漢文句法「累加」確認テスト(不唯〜亦)|定期テスト対策|誰でも古典塾

累加|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

「累加(るいか)」とは、「ただ〜だけではなく、その上…も」と、後ろに新しい内容を付け加える言い方です。もともと「唯(た)ダ〜ノミ(〜だけ)」のような限定(〜だけ)を打ち消すことで、「〜だけにとどまらない」という意味を生み出します。代表的な形は「不唯(た)ダニA〔亦(また)〕B(AだけでなくBも)」で、ほかに「非徒(ただ)ニ〜(〜だけではない)」「非独(ひと)リ〜(〜だけではない)」「豈(あ)ニ唯(た)ダ〜ノミナランヤ(どうして〜だけであろうか、いや〜だけではない)」などがあります。打ち消しの語(不・非・豈)と「唯・徒・独」がセットになり、後半に「亦(また)」が呼応することが多い点をおさえましょう。次の各例文について、後の問いに答えよ。

📥 PDFダウンロード(無料・印刷OK)
問題用紙とテスト形式で解きたい人はこちら。 📝 問題編PDF(全23問)✅ 解答・解説編PDF

本文

※例文は学習用です。
① 不唯学一レ之、亦行之。/ただニこれヲ学ブノミナラず、まタこれヲ行フ。
② 不唯吾憂一レ之、衆人亦憂之。/ただニ吾(われ)これヲ憂フルノミナラず、衆人もまタこれヲ憂フ。
③ 不唯智者知一レ之、愚者亦知之。/ただニ智者これヲ知ルノミナラず、愚者もまタこれヲ知ル。
④ 不唯利一レ己、亦利人。/ただニ己(おのれ)ヲ利スルノミナラず、まタ人ヲ利ス。
⑤ 非徒無一レ益、而又害之。/ただニ益無キノミニあらズシテ、しかモまタこれヲ害ス。
⑥ 非徒言一レ之、必行之。/ただニこれヲ言フノミニあらズ、かならズこれヲ行フ。
⑦ 非独我知一レ之、人皆知之。/ひとリ我これヲ知ルノミニあらズ、人みなこれヲ知ル。
⑧ 非独賢者有是心、人皆有之。/ひとリ賢者のみこノ心有ルニあらズ、人みなこレ有リ。
⑨ 豈唯憂之、又懼之。/あニただニこれヲ憂フルノミナランヤ、まタこれヲ懼(おそ)ル。
⑩ 豈唯我哉、衆亦然。/あニただニ我ノミナランヤ、衆もまタしかリ。
⑪ 不唯為一レ身、亦為国。/ただニ身ノ為ニスルノミナラず、まタ国ノ為ニス。
⑫ 非徒貧也、且賤焉。/ただニ貧シキノミニあらズ、かツ賤(いや)シ。

設問

  1. ①「不唯学之、亦行之。」を書き下し文にせよ。
  2. ①「不唯学之、亦行之。」を現代語訳せよ(「〜だけでなく…も」の形で)。
  3. ②「不唯吾憂之、衆人亦憂之。」を書き下し文にせよ。
  4. ②「不唯吾憂之、衆人亦憂之。」を現代語訳せよ。
  5. ③「不唯智者知之、愚者亦知之。」を現代語訳せよ。
  6. ④「不唯利己、亦利人。」を書き下し文にせよ。
  7. ④「不唯利己、亦利人。」を現代語訳せよ。
  8. ⑤「非徒無益、而又害之。」を現代語訳せよ。
  9. ⑥「非徒言之、必行之。」を書き下し文にせよ。
  10. ⑥「非徒言之、必行之。」を現代語訳せよ。
  11. ⑦「非独我知之、人皆知之。」を現代語訳せよ。
  12. ⑧「非独賢者有是心、人皆有之。」を現代語訳せよ。
  13. ⑨「豈唯憂之、又懼之。」を現代語訳せよ。
  14. ⑩「豈唯我哉、衆亦然。」を現代語訳せよ。
  15. ⑪「不唯為身、亦為国。」を現代語訳せよ。
  16. ⑫「非徒貧也、且賤焉。」を現代語訳せよ。
  17. ①の「不唯〜」の「唯」の読みを、送り仮名も含めてひらがなで答えよ。
  18. ②の「亦」の読みを、ひらがなで答えよ。
  19. ⑤の「非徒〜」の「徒」の読みを、送り仮名も含めてひらがなで答えよ。
  20. ⑦の「非独〜」の「独」の読みを、送り仮名も含めてひらがなで答えよ。
  21. ⑨の「豈唯〜」は、文末で読みがどのように結ばれるか。「豈〜哉/豈〜乎」の形をふまえ、⑨の「豈唯憂之」の部分の読み方(書き下し)を答えよ。
  22. 次の問いに答えよ。
    • (1) もともと「唯・徒・独」はどのような意味(限定)を表すか、日本語で答えよ。
    • (2) その語の前に「不・非・豈」を付けると、文全体の意味はどのように変化するか。「限定」「累加」という語を用いて説明せよ。
  23. 「不唯A亦B」と「非徒A〜B」は、ともに同じ意味の関係を表す。この二つに共通する意味の型を、「Aだけでなく〜」という形を用いて記述せよ。
▼ 解答・解説を見る

問1 ただニこれを学ぶのみならず、また之(これ)を行ふ。

問2 ただこれを学ぶだけでなく、その上これを実行する。

問3 ただニ吾(われ)之を憂ふるのみならず、衆人も亦(また)之を憂ふ。

問4 自分だけがそれを心配しているのではなく、多くの人もまたそれを心配している。

問5 賢い者がそれを知っているだけでなく、愚かな者もまたそれを知っている。

問6 ただニ己(おのれ)を利するのみならず、また人を利す。

問7 自分の利益になるだけでなく、その上他人の利益にもなる。

問8 ただ無益であるだけでなく、その上それを害する(かえって害になる)。

問9 ただニ之を言ふのみにあらず、必ず之を行ふ。

問10 ただそれを口に言うだけでなく、必ずそれを実行する。

問11 ただ自分だけがそれを知っているのではなく、人々はみなそれを知っている。

問12 ただ賢い者だけがこの心を持っているのではなく、人はみなこの心を持っている。

問13 どうしてただそれを心配するだけであろうか、いや、その上それを恐れてもいる。

問14 どうしてただ自分だけであろうか、いや、人々もまた同じである。

問15 ただ自分自身のためにするだけでなく、その上国のためにもする。

問16 ただ貧しいだけでなく、その上身分も低い。

問17 ただ(ニ)。「唯」は「ただ(ニ)」と読み、限定「〜だけ」を表す。これを「不」で打ち消して「ただニ〜ノミナラず(〜だけではなく)」となる。

問18 また。「亦」は「また」と読み、前半の「不唯(〜だけでない)」と呼応して「〜もまた」と累加を示す。

問19 ただ(ニ)。「徒」も「唯・独」と同じく限定「〜だけ」を表し、「ただ(ニ)」と読む。「非徒〜」で「ただニ〜のみにあらず(〜だけではない)」となる。

問20 ひとり。「独」は「ひとリ」と読み、「〜だけ」という限定を表す。「非独〜」で「ひとリ〜のみにあらず(〜だけではない)」となる。

問21 あニただニ之を憂ふるのみならんや。(「豈〜哉/乎」の反語と呼応し、文末を「〜ノミナランヤ」と結ぶ。)

問22 (1) 「〜だけ」「ただ〜のみ」という、範囲をそれ一つに限る「限定」の意味を表す。
(2) 「不・非・豈」で限定を打ち消すことにより、「〜だけにとどまらない=その上…も」という意味になり、限定が累加(付け加え)に転じる。

問23 どちらも「Aだけでなく、その上Bも(成り立つ)」という、前の内容に後の内容を付け加える累加の型を表す。

※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました