『首都圏「難関」私大 古文演習』を塾長が正直レビュー|早慶上智MARCHの古文を実戦演習

教材レビュー
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生徒

生徒先生、文法も単語も一通り終わって、過去問の前にもう少し古文を解いておきたいんです。早稲田とかMARCHを受けるんですけど、レベルの高い問題を時間を計って解ける問題集ってありますか?
先生

先生それなら河合出版の『首都圏「難関」私大 古文演習』が候補だね。早慶・上智・MARCH上位といった首都圏の難関私大で実際に出た問題を20題集めた、いわば「仕上げの実戦演習」用の一冊だよ。ただし、これは基礎ができている人向け。文法と単語が頭に入っている前提で、本番の感覚をつかむための本だと思ってね。

結論:難関私大志望者が、過去問の前にやる「実戦リハーサル」用の一冊

この本は、文法・単語・基本的な読解までを一通り終えた受験生が、志望校の過去問に入る前の「最後の総仕上げ」として使う問題集です。早慶・上智・MARCH上位など、首都圏の難関私立大で実際に出題された古文20題を、得点配分と制限時間つきで解いていきます。つまり基礎を学ぶ本ではなく、身につけた力を本番形式で試す本。逆に言えば、まだ文法や単語があやふやな段階で手を出すと、ほとんど歯が立たずに自信を失うだけになります。立ち位置をはっきりさせて選ぶことが大切な一冊です。

基本情報

書名 首都圏「難関」私大 古文演習
出版社 河合出版
著者 池田修二・太田善之・藤澤咲良・宮崎昌喜
シリーズ 河合塾SERIES
ページ数 約160ページ(要確認)
定価 943円(税込)※2026年6月時点
レベル 難関私大(早慶・上智・MARCH上位)
塾長のおすすめ度 ◯(難関私大の古文を本番形式で鍛える仕上げ用。ただし基礎ができてから)

この本の特徴(中身)

中身は、首都圏難関私大の入試問題から精選された20題で構成されています。一番の特徴は、各問題に制限時間と配点が設定されていること。だから時計を見ながら「本番ならこの問題に何分かけられるか」を体で覚えられます。解説編では、問題本文と現代語訳(本文解釈)が上下に並べて示されているので、自分の読み違えがどこで起きたかを一行ずつ照らし合わせて確認できます。河合塾の講師陣による解説で、記述問題も「なぜその答えになるのか」という根拠まで踏み込んで説明されているのが、難関私大対策として心強いところです。

👍 良い点

  • 本番形式で解ける — 制限時間と配点つきなので、時間配分の感覚や「捨て問」の見極めといった、過去問演習でしか身につかない力を前倒しで鍛えられます。
  • 本文と現代語訳が見比べやすい — 解説編は本文と訳が上下に併記されているので、自分がどの一文を誤読したのかをピンポイントで突き止められ、復習の効率が高いです。
  • 難関私大の実物に触れられる — 早慶・上智・MARCH上位の実際の入試問題なので、志望校で問われる文章の硬さや設問の癖を、過去問に入る前に体感できます。

🤔 気になる点

  • 収録問題がやや古い — 2012年刊行で、掲載問題もそれ以前のものが中心です。最新の出題傾向への対応は、志望校の赤本(過去問集)で別途補う必要があります。
  • 初学者には完全に重い — 基礎が固まっていない段階で解くと正答率が振るわず、解説を読んでも消化しきれません。最低限、文法と単語を仕上げてからでないと効果が出ません。
  • 問題数は20題と多くない — 量で押す問題集ではないので、これ一冊で演習量が十分とは言えません。前段階の問題集や過去問と組み合わせる前提の本です。

合う人・合わない人

合う人:早慶・上智・MARCH上位など首都圏の難関私大を志望し、文法・単語・基礎読解を一通り終えた受験生。特に、過去問に入る前にワンクッション置いて「時間を計った実戦演習」を積みたい高3の秋以降の人に向いています。記述や記号問題を、根拠を言葉にしながら解く練習をしたい人にも合います。
合わない人:まだ古典文法(助動詞・敬語など)や古文単語があやふやな人、古文の読解そのものに不安がある初学者。また、共通テストやそれほど難度の高くない私大が第一志望で、ここまでの難関レベルが不要な人にも過剰です。まずは易しめの読解問題集で土台を作るのが先決です。

『「有名」私大古文演習』との違い

同じ河合出版の姉妹本に『「有名」私大古文演習』があります。こちらは日東駒専〜MARCH標準レベルで、難関私大に入る前の段階に当たります。難易度ははっきり「有名」<「難関」。だから順番としては、基礎を固めたあとにまず『有名』で私大形式に慣れ、手応えが出てきたら本書『難関』へ進む、という使い分けが王道です。今の自分の正答率(目安として7割取れるか)を基準に、届かなければ一段下からやり直すのが安全です。

おすすめの使い方

  1. まず1題を必ず制限時間内で解く(解答は本に直接書かず、コピーして使うと復習で解き直せます)。時間内に終わらなかった部分も印をつけておきます。
  2. 答え合わせでは点数だけ見ず、間違えた設問ごとに「単語不足・文法ミス・主語の取り違え」など原因を分類します。上下併記の現代語訳で、どの一文で読みが崩れたかを特定しましょう。
  3. 最後に本文を音読して通します(書き込みを見ながら数回→何も見ずに数回)。スラスラ読めるようになって初めてその1題は完了。これを20題くり返します。
先生

先生点数に一喜一憂するより、「どこで主語を見失ったか」を毎回ノートに一行書き残すことをおすすめします。難関私大の古文でつまずく原因は、難しい単語より「誰が何をしたか」の取り違えがほとんど。原因のクセが見えてくると、過去問に入ったときの伸びが段違いです。

塾長の総合評価

読みやすさ ★★★☆☆
網羅性 ★★★☆☆
入門のしやすさ ★★☆☆☆
演習・実戦 ★★★★★
総合 ★★★☆☆(難関私大の実戦演習として優秀。初学者には重く、基礎完成後に使ってこそ活きる)

塾長としての評価は、「使う人と時期を選べば非常に良い本」です。制限時間・配点つきで本番感覚を養える点、本文と訳が見比べやすく復習しやすい点は、難関私大対策として文句なし。一方で、基礎ができていない生徒に渡すと「解けない・読めない」で終わってしまう危険があり、その意味で人を選びます。網羅性や入門のしやすさを求める本ではなく、あくまで仕上げの実戦書。役割を理解して、過去問の手前で投入すれば、得点力を一段引き上げてくれる一冊です。

首都圏「難関」私大 古文演習 表紙

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まとめ

まとめると、本書は早慶・上智・MARCH上位を狙う受験生が、基礎を固めたうえで過去問に入る前の「実戦リハーサル」として使うのに向いた問題集です。制限時間つきの演習で時間配分と読解の精度を鍛え、上下併記の解説で復習を徹底できます。逆に、まだ文法・単語に不安がある人は一段下の本から始めましょう。なお、当サイトでは古典文法の識別や古文単語を無料で復習できる教材も用意しています。本書に進む前の土台づくりに、よければ活用してください。

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