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結論:基礎を固めた人が「読解の実戦」に踏み出す最初の問題集
この本は、古典文法と古文単語をひと通り終えた高校生・受験生が、いよいよ本物の入試問題で読解を試すための一冊です。レベルは私大標準、ねらいは日東駒専・産近甲龍クラス。つまりMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)に届く一歩手前までを引き上げる位置づけです。まだ単語や文法に自信がない人の「最初の一冊」ではなく、基礎を終えた人の「演習デビュー」に向く本だと考えてください。
基本情報
| 書名 | 大学入試 全レベル問題集 古文 3 私大標準レベル 改訂版 |
|---|---|
| 出版社 | 旺文社 |
| 著者 | 伊藤紫野富 |
| シリーズ | 全レベル問題集 古文(旺文社) |
| ページ数 | 本冊約160ページ・別冊約80ページ |
| 定価 | 1,100円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 標準(私大標準・MARCH手前) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(基礎を終えた人の「演習の入口」に最適。ただし初学者向けではない) |
この本の特徴(中身)
中身は、別冊の問題冊子と本冊の解答・解説に分かれた標準的な作りです。収録は実際の入試をもとにした12題と数はしぼってあり、その分1題ずつをていねいに解説しています。改訂版では巻頭にすべての問題に共通する「読解ルール」の説明が入り、物語・日記・随筆など古文のジャンルごとの読み方や、設問の解き方のコツがまとめられているのが特徴です。解説には重要な文法と語句を並べて書いた現代語訳が付き、マーク式と記述式の両方の設問に触れられます。各題に合格の目安点が示されているので、自分の到達度を数字で確かめられるのも実戦的です。
👍 良い点
- レベルが明確で目標を立てやすい。日東駒専・産近甲龍という具体的な大学群に照準が合っているので、「自分が今どのへんか」をつかみやすく、過去問に進む前の腕試しに使えます。
- 本物の入試問題で「読解のコツ」を学べる。巻頭の読解ルールとジャンル別の読み方を、実際の問題を解きながら確認できる構成なので、知識を「使える力」に変える練習になります。
- マーク式と記述式の両方に対応。私大で多い選択問題に加え、記述の練習もできるため、併願校の出題形式が違っても一冊で幅広く備えられます。
🤔 気になる点
- 品詞分解はあっさりめ。解説で一語一語を細かく分解してはいないので、まだ文法に不安がある人は「なぜそう訳すのか」が追いきれず、つまずく場面があります。
- 問題数が12題と少なめ。一般的な問題集より分量が控えめなので、これ一冊だけで演習量が十分とは言えません。過去問や別の問題集との併用が前提になります。
- 解説のレベルは中級者向け。基礎事項を一から手取り足取り教えるタイプではないため、独学の初学者がいきなり手を出すと解説が物足りなく感じられることがあります。
合う人・合わない人
合う人:古典文法と古文単語をひと通り終え、共通テストの古文で半分前後は取れるようになった人。日東駒専・産近甲龍あたりが第一志望〜併願にあり、過去問に入る前に標準レベルの良問でならし運転をしたい人。選択問題だけでなく記述も少し練習しておきたい人。
合わない人:文法(助動詞・敬語など)や単語がまだあいまいな人、品詞分解に慣れていない人。古文の問題集が初めてで、一語ずつ手厚く解説してほしい人。すでにMARCH・難関私大の過去問で安定して合格点が取れていて、もっと難度の高い演習が必要な人(その場合は同シリーズの4が向きます)。
『古文ポラリス1』との違い
同じ標準レベルの定番に『大学入試問題集 古文ポラリス1』があります。ポラリスは解説の中で品詞分解や文法のつまずきポイントをかなり手厚くフォローしてくれるので、基礎から演習へ移る橋渡しとして独学でも進めやすいのが強みです。一方この全レベル問題集3は、解説はやや簡潔ですが志望大学群が明確で、合格目安点つきの実戦的な腕試しに向きます。文法にまだ不安が残るならポラリス1から、基礎は固まっていて入試問題で実力を測りたいなら本書から、という使い分けがおすすめです。両方やるなら「ポラリス1 → 全レベル3」の順が自然です。
おすすめの使い方
- まず時間を計って1題を本番のつもりで解き、各題に示された合格目安点と照らして自分の到達度を確かめる。
- 答え合わせのあと、解説の現代語訳と本文を1文ずつ突き合わせ、訳せなかった箇所の単語・文法をその場でノートに書き出して埋める。
- 全12題を解き終えたら、間違いの多かったジャンル(物語・日記・随筆など)を巻頭の読解ルールに戻って復習し、その後に第一志望の過去問へ進む。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★☆ |
| 総合 | ★★★☆☆(私大標準への橋渡しに優秀。ただし文法が固まっていない初学者には不向き) |
塾長としての評価は、「役割がはっきりした良い演習書」です。基礎を終えた生徒が私大の過去問に進む前の「演習デビュー」に置くなら、レベル設定も合格目安点つきの実戦感もよくできています。読解ルールとジャンル別の読み方を、本物の入試問題で確認できる点も価値があります。減点があるとすれば、品詞分解の手厚さと問題数で、ここは独学の初学者にはやや厳しい。逆に言えば、対象を正しく選べば外さない一冊です。
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まとめ
まとめると、本書は基礎を固めた人が私大標準レベルの読解に踏み出すための橋渡しとして優秀な一冊です。文法や単語がまだあいまいなうちに手を出すと解説が物足りなく感じるので、その段階の人はまず基礎を固めてから取り組んでください。当サイトでは古典文法や古文単語を無料で確認できる教材・まとめシートも用意しているので、本書に入る前の基礎チェックや、解いていて出てきた弱点の埋め直しにぜひ活用してください。



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