助動詞「べし」確認テスト(推量・当然・意志ほか)|定期テスト対策|誰でも古典塾

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助動詞「べし」は、定期テストでも入試でも最頻出の最重要語です。意味は「推量・意志・可能・当然・命令・適当」の六つが基本で、頭文字をとって「スイカトメテ(推量・意志・可能・当然・命令・適当)」と覚えます。最大のポイントは、文脈に応じてどの意味かを見分けること。接続は終止形接続(ただしラ変型には連体形に付く)で、活用はク活用型「べく・べく・べし・べき・べけれ・○」、打消推量「まじ」とちょうど裏返しの関係になる点もよく問われます。識別のコツをもっとくわしく知りたい人は、古文「べし」の識別を完全攻略もあわせて読んでください。次の各例文を読み、後の問いに答えよ。

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本文

① 子となり給ふべき人なめり。(『竹取物語』)
② 家の作りやうは、夏をむねとすべし。(『徒然草』)
③ 毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。(『徒然草』)
④ 天下の物の上手といへども、始めは……諸道変るべからず。(『徒然草』)
⑤ いはむや、所により身のほどに従ひつつ、心をなやます事は、あげて計ふべからず。(『方丈記』)
⑥ 咲きぬべきほどの梢、散り萎れたる庭などこそ、見所多けれ。(『徒然草』)
⑦ 世に従はん人は、まづ機嫌を知るべし。(『徒然草』)
⑧ 作文のにぞ乗るべかりける。(『大鏡』)
⑨ 例のことども皆しをへて、解由など取りて……船に乗るべき所へわたる。(『土佐日記』)
⑩ いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かめれ。(『徒然草』)
⑪ この戒め、万事にわたるべし。(『徒然草』)
⑫ かの大納言、いづれの舟にか乗らるべき。(『大鏡』)
⑬ その男……京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとて行きけり。(『伊勢物語』)

設問

  1. 例文①「子となり給ふべき人」の「べき」の意味として最も適切なものを、次から選べ。
    • ア 推量 イ 意志 ウ 可能 エ 当然 オ 命令 カ 適当
  2. 例文①「べき人なめり」の「なめり」は、もとはどのような形か。次から選べ。
    • ア なるめり イ なんめり ウ なりめり
  3. 例文①「子となり給ふべき人なめり」を現代語訳せよ。
  4. 例文②「夏をむねとすべし」の「べし」の意味を、推量・意志・可能・当然・命令・適当の中から選び、答えよ。
  5. 例文②「夏をむねとすべし」を現代語訳せよ。
  6. 例文③「この一矢に定むべしと思へ」の「べし」の意味として最も適切なものを選べ。
    • ア 推量 イ 意志 ウ 可能
  7. 例文③「この一矢に定むべしと思へ」を現代語訳せよ。
  8. 例文④「変るべからず」は、打消推量「まじ」を使うと「変る□□」と言いかえられる。□□に入る語を答え、「べし+ず」と「まじ」の関係を説明せよ。
  9. 例文⑤「あげて計ふべからず」の「べから」は、もとの「べし」のどの意味に打消が付いた形か。推量・意志・可能・当然・命令・適当の中から選べ。
  10. 例文⑤「計ふべからず」の「べから」の活用形を答えよ。
  11. 例文⑤「心をなやます事は、あげて計ふべからず」の傍線部「あげて計ふべからず」を現代語訳せよ。
  12. 例文⑥「咲きぬべきほどの梢」の「べき」の意味として最も適切なものを選べ。
    • ア 推量 イ 命令 ウ 可能
  13. 例文⑦「まづ機嫌を知るべし」の「べし」の意味として最も適切なものを、当然・命令・適当の中から選べ。
  14. 例文①「べき」、例文②「べし」、例文④「べから」、例文⑧「べかり」について、それぞれの活用形(未然形・連用形・終止形・連体形・已然形)を答えよ。
  15. 助動詞「べし」の活用を、ク活用型にならって順に書け(未然形から命令形まで)。命令形がない場合は「○」と記せ。
  16. 「べし」は原則として動詞のどの活用形に接続するか。活用形の名称で答えよ。
  17. 例文①「なり給ふべき」、例文⑨「乗るべき所」では、「べき」のすぐ下に体言が続いている。このことから「べき」は何形だと判断できるか。活用形の名称で答えよ。
  18. 「べし」がラ変型の語に付くときは、終止形ではなく何形に接続するか。「あり」を例にして説明せよ。
  19. 「べし」の打消にあたる助動詞は何か。ひらがなで答えよ。また、その助動詞は「べし」のどの意味を打ち消すか、対応を一つ説明せよ。
  20. 「スイカトメテ」とは「べし」の何を覚えるための語呂合わせか。漢字で六つ、その内容を答えよ。
  21. 例文②「すべし」と例文④「変るべからず」では、話し手の伝えたい内容の性質が異なる。両者の意味のはたらきの違いを、二十字程度で説明せよ。
  22. 次の現代語の文を「べし」を用いた古文に直すとき、( )に入る「べし」の活用形を答えよ。「ここで止まる(  )。」(=ここで止まるべきだ、の意で文末を言い切る)
  23. 「べし」は、格式の高い文章や漢文訓読調の文章でよく使われる。その理由として最も適切なものを次から選べ。
    • ア 話し言葉に近いから イ 当然・命令などの強い調子を出せるから ウ 和歌専用の語だから
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問1 エ(当然)。「子となるはずの人だ」の意味です。「~はずの」と訳せるときは当然と考えます。下に体言「人」が続くので、形は連体形「べき」になっています。

