古文「き」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「き」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

過去「き」の変則活用を100問で完全理解

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A4・問題用は解答スペース付き/解答用は答えと解説

📖 先に理屈を固めたい人へ:「き」の識別・用法 解説 を読んでから解くと正答率が上がります。

このドリルでわかること

はじめに:過去の助動詞「き」

過去の助動詞「き」は、 連用形接続(カ変・サ変は例外あり)。 活用が変則的で、入試の頻出識別テーマ。

活用形 形 用例
未然 せ ありせば(反実仮想)
連用 (なし) —
終止 き 行きき。
連体 し 行きし人
已然 しか 行きしかば
命令 (なし) —

意味:自分が経験した過去(実体験)


カ変・サ変の例外

過去の助動詞「き」は、原則として活用語の連用形に接続しますが、カ変・サ変動詞には特別な付き方をします。カ変には終止形「き」が付かず(「来き」とは言わない)、連体形「し」・已然形「しか」が未然形「こ」にも連用形「き」にも付きます。サ変は、終止形「き」は連用形「し」に付いて「しき」、連体形「し」・已然形「しか」は未然形「せ」に付いて「せし」「せしか」となります(「しし」「ししか」とは言わない)。

動詞 終止「き」 連体「し」 已然「しか」
カ変「来(く)」 ×(接続なし) 来(こ)し/来(き)し 来(こ)しか/来(き)しか
サ変「す」 しき(連用形「し」+き) せし(未然形「せ」+し) せしか(未然形「せ」+しか)

→ カ変は「こし/きし」「こしか/きしか」、サ変は「しき」「せし」「せしか」。カ変の終止形「来き」と、サ変の「しし」「ししか」は使わない。


識別の鉄則

  1. 直前は連用形(カ変・サ変のみ例外)
  2. 「し」が出てきたら多くは過去連体形(「形容詞語幹+し」と混同注意)
  3. 「しか」は已然形+ば(過去原因・確定)
  4. 「せば〜まし/なまし」は未然形(反実仮想)
  5. 「し」が体言の前 → 連体形ほぼ確定
  6. 「しか」が「ども」を伴うと逆接(〜したけれども)

「き」と「けり」の違い

助動詞 ニュアンス
き 自分が経験した過去
けり 伝聞(〜たそうだ)・気づき(〜たのだなあ)

例: – 行きき:(自分が)行った – 行きけり:行ったそうだ(伝聞)/行ったのだなあ(気づき)


識別注意:紛らわしい「し」「しか」

  • 副助詞「し」(強意):「今しも」「春しくれば」
  • 形容詞シク活用語尾「し」:「美し」「悲し」
  • サ変動詞「す」連用形「し」:「心地して」の「し」(「ものし給ふ」の「し」も、サ変「ものす」の連用形の一部)
  • 接続助詞「して」の一部:「もとの身にして」(〜であって)
  • 副詞「しか」:「しか思ふ」(そう思う)
  • 願望の終助詞「てしか」「にしか」(〜したいものだ):「いかで見てしか」(文末にあり、上に「こそ」がない)

→ 直前接続・下接語で判断する。


上の「識別の鉄則」は、文法の理屈にそって見分ける手順。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 「し」を見たら まず連体形 と疑え

過去「き」の連体形「し」が古文で最頻出。 – 「し+体言」 → 過去連体形でほぼ確定(行きし人・見し花・思ひし夜) – 「し」で文が終わる → 上に「ぞ・なむ・や・か」や疑問の語(など・いかで)があれば、その結びの過去連体形。なければ、形容詞の終止形(美し)など別の語の可能性

→ 「し」を見たら 直後を確認。体言があれば連体形・過去で即答。

コツ② 「しか」3点セットで覚える

  • 「しかば」 → 已然形+ば → 過去の 原因・確定(〜したので・〜したところ)
  • 「しかども」 → 已然形+ども → 過去の 逆接(〜したけれども)
  • 「しか」単独で文末 → こその結び(已然形)

→ 「しか」が出てきたら、まず 已然形 を考える。ただし、副詞「しか」(そのように)や、文末の願望の終助詞「てしか」「にしか」(〜したいものだ。上に「こそ」がない)は別の語。

