古文「る・らる」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「る・らる」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

受身・尊敬・可能・自発の4用法を100問で見分ける

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→ 解説記事「古文「る・らる」の識別」を読む

このドリルでわかること

はじめに:「る・らる」の4用法

「る」「らる」は古文の助動詞で、 4種類の意味 を持つ識別最頻出語。

用法 訳 判別ポイント
① 受身 〜される 動作主が他者
② 尊敬 お〜になる 主語が高貴な人
③ 可能 〜できる 多くは打消「ず」と一緒
④ 自発 自然と〜される 心の動きを表す動詞(思ふ・偲ぶ・嘆く など)

接続

  • る:四段・ナ変・ラ変の 未然形 に接続
  • らる:その他(上一段・下一段・カ変・サ変・上二段・下二段)の 未然形 に接続

識別の鉄則

  1. 打消「ず」が直後 → 可能の打消「〜できない」(ただし動作主「〜に」があれば受身)
  2. 主語が高貴な人 → 尊敬(ただし動作主「〜に」があれば受身。「れ給ふ・られ給ふ」の「る・らる」は尊敬ではない)
  3. 動詞が心の動きを表す語(思ふ・思ひ出づ・偲ぶ・嘆く・泣く・ながむ など) → 自発(「覚ゆ・聞こゆ・見ゆ」はそれだけで「自然と〜」の意味なので、「る・らる」は付かない)
  4. 動作主が他者 → 受身

重要:肯定で「可能」は平安時代の古文では稀。多くは打消とセット(鎌倉時代以降は「冬はいかなる所にも住まる」〈徒然草〉のような肯定の可能も出る)。


上の「識別の鉄則」は、4つの用法を見分ける手がかりのまとめ。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 直後に打消「ず/ぬ/ね」 があったら、まず 可能 を考える

  • 「〜られず」「〜られぬ」「〜られね」 → 多くは 可能の打消「〜できない」
  • 平安時代の古文では、可能はほとんどが打消(ず・じ・まじ)や反語とセット。
  • ただし「人に見られず」「親に許されぬ恋」のように動作主「〜に」があれば 受身。また、上に係助詞(ぞ・なむ・や・か)がない言い切りの「〜れぬ。」や、「〜れぬれば」の「ぬ」は完了で、打消ではない(打消なら「〜れず。」「〜れねば」)。上に「ぞ」などがあれば、文末の「ぬ」は結びの連体形で打消(例:涙ぞ止められぬ=涙を止めることができない)。

コツ② 直前の動詞が「心情系」(心の動きを表す動詞) なら 自発

  • 「思はる/嘆かる/偲ばる/泣かる/思ひ出でらる/ながめらる」
  • 心の動きを表す動詞+る/らる → 自発「自然と〜される・つい〜してしまう」
  • 「覚ゆ・聞こゆ・見ゆ」は、それだけで「自然と思われる・聞こえる・見える」の意味を持つ動詞なので、「る・らる」は付かない。
  • ただし「姑に思はるる嫁」(姑にかわいがられる嫁)のように動作主「〜に」があれば 受身。

コツ③ 主語が高貴な人 → 尊敬

  • 「帝」「上」「中宮」「殿」など貴人が主語なら 尊敬「お〜になる」。「御文」「御車」など、ほかの敬語も主語の身分の手がかりになる。
  • ただし「人々に」「帝に」のように動作主「〜に」があれば、主語が貴人でも 受身。また「れ給ふ・られ給ふ」のように、すぐ下に「給ふ」が付いた「る・らる」は尊敬ではない(自発・受身・可能のどれか)。
  • 「仰せらる」(おっしゃる)は尊敬の決まった形。一方、「思さる」「思し出でらる」のように心の動きを表す尊敬語に付いた「る・らる」は自発(「自然とお思いになる」)、「召し出ださる」は多く受身(「お呼び出しを受ける」)。

コツ④ 残った場合は 受身

  • 上記3つに当てはまらなければ大体 受身「〜される」
  • 「人に〜らる」「鬼に〜らる」のように動作主(〜に)が示されていれば受身と考えてよい。ただし、動作の相手を示す「に」(人に逢ふ・悲しさに堪ふ)や、原因・きっかけを示す「に」(心細さに・風の音に・心の闇に)は動作主ではない。

