※当サイトの解説・ドリル・定期テスト対策はすべて無料です。このコーナーは、市販教材についての塾長の正直レビューです。
結論:文学史の「最初の一周」を最短で終わらせる、コスパ重視の総整理本
この本は、文学史にまだ手をつけていない人が「短期間で全体を一周する」ための薄い総整理本です。約80ページに上代〜近代の頻出事項だけが絞り込まれ、赤シートで隠して覚えられる構成。分厚い参考書をじっくり読む時間がない人や、共通テスト前に文学史を一気にさらいたい人にとって、安く・速く・最後まで終えられるのが最大の魅力です。逆に、文学史を深く味わいたい人や知識を物語として読みたい人には、あっさりしすぎて物足りません。
基本情報
| 書名 | SPEED攻略 10日間 国語 文学史 |
|---|---|
| 出版社 | Z会 |
| 著者 | Z会編集部 |
| シリーズ | SPEED攻略 10日間 |
| ページ数 | 約80ページ |
| 定価 | 660円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 基礎〜標準(共通テスト〜二次) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(短期集中で文学史を一気に仕上げたい人に) |
この本の特徴(中身)
中身は10回(10日分)に分かれていて、ページの上段に「覚えるべき項目のまとめ」、下段にその詳しい説明が載る二段構成になっています。各回には実際の入試問題が付いていて、覚えたそばから「本番でどう問われるか」を確かめられるのが良いところ。赤シート付きなので、まとめ部分を隠して暗記チェックにそのまま使えます。扱う範囲は記紀・万葉集といった一番古い時代から、随筆・日記・物語・軍記、連歌・俳諧、そして近代文学まで。なお中身は同社の『短期集中 インテンシブ10 国語 文学史』と同じ内容なので、どちらか一冊あれば十分です。
👍 良い点
- とにかく薄くて安い。約80ページ・660円で、上代から近代までの頻出事項を一周できる。文学史に時間をかけたくない受験生でも「最後まで終えられる」量に絞られているのが最大の長所。
- 覚える→すぐ問題で確認、の流れが作れる。各回に入試問題が付いているので、暗記しっぱなしにならず「本番でどう出るか」をその場で体感できる。赤シートで隠してチェックできるのも暗記向き。
- 上段まとめ・下段解説の二段構成が見やすい。覚えるべき骨組みと、その背景説明が分かれているので、まず上段だけ回して、余裕が出たら下段を読む、という強弱のつけ方ができる。
🤔 気になる点
- 「10日」を真に受けると挫折しやすい。1回分にかなりの暗記量が詰まっていて、本当に10日で赤字を覚えきるのは大半の人に無理。実際は数週間〜2か月ほど前から、1日30分ずつ繰り返す前提で考えた方がよい。
- 網羅性は割り切られている。頻出項目を絞り込んでいる分、マニアックな作者・作品や細かい知識までは載っていない。難関大で文学史が重く問われる場合、これ一冊では足りないことがある。
- 読み物としての面白さは薄い。事項を箇条書き的にまとめた整理本なので、作品のあらすじや時代背景を物語として楽しみたい人には味気なく感じられる。理解より暗記寄りの作りである点は好みが分かれる。
合う人・合わない人
合う人:文学史にまだ手をつけておらず、短期間でとにかく一周したい人。共通テストや私大で文学史が少し出るので、軽く対策しておきたい人。分厚い本だと最後まで終わらない、薄くて安い本で勢いをつけたい人。赤シート暗記が好きな人。
合わない人:文学史がほとんど出ない大学だけを受ける人(その場合は古文単語や文法を優先すべき)。逆に、文学史が難関大レベルで深く問われ、細かい知識まで完璧にしたい人。作品を物語として味わいながらじっくり覚えたい人。
『日本文学史(河合塾シリーズ ステップアップノート)』との違い
同じ薄手の文学史対策では、河合塾の『ステップアップノート 日本文学史』がよく比べられます。ステップアップノートは「空欄を自分で埋めていく書き込み式」で、手を動かしながら覚えたい人向き。一方この本は「すでにまとまった事項を赤シートで隠して覚える読み込み式」で、書く手間をかけず最短で一周したい人向きです。書いて覚える派ならステップアップノート、読んで隠して覚える派ならこちら、と相性で選べばよいでしょう。どちらも頻出範囲に絞った薄い本なので、両方やる必要はありません。
おすすめの使い方
- まず1〜2回分ずつ、上段のまとめ→下段の説明の順にざっと読み、その日のうちに付属の入試問題を解いて「どう問われるか」を確認する。
- 二周目以降は赤シートで上段を隠し、作品名・作者・時代がパッと言えるかを毎日10〜15分テストする。ここを繰り返すのが本番です。
- 試験1〜2週間前に、全10回を1日で通しチェック。詰まった項目だけに付箋を貼り、直前期はその付箋部分だけを見直す。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★★★☆ |
| 演習・実戦 | ★★★☆☆ |
| 総合 | ★★★★☆(短期で一周するには優秀。完璧主義の難関対策には物足りない) |
塾長としての評価は「◯(おすすめ)」です。文学史という後回しにされがちな分野を、安く・薄く・最後まで終えられる形にまとめた点を高く買います。特に「手をつけられずに放置している人」を一周させる力は強い。ただしタイトルの「10日」は鵜呑みにしないことと、難関大で文学史が重い人にはこれ一冊では足りない場面があることは正直にお伝えします。万人のイチオシ(◎)ではなく、「文学史の入口として、目的が合う人に強くすすめられる一冊」という位置づけです。
あわせて読みたい(無料)
まとめ
文学史は配点こそ大きくないものの、出れば確実に取りたい分野です。この本は、その「確実に取る」ための最初の一周を、最短コストで終わらせてくれます。薄くて安いぶん割り切りもありますが、入口としては十分。当サイトでも文学史の流れを一枚にまとめた無料の暗記シートやドリルを用意しているので、本書で一周したあとの仕上げや、すき間時間の確認に合わせて使ってみてください。



コメント