コツ③ 「せば〜まし」は反実仮想の合図

「せば」「ましかば」「ませば」が前にあって、文末に「まし」があれば、未然形+反実仮想。 「せ」は「き」の未然形(「ましか」「ませ」は「まし」の未然形)。 例:「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」

→ 連用形の下の「せば」は、過去「き」の未然形・反実仮想で即答。名詞の下のサ変「す」(恋せば)や、未然形の下の使役「す」(行かせば)は別の語。

コツ④ カ変・サ変の特殊形は 丸暗記

  • カ変「来」 → 「こし」「こしか」「きし」「きしか」(こ/き両方OK)
  • サ変「す」 → 「しき」「せし」「せしか」(終止形「き」は連用形「し」に、「し」「しか」は未然形「せ」に付く)

→ 名詞などの下の「せし」「せしか」は サ変「す」+過去「き」 で即答(旅せし・ながめせし)。未然形の下の「せし」(書かせし・切らせし)は、使役・尊敬の助動詞「す」の連用形「せ」+過去「き」。どちらも「し」「しか」は過去「き」。

試験本番でのチェック順序

  1. 「し」+体言 → 過去「き」連体形
  2. 「しか」+ば/ども → 過去「き」已然形
  3. 「せば」〜「まし」 → 過去「き」未然形+反実仮想
  4. 「せし」「こし」 → サ変・カ変+過去「き」(未然形の下の「せし」は使役・尊敬「す」+過去「き」)

→ この順番で見れば、すばやく答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 形容詞シク活用の語尾「し」(美し・悲し)と過去連体「し」は別物 → 直前が動詞連用形か形容詞語幹かで判別
  • 副助詞「し」(強意):「今しも」「春しくれば」 → 動詞連用形に下接していない
  • 副詞「しか」(そう・そのように):「しか思ふ」 → 用言の連用形に付いておらず、下の「思ふ」にかかる

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

純粋な四活用形の識別。


Q1.次の傍線部「き」を識別せよ。

我れ昨日、京に行きき。

答え:過去「き」終止形 解説:「行き」連用+「き」。文末で終止。「私は昨日、京に行った」。


Q2.次の傍線部「し」を識別せよ。

行きし人。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「行き」連用+「し」+体言「人」。「行った人」。


Q3.次の傍線部「しか」を識別せよ。

行きしかば、人ありき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(偶然条件) 解説:「行き」連用+「しか」+「ば」。ここは「〜たところ」の意(偶然条件)。「行ったところ、人がいた」。


Q4.次の傍線部「せ」を識別せよ。

この月をともに見せば、心慰みなまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:上一段「見る」連用「見」+「せ」+「ば」+「なまし」(完了「ぬ」未然形「な」+「まし」)。「この月を一緒に見たならば、心が慰められただろうに」(実際は一緒に見られなかった)。


Q5.次の傍線部「き」を識別せよ。

昨夜、夢を見き。

答え:過去「き」終止形 解説:「見」連用+「き」。「昨夜、夢を見た」。


Q6.次の傍線部「し」を識別せよ。

来し方。

答え:過去「き」連体形「し」(カ変例外) 解説:カ変「来」の未然形「こ」(または連用形「き」)+「し」+体言「方」。読みは「こしかた」(「きしかた」とも)。「過ぎ去った(来た)方角・過去」。


Q7.次の傍線部「しか」を識別せよ。

友、訪ね来しかば、喜びけり。

答え:過去「き」已然形「しか」(カ変例外) 解説:カ変「来」+「しか」+「ば」。「友が訪ねて来たので、喜んだ」。


Q8.次の傍線部「き」を識別せよ。

我れ京に住みき。

答え:過去「き」終止形 解説:「住み」連用+「き」。「私は京に住んでいた」。


Q9.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が思ひし人。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「思ひ」連用+「し」+体言「人」。「私が思った人」。


Q10.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月見しかば、心慰みぬ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「見」連用+「しか」+「ば」。「月を見たので、心が慰められた」。


Q11.次の傍線部「ませ」を識別せよ。

我が背子と二人見ませばいくばくかこの降る雪の嬉しからまし

答え:反実仮想「まし」未然形「ませ」+接続助詞「ば」 解説:上一段「見る」未然「見」+「まし」の未然形「ませ」+「ば」。文末の「嬉しからまし」と呼応する反実仮想(ませば〜まし)。「あなたと二人で見るのだったら、この降る雪がどれほどうれしいことでしょうに」。「ま」まで含めて「まし」の未然形なので、過去「き」の未然形「せ」ではない。万葉集の光明皇后の歌。


Q12.次の傍線部「き」を識別せよ。

嵐に倒れき。

答え:過去「き」終止形 解説:下二段「倒る」連用「倒れ」+「き」。「嵐で倒れた」。


Q13.次の傍線部「し」を識別せよ。

唐土に渡りし僧。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「渡り」連用+「し」+体言「僧」。「中国に渡った僧」。


Q14.次の傍線部「しか」を識別せよ。

雨降りしかば、出でられず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「降り」連用+「しか」+「ば」。「雨が降ったので、出かけられなかった」。


Q15.次の傍線部「せ」を識別せよ。

師の教へを聞きせば、いかに賢からまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:四段「聞く」連用「聞き」+「せ」+「ば」+「まし」。「先生の教えを聞いていたならば、どんなに賢かっただろうに」。


Q16.次の傍線部「き」を識別せよ。

物書きき。

答え:過去「き」終止形 解説:「書き」連用+「き」。「文を書いた」。


Q17.次の傍線部「し」を識別せよ。

嘆きし夜。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「嘆き」連用+「し」+体言「夜」。「嘆いた夜」。


Q18.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月隠れしかば、夜暗かりき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「隠れ」連用+「しか」+「ば」。「月が隠れたので、夜が暗かった」。


Q19.次の傍線部「き」を識別せよ。

笛を吹きき。

答え:過去「き」終止形 解説:「吹き」連用+「き」。「笛を吹いた」。


Q20.次の傍線部「し」を識別せよ。

過ぎし春。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:上二段「過ぐ」連用「過ぎ」+「し」+体言「春」。「過ぎ去った春」。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

サ変・カ変の例外、下に助詞が続く連体形「し」、過去「き」ではない「し」(副助詞・形容詞の語尾・使役「しむ」など)が混じる。


Q21.次の傍線部「し」を識別せよ。

姫君は、西の対に物し給ひけり。

答え:サ変動詞「ものす」連用形「ものし」の一部「し」(「き」ではない) 解説:「ものす」は「あり・行く・来」などの代わりに使うサ変動詞で、ここは「いる」の意。「物し」が連用形で、下に尊敬の補助動詞「給ふ」が付く。「物」は用言ではないので、その下の「し」は過去「き」(連用形接続)ではない。「姫君は、西の対にいらっしゃった」。


Q22.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が見し夢、忘れがたし。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:上一段「見る」連用「見」+「し」+体言「夢」。


Q23.次の傍線部「しか」を識別せよ。

知りしかども、言はず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ども」(逆接) 解説:「しか+ども」は「〜たけれども」と逆接。「知っていたけれども、言わなかった」。


Q24.次の傍線部「せ」を識別せよ。

心ありせば、いかにあはれと思はまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:ラ変「あり」連用「あり」+「せ」+「ば」+「まし」。「思いやりがあったら、どんなに哀れと思うだろうに」。


Q25.次の傍線部「し」を識別せよ。

春しくれば、花咲く。

答え:副助詞「し」(強意、過去「き」ではない) 解説:「春が来ると」を強める副助詞。下に動詞「くれ」(カ変已然)が来る。直前体言で連用接続でないので過去「き」連体形ではない。


Q26.次の傍線部「き」を識別せよ。

親に孝ある人なりき。

答え:過去「き」終止形 解説:断定「なり」連用+「き」。「親孝行な人だった」。


Q27.次の傍線部「し」を識別せよ。

我れ思ひしこと、皆実となれり。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「思ひ」連用+「し」+体言「こと」。「私が思ったことは、皆実現した」。


Q28.次の傍線部「しか」を識別せよ。

鶯鳴きしかば、春来にけり。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「鳴き」連用+「しか」+「ば」。「鶯が鳴いたので、春が来たと気づいた」。


Q29.次の傍線部「せ」を識別せよ。

雨降りせば、行かざらまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「降り」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「雨が降ったなら、行かなかったろうに」。


