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結論:「基礎を終えた人の、はじめての実戦演習」に向く一冊
この本は、ゼロから古文を学ぶための入門書ではありません。文法(助動詞・敬語など)と古文単語を一通り終えた高校生が、実際の入試問題で読む練習をするための問題集です。レベルは中堅私大が中心ですが、解説が丁寧なので、そこから中堅上位〜MARCHあたりを目指す人の土台づくりにもしっかり使えます。ひとことで言えば、インプット(暗記)からアウトプット(実戦)へ橋渡しする一冊です。
基本情報
| 書名 | 中堅私大古文演習 改訂版 |
|---|---|
| 出版社 | 河合出版 |
| 著者 | 河合塾国語科 |
| シリーズ | 河合塾シリーズ |
| ページ数 | 約312ページ |
| 定価 | 1,100円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 標準(中堅〜中堅上位私大) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(文法・単語を一通り終えた人の「最初の実戦演習」に最適) |
この本の特徴(中身)
中身は、全国の有名私大の入試で実際に出た文章から選んだ良問が24題。物語・日記・随筆・説話など、いろいろなジャンルの文章がバランスよく入っているので、「このジャンルは苦手」という偏りをなくせます。解説では現代語訳がついていて、重要な古語や敬語の意味をもう一度確認できるように作られています。つまり、ただ問題を解くだけでなく、解いたあとに「なぜそう読むのか」を復習できるのが特徴です。1題ずつが入試の大問サイズなので、本番に近い長さの文章に慣れる練習にもなります。
👍 良い点
- 実際の入試問題で演習できる。作られた練習文ではなく、本物の私大入試で出た文章なので、本番で問われる読み方・設問の形に自然と慣れていけます。
- 現代語訳と語句の解説が丁寧。解けなかった問題も、訳を見ながら「どこで読み間違えたか」を一人で確認できます。重要古語や敬語の確認もできて、知識の整理にもつながります。
- ジャンルがバランスよく24題。物語・随筆・日記・説話などが幅広く入っているので、苦手ジャンルをつくらず、まんべんなく読解力を伸ばせます。
🤔 気になる点
- 初学者には向かない。文法・単語の基礎が固まっていない状態でいきなり取り組むと、解説を読んでも消化しきれず手が止まりがちです。まず基礎の参考書を1冊終えてからにしましょう。
- 解説の見た目はやや地味。図解やイラストで読み方をかみ砕くタイプではなく、文章中心の説明です。視覚的にやさしく学びたい人には、とっつきにくく感じることがあります。
- 最難関私大・難関国公立には物足りない。あくまで中堅私大が中心レベルなので、早慶・難関国公立を本気で狙うなら、これを終えたあとにもう一段上の問題集が必要になります。
合う人・合わない人
合う人:文法と古文単語を一通り終えて、これから実際の入試問題で読解演習を始めたい高校生。中堅〜中堅上位私大、あるいはMARCHレベルを目指していて、まず標準的な良問でしっかり地力をつけたい人。夏休みなどに、知識の整理と実戦練習をまとめてやりたい人にも向きます。
合わない人:古文をこれから一から始める人(先に基礎の文法・単語をやってからのほうが伸びます)。図やイラストで楽しく読みたい初学者。逆に、早慶や難関国公立を本気で狙っていて、すでに標準レベルの演習は終えている人(この本では易しすぎます)。
『「有名」私大古文演習』との違い
同じ河合出版から、ひとつ易しい『「有名」私大古文演習』が出ています。難易度の順番でいうと、「有名」私大 → 中堅私大(本書)→ 首都圏難関私大、という関係です。「有名」私大のほうは収録題数がやや少なめで、基礎を終えた直後の橋渡しとして読解の「入口」に向きます。本書『中堅私大』はそれより一段上で、もう少し歯ごたえのある文章で演習を積みたい人向けです。基礎を終えたばかりで自信がないなら『「有名」私大』から、ある程度読める手応えがあるなら本書『中堅私大』から始めると、無理なくつながります。
おすすめの使い方
- まず時間を計らず、1題を自分の力で最後まで解く。わからない単語や文法も、すぐ答えを見ずに前後から推測してみる。
- 答え合わせのあと、解説の現代語訳を見ながら本文を頭から読み直し、「どこで読み間違えたか」「知らなかった古語・敬語はどれか」を1つずつ確認する。
- 間違えた語句や文法をノートに書き出し、数日後に同じ本文をもう一度読み直して、今度はスラスラ訳せるか確認する(24題すべてで繰り返す)。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★☆☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★★☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★☆ |
| 総合 | ★★★☆☆(基礎を終えた人の実戦演習に優秀。古文ゼロからの初学者には重い。) |
塾長としての評価は、「基礎を終えた人の、最初の実戦演習」としては非常に完成度が高い、です。実際の入試問題を使い、解説で現代語訳と語句までフォローしてくれるので、独学でも復習が回しやすいのが大きな強み。ジャンルの偏りもなく、標準レベルの読解力を一通り固めるのにちょうどいい分量です。一方で、図解の少ない文章中心の解説なので、基礎が固まっていない人や視覚的に学びたい人にはハードルが高め。そこさえ合えば、長く信頼して使える定番の一冊だと思います。
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まとめ
まとめると、『中堅私大古文演習 改訂版』は、文法・単語を終えた高校生が「実際の入試問題で読む力」を仕上げるための、標準レベルの良問集です。中堅〜中堅上位私大、MARCHあたりを目指す人の土台づくりに向きます。逆に、これから古文を一から始める人は、先に基礎を固めてからのほうが効果的です。「いきなり入試問題は不安」という人は、まず当サイトの無料の文法・読解プリントで基礎を整えてから取り組むと、この一冊をぐっと活かせますよ。



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