※当サイトの解説・ドリル・定期テスト対策はすべて無料です。このコーナーは、市販教材についての塾長の正直レビューです。
結論:難関大の記述漢文を「仕上げる」ための演習書
この本は、基礎を一通り終えた人が難関大の二次試験レベルまで実力を引き上げるための演習問題集です。句形や基本語句をこれから覚える入門書ではなく、ある程度漢文が読める人が「本番で書いて点を取る」段階で使う一冊。だからまずは基礎の参考書を終えてから取り組むのが正解で、いきなり最初の一冊にすると重く感じます。記述中心の国公立・難関私大をねらう人の総仕上げ用、という立ち位置です。
基本情報
| 書名 | 難関大突破 新 漢文問題集 |
|---|---|
| 出版社 | 駿台文庫 |
| 著者 | 三宅崇広 |
| シリーズ | 駿台受験シリーズ |
| 定価 | 990円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 難関(発展実戦) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(難関国公立の記述漢文を仕上げたい人に) |
この本の特徴(中身)
中身は二部構成です。前半は入試頻出のテーマ別に精選した演習編15題で土台を固め、後半の実戦問題編10題で本番に近い問題に挑みます。巻末には「頻出重要語」「重要句形」のチェックリストが付いていて、知識の抜けを最後に点検できます。いちばんの特徴は解説の手厚さで、設問の解答だけでなく、採点基準・全文の書き下し文・全文の現代語訳・設問解説までそろっています。記述問題は「どこまで書けば何点もらえるか」が分かりにくいものですが、採点基準が示されているので、自分の答案を自分で採点しながら直せるのがありがたい設計です。
👍 良い点
- 採点基準つきで記述の自己採点ができる。記述漢文は独学だと丸つけが難しいですが、この本は「ここを書けて何点」が明示されているので、答案の弱点を自分で見つけて直せます。
- 解説が一文ずつ丁寧。全文の書き下し文と現代語訳がそろっているので、なんとなく訳せても自信がなかった部分を、本文に戻って確実に確認できます。
- テーマ別で頻出パターンを効率よく演習できる。入試によく出る題材を精選した25題構成で、薄めながら「出るところ」に集中できます。巻末チェックリストで知識の最終点検もできます。
🤔 気になる点
- 初学者には完全に重い。句形や基本語句があやふやな段階で開くと、解説を読んでも追いつけません。まず入門〜標準レベルを終えてから使う本です。
- 問題数は多くない。全25題なので、これ一冊で漢文の量をこなしきるというより、仕上げ・実戦練習用。基礎演習は別の薄い問題集で補う前提だと考えてください。
- 記述に寄っているぶん、共通テスト専用対策にはやや過剰。共通テストだけで漢文を使う人には、ここまでの記述演習はオーバースペックになりがちです。
合う人・合わない人
合う人:基礎の句形・語句を一通り終え、これから国公立二次や難関私大の記述漢文を本番レベルまで仕上げたい高校3年生・受験生。共通テスト漢文で安定して8割前後が取れるようになり、「書いて答える」練習に進みたい人にぴったりです。
合わない人:漢文をこれから始める人、句形や返り点がまだ不安な人。また、漢文が共通テストだけで二次に出ない人は、ここまでの記述演習は不要なことが多いです。まず基礎固めの一冊から始めましょう。
『得点奪取漢文』との違い
記述漢文の定番ライバルが河合塾の『得点奪取漢文』です。どちらも記述・採点基準つきで難関大の二次対策向き、という点はよく似ています。違いは雰囲気で、『得点奪取漢文』は「典型問題で書き方の型を学ぶ→実戦」という流れが整理されていて取り組みやすく、本書は駿台らしく解説が骨太で、書き下し・現代語訳まで全文そろう手厚さが持ち味です。両方やる必要はないので、書店で解説の見た目を見比べて、自分が読み続けられそうな方を一冊選べば十分です。
おすすめの使い方
- まず1題を時間を決めて解き、答えを書き切る(記述は空欄にせず必ず文章で埋める)。
- 解説を開いたら、いきなり正解を見るのではなく採点基準で自分の答案を採点し、何点・どこが足りないかを書き込む。
- 全文の書き下しと現代語訳で本文を読み直し、落とした句形・語句を巻末チェックリストに戻って確認。同じ題を数日後にもう一度解く。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★☆☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★★ |
| 総合 | ★★★☆☆(難関の記述仕上げに優秀。初学者・共通テスト専用には重い) |
塾長としての評価は「使う段階を間違えなければ非常に良い一冊」です。採点基準つきの解説は、独学では難しい記述漢文の自己採点を可能にしてくれる点で価値が高い。一方で、これは仕上げ用の発展問題集なので、基礎が固まっていない人が最初に手を出すと挫折します。レベルと目的が合う人にとっては、二次本番までの最後のひと押しになる実戦書です。
あわせて読みたい(無料)
まとめ
『難関大突破 新 漢文問題集』は、基礎を終えた受験生が難関大の記述漢文を本番レベルまで仕上げるための演習書です。採点基準・全文の書き下し・現代語訳までそろった手厚い解説で、独学でも記述の自己採点ができるのが最大の強み。逆に入門者や共通テスト専用の人には重すぎるので、まず基礎固めを先に。基礎の句形や語句に不安が残る人は、当サイトの無料の漢文ドリルや句形まとめで土台を作ってから、この一冊で総仕上げに進むのがおすすめです。



コメント