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結論:漢文が「ちんぷんかんぷん」な人の、いちばん最初の入口
この本のひとことで言うと、漢文をこれから始める人・授業で完全に置いていかれた人のための「講義系の入門書」です。返り点・再読文字・置き字といった、ほかの参考書だと「知ってる前提」で飛ばされがちな超基礎を、会話調でていねいに解説してくれます。問題をどんどん解いて鍛えるタイプの本ではなく、まず「漢文ってこういうものか」と腑に落とすための本、と考えてください。
基本情報
| 書名 | 三羽邦美の漢文教室 新装改訂版 |
|---|---|
| 出版社 | 旺文社 |
| 著者 | 三羽邦美 |
| シリーズ | 教室シリーズ(旺文社) |
| ページ数 | 約256ページ |
| 定価 | 1,210円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 初学〜基礎(講義系) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(漢文アレルギーの「最初の1冊」に最適。ただし演習は別途必要) |
この本の特徴(中身)
中身は大きく二部構成です。前半の「ウォーミングアップ編」で、返り点・送り仮名・再読文字・置き字といった漢文のお約束(ルール)をゼロから固めます。後半の「実践編」では、有名な故事成語などの短い文章を読みながら、入試で問われる句法と重要語句を、文章の中で自然に覚えていく流れになっています。終始、先生がしゃべりかけてくるような語り口なので、独学でも「授業を受けている感覚」で読み進められるのが最大の持ち味です。
👍 良い点
- 本当にゼロから説明してくれる。返り点や置き字など、多くの受験参考書が「学校で習ったよね」と省略してしまう土台部分を、噛んで含めるように解説。漢文アレルギーの人でも置いていかれにくい。
- 会話調の講義スタイルで挫折しにくい。先生が目の前で話しているような文体なので、堅い文法書のように途中で眠くならず、独学でも一人で読み切りやすい。
- 故事成語など読み物として面白い題材で進む。意味のある文章を読みながら句法を覚えるので、無味乾燥な暗記になりにくく、記憶に残りやすい。
🤔 気になる点
- 演習量はかなり少なめ。あくまで「わかる」ための講義書で、入試問題をたくさん解いて実戦力を鍛える本ではない。読み終えても、別途の問題演習は必ず必要になる。
- 到達点は「基礎の完成」まで。難関大の難しい設問や、点差がつくレベルの読解までは1冊では届かない。仕上げ用ではなく、あくまでスタート用と割り切るべき。
- すでに句法が一通り頭に入っている人には冗長。ていねいさゆえに説明が長く、ある程度漢文ができる人には「わかっている話」が続いてまどろっこしく感じることがある。
合う人・合わない人
合う人:漢文の授業で完全に置いていかれた高校生、返り点や再読文字の段階でつまずいている人、模試の漢文をいつも白紙か勘で埋めている人、独学でゼロから漢文を立て直したい人。共通テストでこれから漢文を取りにいきたい初学者にも向いています。
合わない人:すでに句法を一通り覚えていて、あとは問題演習で得点を伸ばしたい人。難関国公立・私大の難しい記述や読解の「仕上げ」を求めている人。これらの人には、この本だけでは物足りません。
『漢文早覚え速答法』との違い
同じ「漢文の人気参考書」でも役割が違います。『漢文早覚え速答法』は、公式やゴロで一気に得点力を上げる効率重視の本で、返り点など最初の最初は「知っている前提」で進みがちです。一方この『漢文教室』は、その前提のさらに手前から面倒を見てくれます。漢文が本当にちんぷんかんぷんな人は、まず『漢文教室』で土台を作り、そのあと『早覚え速答法』で得点力を一気に伸ばす、という順番で使うのが王道です。逆に、返り点くらいは大丈夫という人は、最初から『早覚え速答法』に進んでも問題ありません。
おすすめの使い方
- まず「ウォーミングアップ編」を、ノートに返り点や再読文字を実際に書き写しながら2〜3周する。読むだけでなく手を動かすのがコツ。
- 次に「実践編」を、例文を自分で音読し、声に出して書き下し文を作ってから解説を読む。先に自分でやってから答え合わせをすると定着が段違い。
- 1冊を読み終えたら、必ず別の問題集や過去問で「解く」段階に進む。この本はインプット、得点はアウトプットで仕上げる、と役割を分ける。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★★ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★★★★ |
| 演習・実戦 | ★★☆☆☆ |
| 総合 | ★★★★☆(ゼロからの入門は最強クラス。ただし演習・仕上げは別の本で補う前提。) |
塾長としての評価は、「漢文の最初の1冊」としてなら自信を持っておすすめできる一冊、というものです。とにかく初学者へのやさしさが徹底していて、独学でも一人で読み切れる作りは見事です。一方で、これ1冊で入試本番まで完結する本ではありません。あくまで土台づくりの講義書であり、点を取り切るには問題演習が別途必要になります。そこを理解したうえで使えば、コストパフォーマンスは非常に高い本です。
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まとめ
まとめると、『三羽邦美の漢文教室 新装改訂版』は、漢文が苦手な人・ゼロから始める人の「入口」として非常に優秀な講義系参考書です。返り点で固まってしまう段階の人ほど効果を実感できるでしょう。読み終えたら、ぜひ問題を「解く」段階に進んでください。当サイトでも漢文の句法まとめや返り点の練習プリントを無料で配布していますので、この本と並行して使うと、基礎の定着がぐっと早まりますよ。



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