※当サイトの解説・ドリル・定期テスト対策はすべて無料です。このコーナーは、市販教材についての塾長の正直レビューです。
結論:基礎の次、難関の手前を埋める「橋渡し」の演習書
この本は、文法と単語の基礎を一度終えた高校生が、共通テストや中堅私大の古文で安定して点を取れるようになるための演習書です。いきなり難関大の問題に挑むのではなく、基礎と難関のあいだの「いちばん抜けやすい段」を埋めるのが役割。全6巻のシリーズの4番目(中級編)で、上の巻(上級・最上級)へ進む前の土台固めに向いています。
基本情報
| 書名 | 古文レベル別問題集4 中級編 |
|---|---|
| 出版社 | ナガセ(東進ブックス) |
| 著者 | 富井健二 |
| シリーズ | 東進ブックス 古文レベル別問題集(全6巻) |
| 定価 | 990円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 中堅私大・共通テスト〜難関の橋渡し |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(基礎を終えた人の「次の1冊」に向く) |
この本の特徴(中身)
中身は古文15題の問題演習。最大の特徴は、本文をすべて品詞分解して4色フルカラーで色分けしている点です。「どこで文が切れるのか」「この語はどの単語の活用形か」が目で見て分かるので、なんとなく読んでいた人が「文の構造を意識して読む」癖をつけられます。現代語訳は付属の赤シートで隠して確認でき、覚えるべき単語・文法は脚注にまとめられています。問題文はQRコードから音声(プロの朗読)も聞ける作りで、別冊の問題編と解説編に分かれているため、解くときと復習するときで使い分けやすい構成です。
👍 良い点
- 全文の品詞分解+4色フルカラーで、「なんとなく読み」から「構造を見て読む」へ切り替えられる。独学でつまずきやすい『どこで区切るか』が一目で分かる。
- レベルが細かく分かれているので、背伸びも易しすぎもしにくい。中級編は共通テスト〜中堅私大がちょうど守備範囲で、上の巻へ自然に進める。
- 赤シート+脚注+音声まで付いて自学しやすい。現代語訳を隠して確認、単語・文法は脚注で即チェック、朗読音声で読みのリズムも身につく。塾や予備校なしでも回しやすい。
🤔 気になる点
- 文法・単語の基礎がない人には重い。この本は「演習」であって基礎の入門書ではないので、活用や助動詞があやふやなまま始めると解説が頭に入りにくい。
- 収録は15題と多くはない。1冊やり切っても演習量としては足りないことがあり、同レベルの別教材や過去問で量を補う前提で考えたほうがいい。
- 記述・難関二次のがっつりした対策には足りない。あくまで橋渡しの中級なので、難関国公立の長い記述まで仕上げたいなら上の巻や別の記述用教材が必要になる。
合う人・合わない人
合う人:文法と単語をひと通り終えて、これから共通テストや中堅私大の古文を「読めて解ける」状態に持っていきたい高校生。独学で進めたい人、品詞分解で構造から理解したいタイプの人にも向きます。
合わない人:助動詞の活用や基本古語があやふやな人(まず基礎の文法・単語を固めてから)。すでに難関大の過去問が解ける上級者には易しすぎます。とにかく問題数をこなしたい人にも、1冊だけでは物足りません。
『岡本梨奈の古文ポラリス(標準レベル)』との違い
どちらも基礎の次に来る中級クラスの定番です。ポラリスは1文ずつ寄り添う読み込み型の解説が手厚く、「解説をじっくり読んで理解を深めたい人」向き。一方この『レベル別問題集4』は全文の品詞分解と色分けで文の構造を機械的に見える化するのが強みで、「読みの土台を構造から作り直したい人」に向きます。シリーズで上の巻へ段階的に進めるのも利点。解説の語り口で選ぶならポラリス、構造の見える化とレベルの積み上げで選ぶならこちら、という使い分けがおすすめです。
おすすめの使い方
- まず時間を計らずに1題を自力で解き、現代語訳を見ずにどこまで読めたかを把握する。
- 答え合わせは点数より中身重視で。品詞分解と4色の本文を見ながら『自分が区切れなかった箇所・知らなかった単語』を脚注ごと洗い出し、ノートに単語と文法を書き出す。
- 数日後に同じ本文を音声を聞きながら音読し直し、赤シートで現代語訳を再確認。1冊終えたら上の巻か過去問へ進む。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★★☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★☆ |
| 総合 | ★★★★☆(基礎を終えた人の橋渡しに優秀。文法ゼロからの入門書ではない) |
塾の現場で見ても、基礎は終えたのに長文になると崩れる、という生徒は本当に多いです。この本はそこに効く中級演習で、品詞分解と色分けという「読みの足場」が全文に用意されているのが強み。独学でも回しやすく、シリーズで上へ進める設計も良心的です。一方で、これ1冊で完成というより『土台を整える1冊』という位置づけ。基礎が固まっていない人には早く、難関仕上げには物足りない、その意味で人によって最適なタイミングがはっきり分かれる教材です。自分が今この段にいる、と分かっている人には素直に勧められます。
あわせて読みたい(無料)
まとめ
『古文レベル別問題集4 中級編』は、基礎を終えた高校生が共通テスト〜中堅私大の古文を読めるようにする、橋渡しの演習書です。全文の品詞分解と4色フルカラー、赤シート、脚注、音声と、独学を支える道具がそろっているのが魅力。逆に言えば、文法・単語の基礎ができていることが前提なので、そこに不安がある人はまず土台から固めましょう。基礎の確認用には、当サイトでも古典文法や古文単語の無料まとめ教材を用意しているので、演習に入る前のチェックに使ってみてください。



コメント