試験本番でのチェック順序

  1. 直後に 打消「ず/ぬ/ね」 があるか → YES なら 可能(動作主「〜に」があれば受身。「ぬ」が完了なら打消ではない)
  2. 直前の動詞が 心情系(心の動きを表す動詞)か → YES なら 自発(動作主「〜に」があれば受身)
  3. 主語が 貴人 か → YES なら 尊敬(動作主「〜に」があれば受身。「れ給ふ・られ給ふ」は除く)
  4. どれでもなければ 受身(ただし打消がなくても「〜できる」と訳してぴったりなら可能。鎌倉時代以降の文章に見られる)

※「〜に」が動作主かどうかは、「〜が(その動作を)する」と言いかえて通るかで確かめる(「親に叱らる」→「親が叱る」)。「心細さに」「風の音に」「心の闇に」のような原因・きっかけの「に」や、「人に逢ふ」「悲しさに堪ふ」のような相手の「に」は動作主ではない。

→ この順番で見れば、すばやく答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 打消が来ても 可能 とは限らない。「人に見られず」(人に見られない)は受身。「鬼に追はれぬ。」の「ぬ」は完了(追われてしまった)で、打消ではない → 「〜に」と「ぬ」の種類を確認
  • 「れ給ふ・られ給ふ」の「る・らる」は 尊敬にならない(尊敬の「る・らる」に「給ふ」は重ねない。最高敬語にしたい時は「す・さす・しむ+給ふ」を使う)。例:「うち泣かれ給ふ」は自発
  • 「仰せらる」は「仰す(尊敬語)」+「らる(尊敬)」。教科書では 二重尊敬 として扱うことが多い(最高敬語とまでは言えないとする説もある)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)


Q1.「る・らる」の用法を答えよ。

親に叱らる。

答え:受身 解説:「叱ら」四段未然+「る」終止形「る」。他者(親)から動作を受ける。「親に叱られる」。


Q2.用法を答えよ。

上、仰せらる。

答え:尊敬 解説:「仰せ」下二段「仰す」未然+「らる」。主語が上(高貴)。「上がおっしゃる」。


Q3.用法を答えよ。

字、読まれず。

答え:可能(の打消) 解説:「読ま」四段未然+「れ」(る未然形)+打消「ず」。「字が読めない」。


Q4.用法を答えよ。

故郷を思へば、そぞろにぞ泣かるる。

答え:自発 解説:「泣か」(四段「泣く」未然)+「るる」(自発「る」連体形。係助詞「ぞ」の結び)。「泣く」は心の動きを表す動詞。「故郷のことを思うと、わけもなく自然と泣けてくる」。


Q5.用法を答えよ。

帝、御文を書かせたまふ。

答え:(参考)尊敬「す」連用形「せ」+尊敬「たまふ」(二重尊敬) 解説:「る・らる」ではないが、混同しやすいので注意。「せ」は下の「たまふ」に続くので連用形。させる相手(「〜に」)が書かれていないので尊敬で、帝がご自分でお書きになる(「せたまふ」で最高敬語)。


Q6.用法を答えよ。

道にて、犬に吠えらる。

答え:受身 解説:「吠え」(下二段「吠ゆ」未然)+受身「らる」。「犬に」が動作主。「道で犬に吠えられる」。


Q7.用法を答えよ。

大臣、はや寝らる。

答え:尊敬 解説:「寝(ね)」下二段「寝(ぬ)」未然+尊敬「らる」。主語が大臣(高貴)で、打消も心の動きを表す動詞もない。「大臣がもうお休みになる」。


Q8.用法を答えよ。

暗くて、人に見られず。

答え:受身(打消を伴う) 解説:「見」(上一段「見る」未然「み」)+「らる」未然「られ」+打消「ず」。「暗くて、人に見られない」。


Q9.用法を答えよ。

亡き人を思ひ出でらる。

答え:自発 解説:「思ひ出で」下二段未然+「らる」。心情系。「亡き人のことが自然と思い出される」。


Q10.用法を答えよ。

世のはかなさを思ふに、いとど嘆かる。

答え:自発 解説:「嘆か」四段「嘆く」未然+自発「る」。「嘆く」は心の動きを表す動詞で、動作主(「〜に」)もない。「世の中のはかなさを思うと、いっそう自然と嘆かれる」。


Q11.用法を答えよ。

風に飛ばさる。

答え:受身 解説:「飛ばさ」四段未然+「る」。「風に飛ばされる」。


Q12.用法を答えよ。

院、御幸したまふ。

答え:(参考)尊敬補助動詞「たまふ」 解説:「る・らる」ではないが、尊敬表現として重要。「御幸(ごかう)」は上皇・法皇などのお出かけ(天皇のお出かけは「行幸(ぎやうがう)」)。


Q13.用法を答えよ。

心定まらずして、なほ書かれず。

答え:可能の打消 解説:「書か」四段未然+可能「る」未然形「れ」+打消「ず」。「心が定まらないで、やはり書くことができない」。


Q14.用法を答えよ。

故郷を偲ばる。

答え:自発 解説:「偲ば」四段未然+「る」。「偲ぶ」は心情系。「自然と偲ばれる」。


Q15.用法を答えよ。

大臣、使ひを立てらる。

答え:尊敬 解説:「立て」(下二段「立つ」未然)+尊敬「らる」。主語が大臣(高貴)。「大臣が使者をお立てになる(お遣わしになる)」。


Q16.用法を答えよ。

人に心の内を見あらはさる。

答え:受身 解説:「見あらはさ」(四段「見あらはす」=見破る 未然)+受身「る」。「人に」が動作主。「人に心の中を見破られる」。


Q17.用法を答えよ。

大納言、京を出でらる。

答え:尊敬 解説:「出で」下二段未然+尊敬「らる」。主語が大納言(高貴)。「大納言が京をお出になる」。


Q18.用法を答えよ。

ほととぎすの声、待たる。

答え:自発 解説:「待た」(四段「待つ」未然)+自発「る」。「待つ」は心の動き(待ち遠しく思う)を表す動詞。「ほととぎすの声が自然と待たれる(待ち遠しい)」。「聞こゆ」はそれだけで「(自然と)聞こえる」の意味なので、「らる」は付かない。


Q19.用法を答えよ。

物恐ろしくて、寝(い)も寝(ね)られず。

答え:可能の打消 解説:「寝(ね)」(下二段「寝(ぬ)」未然)+可能「らる」未然形「られ」+打消「ず」。「寝(い)」は名詞(眠り)。「なんとなく恐ろしくて、眠ることもできない」。


Q20.用法を答えよ。

雷に打たる。

答え:受身 解説:「打た」四段未然+「る」。「雷に打たれる」。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

活用形と訳のバリエーション、敬語との共起。


Q21.用法を答えよ。

人に笑はる。

答え:受身 解説:四段「笑ふ」未然+「る」。「人に笑われる」。


Q22.用法を答えよ。

大納言、文を書きて、かの人のもとへ遣らる。

答え:尊敬 解説:「遣ら」(四段「遣る」=送る 未然)+尊敬「る」。主語が大納言(高貴)。「大納言が手紙を書いて、あの人のもとへお送りになる」。


Q23.用法を答えよ。

足の痛ければ、歩まれず。

答え:可能の打消 解説:「歩ま」(四段「歩む」未然)+可能「る」未然形「れ」+打消「ず」。「足が痛いので、歩くことができない」。


Q24.用法を答えよ。

昔のこと、ふと思ひ出でらる。

答え:自発 解説:心情系「思ひ出づ」。「自然と思い出される」。


Q25.用法を答えよ。

人に袖をひかる。

答え:受身 解説:四段「ひく」未然+受身「る」。「人に」が動作主。「人に袖を引かれる」。


Q26.用法を答えよ。

上、いみじう涙落とさせたまふ。

答え:(参考)尊敬「す」+尊敬「たまふ」(二重尊敬) 解説:「落とす」は四段動詞なので、未然形「落とさ」に接続するのは「す」(ここは「たまふ」に続く連用形「せ」)。涙を落とすのは上ご自身なので、使役ではなく尊敬。「らる」ではないが二重尊敬として混同しやすい。四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形に接続するのが「さす」、四段・ナ変・ラ変の未然形に接続するのが「す」。


Q27.用法を答えよ。

心細さに、故郷を離れしこと、いまさら悔いらる。

答え:自発 解説:「悔い」(ヤ行上二段「悔ゆ」未然)+自発「らる」(上二段には「らる」が付く)。「悔ゆ」は心の動きを表す動詞。「心細さに」の「に」は原因で、動作主ではない。「心細さのあまり、故郷を離れたことが、今になって自然と悔やまれる」。


Q28.用法を答えよ。

風の音にも驚かる。

答え:自発 解説:「驚く」心情系。「自然と驚かれる」。


Q29.用法を答えよ。

賊に縛らる。

答え:受身 解説:「縛らる」=「縛られる」。


Q30.用法を答えよ。

中宮、いみじう笑はせ給ふ。

答え:(参考)尊敬「す」+尊敬「給ふ」(二重尊敬) 解説:「る・らる」と混同しないこと。笑うのは中宮ご自身なので、使役ではなく尊敬。「中宮がたいそうお笑いになる」。


Q31.用法を答えよ。

暮るるに、家に帰られず。

答え:可能の打消 解説:「帰ら」四段未然+可能「る」未然形「れ」+打消「ず」。「帰られず=帰れない」。


Q32.用法を答えよ。

上、御簾の中より見らる。

答え:尊敬 解説:主語が「上」(高貴)。「御覧になる」。


Q33.用法を答えよ。

あはれと感ぜらる。

答え:自発 解説:サ変「感ず」の未然形「感ぜ」+自発「らる」(サ変には「らる」が付く)。「しみじみと(自然と)感じられる」。


Q34.用法を答えよ。

親に許されぬ恋。

答え:受身 解説:「許さ」四段未然+受身「る」未然形「れ」+打消「ず」連体形「ぬ」(下の「恋」に続く)。打消があっても「親に」(動作主)があるので受身。「親に許されない恋」。


Q35.用法を答えよ。

散りゆく花は、いとど惜しまる。

答え:自発 解説:「惜しま」(四段「惜しむ」未然)+自発「る」。「惜しむ」は心の動きを表す動詞。「散っていく花は、いっそう自然と惜しまれる」。


Q36.用法を答えよ。

上、内裏より出でらる。

答え:尊敬 解説:主語が上(高貴)。「内裏よりお出になる」。


Q37.用法を答えよ。

鬼に追はれぬ。

答え:受身 解説:「追は」四段未然+受身「る」連用形「れ」+完了「ぬ」。上に係助詞のない言い切りの「ぬ」なので完了で、打消ではない。「鬼に追われてしまった」。


Q38.用法を答えよ。

旅なる子の身の上、明け暮れ案ぜらる。

答え:自発 解説:サ変「案ず」(心配する)の未然形「案ぜ」+自発「らる」。「旅に出ている子の身の上が、明けても暮れても自然と案じられる」。


Q39.用法を答えよ。

人に、いみじうそしらる。

答え:受身 解説:「そしら」(四段「そしる」=悪く言う 未然)+受身「る」。「人に」が動作主。「人にひどく悪口を言われる」。


Q40.用法を答えよ。

胸つぶれて、湯水も飲まれず。

答え:可能の打消 解説:「飲ま」(四段「飲む」未然)+可能「る」未然形「れ」+打消「ず」。「胸がつぶれる思いで、湯水も飲むことができない」。


Q41.用法を答えよ。

大臣、人に御文を読ませたまふ。

答え:(参考)使役「す」+尊敬「たまふ」 解説:「人に」(させる相手)があるので使役。「大臣が人にお手紙を読ませなさる」。「せたまふ」でも、させる相手がいれば使役+尊敬になる。


Q42.用法を答えよ。

夜、物の怪に襲はる。

答え:受身 解説:「襲は」(四段「襲ふ」未然)+受身「る」。「物の怪に」が動作主。「夜、物の怪に襲われる」。


Q43.用法を答えよ。

幼き子の遊ぶさまを見て、ひとりほほゑまる。

答え:自発 解説:「ほほゑま」(四段「ほほゑむ」未然)+自発「る」。うれしさなどの心の動きが思わず顔に出る、という自発。「幼い子が遊ぶ様子を見て、一人で思わずほほえんでしまう」。