Q30.次の傍線部「し」を識別せよ。

いと楽しきことなりけり。

答え:形容詞シク活用「楽し」連体形「楽しき」語尾の「し」(過去「き」ではない) 解説:シク活用形容詞「楽し」連体形「楽しき」に含まれる「し」。過去の助動詞「き」と混同しないこと。


Q31.次の傍線部「き」を識別せよ。

帝、御覧じき。

答え:過去「き」終止形 解説:「御覧ず」サ変連用「御覧じ」+「き」。「帝はご覧になった」。


Q32.次の傍線部「し」を識別せよ。

帝の御覧ぜし御文。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:サ変「御覧ず」の未然形「御覧ぜ」+「し」+体言「御文」。サ変に連体形「し」が付くときは未然形に付くので、「御覧じし」とは言わない(終止形「き」なら連用形に付いて「御覧じき」=Q31)。「帝がご覧になった御文」。


Q33.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月隠れしかども、なほ仰ぐ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ども」(逆接) 解説:「しか+ども」逆接。「月が隠れたけれども、なお見上げる」。


Q34.次の傍線部「せ」を識別せよ。

心知りせば、必ず告げまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「知り」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「事情を知っていたら、必ず告げただろうに」。


Q35.次の傍線部「し」を識別せよ。

夜もすがら待ちしを、人はつひに来ざりき。

答え:過去「き」連体形「し」(下に接続助詞「を」が続く) 解説:四段「待つ」連用「待ち」+「し」+接続助詞「を」(連体形に付く。ここは逆接「〜のに」)。連用形の下の「し」に「を・に・が」などの助詞が続けば、過去の連体形(下が体言でなくてもよい)。「一晩中待ったのに、あの人はとうとう来なかった」。


Q36.次の傍線部「し」を識別せよ。

去年の秋、ともに旅せし友を思ふ。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:名詞「旅」+サ変「す」の未然形「せ」+「し」+体言「友」。サ変に連体形「し」が付くときは未然形「せ」に付く(「しし」とは言わない)。「去年の秋、一緒に旅をした友のことを思う」。


Q37.次の傍線部「しか」を識別せよ。

物言ひしかば、答へにき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(順接確定条件) 解説:「言ひ」連用+「しか」(已然)+「ば」。「物を言ったので、答えた」。


Q38.次の傍線部「き」を識別せよ。

父、世を捨てき。

答え:過去「き」終止形 解説:下二段「捨つ」連用「捨て」+「き」。「父は世を捨てた(出家した)」。


Q39.次の傍線部「し」を識別せよ。

我もさ思ひし時ありき。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「さ」は副詞(そのように)。四段「思ふ」連用「思ひ」+「し」+体言「時」。「私もそう思った時があった」。


Q40.次の傍線部「しか」を識別せよ。

人の来しかば、門を開けて入れき。

答え:過去「き」已然形「しか」(カ変例外)+接続助詞「ば」(原因) 解説:カ変「来」の未然形「こ」(または連用形「き」)+「しか」+「ば」。「人が来たので、門を開けて中に入れた」。


Q41.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我れ若くありせば、いかにせまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:ラ変「あり」連用「あり」+「せ」+「ば」+「まし」。「私が若かったなら、どうしていただろうか」。文末の「せまし」の「せ」はサ変「す」の未然形(「まし」は未然形に付く)。


Q42.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が書かせし書。

答え:過去「き」連体形「し」(使役「す」連用「せ」+「し」) 解説:使役「す」連用「せ」+過去「き」連体「し」。「私が書かせた書物」。


Q43.次の傍線部「き」を識別せよ。

命長くもありき。

答え:過去「き」終止形 解説:形容詞「長し」連用「長く」+係助詞「も」+ラ変「あり」連用+「き」。「命が長くもあった(長生きもした)」。


Q44.次の傍線部「し」を識別せよ。

都より来し人に、ふるさとのことを問ふ。

答え:過去「き」連体形「し」(カ変例外) 解説:カ変「来」の未然形「こ」(または連用形「き」)+「し」+体言「人」。「都から来た人に、故郷のことを尋ねる」。


Q45.次の傍線部「しか」を識別せよ。

雪降り積もりしかば、道見えず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「積もり」連用+「しか」+「ば」。「雪が降り積もったので、道が見えない」。


