて選べ。
    • (ア) 花も咲か
    • (イ) 花は散り
    • (ウ) いまだ知ら
    • (エ) 早く起き(=起きてしまえ)
    • (オ) 風吹かば波立たず
  16. 前問の(ア)〜(オ)について、打消「ず」と完了「ぬ」とを見分けた根拠を、「直前の語が未然形か連用形か」という観点からそれぞれ説明せよ。
  17. 「咲かぬ」と「散りぬ」では、同じ「ぬ」でも意味がまったく異なる。それぞれを現代語訳せよ。
  18. 「行かね(ば)」と「行きね」では、「ね」の意味が異なる。それぞれを現代語訳せよ。
  19. 「ず」のザリ系列(ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ)は、どのようにしてできた形か。成り立ちを説明せよ。
    • もとになった二語は何か。
    • その活用は、どの動詞(活用の種類)と同じになるか。
  20. 「ず」の本系列の終止形・連体形・已然形をそれぞれ答えよ。
    • 終止形
    • 連体形
    • 已然形
  21. 連体形「ぬ」が文中に出てきたとき、それが打消「ず」か完了「ぬ」かを瞬時に見分けるための「直前の語」の手がかりを、一文で説明せよ。
  22. 已然形「ね」が「〜ねば」の形で出てきたとき、それは打消「ず」の已然形である。その理由を、完了「ぬ」の命令形「ね」との違いに触れて説明せよ。
    • 「〜ねば」と「〜ね。」では何が違うか。
▼ 解答・解説を見る

問1 「(人の)心はさあ(どうだか)わからない(=知らない)。」。「知らず」=「知らない・わからない」で、紀貫之の有名な歌(『古今和歌集』)の一節です。「いさ」は「さあ(どうだか)」と打消を伴って用います。

問2 已然形。「見えねども」は「見え+ね+ども」で、接続助詞「ども」は已然形に接続するので、「ね」は打消「ず」の已然形です。「見えねども」=「(はっきりとは)見えないけれど」。

問3 「秋来ぬ」の「ぬ」は完了(終止形)。直前の「来」は「来〈き〉」という連用形で、「来〈き〉+ぬ」だからです(「秋が来てしまった」)。一方「見えねども」の「ね」は打消(已然形)。直前の「見え」は下二段「見ゆ」の未然形「見え」で、「見え+ね」だからです(「見えないけれど」)。同じ歌の中でも、直前が連用形なら完了、未然形なら打消と決まります。

問4 連体形。「あはぬ」の下に断定の助動詞「なり」が続いており、断定の「なり」は連体形に接続するので、この「ぬ」は打消「ず」の連体形です。完了「ぬ」でないと言えるのは、直前の「あは(ハ行四段の未然形)」が未然形だからです。もし完了なら直前は連用形「あひ」になるはずです。

問5 「現実でも夢でも(あなたという)人に会わないのだなあ。」。「あはぬ」=「会わない」(あは〈未然形〉+ぬ〈打消連体形〉)、「なりけり」=「〜なのだなあ」と詠嘆します。『伊勢物語』東下りの「宇津の山」の歌の一節です。

問6 連体形。「帰らぬ」がすぐ下の体言「人」を修飾している(「帰らない人」)ので、連体形です。連体形は本系列では「ぬ」の形になります。直前の「帰ら」が未然形なので、完了「ぬ」ではなく打消「ず」の連体形と分かります。

問7 「じ」の意味は、(1) 打消推量「〜ないだろう」、(2) 打消意志「〜まい・〜ないつもりだ」の二つです。違いを一言で言うと、「ず」は事実をそのまま打ち消す(〜ない)のに対し、「じ」は推量・意志を打ち消す(〜ないだろう・〜まい)という点です。

問8 「(神社のある)山までは見ない(=見なかった)。」。「見ず」は「見(マ上一「見る」の未然形)+ず(終止形)」で、言い切りの打消です。仁和寺の法師が、ふもとの社だけを拝んで本当の目的地(山上の石清水八幡宮)までは見なかった、という場面です。