Q44.用法を答えよ。

院、古き歌どもを集めらる。

答え:尊敬 解説:「集め」(下二段「集む」未然)+尊敬「らる」。主語が院(上皇)。「院が古い歌々をお集めになる」。


Q45.用法を答えよ。

かの女御、人々に妬まる。

答え:受身 解説:「妬ま」(四段「妬む」未然)+受身「る」。主語は身分の高い女御だが、「人々に」(動作主)があるので受身。「その女御は、人々にねたまれる」。


Q46.用法を答えよ。

風の冷たさに、わが袖の薄さ思ひ知らる。

答え:自発 解説:「思ひ知ら」四段未然+自発「る」。「思ひ知る」は心情系。「風の冷たさに、自分の袖の薄さが自然と思い知られる」。


Q47.用法を答えよ。

盗人に衣を取らる。

答え:受身 解説:「取ら」(四段「取る」未然)+受身「る」。「盗人に」が動作主。「盗人に着物を取られる」。


Q48.用法を答えよ。

院、御琴を弾かせ給ふ。

答え:(参考)二重尊敬「せ給ふ」 解説:「る・らる」ではない。


Q49.用法を答えよ。

暁の鳥の声に、来し方のこと思ひ続けらる。

答え:自発 解説:「思ひ続け」(下二段「思ひ続く」未然)+自発「らる」。「明け方の鳥の声に、過ぎ去った日々のことが次々と自然と思い続けられる」。


Q50.用法を答えよ。

何ともいはれず。

答え:可能の打消 解説:「言われず=言えない」。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

係り結び・連体形・敬語連動。


Q51.用法を答えよ。

我が宿の梅、知る人に折らる。

答え:受身 解説:他者「知る人」が動作主。「折られる」。


Q52.用法を答えよ。

身の憂さの嘆かるるを、人に知らるまじ。

答え:自発(連体形「るる」) 解説:「嘆か」(四段「嘆く」未然)+「るる」(自発「る」連体形。下の「を」に続く)。「わが身のつらさが自然と嘆かれるのを、人に知られまい」。後半「知らるまじ」は「人に」があるので受身(「知られまい」)。


Q53.用法を答えよ。

心強く思へど、悲しさに堪へられず。

答え:可能の打消 解説:「堪へ」(下二段「堪ふ」=こらえる 未然)+可能「らる」未然形「られ」+打消「ず」。「気を強く持とうと思うけれど、悲しさに耐えることができない」。


Q54.用法を答えよ。

中宮、女房に御簾を上げさせたまふ。

答え:(参考)使役「さす」+尊敬「たまふ」 解説:「る・らる」ではないが、混同注意。「上げ」は下二段「上ぐ」の未然形なので「さす」が付く。「女房に」(させる相手)があるので使役。「中宮が女房に御簾を上げさせなさる」。


Q55.用法を答えよ。

大臣、院の御所より帰らる。

答え:尊敬 解説:「帰ら」(四段「帰る」未然)+尊敬「る」。主語が大臣(高貴)。「大臣が院の御所からお帰りになる」。


Q56.用法を答えよ。

鳥獣に恐れらる。

答え:受身 解説:「恐れ」(下二段「恐る」未然)+受身「らる」。「恐る」は心の動きを表す動詞だが、「鳥獣に」(動作主)があるので受身。「鳥や獣に恐れられる」。


Q57.用法を答えよ。

家のつくりやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。(徒然草)

答え:可能 解説:「住ま」(四段「住む」未然)+可能「る」終止形。打消はないが、「どんな所にでも住むことができる」と訳すと通る。鎌倉時代の『徒然草』には、このような肯定の可能も出る。「家の造り方は、夏を中心に考えるのがよい。冬は、どんな所にでも住むことができる」。


Q58.用法を答えよ。

故院の御事、忘れがたく思ひ出でらる。

答え:自発 解説:「思ひ出づ」心情系。「自然と思い出される」。


Q59.用法を答えよ。

帝、いみじう興ぜさせ給ふ。

答え:(参考)尊敬「さす」+尊敬「給ふ」(二重尊敬) 解説:サ変「興ず」(おもしろがる)の未然形「興ぜ」には「さす」が付く(四段・ナ変・ラ変以外の動詞には「さす」)。おもしろがるのは帝ご自身なので、使役ではなく尊敬(二重尊敬)。「帝がたいそうおもしろがりなさる」。


Q60.用法を答えよ。

敵に矢を射らる。

答え:受身 解説:上一段「射る」の未然形「射(い)」+受身「らる」(上一段には「らる」が付く。「射ら」という形はない)。「敵に」が動作主。「敵に矢を射られる」。


Q61.用法を答えよ。

大将こそ、人々を召して、かくは言はるれ。

答え:尊敬 解説:「言は」(四段「言ふ」未然)+尊敬「る」已然形「るれ」(係助詞「こそ」の結び)。主語が大将(高貴)で、「人々を召して」(尊敬語「召す」)と大将が自分で動いているので受身ではない。「大将こそが人々をお呼びになって、このようにおっしゃるのだ」。


Q62.用法を答えよ。

夢に見しこと、今ぞ思ひ合はせらるる。

答え:自発 解説:「思ひ合はせ」(下二段「思ひ合はす」=思い当たる 未然)+自発「らる」連体形「らるる」(係助詞「ぞ」の結び)。「夢で見たことが、今になって自然と思い当たる」。


Q63.用法を答えよ。

嵐に倒さる。

答え:受身 解説:「倒さる」=「(嵐に)倒される」。


Q64.用法を答えよ。

心に思ふことの、言ひ出でられぬぞ口惜しき。

答え:可能の打消 解説:「言ひ出で」(下二段「言ひ出づ」未然)+可能「らる」未然形「られ」+打消「ず」連体形「ぬ」。「ぬ」は下の「ぞ」に続く連体形なので打消(完了「ぬ」の連体形は「ぬる」)。「心に思っていることを口に出せないのが残念だ」。


Q65.用法を答えよ。

大臣、御文をいつしか書かれたり。

答え:尊敬 解説:「書か」(四段「書く」未然)+尊敬「る」連用形「れ」+存続「たり」。主語が大臣(高貴)。「大臣は、もうお手紙をお書きになっている」。


Q66.用法を答えよ。

月見れば、いとど昔思はる。

答え:自発 解説:「思は」四段「思ふ」未然+「る」。「思ふ」は心情系 → 自発。「月を見ると、自然と昔のことが思われる」。


Q67.用法を答えよ。

かの大納言、いづれの船にか乗らるべき。(大鏡)

答え:尊敬 解説:「乗ら」(四段「乗る」未然)+尊敬「る」終止形(「べし」は終止形に付く)+「べし」連体形「べき」(係助詞「か」の結び)。道長が大納言(藤原公任)を敬う。「あの大納言は、どの船にお乗りになるのだろうか」。


Q68.用法を答えよ。

親に責めらる。

答え:受身 解説:「責められる」。


Q69.用法を答えよ。

山深きにて、人にも逢はれず。

答え:可能の打消 解説:「逢は」四段未然+可能「る」未然形「れ」+打消「ず」。「人に」は「逢ふ」相手を示す「に」で動作主ではないので、受身ではない。「山深い所なので、人にも会うことができない」。


Q70.用法を答えよ。

大臣、人々の位を定めらる。

答え:尊敬 解説:「定め」(下二段「定む」未然)+尊敬「らる」。主語が大臣(高貴)。「大臣が人々の官位をお決めになる」。


Q71.用法を答えよ。

故里の偲ばるるを、人に語る。

答え:自発(連体形) 解説:「偲ば」(四段「偲ぶ」未然)+自発「る」連体形「るる」(下の「を」に続く)。「故郷が自然と恋しく思われることを、人に語る」。


Q72.用法を答えよ。

大納言の詠まるる歌は、いとをかし。

答え:尊敬 解説:「詠ま」(四段「詠む」未然)+尊敬「る」連体形「るる」(下の「歌」に続く)。主語が大納言(高貴)。「大納言がお詠みになる歌は、たいそう趣がある」。