Q46.次の傍線部「せ」を識別せよ。

かの人、命ありせば、また会はまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「あり」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「あの人が生きていたら、また会えただろうに」(実際はもう亡くなっている)。


Q47.次の傍線部「し」を識別せよ。

花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふる眺めせし間に。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:名詞「ながめ」+サ変「す」の未然形「せ」+「し」+体言「間」(サ変に連体形「し」が付くときは未然形「せ」に付く)。「ぼんやり物思いにふけっていた間に」。小野小町の名歌。


Q48.次の傍線部「しか」を識別せよ。

都を出でしかば、心細し。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:下二段「出づ」連用「出で」+「しか」+「ば」。「都を出たので、心細い」。


Q49.次の傍線部「き」を識別せよ。

古き世に栄えき。

答え:過去「き」終止形 解説:「栄え」連用+「き」。「昔の世に栄えていた」。


Q50.次の傍線部「し」を識別せよ。

使ひを都へ行かしむ。

答え:使役の助動詞「しむ」終止形「しむ」の一部「し」(過去「き」ではない) 解説:使役「しむ」は未然形接続。四段「行く」未然「行か」+「しむ」。「し」は「しむ」という一語の一部で、過去「き」とは無関係。「使いの者を都へ行かせる」。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

係り結び・複合語・敬語・複雑な接続の組み合わせ。


Q51.次の傍線部「し」を識別せよ。

そのことは、人に聞きてぞ知りし。

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「ぞ」の結び) 解説:四段「知る」連用「知り」+「し」。係助詞「ぞ」の結びなので連体形で文が終わる。「そのことは、人から聞いて知ったのだ」。


Q52.次の傍線部「し」を識別せよ。

この物語は、幼き時に母よりなむ聞きし。

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「なむ」の結び) 解説:四段「聞く」連用「聞き」+「し」。係助詞「なむ」の結びなので連体形で文が終わる。「この物語は、幼い時に母から聞いたのだ」。


Q53.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いとをかしとこそ思ひしか。

答え:過去「き」已然形「しか」(係り結び「こそ」の結び) 解説:四段「思ふ」連用「思ひ」+「しか」。係助詞「こそ」の結びなので已然形で文が終わる。「たいそう趣があると思ったのだ」。


Q54.次の傍線部「し」を識別せよ。

昨日、桜の花をや見し。

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「や」の疑問) 解説:上一段「見る」連用「見」+「し」。係助詞「や」(疑問)の結びなので連体形で文が終わる。「昨日、桜の花を見たのか」。


Q55.次の傍線部「し」を識別せよ。

いづこにか笛の音の聞こえし。

答え:過去「き」連体形「し」(係り結び「か」の疑問) 解説:下二段「聞こゆ」連用「聞こえ」+「し」。係助詞「か」(疑問)の結びなので連体形で文が終わる。「どこで笛の音が聞こえたのか」。


Q56.次の傍線部「しか」を識別せよ。

思ひしかど、言はざりき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「しか+ど」逆接。「思ったけれども、言わなかった」。


Q57.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が捨てし家、人住まず。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「捨て」連用+「し」+体言「家」。「私が捨てた家」。


Q58.次の傍線部「せ」を識別せよ。

君来ざりせば、いかにわびしからまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:カ変「来」未然「来(こ)」+打消「ず」連用「ざり」+「せ」+「ば」。文末の「まし」と呼応する反実仮想。「あなたが来なかったなら、どんなにつらかっただろうに」(実際は来てくれた)。


Q59.次の傍線部「ん」を識別せよ。

命のあらんかぎり、君を思はむ。

答え:推量(婉曲・連体形)「む(ん)」 解説:「あら」未然+推量「む」連体形「ん」+「かぎり」。「命のあるかぎり、君を思おう」。


Q60.次の傍線部「し」を識別せよ。

桜散りしころ、雪降りき。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「散り」連用+「し」+体言「ころ」。「桜が散ったころ」。


Q61.次の傍線部「しか」を識別せよ。

親の病みしかば、里に帰り侍りき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:四段「病む」連用「病み」+「しか」+「ば」。「侍り」は丁寧の補助動詞。「親が病気になったので、実家に帰りました」。


Q62.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が仕うまつりし君。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:謙譲の動詞「仕うまつる」連用「仕うまつり」+「し」+体言「君」。「私がお仕えした主君」。


Q63.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我に翼ありせば、飛びて君がもとへ行かまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:ラ変「あり」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「私に翼があったなら、飛んであなたのところへ行くだろうに」。


Q64.次の傍線部「し」を識別せよ。

古へに聞こえし人々。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「聞こえ」連用+「し」+体言「人々」。「古に有名だった人々」。


Q65.次の傍線部「しか」を識別せよ。

言ひしかば、いと恥づかし。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「言ひ」連用+「しか」+「ば」。「言ったので、たいそう恥ずかしい」。


Q66.次の傍線部「し」を識別せよ。

露ばかり残りし思ひ。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「残り」連用+「し」+体言「思ひ」。「露ほど残っていた思い」。


Q67.次の傍線部「き」を識別せよ。

心の鬼に責められき。

答え:過去「き」終止形 解説:「責められ」(受身「らる」連用)+「き」。「自責の念に苦しめられた」。


Q68.次の傍線部「し」を識別せよ。

道のほとりに生ひたりし草、今は枯れぬ。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:完了(存続)「たり」連用+「し」+体言「草」。「道ばたに生えていた草は、今は枯れてしまった」。


Q69.次の傍線部「しか」を識別せよ。

戸を叩きしかば、童出で来たり。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(順接確定条件) 解説:四段「叩く」連用「叩き」+「しか」(已然)+「ば」。ここは「〜たところ」の意。「戸を叩いたところ、子どもが出て来た」。


Q70.次の傍線部「し」を識別せよ。

その後、影をだに見し人なし。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「見」連用+「し」+体言「人」。「その後、影さえも見た人はいない」。


Q71.次の傍線部「しか」を識別せよ。

主の呼びしかば、急ぎて参りぬ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:四段「呼ぶ」連用「呼び」+「しか」+「ば」。「主人が呼んだので、急いで参上した」。


Q72.次の傍線部「せ」を識別せよ。

月明かかりせば、道に迷はざらまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:形容詞「明かし」連用(カリ活用)「明かかり」+「せ」+「ば」+「まし」。「月が明るかったならば、道に迷わなかっただろうに」(実際は暗くて迷った)。


Q73.次の傍線部「し」を識別せよ。

暮るるほどに着きし舟。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「着き」連用+「し」+体言「舟」。「日暮れ時に着いた舟」。


Q74.次の傍線部「し」を識別せよ。

命しあらば、またも来む。

答え:副助詞「し」(強意、過去「き」ではない) 解説:直前は体言「命」で、用言の連用形ではないので過去「き」ではない。取り去っても「命あらば」と意味が通る強意の副助詞。「命さえあれば、またやって来よう」。


Q75.次の傍線部「しか」を識別せよ。

文を書きしかど、返り事なし。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:四段「書く」連用「書き」+「しか」+「ど」。「手紙を書いたけれど、返事がない」。


Q76.次の傍線部「し」を識別せよ。

帝の見し夢に告げあり。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「見」連用+「し」+体言「夢」。「帝が見た夢にお告げがあった」。


Q77.次の傍線部「せ」を識別せよ。

風吹きせば、波立たまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「吹き」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「風が吹いていたら、波も立ったろうに」。


Q78.次の傍線部「し」を識別せよ。

いまし散らむ。

答え:副助詞「し」(強意) 解説:「今ちょうど散るだろう」を強める副助詞。直前副詞「いま」。


Q79.次の傍線部「しか」を識別せよ。

心強かりしかど、涙落ちぬ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:形容詞「強し」カリ活用連用「強かり」+「しか」+「ど」。「気丈であったけれども、涙が落ちた」。


Q80.次の傍線部「し」を識別せよ。

我が恋ひし人、今は世になし。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:上二段「恋ふ」連用「恋ひ」+「し」+体言「人」。「私が恋した人は、今はもうこの世にいない」。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

難関大頻出。複合パターン・古典作品からの抜粋(作品名のない問は作り文)。


Q81.次の傍線部「し」を識別せよ。(伊勢物語)