問9 連用形。「ざりけれ」は「ざり+けり(過去)の已然形『けれ』」という組み立てです。過去の助動詞「けり」は連用形に接続するので、その上にある「ざり」は連用形です。すぐ下の「けれ」は、過去の助動詞「けり」の已然形(下の「ば」に続くため)です。

問10 「(仁和寺の法師は)年をとるまで石清水(八幡宮)を参拝しなかったので、」。「拝ま(未然形)+ざり(ず+あり)+けれ(過去『けり』の已然形)+ば」という形で、「〜しなかったので」と理由を表します。

問11 終止形。「もとの水にあらず。」とここで言い切って文が終わっているので終止形です。終止形も「ず」の形になります。

問12 連用形。「絶えず」の下に「して」(接続助詞)が続いて下に文がつながっていくので連用形です。「絶えずして」=「絶えることがなくて」。

問13 (1) 終止形。「おごれる人も久しからず、」とここで一度言い切り(中止し)、読点で句が切れています。(2) 「勢いの盛んな者も長くは続かない。」。「久しから(形容詞「久し」の未然形〈カリ活用〉)+ず(終止形)」で「長く続かない」という打消です。『平家物語』冒頭の一節です。

問14 未然形。「ず」は必ず未然形に接続します。例:例文①「知ら+ず」(ラ行四段「知る」の未然形「知ら」)、例文④「あは+ぬ」(未然形「あは」)など。下に「ず・ぬ・ね」がつく形が未然形です。

問15 打消「ず」であるのは (ア)・(ウ)・(オ)
(ア)「咲かぬ」=「咲か(未然形)+ぬ」で打消の連体形。
(ウ)「知らぬ」=「知ら(未然形)+ぬ」で打消の連体形。
(オ)「吹かね」=「吹か(未然形)+ね」で打消の已然形(〜ねば)。
一方、(イ)「散りぬ」は「散り(連用形)+ぬ」で完了の終止形、(エ)「起きね」は「起き(連用形)+ね」で完了の命令形「〜てしまえ」です。

問16 見分けの根拠は「直前の語が未然形なら打消『ず』、連用形なら完了『ぬ』」です。
・打消とした(ア)咲か・(ウ)知ら・(オ)吹かは、いずれも下に「ず」をつけられる形=未然形です。
・完了とした(イ)散り・(エ)起きは、「ます」をつけられる形=連用形です(散り+ます/起き+ます)。同じ「ぬ・ね」でも、直前が未然形か連用形かで意味が決まります。

問17 「咲かぬ(里)」=「咲かない(里)」。「散りぬ」=「散ってしまった」。前者は打消、後者は完了(「〜てしまった」)です。

問18 「行かね(ば)」=「行かないので・行かないと」。「行きね」=「行ってしまえ」。前者は打消「ず」の已然形+接続助詞「ば」、後者は完了「ぬ」の命令形です。

問19 ザリ系列は、打消「ず」(の連用形「ず」)に、ラ変動詞「あり」がついた「ずあり」が音の縮まり(音便)で「ざり」となり、一語のようになったものです(ず+あり→ざり)。もとになった二語は「ず」と「あり」。活用はラ変動詞「あり」と同じ(ラ行変格活用)になり、「ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ」と変化します。

問20 終止形=「ず」。連体形=「ぬ」。已然形=「ね」。(ザリ系列で言えば連体形「ざる」・已然形「ざれ」も使われます。)

問21 「直前の語が未然形なら打消『ず』の連体形『ぬ』、連用形なら完了『ぬ』の終止形」。(例:咲か〈未然〉+ぬ=打消/散り〈連用〉+ぬ=完了。)

問22 「〜ねば」の「ね」は、直前が未然形になっていて、打消「ず」の已然形に接続助詞「ば」がついた形なので「〜ないので・〜ないと」の意味になります。一方、完了「ぬ」の命令形「ね」は文を言い切って「〜てしまえ」と命令します。つまり、後ろに「ば」が続いて文がまだ続くなら打消已然形「ね」、「ね。」で言い切るなら完了命令形「ね」と見分けます。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。本文の引用は古典作品(著作権の対象外)から正確に行っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました