『風姿花伝』「秘すれば花」定期テスト対策問題|文法・内容の頻出設問と解答

定期テスト対策

世阿弥『風姿花伝』第七「別紙口伝」の一節「秘すれば花」は、能楽論の核心「秘するがゆゑに大用(大きな効果)がある」を説く定番教材です。「べからず」「なり」「ば」の識別、逆説的な内容の読み取り、対句表現がよく問われます。

本文

【本文】
一、秘する花を知る事。秘すれば花なり。秘せずば花なるべからずとなり、この分け目を知る事、肝要の花なり。 大方、一切の事、諸道・芸能にわたりて、その家々に秘事と申すは、秘するによりて大用のあるがゆゑなり。 されば、秘事といふことをあらはせば、させることにてもなきものなり。これを「させることにてもなし」と言ふ人は、いまだ秘事といふことの大用を知らぬがゆゑなり。

【参考(表記の異同)】
「秘するによりて大用のあるがゆゑなり」の部分は、岩波文庫など多くの校訂本では格助詞「の」を含まない「秘するによりて大用(たいよう)あるがゆゑなり」の形で載る。使用する教科書の本文に合わせて読むこと。冒頭も「そもそも、一切の事、諸道芸において」とする本文もある。

問題

  1. 傍線部「秘する」の読みを平仮名(現代仮名遣い)で答えよ。
  2. 「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」を現代語訳せよ。
  3. 傍線部「花なるべからず」の「べから」は助動詞「べし」の一部である。ここでの「べし」の意味を答えよ。
  4. 「秘すれば」の「ば」と「秘せずば」の「ば」の文法上の違いを、接続する活用形を挙げて説明せよ。
  5. 「秘するによりて大用のあるがゆゑなり」とはどういうことか。「大用」の内容を明らかにして説明せよ。
  6. 傍線部「させることにてもなきものなり」を現代語訳せよ。また「させる」の品詞と用法を答えよ。
  7. 世阿弥は「これを『させることにてもなし』と言ふ人」をどのように評しているか。本文に即して説明せよ。
  8. この文章で世阿弥が説く「秘すれば花」の主張を、四十字程度でまとめよ。

解答・解説

問1の解答

ひする。サ変動詞「秘す」の連体形。「秘(ひ)する花」で「秘密にしておく花(魅力)」の意。

問2の解答

秘密にしておくからこそ花(=人を感動させる魅力)となるのであって、秘密にしなければ花であることはできない。前の「ば」は已然形+ばで確定条件、後の「ずば」は未然形+ばで仮定条件になっている点に注意。

問3の解答

可能(〜できる)。打消「ず」と結びついて「べからず=〜できない・〜するはずがない」となり、ここは「花であることはできない」の意でとるのが分かりやすい(可能説)。なお「花であるはずがない」と当然でとる注釈もあるが、いずれも「花になり得ない」という結論は変わらない。

問4の解答

「秘すれば」は已然形(すれ)+接続助詞「ば」で確定条件(〜ので・〜と)。「秘せずば」は打消「ず」の未然形+「ば(は)」で仮定条件(もし〜ないなら)。同じ「ば」でも接続する形で意味が変わる。

問5の解答

秘密にしておくからこそ大きな効果(=観客の予想を裏切って強く感動させる働き)が生じる、ということ。「大用」は「大きな効果・優れた働き」の意で、世阿弥は秘事の価値をこの効果に求めている。

問6の解答

訳=たいしたことでもないものである。「させる」は連体詞で、下に打消の語(なき)を伴って「たいした〜・これといった〜(ない)」の意を表す。秘事も明かしてしまえばたいしたものではなくなる、という逆説を述べる。

問7の解答

秘事を明かせばたいしたことはないと言う人は、まだ秘事(秘密にすること)がもつ大用(大きな効果)を理解していないからだ、と批判している。効果は「秘する」という行為そのものから生まれる、という論点を押さえる。

問8の解答

芸は秘密にしておくからこそ観客を予想外に感動させる効果を生み、公開すればその魅力(花)は失われるということ。「珍しさ=予想を裏切る意外性」が花の本質だという世阿弥の花論に基づく主張である。

👉 本文の現代語訳・語句・文法のくわしい解説は 解説記事 で確認できます。

📗 参考書・問題集で対策するなら|塾長が古文・漢文の市販教材を目的別に正直レビューしています。目的別おすすめを見る →

[広告・PR]

動画で授業を受けたい人へ

誰でも古典塾は「読んで覚える」無料テキスト専門で、動画授業はありません。「文字だけだと入りにくい」「授業を聞いて理解したい」人は、動画授業のスタディサプリ(古文・漢文=岡本梨奈先生)が相棒になります。

▶ スタディサプリを見てみる

コメント

タイトルとURLをコピーしました