古文「つ・ぬ」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「つ・ぬ」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

完了の2大助動詞を100問で使い分ける

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A4・問題用は解答スペース付き/解答用は答えと解説

📖 先に理屈を固めたい人へ:「つ・ぬ」の識別・用法 解説 を読んでから解くと正答率が上がります。

このドリルでわかること

はじめに:「つ」と「ぬ」の違い

完了の助動詞「つ」と「ぬ」、ともに連用形接続で「〜してしまった/〜した」と訳しますが、ニュアンスと接続する動詞 が違います。

助動詞 主な接続 ニュアンス
つ 他動詞(意志的な動作) 動作主の意志的な完了
ぬ 自動詞(自然な変化) 自然な変化・完了

例: – 「書きつ」:(自分の意志で)書いた/書いてしまった – 「散りぬ」:(自然に)散ってしまった


活用

「つ」

活用形 形
未然 て
連用 て
終止 つ
連体 つる
已然 つれ
命令 てよ

「ぬ」

活用形 形
未然 な
連用 に
終止 ぬ
連体 ぬる
已然 ぬれ
命令 ね

他用法(重要)

「つ」「ぬ」には完了以外の用法もあります:

用法 例 訳
完了 書きつ 書いた
強意(確述) 散りぬべし きっと散るだろう
並列 行きつ戻りつ 行ったり戻ったり

識別の鉄則

  1. 下に「む・べし・まし」が付く → 強意(確述)「きっと〜」
  2. 「〜つ〜つ」「〜ぬ〜ぬ」と終止形を2つ重ねる → 並列「〜したり〜したり」
  3. それ以外 → 完了「〜してしまった」

「識別の鉄則」は見分けのもとになる決まり。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 「つ/ぬ」の後ろを見るだけで意味が即決

「つ/ぬ」が出てきたら 直後 に視線を飛ばす。 – 後ろが む/べし/まし → 強意(確述)「きっと〜」「必ず〜」(「らむ」「らし」が続く「つらむ・ぬらむ・ぬらし」は、このドリルでは完了とする。「つらむ・ぬらむ」を強意とする説明もある) – 後ろが 句点・別動作、または「つる」「ぬる」の形で体言 → 完了「〜してしまった」(「ぬ」のすぐ下が体言なら打消「ず」の連体形:散らぬ花) – 「〜つ〜つ」「〜ぬ〜ぬ」と繰り返し → 並列「〜したり〜したり」

「ぬべし」「てむ」「なむ」(連用+なむ)を見たら反射で「強意」と答える。

コツ② 「ぬ」の正体は直前で決まる

「ぬ」を見たら 直前の活用形 を即チェック。 – 連用形+ぬ → 完了の助動詞「ぬ」(散りぬ=散ってしまった) – 未然形+ぬ → 打消「ず」の連体形「ぬ」(散らぬ=散らない)

見分けにくいのは、未然形と連用形が同じ形の上一段・下一段・上二段・下二段(見・寝・過ぎ・出で、助動詞「る・らる・す・さす」など)。そのときは 「ぬ」の下 を見る。係りの語のない文末や「べし・らむ・らし」の上(終止形)なら完了、体言の上や係助詞「ぞ・なむ・や・か」の結び(連体形)なら打消「ず」。

コツ③ 「つ」と「ぬ」の使い分けは自他が目安

  • つ:他動詞・意志的(書きつ/詠みつ/殺しつ)
  • ぬ:自動詞・自然変化(散りぬ/消えぬ/枯れぬ)

迷ったら「自分の意志でやった?それとも勝手にそうなった?」を目安に。ただし傾向なので、例外も多い。

コツ④ 「てむ/なむ/つべし/ぬべし」は強意のセットフレーズ

入試頻出の 完成形 として暗記してしまう。 – 「てむ」「なむ(連用+)」 → 強意+意志・推量 – 「つべし」「ぬべし」 → 強意+当然・推量(「きっと〜だろう」) – 「てまし」「なまし」 → 強意+反実仮想

この形を見たら、つ/ぬは強意だと即答できる。

試験本番でのチェック順序

  1. 「つ/ぬ」の 直後 を見る(む/べし/ましが来ていないか)
  2. 「む・べし・まし」が来ていたら → 強意(確述)で確定
  3. 「ぬ」なら 直前 の活用形を確認(未然なら打消「ず」)
  4. 並列の繰り返しパターン(〜つ〜つ)なら並列で確定
  5. それ以外は完了

→ この順番で見れば、すばやく答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 「ぬべし」「てむ」を完了と誤答する(実は強意)
  • 「散らぬ花」を完了と勘違い(未然+ぬ=打消連体形)
  • 「死なむ」を完了「ぬ」未然+推量「む」と誤判定(正しくはナ変動詞「死ぬ」の未然形「死な」+推量・意志「む」)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編


Q1.「つ」「ぬ」の用法を答えよ。

物書きつ。

答え:完了「つ」終止形 解説:「書き」連用+「つ」。「物を書いた」。


Q2.用法を答えよ。

花散りぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「散り」連用+「ぬ」。「花が散った」。


Q3.用法を答えよ。

行きつ戻りつ。

答え:両方とも並列 解説:「行きつ戻りつ」で「行ったり戻ったり」(並列・反復)。


Q4.用法を答えよ。

行きぬべし。

答え:強意(確述)「ぬ」終止形 解説:「ぬ」+推量「べし」。「きっと行くだろう」。


Q5.用法を答えよ。

知りつ。

答え:完了「つ」終止形 解説:「知り」連用+「つ」。「知った」。


Q6.用法を答えよ。

月出でぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「出で」下二段連用+「ぬ」。「月が出た」。


Q7.用法を答えよ。

思ひつ。

答え:完了「つ」終止形 解説:「思ひ」連用+「つ」。


Q8.用法を答えよ。

春過ぎぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「過ぎ」連用+「ぬ」。「春が過ぎた」。


Q9.用法を答えよ。

言ひつべし。

答え:強意(確述)「つ」終止形 解説:「つ」+「べし」。「きっと言うだろう/言ってしまうに違いない」。


Q10.用法を答えよ。

鳥鳴きぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「鳴き」連用+「ぬ」。「鳥が鳴いた」。


Q11.用法を答えよ。

来(き)ぬる人。

答え:完了「ぬ」連体形「ぬる」 解説:カ変「来」連用形「き」+完了「ぬ」連体形「ぬる」+体言「人」。読みは「きぬるひと」。「来てしまった人」。完了「ぬ」の活用:な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね。


Q12.用法を答えよ。

行きつる所。

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:「行き」連用+「つる」+体言「所」。「行った所」。


Q13.用法を答えよ。

雨降りぬべし。

答え:強意(確述)「ぬ」 解説:「ぬ」+「べし」。「きっと雨が降るだろう」。


Q14.用法を答えよ。

嵐山に登りつ。

答え:完了「つ」終止形 解説:「登り」連用+「つ」。


Q15.用法を答えよ。

春来たりぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「来たり」連用+「ぬ」。「春が来た」。


Q16.用法を答えよ。

詠みつれば、心晴れぬ。

答え:完了「つ」已然形「つれ」 解説:「つれ」+「ば」(原因)。「詠んだので、心が晴れた」。


Q17.用法を答えよ。

仏に祈りぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「祈り」連用+「ぬ」。


Q18.用法を答えよ。

早く来(き)てよ。

答え:完了「つ」命令形「てよ」 解説:カ変「来」連用形「き」+完了「つ」命令形「てよ」。「早く来てしまえ」。完了「つ」の活用:て・て・つ・つる・つれ・てよ。


Q19.用法を答えよ。

一人立ちぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「立ち」連用+「ぬ」。「一人立った」。


Q20.用法を答えよ。

月見つべし。

答え:強意(確述)「つ」 解説:「つ」+「べし」。「きっと月を見るだろう」。


基礎編 /20


【第2部】標準編


Q21.用法を答えよ。

いそぎ立ちぬべき所。

答え:強意「ぬ」 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」(「べし」は終止形に付く)。「きっと急いで出発しなければならない所」。


Q22.用法を答えよ。

文を書きて、使ひに取らせつ。

答え:完了「つ」終止 解説:下二段「取らす」連用形「取らせ」+「つ」。文末なので終止形。「手紙を書いて、使いの者に持たせた」。


Q23.用法を答えよ。

風吹きぬべし。

答え:強意「ぬ」 解説:「ぬ」+「べし」。「きっと風が吹くだろう」。


Q24.用法を答えよ。

木の葉、波に浮きぬ沈みぬ流れゆく。

答え:並列 解説:「浮き」「沈み」(四段連用形)+「ぬ」(終止形)を重ねた「〜ぬ〜ぬ」の形で並列。「木の葉が波に浮いたり沈んだりして流れてゆく」。


Q25.用法を答えよ。

春の野に若菜摘みつ。

答え:完了「つ」終止形 解説:「摘み」連用+「つ」。


Q26.用法を答えよ。

鶯さへづりぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「さへづり」連用+「ぬ」。


Q27.用法を答えよ。

心通はしつ。

答え:完了「つ」 解説:「通はし」連用+「つ」。「心を通わせた」。


Q28.用法を答えよ。

仏に祈りぬれば、安らぎぬ。

答え:完了「ぬ」已然形「ぬれ」 解説:「ぬれ」+「ば」(原因)。「祈ったので、安らいだ」。


Q29.用法を答えよ。

知りつべし、と思ふ。

答え:強意「つ」 解説:「つ」+「べし」。「きっと知るだろう、と思う」。


Q30.用法を答えよ。

道に迷ひぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「迷ひ」連用+「ぬ」。


Q31.用法を答えよ。

仰せつべし。

答え:強意「つ」 解説:「つ」+「べし」。「きっとお命じになるだろう」。


Q32.用法を答えよ。

物言ひぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「言ひ」連用+「ぬ」。


Q33.用法を答えよ。

来つる方。

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:「来(き)」連用+「つる」+体言「方(かた)」。「やって来た方」。


Q34.用法を答えよ。

言ひつべきこと。

答え:強意「つ」終止形 解説:「つ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「こと」(「べし」は終止形に付く)。「きっと言うべきこと」。


Q35.用法を答えよ。

今は舟に乗りぬべき時なり。

答え:強意「ぬ」 解説:「乗り」(四段連用形)+「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」(「べし」は終止形に付く)。「今はもう、きっと舟に乗るべき時だ」。


Q36.用法を答えよ。

過ぎ行きぬる春。

答え:完了「ぬ」連体形「ぬる」 解説:「ぬる」+体言「春」。


Q37.用法を答えよ。

月出でつ。

答え:完了「つ」終止 解説:「出で」下二段連用+「つ」。「月が出た」。


Q38.用法を答えよ。

雪降りぬべき空。

答え:強意「ぬ」終止形 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「空」(「べし」は終止形に付く)。「きっと雪が降るだろう空」。


Q39.用法を答えよ。

言ひつれば、人皆笑ふ。

答え:完了「つ」已然形「つれ」 解説:「つれ」+「ば」(原因)。「言ったので、人々が皆笑う」。


Q40.用法を答えよ。

物思ひぬ。

答え:完了「ぬ」終止 解説:「思ひ」連用+「ぬ」。


Q41.用法を答えよ。

鳥や鳴きつらむ。

答え:完了「つ」終止+現在推量 解説:「つ」終止+「らむ」(係助詞「や」の結びで連体形)。「鳥が鳴いたのだろうか」。「つらむ」の「つ」を強意(確述)とする説明もある。


Q42.用法を答えよ。

知りぬらむ。

答え:完了「ぬ」終止+現在推量 解説:「ぬ」+「らむ」。「(今ごろは)もう知っているだろう」。「ぬらむ」の「ぬ」を強意(確述)とする説明もある。


Q43.用法を答えよ。

嵐山の紅葉散りつるを、嘆く。

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:「つる」(連体形・準体法)+格助詞「を」。「嵐山の紅葉が散ったのを嘆く」。


Q44.用法を答えよ。

物食はずして寝ぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:下二段「寝(ぬ)」連用形「寝(ね)」+「ぬ」。「寝」は未然形も連用形も「ね」だが、文末で係りの語もないので終止形の「ぬ」=完了(打消なら「寝ず」)。「物を食べないで眠った」。


Q45.用法を答えよ。

言ひてよ。

答え:完了「つ」命令形「てよ」 解説:「言ひ」連用+「てよ」。「言ってしまえ」(命令)。


Q46.用法を答えよ。

とく都へ帰りなばや。

答え:完了「ぬ」未然形「な」+終助詞「ばや」(自己の願望) 解説:四段「帰る」連用形「帰り」+完了「ぬ」未然形「な」+「ばや」。「早く都へ帰ってしまいたい」(自分の願望)。「な」と「ね」の取り違えに注意。


Q47.用法を答えよ。

兵ども、追ひつ追はれつ戦ふ。

答え:並列 解説:「追ひ」(四段連用形)+「つ」、「追は」+受身「る」連用形「れ」+「つ」と、終止形の「つ」を重ねて並列。「兵たちが、追ったり追われたりして戦う」。


Q48.用法を答えよ。

春雨降りぬ。

答え:完了「ぬ」終止 解説:「降り」連用+「ぬ」。


Q49.用法を答えよ。

我れも詠みつべし。

答え:強意「つ」 解説:「つ」+「べし」。主語が「我れ」なので、「私もきっと詠もう」。


Q50.用法を答えよ。

物書きぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:「書き」連用+「ぬ」。


標準編 /30


【第3部】応用編


Q51.用法を答えよ。

我れ歌詠みつるものを、人皆つれなし。

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:「つる」(連体形)+接続助詞「ものを」(逆接)。「私は歌を詠んだのに、人々は皆そっけない」。


Q52.用法を答えよ。

鶯さへづりぬれば、春来たる。

答え:完了「ぬ」已然形「ぬれ」 解説:「ぬれ」+「ば」(原因)。「鶯がさえずったので、春が来る」。


Q53.用法を答えよ。

物言ひつべきを、口を閉づ。

答え:強意「つ」終止形 解説:「つ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+接続助詞「を」(逆接)(「べし」は終止形に付く)。「きっと言うべきなのに、口を閉じる」。


Q54.用法を答えよ。

鳥や鳴きぬらむ。

答え:完了「ぬ」終止+現在推量 解説:「ぬ」+「らむ」(係助詞「や」の結びで連体形)。「鳥が鳴いてしまったのだろうか」。「ぬらむ」の「ぬ」を強意(確述)とする説明もある。


Q55.用法を答えよ。

月出でつらむ。

答え:完了「つ」終止+現在推量 解説:「つ」+「らむ」。「(今ごろは)月が出ているだろう」。「つらむ」の「つ」を強意(確述)とする説明もある。


Q56.用法を答えよ。

春過ぎぬべし。

答え:強意「ぬ」 解説:「ぬ」+「べし」。


Q57.用法を答えよ。

我れも仕うまつりつべし。

答え:強意「つ」 解説:「つ」+「べし」。


Q58.用法を答えよ。

心通ひぬべき人。

答え:強意「ぬ」終止形 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「人」(「べし」は終止形に付く)。


Q59.用法を答えよ。

知りつべき時。

答え:強意「つ」終止形 解説:「つ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「時」(「べし」は終止形に付く)。


Q60.用法を答えよ。

やがて御前に参りぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:四段「参る」連用形「参り」+完了「ぬ」終止形。「すぐに御前に参上した」。


Q61.用法を答えよ。

風吹き止みつ。

答え:完了「つ」終止 解説:「止み」連用+「つ」。


Q62.用法を答えよ。

雪深く積もりぬれば、道見えず。

答え:完了「ぬ」已然形「ぬれ」 解説:「ぬれ」+「ば」(原因)。


Q63.用法を答えよ。

ふみを学びつ。

答え:完了「つ」終止 解説:「学び」連用+「つ」。「書物(漢籍)を学んだ」。


Q64.用法を答えよ。

物思ひつらむ人。

答え:完了「つ」終止+現在推量+連体 解説:「つ」+「らむ」連体+体言「人」。「(今ごろ)もの思いをしているであろう人」。「つらむ」の「つ」を強意(確述)とする説明もある。


Q65.用法を答えよ。

月隠れぬらし。

答え:完了「ぬ」終止+推定「らし」 解説:「ぬ」+「らし」(推定)。


Q66.用法を答えよ。

この文、とく書きてよ、とのたまふ。

答え:完了「つ」命令形「てよ」 解説:「書き」(四段連用形)+「てよ」(命令形)。下の「と」は引用の格助詞。「この手紙を早く書いてしまえ、とおっしゃる」。


Q67.用法を答えよ。

秋も暮れて、冬になりぬ。

答え:完了「ぬ」終止形 解説:四段「なる」連用形「なり」+完了「ぬ」終止形。「秋も暮れて、冬になった」。


Q68.用法を答えよ。

道を究めつべき才。

答え:強意「つ」終止形 解説:「つ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「才」(「べし」は終止形に付く)。「きっとその道を究めることができそうな才能」。


Q69.用法を答えよ。

心ある人にあらねど、なほ嘆かれぬ。

答え:完了「ぬ」終止 解説:「嘆か」+自発「る」連用形「れ」+「ぬ」。「る」は未然形も連用形も「れ」だが、文末で係りの語もないので終止形の「ぬ」=完了。「情趣を解する人ではないけれど、それでもやはり嘆かずにはいられなかった」。


Q70.用法を答えよ。

物思ひつつ、夜更けゆく。

答え:接続助詞「つつ」(反復・継続) 解説:四段「思ふ」連用形「思ひ」+接続助詞「つつ」+動詞「夜更けゆく」。「もの思いをしながら、夜が更けてゆく」。完了助動詞「つ」とは別物(連用形接続は共通だが、接続助詞「つつ」は「〜しながら/〜し続けて」の継続表現)。引っかけ問題。


Q71.用法を答えよ。

雪降りつ消えつ。

答え:並列 解説:「〜つ、〜つ」で並列。「降ったり消えたり」。


Q72.用法を答えよ。

古き世にありぬべき人。

答え:強意「ぬ」終止形 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「人」(「べし」は終止形に付く)。


Q73.用法を答えよ。

物言ひつれば、心やすし。

答え:完了「つ」已然形「つれ」 解説:「つれ」+「ば」(原因)。「言ってしまったので、気が楽だ」。


Q74.用法を答えよ。

雪深く降りぬれば、出でられず。

答え:完了「ぬ」已然形「ぬれ」 解説:「ぬれ」+「ば」。


Q75.用法を答えよ。

知りつれば、なほ嘆く。

答え:完了「つ」已然形「つれ」 解説:「つれ」+「ば」。


Q76.用法を答えよ。

風吹きぬらむ夜。

答え:完了「ぬ」終止+現在推量+婉曲 解説:「ぬ」+「らむ」連体+体言「夜」。「ぬらむ」の「ぬ」を強意(確述)とする説明もある。


Q77.用法を答えよ。

月清く照りつらむ里。

答え:完了「つ」終止+現在推量+婉曲 解説:「つ」+「らむ」連体+体言「里」。「つらむ」の「つ」を強意(確述)とする説明もある。


Q78.用法を答えよ。

春雨降りぬべき時。

答え:強意「ぬ」終止形 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「時」(「べし」は終止形に付く)。


Q79.用法を答えよ。

仕うまつりつべき所。

答え:強意「つ」終止形 解説:「つ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「所」(「べし」は終止形に付く)。


Q80.用法を答えよ。

いかなる人か、この歌を詠みつらむ。

答え:完了「つ」終止+現在推量 解説:「詠み」連用+「つ」(終止形)+「らむ」(係助詞「か」の結びで連体形)。「いったいどんな人が、この歌を詠んだのだろうか」。「つらむ」の「つ」を強意(確述)とする説明もある。


応用編 /30


【第4部】入試レベル


Q81.用法を答えよ。

春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山

答え:完了「ぬ」連用形「に」 解説:百人一首・持統天皇(新古今集)。カ変「来(き)」連用形+完了「ぬ」連用形「に」+「けらし」(過去「けり」の連体形「ける」+推定「らし」が約まった形)。「春が過ぎて夏が来てしまったらしい」。万葉集の形は「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天の香具山」で、こちらには「ぬ」がない。


Q82.用法を答えよ。

鬼はや一口に食ひてけり。

答え:完了「つ」連用形「て」 解説:伊勢物語・第六段(芥川)。「食ひ」(四段連用形)+完了「つ」連用形「て」+過去「けり」。下に助動詞「けり」が続くので、接続助詞の「て」ではない。「鬼がたちまち(女を)一口で食べてしまった」。


Q83.用法を答えよ。

京にて生まれたりし女子、国にてにはかに失せにしかば、…

答え:完了「ぬ」連用形「に」+過去「き」已然形「しか」(+接続助詞「ば」) 解説:土佐日記の一節。「失せ」連用+「に」(完了ぬ連用形)+「しか」(過去き已然形)+「ば」(接続助詞・原因)。「亡くなってしまったので」。


Q84.用法を答えよ。

ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:百人一首・後徳大寺左大臣(千載集)。「鳴き」連用+「つる」(連体形)+体言「方」。「ほととぎすが鳴いた方をながめると、ただ有明の月が残っている」。


Q85.用法を答えよ。

物のあはれを知る人は、これを尊しと思ひぬべし。

答え:強意「ぬ」 解説:「ぬ」+「べし」。「きっと尊いと思うだろう」。


Q86.用法を答えよ。

我れも詠みつべきを、いまだ詠まず。

答え:強意「つ」終止形 解説:「つ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+接続助詞「を」(逆接)(「べし」は終止形に付く)。「私もきっと詠めるはずなのに、まだ詠まない」。


Q87.用法を答えよ。

古き友、今宵来ぬらむ。

答え:完了「ぬ」終止+現在推量 解説:「来(き)」連用+「ぬ」+「らむ」。読みは「きぬらむ」。「昔なじみの友は、今夜はもう来ているだろう」。「ぬらむ」の「ぬ」を強意(確述)とする説明もある。


Q88.用法を答えよ。

春の野に若菜摘みつるは、いまだ春浅し。

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:「つる」+係助詞「は」。「若菜を摘んだのは、まだ春浅い」。


Q89.用法を答えよ。

心ある人にあらぬは、これを尊しと思はずして、ただ過ぎぬ。

答え:最初の「ぬ」=打消「ず」連体形/最後の「ぬ」=完了「ぬ」終止 解説:「あら」(ラ変未然形)+「ぬ」は打消「ず」の連体形(「〜ない人は」)。「過ぎ」は上二段で未然形も連用形も「過ぎ」だが、文末で係りの語もないので終止形の「ぬ」=完了。「情趣を解さない人は、これを尊いと思わないで、ただ通り過ぎてしまった」。


Q90.用法を答えよ。

仏前に祈りつれば、心安らぎぬ。

答え:完了「つ」已然形+完了「ぬ」終止 解説:「祈り」連用+「つれ」(已然)+「ば」(原因)+「安らぎ」連用+「ぬ」終止。


Q91.用法を答えよ。

年ごろ書き集めつるを、人に見す。

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:下二段「書き集む」連用形「書き集め」+「つる」(連体形・準体法「〜たもの」)+格助詞「を」。「長年書き集めたものを、人に見せる」。


Q92.用法を答えよ。

春過ぎぬべき時節。

答え:強意「ぬ」終止形 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「時節」(「べし」は終止形に付く)。


Q93.用法を答えよ。

雨降りつやみつ。

答え:並列 解説:「〜つ、〜つ」で並列。


Q94.用法を答えよ。

月隠れぬべき夜半。

答え:強意「ぬ」終止形 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「夜半」(「べし」は終止形に付く)。


Q95.用法を答えよ。

心のうちを語らひつべき人もなし。

答え:強意「つ」終止形 解説:「語らひ」(四段連用形)+「つ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「人」(「べし」は終止形に付く)。「心の中をきっと語り合えそうな人もいない」。


Q96.用法を答えよ。

風吹きぬらし。

答え:完了「ぬ」終止+推定「らし」 解説:「ぬ」+「らし」。「風が吹いたらしい」。


Q97.用法を答えよ。

雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちに籠めたりつるものを。

答え:完了「つ」連体形「つる」(連体止め) 解説:源氏物語「若紫」。四段「逃がす」連用形「逃がし」+「つる」。係りの語がないのに連体形で言い切る連体止めで、残念な気持ちがこもる。「雀の子を犬君が逃がしてしまったの。伏籠の中に入れておいたのに」。


Q98.用法を答えよ。

物思ひぬべき時節なり。

答え:強意「ぬ」終止形 解説:「ぬ」(終止形)+「べし」連体形「べき」+体言「時節」(「べし」は終止形に付く)。


Q99.用法を答えよ。

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる

答え:完了「ぬ」終止 解説:古今集・藤原敏行。カ変「来(き)」連用形+「ぬ」。引用の「と」の上で終止形なので完了(読みは「きぬ」。打消なら「来ず」)。「秋が来たと目にははっきり見えないけれど、風の音で(秋が来たと)はっと気づかされた」。「見えね」は打消「ず」の已然形、「おどろかれぬる」は完了「ぬ」の連体形(「ぞ」の結び)。


Q100.用法を答えよ。

物のあはれを知りつるは、なほ心深し。

答え:完了「つ」連体形「つる」 解説:「つる」(連体形・準体法「〜た人」)+係助詞「は」。「物のあわれを知った人は、やはり心が深い」。


入試レベル /20


合計 /100


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