『古文レベル別問題集6 最上級編』を塾長が正直レビュー|難関記述を品詞分解で攻略

教材レビュー
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生徒

生徒先生、難関国公立の古文って記述が出るって聞いたんですけど、過去問の前に一冊やっておくならどれがいいですか?模試の古文はだいたい取れるようになってきました。
先生

先生それなら『古文レベル別問題集6 最上級編』が候補だね。東進ブックスの全6冊シリーズの一番上、つまり最後の仕上げ用の一冊だよ。15題と数はしぼってあるけど、その分1題ずつ徹底的に解説してくれる。ただし「模試はだいたい取れる」段階の人向けで、土台ができてないと重すぎるから、そこだけ先に確認させてね。

結論:難関国公立・難関私大の「記述」を、本文まるごと品詞分解で詰める仕上げ問題集

この本は、古文の基礎(文法・単語・読解)がひと通り終わった受験生が、難関国公立・難関私大の二次/記述に向けて最後に取り組むための問題集です。シリーズの6番目=最上級にあたり、収録は15題と少なめですが、その1題ずつを徹底的にしゃぶり尽くす作りになっています。いわば基礎が固まった人が、最後にもう一段ギアを上げるための本。これから古文を始める人や、まだ文法が不安な人が最初に手を出す本ではありません。

基本情報

書名 古文レベル別問題集6 最上級編
出版社 ナガセ(東進ブックス)
著者 富井健二
シリーズ 古文レベル別問題集(東進ブックス)
ページ数 約224ページ(解説160+問題64)
定価 1,100円(税込)※2026年6月時点
レベル 難関国公立・難関私大(最上級/記述・論述)
塾長のおすすめ度 ◯(難関国公立の記述対策に。ただし最後の仕上げ用)

この本の特徴(中身)

最大の特徴は、問題文を最初から最後まで一語残らず「品詞分解」してくれることです。それぞれの単語について、品詞・活用の種類・活用形・意味が色分けで示されるので、「なんとなく訳せた」を「文法的に説明できる」へ引き上げられます。出題は難関国公立を中心に、暗記だけでは対応できない文法・語彙問題、当時の習慣(古文常識)を知らないと解けない問題、受験生が苦手にしがちな和歌の記述などをそろえています。さらに、本文の朗読音声をQRコードから聴ける点もこのシリーズらしい工夫です。解説のページ数(約160ページ)が問題のページ数(約64ページ)の倍以上あることからも、「解いて終わり」ではなく「解説でこそ伸ばす」設計だとわかります。

👍 良い点

  • 全文の品詞分解が圧巻。本文を一語ずつ分解して見せてくれるので、フィーリング読みのクセを抜き、文法的な根拠を持って訳す力が付きます。難関の記述では「なぜそう訳すか」を説明できることが得点に直結します。
  • 記述・論述に正面から向き合える。マーク中心の問題集では鍛えにくい、和歌の解釈や心情の記述といった「自分の言葉で書く」設問が中心。模範解答だけでなく考え方まで示されます。
  • 音声ナレーション付きで本文に音から慣れられる。QRコードで本文の朗読が聴けるので、難しい文章でも音読・耳読を通じてリズムごと頭に入れやすくなっています。

🤔 気になる点

  • 収録はわずか15題で、演習量そのものは多くない。1題を深く掘る本なので、たくさん解いて場数を踏みたい人には物足りません。これ1冊で過去問演習の代わりにはなりません。
  • 明確に上級者向けで、初学者には重すぎる。文法・単語・基礎読解が仕上がっていないと、品詞分解の解説を読んでも消化不良になりがち。シリーズの下の巻や基礎本を先に終える前提の一冊です。
  • レイアウトが情報量重視で、人によっては窮屈に感じる。色分けや細かい文法表示が詰まっているぶん、見た目のスッキリ感より「読み込む」姿勢が要ります。サラッと進めたい人には向きません。

合う人・合わない人

合う人:難関国公立や早慶などの難関私大を志望し、古文の文法・単語・標準レベルの読解はすでに固まっている受験生。記述・論述の二次対策を、過去問に入る前に1冊で集中的に詰めたい人。「なんとなく訳す」から「根拠を持って訳す」へ脱皮したい人に向きます。
合わない人:これから古文を始める人、まだ助動詞・敬語などの文法に不安がある人、共通テストまでで古文が終わる人。また、とにかく多くの問題で量をこなしたい人にも、15題という収録数は物足りません。その場合はシリーズの下の巻や、基礎の参考書から始めるほうが近道です。

『得点奪取古文』との違い

同じ「難関国公立の記述対策」では河合出版の『得点奪取古文』が定番のライバルです。得点奪取は記述の採点基準(部分点の付き方)が細かく、「どう書けば何点もらえるか」を訓練するのに強い一方、本文全体の文法解説はそこまで手取り足取りではありません。対してこの『最上級編』は、本文まるごとの品詞分解で「読む力・訳す力」そのものを底上げするのが持ち味。ざっくり言うと、読みの精度を上げたいなら本書、答案の書き方・採点感覚を磨きたいなら得点奪取、という使い分けです。両方こなせる時間があるなら、本書で読みを固めてから得点奪取で答案化に進む流れが理想です。

おすすめの使い方

  1. まず時間を計って自力で1題解く(記述は空欄にせず、必ず自分の言葉で書ききる)。解けなくても、わからなかった箇所に印を付けておく。
  2. 答え合わせのあと、本文の品詞分解を上から全部たどり、自分の訳とズレたところ・印を付けた箇所を文法的に「なぜそうなるか」で潰す。ここが本書の本番。
  3. 仕上げにQRの音声を聴きながら本文を音読し、すらすら訳せる状態にしてから次の1題へ。1週間で2〜3題を目安に、復習を挟んで回す。
先生

先生この本は「解く本」ではなく品詞分解の解説を読み込む本だと思ってください。15題しかないからこそ、1題を3周くらいして「本文のどこを聞かれても文法で説明できる」状態まで持っていくと、過去問に入ったときの読みの安定感がまるで変わります。

塾長の総合評価

読みやすさ ★★★☆☆
網羅性 ★★★★☆
入門のしやすさ ★☆☆☆☆
演習・実戦 ★★★☆☆
総合 ★★★☆☆(難関記述の仕上げに優秀。初学者・量稼ぎには不向き)

塾長としての評価は、「対象がはまる人にはとても良い、ただし人を選ぶ一冊」です。全文品詞分解という解説の手厚さは、難関の記述で求められる「根拠を持った読み」を鍛えるのにうってつけで、シリーズ最高峰の名にふさわしい完成度。一方で収録15題という量の少なさと、明確な上級者向けという性格から、誰にでもすすめられる本ではありません。基礎が仕上がった受験生が、過去問の手前で読みの精度を一段上げるための仕上げ用、という立ち位置を理解して使えば、価格(1,100円)以上の価値は十分にあります。

古文レベル別問題集6 最上級編 表紙

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まとめ

まとめると、『古文レベル別問題集6 最上級編』は、難関国公立・難関私大の記述に向けて、本文まるごとの品詞分解で「読む力」を最後に固めるための仕上げ問題集です。万人向けではありませんが、対象がはまる受験生には頼れる一冊。なお、自分が今その「最上級」の段階に来ているか不安な人は、まず文法と単語の土台を確かめてからにしましょう。当サイトでも古文文法や識別の無料まとめ・確認問題を公開しているので、本書に進む前のチェックに使ってみてください。

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