打消推量・打消意志・禁止・不可能などを100問で見分ける
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このドリルでわかること
はじめに:「まじ」の6用法
打消推量の助動詞「まじ」は、 終止形接続(ラ変型の語には連体形接続)。 「べし」の打消バージョンで、6用法あります。
| 用法 | 訳 | 判別ポイント |
|---|---|---|
| ① 打消推量 | 〜ないだろう | 主語が3人称・無生物 |
| ② 打消意志 | 〜まい | 1人称主語 |
| ③ 不可能 | 〜できないだろう | 副詞「え」と呼応(「え」がなくても文脈でなることがある) |
| ④ 打消当然 | 〜べきでない/〜はずがない | 世の人一般の道理 |
| ⑤ 禁止 | 〜してはならない | 2人称に強く止める(ゆめ〜まじ) |
| ⑥ 不適当 | 〜ない方がよい | 2人称に「〜こそ〜め」とよりよい方を示して勧める |
「べし」の打消 と覚えればOK。「すいかとめて」の打消バージョン。
接続
「べし」と同じく 終止形接続(ラ変型の語には連体形:あるまじ・侍るまじ・なるまじ)。
カ変は「来(く)まじ」、サ変は「すまじ」、二段活用は「過ぐまじ」「分くまじ」のように終止形に付く(「来るまじ」「するまじ」「過ぐるまじ」は誤り)。
識別の鉄則
「べし」と同じ要領で、主語の人称と文中の手がかりで決める:
- 副詞 「え」 と呼応(え〜まじ) → 不可能「〜できないだろう」(「え」がなくても、文脈で「〜できそうにない」となることがある。竹取物語「たはやすく人寄り来まじき家」=簡単には人が近寄って来られない家)
- 主語が 1人称(我・われ。「〜まじく思ふ」は思う人自身) → 打消意志「〜まい」
- 主語が 2人称(相手)で、「ゆめ」「ゆめゆめ」(決して)と呼応する・「〜まじ」と戒める など強く止める → 禁止「〜してはならない」
- 主語が 2人称(相手)で、「〜こそ〜め」「〜こそよからめ」(〜のがよい)とよりよい方を示して勧める → 不適当「〜ないほうがよい」
- 主語が「人」「子」「法師」など 世の人一般・ある立場の人 で、守るべき道理を述べる → 打消当然「〜べきでない」
- 主語が 3人称(特定の人)・無生物 → 打消推量「〜ないだろう」
※「 」の中は、話し手から見た人称で考える(話し手自身が主語なら1人称)。
上の「識別の鉄則」は、用法を決める手がかりの一覧。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。
コツ① まず主語の人称を見る
「まじ」は べしの打消 なので、人称ルールは「べし」と同じ。 – 1人称(我・われ・吾・予)+まじ → 打消意志(〜まい) – 2人称(なんぢ・君)+まじ → 禁止(〜してはならない)か 不適当(〜ないほうがよい)。分け方はコツ④。「君」は主君・あの方(3人称)のこともあるので、「 」と話し相手で確かめる – 3人称・無生物(雨・花・かの人)+まじ → 打消推量(〜ないだろう)
→ 主語を見つけて人称を判定する。ただし「え」があれば不可能(コツ②)、世の人一般の道理なら打消当然(コツ③)。
コツ② 「え+まじ」は 不可能 で確定
副詞「え」は下の打消の語(ず・じ・まじ)と呼応して「〜できない」の意味を表す。「え〜まじ」なら主語が何人称でも不可能。 例:え忘るまじ → 「忘れることができないだろう」
→ 「え」を探せ。あれば不可能で即答。
コツ③ 世の人一般の 道理 を述べる文は打消当然
主語が「人」「子」「法師」「仕ふる身」など世の人一般・ある立場の人で、守るべき道理を述べる文は「〜べきでない」と訳す打消当然。 例:人は偽りを言ふまじ → 「人はうそを言うべきではない」 「世にあるまじきこと」(あってはならないこと)のように、「まじき+こと・もの」の形でもよく使う。 世の中一般の心得を述べる「まじ」を不適当とする本もあるが、このドリルでは、相手への勧めでないものは打消当然とする。
コツ④ 相手(2人称)への言葉は 強さ で分ける
- 「ゆめ」「ゆめゆめ」(決して)と呼応する、「〜まじ」と戒める・言いつける → 禁止(〜してはならない)
- 「〜こそ〜め」「〜こそよからめ」(〜のがよい)とよりよい方を示して勧める → 不適当(〜ないほうがよい)。理由(〜ば)は禁止にも付くので決め手にならない
- 「 」の中は話し手から見た人称で考える:話し手自身のことなら打消意志、言われた相手のことなら禁止・不適当
試験本番でのチェック順序
- 文中に 副詞「え」 ある? → 不可能
- 主語が 1人称 → 打消意志
- 主語が 2人称 → 強く止めるなら禁止/「〜こそ〜め」でよりよい方を勧めるなら不適当
- 主語が 世の人一般・ある立場の人 で道理を述べる → 打消当然
- 主語が 3人称(特定の人)・無生物 → 打消推量
→ この順番で確かめれば、答えが1つに決まります。
よくある引っかけ
- 「まじき」(連体形)+「こと・もの」は 打消当然 が多い(あるまじきこと=あってはならないこと)。ただし主語が3人称・無生物なら打消推量(雨降るまじき空=雨が降りそうにない空)