唐衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ

答え:副助詞「し」(強意) 解説:「し+ぞ」は強意の副助詞「し」+係助詞「ぞ」で、結びは「思ふ」(連体形)。直前は格助詞「を」(「旅を」)で、用言の連用形ではないので過去ではない。取り去っても「旅をぞ思ふ」と意味が通る。「(着なれた唐衣のように)なれ親しんだ妻が都にいるので、はるばるやって来た旅をしみじみと思うことだ」。東下りの段の歌。同じ歌の「なれにし」の「し」は過去「き」の連体形、「つましあれば」の「し」は強意の副助詞。


Q82.次の傍線部「し」を識別せよ。(古今集・在原業平)

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして

答え:接続助詞「して」の一部「し」(過去「き」でも副助詞でもない) 解説:「身にして」は、名詞「身」+断定「なり」の連用形「に」+接続助詞「して」で、「〜であって」の意。「し」をサ変「す」の連用形、「て」を接続助詞とみる説もある。どちらの説でも「し」は下の「て」と結びついているので、副助詞(Q99「名にし負はば」の「し」)でも、連用形のない過去「き」でもない。「月は昔の月ではないのか、春は昔の春ではないのか。わが身ひとつだけはもとのままの身であって(ほかはすべて変わってしまったように思われる)」。


Q83.次の傍線部「せ」を識別せよ。(古今集・小野小町)

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:「知り」連用+「せ」+「ば」+「まし」。「夢と知っていたなら、覚めなかったろうに」。反実仮想の典型。


Q84.次の傍線部を識別せよ。(百人一首・崇徳院)

瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ

答え:係助詞「ぞ」(強意。結びは「思ふ」の連体形) 解説:強意の係助詞「ぞ」の結びで、文末の四段「思ふ」は連体形(終止形と同じ形)。過去「き」を含まない参考問題で、「せかるる」の「るる」は受身「る」の連体形、「逢はむ」の「む」は意志。「(流れが速いので岩にせき止められる急流が二つに分かれても、また一つになるように)別れても、のちにはきっと会おうと思う」。


Q85.次の傍線部「しか」を識別せよ。

京に帰らむと急ぎしかど、風悪しくて舟出ださず。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ど」(逆接)の「しか」 解説:四段「急ぐ」連用「急ぎ」+「しか」+「ど」。「京に帰ろうと急いだけれど、風が悪くて舟を出さなかった」。


Q86.次の傍線部「し」を識別せよ。(更級日記)

人まには参りつつ、額をつきし薬師仏の立ち給へるを、見捨て奉る悲しくて、人知れずうち泣かれぬ。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:四段「つく」連用「つき」+「し」+体言「薬師仏」。「人のいない時にはお参りしては額をついて拝んだ薬師仏が立っていらっしゃるのを、お見捨て申し上げるのが悲しくて、人知れず泣けてしまった」。上京の門出の場面(作者は菅原孝標女)。


Q87.次の傍線部を識別せよ。(源氏物語・桐壺)

いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

答え:過去の助動詞「けり」連体形「ける」(過去「き」ではない) 解説:尊敬の補助動詞「たまふ」連用「たまひ」+「けり」の連体形「ける」+体言「中」。「どの帝の御代であったか、女御や更衣が大勢お仕えしていらっしゃった中に」。物語の地の文の「けり」で、自分が経験した過去の「き」と区別する。過去「き」を含まない参考問題。


Q88.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いみじき名馬なりと思ひしかども、なほ売りつ。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ども」(逆接) 解説:「思ひ」連用+「しか」+「ども」。「立派な名馬だと思ったけれども、やはり売ってしまった」。


Q89.次の傍線部を識別せよ。(枕草子)

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

答え:完了(存続)の助動詞「たり」連体形「たる」(過去「き」ではない) 解説:四段「紫だつ」連用「紫だち」+「たる」+体言「雲」、四段「たなびく」連用「たなびき」+「たる」(文末の連体止めで余情)。どちらも存続「〜ている」。「紫がかっている雲が細くたなびいている(のがよい)」。過去「き」を含まない参考問題。


Q90.次の傍線部「せ」を識別せよ。(古今集・在原業平)

世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし。

答え:過去「き」未然形「せ」+接続助詞「ば」(反実仮想) 解説:形容詞「なし」連用形「なかり」+「せ」+「ば」。文末の「まし」と呼応する反実仮想。「もし世の中にまったく桜がなかったならば、春の心はのどかだっただろうに」。難関頻出。