Q73.用法を答えよ。

笠もなくて、雨に降り籠められぬ。

答え:受身 解説:「降り籠め」(下二段「降り籠む」=雨が降って人を閉じこめる 未然)+受身「らる」連用形「られ」+完了「ぬ」。上に係助詞のない言い切りの「ぬ」なので完了で、打消ではない。「笠もないので、雨に降りこめられてしまった(外へ出られなくなった)」。


Q74.用法を答えよ。

我が身のほど、思ひ知らる。

答え:自発 解説:「思ひ知ら」(四段「思ひ知る」未然)+自発「る」。「思ひ知る」は心情系。「自分の身の程が、自然と思い知られる」。


Q75.用法を答えよ。

こなたへ近く参られず。

答え:可能の打消 解説:「こちらへ近く参ることができない」。


Q76.用法を答えよ。

大宮、御文をしたためらる。

答え:尊敬 解説:主語が大宮(高貴)。「お書きになる」。


Q77.用法を答えよ。

秋の夕暮れは、すずろに物思はる。

答え:自発 解説:「物思は」(四段「物思ふ」未然)+自発「る」。「物思ふ」は心の動きを表す動詞。「秋の夕暮れは、なんとなく自然と物思いにふけってしまう」。


Q78.用法を答えよ。

敵に馬より落とさる。

答え:受身 解説:「落とさ」(四段「落とす」未然)+受身「る」。「敵に」が動作主。「敵に馬から落とされる」。


Q79.用法を答えよ。

院、御けしき改めらる。

答え:尊敬 解説:主語が院。「お顔色をお改めになる」。


Q80.用法を答えよ。

遠き国にある人の上、いとほしく思ひやらる。

答え:自発 解説:「思ひやら」(四段「思ひやる」=遠くの人に思いをはせる 未然)+自発「る」。「遠い国にいる人の身の上が、気の毒に自然と思いやられる」。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

難関大頻出・微妙な判別。


Q81.用法を答えよ。

帝、かの人の心ばへを、ことにあはれと思さる。

答え:自発 解説:尊敬語「思す」(お思いになる)の未然形「思さ」+自発「る」。尊敬は「思す」が表していて、心の動きを表す動詞に付く「る」なので自発。「帝は、その人の気立てを、格別にしみじみとすばらしいと、自然とお思いになる」。


Q82.用法を答えよ。

山風に紅葉散らさる。

答え:受身 解説:「散らさる」=「散らされる」。


Q83.用法を答えよ。

院、故宮の御ことども、いとあはれに思し出でらる。

答え:自発 解説:尊敬語「思し出づ」(思い出しなさる)の未然形「思し出で」+自発「らる」。尊敬はすでに「思し出づ」が表していて、心の動きを表す動詞に付く「らる」なので自発(「思さる」と同じ)。「院は、亡き宮のことを、たいそうしみじみと自然と思い出しなさる」。


Q84.用法を答えよ。

その翁、歌よく詠むとて、院に召し出ださる。

答え:受身 解説:「召し出ださ」(四段「召し出だす」=お呼び出しになる 未然)+受身「る」。「召し出だす」はそれだけで尊敬語。ここは「院に」(動作主)があり、呼び出されるのは翁なので受身。「その老人は、歌を上手に詠むというので、院に呼び出される」。


Q85.用法を答えよ。

中納言、御簾を上げて、月を見らる。

答え:尊敬 解説:「見」(上一段「見る」未然)+尊敬「らる」。主語が中納言(高貴)。「中納言が御簾を上げて、月を御覧になる」。


Q86.用法を答えよ。

雪深き道、行かれず。

答え:可能の打消 解説:「行くことができない」。


Q87.用法を答えよ。

歌の道にすぐれたれば、世に重く用ゐらる。

答え:受身 解説:「用ゐ」(ワ行上一段「用ゐる」未然)+受身「らる」。「世に」(世間の人々)が動作主。「和歌の道にすぐれているので、世間で重く用いられる」。


Q88.用法を答えよ。

大将、故院の御ことを思して、うち泣かれ給ふ。

答え:自発 解説:「うち泣か」(四段「うち泣く」未然)+自発「る」連用形「れ」+尊敬「給ふ」。「れ給ふ・られ給ふ」の「る・らる」は尊敬ではない。「泣く」は心の動きを表すので自発。「大将は、亡き院のことをお思いになって、自然とお泣きになる」。


Q89.用法を答えよ。

中将、御文を持ち参らる。

答え:尊敬 解説:主語が中将(高貴)。四段「持ち参る」未然形「持ち参ら」+尊敬「る」。「参る」は謙譲語(参上する)。「中将がお手紙を持って参上なさる」。


Q90.用法を答えよ。

病重く、起き上がられず。

答え:可能の打消 解説:「起き上がることができない」。


Q91.用法を答えよ。

ありがたきもの。舅にほめらるる婿。また、姑に思はるる嫁の君。(枕草子)

答え:受身 解説:「思は」(四段「思ふ」未然)+受身「る」連体形「るる」(下の「嫁の君」に続く)。「思ふ」は心の動きを表す動詞だが、「姑に」(動作主)があるので受身。「思はる」は「(人から)大切に思われる」。「めったにないもの。舅にほめられる婿。また、姑にかわいがられるお嫁さん」。


Q92.用法を答えよ。

心の闇に惑はる。

答え:自発 解説:「惑は」(四段「惑ふ」=迷う 未然)+自発「る」。「惑ふ」は心の動きを表す動詞。「心の闇に」の「に」は原因・場面を表す「に」で、動作主ではない(「惑ふ」は自動詞)。「(子を思う)心の闇に、自然と迷ってしまう」。他動詞「惑はす」の受身なら「惑はさる」になる。


Q93.用法を答えよ。

大臣、このよしを奏せらる。

答え:尊敬 解説:「奏せ」(サ変「奏す」=帝に申し上げる 未然)+尊敬「らる」。謙譲語「奏す」で帝を、尊敬「らる」で主語の大臣を敬う。「大臣が、このことを帝に申し上げなさる」。


Q94.用法を答えよ。

秋風の身にしむにつけても、都のみぞ恋しく思はるる。

答え:自発 解説:「思は」(四段「思ふ」未然)+自発「る」連体形「るる」(係助詞「ぞ」の結び)。「秋風が身にしみるにつけても、都のことばかりが自然と恋しく思われる」。


Q95.用法を答えよ。

罪に問はる。

答え:受身 解説:「問はる」=「罪に問われる」。


Q96.用法を答えよ。

大将、御車より下(お)りられぬれば、人々みなかしこまる。

答え:尊敬(下の「ぬれ」は完了) 解説:「下り」(上二段「下(お)る」未然)+尊敬「らる」連用形「られ」+完了「ぬ」已然形「ぬれ」+「ば」。「ぬれ」は完了(打消なら「ねば」)。主語が大将(高貴)。「大将がお車からお降りになったので、人々はみなかしこまる」。


Q97.用法を答えよ。

いはむかたなく心細ければ、来ぬ人のみ恨みらる。

答え:自発 解説:「恨み」(上二段「恨む」未然)+自発「らる」(上二段には「らる」が付く)。「恨む」は心の動きを表す動詞。「言いようもなく心細いので、訪ねて来ない人ばかりが自然と恨めしく思われる」。


Q98.用法を答えよ。

大納言、世をはかなく思ひて、出家せらる。

答え:尊敬 解説:「出家せ」(サ変「出家す」未然)+尊敬「らる」(サ変には「らる」が付く。「せ」は動詞の一部で、使役の「す」ではない)。主語が大納言(高貴)。「大納言は、世の中をはかないものと思って、出家なさる」。


Q99.用法を答えよ。

心安く眠られず、夜もすがら泣き明かさる。

答え:前半=可能の打消、後半=自発 解説:前半は「眠ら」四段未然+可能「る」未然形「れ」+打消「ず」で「眠れない」。後半は「泣き明かさ」(四段「泣き明かす」未然)+自発「る」で「(つらさに)自然と泣いて夜を明かしてしまう」。


Q100.用法を答えよ。

月の出でぬるに、ふと空ぞながめらるる。

答え:自発 解説:「ながめ」(下二段「ながむ」=物思いにふけってぼんやり見る 未然)+自発「らる」連体形「らるる」(係助詞「ぞ」の結び)。「月が出たので、ふと空を自然と眺めて物思いにふけってしまう」。


入試レベル /20


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