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結論:二次の古文記述を「独学で」仕上げるための定番問題集
この本は、共通テストの古文がひととおり読めるようになった人が、国公立大学の二次試験や、記述の出る難関私大に向けて記述答案の作り方を身につけるための問題集です。ふだん高校では「記述の採点基準」まで見せてもらえることは少ないですが、この本は実際の答案例と、何を書けば何点もらえるかの採点基準がついているのが最大の強み。だから先生に毎回見てもらえなくても、自分一人で「自分の答案のどこが足りないか」を判定できます。古文の基礎が終わった受験生が、二次の記述で点を取り切るための仕上げ用と考えてください。
基本情報
| 書名 | 得点奪取古文 記述対策(改訂版) |
|---|---|
| 出版社 | 河合出版 |
| 著者 | 竹村良三・伊田裕・武田博幸 |
| シリーズ | 得点奪取シリーズ(河合塾シリーズ) |
| ページ数 | 約119ページ(別冊解答つき) |
| 定価 | 1,047円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 難関国公立二次・記述 |
| 塾長のおすすめ度 | ◎(国公立二次の古文記述なら、まずこの一冊) |
この本の特徴(中身)
中身は大きく2部構成です。前半の「典型問題篇」で、古文記述の代表的な3タイプ(傍線部を現代語訳する解釈問題、内容を自分の言葉でまとめる説明問題、文章全体の要点をまとめる要約問題)について、それぞれの解き方の手順とコツを解説します。後半の「練習問題篇」では、入試の実情に合わせて作られたオリジナル問題で実戦練習。別冊の解答編には、採点基準・実例答案・全文の現代語訳・出典・設問解説までついていて、解説が丁寧だと評判です。薄めの一冊(約119ページ)なので、分厚い問題集に挫折しがちな人でもやり切りやすいボリュームです。
👍 良い点
- 採点基準が明記されていて独学できる。「ここを書けば何点」という配点の考え方が示されているので、先生に添削してもらえなくても、自分で自分の答案を点数化して弱点を見つけられます。記述が独学で一番難しいのは「自己採点」ですが、その壁を越えやすい作りです。
- 記述を3つの型に分けて教えてくれる。解釈・説明・要約という分類で、問題ごとに「今は何を求められているのか」がはっきりします。やみくもに書くのではなく、型に沿って答案を組み立てる感覚が身につきます。
- 薄くて完走しやすい。約119ページ・収録問題も絞られているので、秋以降の限られた時間でも一冊やり切れます。やり込めば二次直前期の記述演習として十分な手応えがあります。
🤔 気になる点
- 古文の基礎が終わっていないと歯が立たない。単語・文法・読解の土台がある人向けで、本文がスラスラ読めない段階で手を出すと、記述以前に内容がわからず挫折します。あくまで「読める人が、書けるようにする」ための本です。
- 地方国公立・基礎レベルの人にはオーバースペック気味。難関国公立(旧帝大クラス)の記述を想定した難度なので、共通テスト中心の人や、二次の配点が軽い大学が第一志望の人には重すぎることがあります。志望校の過去問の難易度と相談が必要です。
- 問題数が多くないので、これ一冊で演習量が満たせるわけではない。型を学ぶ本であって、量をこなす本ではありません。仕上げには結局、志望校の過去問演習が別に必要になります。
合う人・合わない人
合う人:古文単語・文法・読解の基礎をひととおり終え、共通テストレベルの古文は読める人。そのうえで、国公立二次や記述のある難関私大で「現代語訳・説明・要約」が出題される受験生。とくに高3の秋以降に、二次記述の答案づくりを独学で仕上げたい人にぴったりです。
合わない人:まだ古文単語や助動詞・敬語などの文法が固まっておらず、本文を読むのに苦労している段階の人。また、志望校が共通テストのみ、または二次に記述古文が出ない人には不要です。基礎固めや読解そのものの練習が先で、その段階でこの本に入っても効果が出にくいです。
『国公立標準問題集CanPass古典』との違い
同じ国公立記述向けでも、難度と役割が違います。『CanPass古典』は、共通テストから二次記述への「橋渡し」をするやや易しめの問題集で、まず標準的な記述に慣れたい人向け。一方『得点奪取古文』は、記述を「解釈・説明・要約」の型に分け、採点基準で答案を磨き込む、もう一段上の仕上げ寄りの一冊です。おすすめは、まずCanPassで二次記述の地ならしをしてから、得点奪取で型と採点感覚を完成させるという流れ。志望校が難関国公立なら、最終的にこの得点奪取まで到達しておくと安心です。
おすすめの使い方
- まず前半の「典型問題篇」を読み、解釈・説明・要約それぞれの解き方の手順を頭に入れる。いきなり問題を解かず、まずは「型」を理解するのが先です。
- 後半の練習問題は、必ず解答欄に自分の答案を書いてから答え合わせをする。頭の中で済ませず、本番と同じように手を動かして書くのがコツです。
- 答え合わせのときに別冊の採点基準で自分の答案を採点し、「どの要素が抜けたか」「なぜその要素が必要か」をメモする。6割を目安に、納得いくまで答案を書き直して、同じミスを次に繰り返さないようにします。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★☆☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★★☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★☆ |
| 総合 | ★★★★☆(二次記述の仕上げに優秀。ただし古文の基礎が終わった人向けで、初学者には重い) |
塾長としての評価は、「国公立二次の古文記述を独学で仕上げたい人にとっては、ほぼ第一候補になる定番」です。記述の採点基準を生徒自身が確認できる教材は意外と少なく、その点でこの本は独学者の強い味方になります。一方で、基礎が固まっていない段階で渡しても効果が出にくいのも事実。だからこそ「誰にでも◎」ではなく、「基礎を終えた、二次に記述が出る受験生には◎」という条件つきの高評価です。レベルと志望校が噛み合えば、費用対効果はとても高い一冊だと感じています。
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まとめ
『得点奪取古文 記述対策』は、古文の基礎を終えた受験生が、国公立二次や難関私大の記述で点を取り切るための定番問題集です。採点基準つきで独学しやすく、薄くて完走しやすいのが魅力。逆に、まだ単語・文法・読解が固まっていない人には早すぎるので、その場合はまず基礎固めから始めましょう。なお、この本に入る前の「単語・文法・読解の基礎チェック」には、当サイトの無料の古文プリントやドリルも気軽に使ってみてください。土台ができてからこの一冊に進むと、記述の伸びが一気に変わってきます。



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