Q91.次の傍線部「しか」を識別せよ。

帝、隠れさせたまひにしかば、世の人みな嘆きけり。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:完了「ぬ」連用「に」+「しか」+「ば」。「にしかば」は「〜てしまったので」。「帝がお亡くなりになってしまったので、世の中の人はみな嘆いた」。文末の「〜にしか」(上に「こそ」がない)は願望の終助詞(〜したいものだ)なので区別する。


Q92.次の傍線部「し」を識別せよ。(平家物語)

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。…おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。

答え:比況の助動詞「ごとし」終止形語尾の「し」(過去「き」ではない) 解説:「ごとし」(比況)は形容詞型活用で、終止形に「し」を含む。過去ではない引っかけ。


Q93.次の傍線部「しか」を識別せよ。

心地悪しく侍りしかば、え参り侍らざりき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:丁寧の補助動詞「侍り」連用+「しか」+「ば」。「気分が悪うございましたので、参上できませんでした」。


Q94.次の傍線部「し」を識別せよ。(伊勢物語・芥川)

白玉か何ぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを。

答え:過去「き」連体形「し」 解説:「問ひ」連用+「し」+体言「時」。「『あれは真珠か何か』と人が尋ねた時に」。


Q95.次の傍線部「せ」を識別せよ。(徒然草・高名の木登り)

高名の木登りといひしをのこ、人を掟てて、高き木に登せて梢を切らせしに。

答え:使役「す」連用形「せ」(下の「し」が過去「き」連体形。「せ」自体は過去ではない) 解説:四段「切る」未然形「切ら」+使役「す」連用形「せ」+過去「き」連体形「し」。「人を掟てて」(人に指図して)とあるので「(その人に)切らせた」という使役。「せし」と並んでいても「せ」が過去になるわけではない。難問。


Q96.次の傍線部を識別せよ。(源氏物語・若紫)

雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちに籠めたりつるものを。

答え:完了の助動詞「つ」連体形「つる」(過去「き」ではない) 解説:下二段「籠む」連用「籠め」+完了(存続)「たり」連用「たり」+「つ」の連体形「つる」+接続助詞「ものを」(連体形に付く。〜のに)。「伏籠の中に閉じ込めておいたのに」。前の「逃がしつる」も「つ」の連体形で、文末の連体止め。過去「き」の連体形「し」と混同しないこと(過去「き」を含まない参考問題)。


Q97.次の傍線部「しか」を識別せよ。

この君、幼くより笛をいとよく吹きたまひしかば、人々めでたてまつりき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:尊敬の補助動詞「たまふ」連用「たまひ」+「しか」+「ば」。「この若君は幼い時から笛をたいそう上手にお吹きになったので、人々はおほめ申し上げた」。


Q98.次の傍線部「し」を識別せよ。(源氏物語・桐壺)

朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。…前の世にも、御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひぬ。

答え:サ行四段動詞「動かす」連用形「動かし」の活用語尾「し」(過去「き」ではない) 解説:「動かし」は四段「動かす」の連用形で、「し」は動詞の一部(活用語尾)。読点のあとの「恨みを負ふ」へ続ける連用中止。「人の心をばかり動かし(=穏やかでなくさせ)、恨みを受けることが積もったせいであったのだろうか」。過去「き」の連体形「し」と混同しないこと(過去「き」を含まない参考問題)。


Q99.次の傍線部「し」を識別せよ。(古今集・在原業平)

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと

答え:副助詞「し」(強意) 解説:「名に+し+負はば」の「し」は強意副助詞。「(その)名を持つというのなら」。難関大頻出の副助詞「し」識別。直前体言「名に」(格助詞「に」付き)で連用形ではない。


Q100.次の傍線部「しか」を識別せよ。

日も暮れにしかば、その夜は山寺に泊まりにき。

答え:過去「き」已然形「しか」+接続助詞「ば」(原因) 解説:下二段「暮る」連用「暮れ」+完了「ぬ」連用「に」+「しか」+「ば」。「にしかば」は「〜てしまったので」。「日も暮れてしまったので、その夜は山寺に泊まった」。


入試レベル編 /20


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