※当サイトの解説・ドリル・定期テスト対策はすべて無料です。このコーナーは、市販教材についての塾長の正直レビューです。
結論:漢文で勝負する人の演習書。ただし独学にはコツがいる
『漢文道場』(Z会)は、当塾で国立の二次試験や私立入試で漢文を使う生徒に勧めている演習書です。本格的に漢文を鍛えられる定番ですが、正直に言うと解説が難しく、短い。つまずいたときに「隣で解説してくれる人」が欲しくなる本なので、補い方とセットで紹介します。
基本情報
| 書名 | 漢文道場 |
|---|---|
| 出版社 | Z会 |
| 誰向け | 国立二次・私立入試で漢文を使う人 |
| 塾での位置づけ | 漢文の本格演習用 |
塾でどう使っているか
共通テストだけでなく、二次試験や私立の個別試験で漢文が必要な生徒の演習に使っています。句法の確認から実戦演習まで段階的に進める構成で、やり切れば漢文を得点源にできます。
👍 良い点
- 国立二次・私立レベルの本格的な漢文演習ができる
- 入門から実戦まで段階的に力を積み上げられる構成
🤔 気になる点
- 解説が難しい。前提知識がないと解説を読んでも腑に落ちないことがある
- 解説が短い。「なぜそう読むのか」を自力で補う必要がある
合う人・合わない人
合う人:国立二次・私立で漢文を使う人/句法の基礎は入っていて演習量を積みたい人
合わない人:漢文をこれから始める人(先に当サイトの無料の漢文解説で返り点・句法の基礎を)
中身をもう少し詳しく
実際に手に取って指導で使っている立場から、もう少し中身をかみ砕いておきます。『漢文道場』はおおまかに、句法など読解の土台を確認する基礎のパートから、力を養うための練成のパートを経て、実際の入試レベルの文章に取り組む実戦演習のパートへと、段階的に進んでいく構成になっています。いきなり長文に放り込まれるのではなく、「まず句法、それを使って読む」という順番で組まれているので、土台のある人ほど効率よく回せます。
レイアウトは、問題編と解答・解説編が分かれている、いわゆる演習書らしいつくりです。書き込んで終わりではなく、同じ文章を何度も読み直して定着させる使い方を想定した本だと考えてください。設問は読解そのものを問うものが中心で、句法の丸暗記チェックだけで終わらないのがこの本の良さです。
ただ、既存のレビューでも正直に書いたとおり、解説は親切で長いタイプではありません。「なぜその返り点になるのか」「なぜここでこう訳すのか」を一から手取り足取り説明する本ではないので、解説の行間を自分で埋められる人向けです。逆に言えば、その行間を埋める力がつけば、もう漢文はかなり仕上がっている、ということでもあります。
使い方・学習プラン
塾で生徒に渡すときは、必ず「進め方」をセットで伝えます。ただ前から解くだけだと、解説の短さに負けて途中で止まりがちだからです。目安として、次のような周回をおすすめしています。
| 周回 | やること |
|---|---|
| 1周目 | 時間を気にせず解く。間違えた問題に印をつけ、つまずいた句法をメモ |
| 2周目 | 印のついた問題だけ解き直す。解説で腑に落ちない箇所は無料解説で補う |
| 3周目 | 本文を音読し、白文・訓読・現代語訳をスラスラ言えるか確認 |
期間は人によりますが、1日1題ペースなら数週間〜2か月ほどで一通り終えられる分量だと考えてください(学習時間によって前後します)。大事なのは「1周して満足しない」こと。漢文は同じ文章を繰り返し読むほど読解スピードが上がるので、解いた文章は手放さず、最後は声に出して読めるところまで持っていってほしいです。
併用書の使い方としては、この本を演習の主軸に置きつつ、句法に不安が残るうちは別の薄い句法ドリルを横に置くのが現実的です。当サイトの無料解説(後述)も同じ役割で使えます。
他書との違い・選び方
「漢文の問題集ならどれでもいいのでは」とよく聞かれますが、漢文の本はおおまかに役割が分かれています。乱暴に整理すると次のとおりです。
| タイプ | 役割 | こんな人に |
|---|---|---|
| 句法の入門書・講義系 | 返り点・句法をゼロから説明 | これから漢文を始める人 |
| 句法ドリル | 句法の知識を反復で固める | 基礎はあるが定着が甘い人 |
| 『漢文道場』(本書) | 入門から実戦へ段階的に演習 | 二次・私立で漢文を得点源にしたい人 |
つまり本書は、句法がある程度入った人が「読解の演習量」を積むための一冊です。逆に、句法の知識そのものがまだ不安なら、本書の前に入門書やドリルを一段はさんだほうが結局は近道になります。本書はその一段上、「漢文で点を取りにいく」段階の本だと理解して選んでください。
よくある質問(Q&A)
Q. 漢文が苦手な初心者でも使えますか?
正直に言うと、まったくの初心者にはおすすめしません。解説が短めなので、返り点や基本句法が頭に入っていないと、解説を読んでも消化しきれません。まずは入門の段階を済ませてから取り組んでください。
Q. 共通テストだけなら必要ですか?
共通テストの漢文「だけ」が目標なら、本書はややオーバースペックになりがちです。本書が本領を発揮するのは、二次試験や私立の個別試験で記述・読解が問われる場面です。志望校の出題で判断してください。
Q. 解説が難しくて止まってしまいます。
これは本書を使う多くの人がぶつかる壁です。止まったら、その単元だけ当サイトの無料の漢文解説で確認してから問題に戻ってください。一人で抱え込まず「外で調べる」のがコツです。
Q. 何周すれば力がつきますか?
最低でも2〜3周はしてほしいです。漢文は同じ文章を繰り返すほど読むスピードが上がります。1周して終わりにすると、せっかくの演習効果が半分になります。
Q. 古文の問題集も同時に進めていいですか?
問題ありません。むしろ古文・漢文は並行して回したほうが、入試本番の感覚に近くなります。全体の組み合わせは古文・漢文の問題集おすすめを参考にしてください。
塾長の総合評価
| 項目 | 評価 | ひとこと |
|---|---|---|
| 演習の質 | ★★★★★ | 二次・私立レベルの本格演習ができる |
| 構成・段階性 | ★★★★☆ | 入門から実戦まで積み上げられる |
| 解説のわかりやすさ | ★★★☆☆ | 短く難しめ。行間を補う力が要る |
| 初心者へのやさしさ | ★★☆☆☆ | 基礎が済んでから使う本 |
| 総合 | ★★★★☆ | 漢文で勝負する人には心強い一冊 |
総評:「漢文を得点源にしたい人」にはしっかり応えてくれる演習書です。一方で、解説が短く難しめという性格は変わらないので、つまずいたときに外で調べる準備をしておくこと。その一手間さえ惜しまなければ、本書は二次・私立の漢文を支える頼もしい相棒になります。基礎が不安な人は焦らず、まず無料解説で土台を固めてから手に取ってください。
「隣で解説してくれる人」の代わりに
塾長の本音を言えば、市販の問題集はどれも「隣で解説してくれる人が欲しい」のです。解説が短い問題集ほど、つまずいたときに止まってしまう。塾の生徒には隣で私が解説しますが、このサイトの読者の方には、当サイトの無料解説がその代わりになるように作ってあります。
問題集でつまずいたら、ここで該当単元を調べてください(すべて無料):漢文の解説一覧|漢文の確認テスト(PDF付)
📚 全体の使い分けは:古文・漢文の問題集おすすめ|レベル別の正直な使い分け


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