問2 イ(なんめり)。「なるめり」→(撥音便)「なんめり」→(表記で「ん」が省かれて)「なめり」となりました。「べき」の下の「なめり」は、もとは「断定『なり』の連体形『なる』+推量『めり』」です。

問3 「(この子は)子となるはずの人であるようだ。」「なめり」は「であるようだ」と訳します。

問4 適当。「家の作り方は、夏を中心にするのがよい」と、よい方法をすすめる文なので「~のがよい」=適当です。文脈によっては当然ともとれますが、教訓的にすすめているので適当が基本です。

問5 「家の作り方は、夏を中心とする(夏を第一に考える)のがよい。」

問6 イ(意志)。「この一本の矢で決めようと思え」の意味で、「~しよう」という話し手の意志を表します。直後に「と思へ」とあり、心の中の決意を述べているので意志です。

問7 「(毎回、ただ当たり外れを考えず、)この一本の矢で(勝負を)決めようと思え。」

問8 □□に入る語はまじ。「変るべからず」は「変るまじ」と言いかえられます。「べし」の未然形「べから」に打消「ず」を付けた「べからず」は、意味のうえで「まじ」とほぼ同じになり、「べし+ず」=「まじ」という対応が成り立ちます。漢文訓読では「べからず」が「まじ」の代わりによく使われます。

問9 可能。「数えあげることもできない」の意味。「計ふべからず」で「数えることができない」と訳すので、もとの「べし」は可能です。

問10 未然形。下に打消「ず」が来ているので、「べし」は未然形「べから」になっています。

問11 「(心を悩ませることは、)数えあげることもできない。」「あげて~べからず」で「すっかり(全部)~できない」と訳します。

問12 ア(推量)。「咲いてしまいそうな(今にも咲きそうな)ころの梢」の意味。「ぬべし(ぬべき)」は「きっと~だろう・今にも~しそうだ」と強い推量を表します(「ぬ」は強意・確述)。

問13 命令(または適当)。「(世に合わせて生きる人は)まず時機を知るべきだ」と、強く教え示す文なので命令(~せよ・~すべきだ)ととります。「するのがよい」と弱めれば適当です。

問14 例文①「べき」=連体形(下に体言「人」が続く)。例文②「べし」=終止形(文末で言い切る)。例文④「べから」=未然形(下に打消「ず」が続く)。例文⑧「べかり」=連用形(下に「けり」が続く)。

問15 べく・べく・べし・べき・べけれ・○(未然・連用・終止・連体・已然・命令)。命令形はないので「○」です。ク活用の形容詞と同じ活用をします。

問16 終止形。「べし」は終止形接続です。ただしラ変型の語には連体形に付きます(問18参照)。

問17 連体形。「べき」のすぐ下に体言(①「人」、⑨「所」)が続いているので、ここは連体形だと判断できます。

問18 連体形に接続する。ラ変動詞「あり」やラ変型に活用する語(形容詞・形容動詞、助動詞「なり・たり・けり・めり」など)に付くときは、終止形ではなく連体形に付きます。たとえば「あり」に付くと、終止形「あり」ではなく連体形「ある」を使い「あるべし」となります。「あり」は終止形「あり」と連体形「ある」が異なるため、このようなことが起こります。

問19 打消の助動詞はまじ。「べし」が推量・意志・可能・当然・命令・適当を表すのに対し、「まじ」はその裏返しで、打消推量(~ないだろう)・打消意志(~まい)・不可能(~できない)・打消当然(~べきでない)・禁止(~てはならない)・不適当(~ない方がよい)を表します。たとえば「べし(可能・~できる)」⇔「まじ(不可能・~できない)」が対応します。

問20 「べし」の六つの意味、すなわち推量・意志・可能・当然・命令・適当を覚えるための語呂合わせです。「ス(推量)イ(意志)カ(可能)ト(当然)メ(命令)テ(適当)」と頭文字をつなげています。

問21 (例)「すべし」は『するのがよい・すべきだ』とすすめ、「変るべからず」は『変わってはならない』と打ち消す点が異なる。(前者はすすめ・肯定、後者は禁止・否定のはたらきです。)

問22 べし(終止形)。文末で言い切るので終止形「べし」が入ります。「ここで止まるべし。」となります。

問23 イ(当然・命令などの強い調子を出せるから)。「べし」は当然・命令などの強い調子を表せるため、漢文訓読調や格式の高い文章で好まれます。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。本文の引用は古典作品(著作権の対象外)から正確に行っています。

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