- 「まじから・まじかり・まじかる」は補助活用(カリ活用。「べし」と同じ)で、下に助動詞が付くときの形(まじかりけり)。「まじかる」+「なり・めり」は撥音便「まじかん」の「ん」を書かずに「まじかなり」「まじかめり」となる。用法は主語と文脈で決める
- 敬語(たまふ・らる など)が付いていても、主語が3人称なら打消推量(中納言はこの文を見たまふまじ=ご覧にならないだろう)
- 主語が省略されていることが多い → 直前の動作主を確認する
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
問題(Q1〜Q100)
ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。
【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
Q1.「まじ」の用法を答えよ。
雨降るまじ。
答え:打消推量 解説:3人称「雨」。「雨は降らないだろう」。
Q2.用法を答えよ。
我れ行くまじ。
答え:打消意志 解説:1人称「我れ」。「私は行くまい」。
Q3.用法を答えよ。
なんぢ、ゆめ帰るまじ。ここにて待て。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止め、「待て」と命じている。「おまえは決して帰ってはならない。ここで待て」。
Q4.用法を答えよ。
子は親に逆らふまじ。
答え:打消当然 解説:主語「子」は世の子一般で、守るべき道理を述べている。「子は親に逆らうべきでない」。
Q5.用法を答えよ。
この文は、文字かすかにて、え読むまじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。四段「読む」の終止形+まじ。「この手紙は文字が薄くて、読むことができないだろう」。
Q6.用法を答えよ。
まらうどのおはするほどは、なんぢ、ゆめ座を立つまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。「お客様(まらうど)がいらっしゃる間は、おまえは決して席を立ってはならない」。
Q7.用法を答えよ。
我れ歌詠むまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私は歌を詠むまい」。
Q8.用法を答えよ。
風吹くまじ。
答え:打消推量 解説:3人称「風」。「風は吹かないだろう」。
Q9.用法を答えよ。
なんぢ、この薬を飲みてのちは、ゆめ物食ふまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえは、この薬を飲んだあとは、決して物を食べてはならない」。
Q10.用法を答えよ。
人は、受けし恩を忘るまじ。
答え:打消当然 解説:主語「人」は世の人一般で、守るべき道理を述べている。下二段「忘る」の終止形+まじ。「人は、受けた恩を忘れるべきでない」。
Q11.用法を答えよ。
月明らかなるまじ。
答え:打消推量 解説:主語は無生物「月」。形容動詞「明らかなり」はラ変型なので、連体形「明らかなる」に付く。「月は明るくないだろう」。
Q12.用法を答えよ。
我れ仕うまつるまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私はお仕えしまい」。
Q13.用法を答えよ。
なんぢ、ゆめこの池の魚を捕るまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえは、決してこの池の魚をとってはならない」。
Q14.用法を答えよ。
若き者は、学問を怠るまじ。
答え:打消当然 解説:主語「若き者」は世の若者一般で、守るべき道理を述べている。「若い者は、学問を怠るべきでない」。
Q15.用法を答えよ。
「風強ければ、今日は高き所には登りたまふまじ。庭にて遊びたまはむこそよからめ」と、乳母、若君に聞こゆ。
答え:不適当 解説:乳母が若君(言われた相手=2人称)に、「〜こそよからめ(〜のがよいでしょう)」とよりよい方を示して勧めている。「『風が強いので、今日は高い所にはお登りにならないほうがよいでしょう。庭でお遊びになるのがよいでしょう』と、乳母が若君に申し上げる」。
Q16.用法を答えよ。
我れもまた、都へは帰るまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私もまた、都へは帰るまい」。
Q17.用法を答えよ。
月、いまだ西に傾くまじ。
答え:打消推量 解説:主語は無生物「月」。「月は、まだ西に傾かないだろう」。
Q18.用法を答えよ。
なんぢ、宿直(とのゐ)の夜は、ゆめ眠るまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえは、宿直(夜通しの番)の夜は、決して眠ってはならない」。
Q19.用法を答えよ。
かの人は、頼もしき人なるまじ。
答え:打消推量 解説:3人称「かの人」のことを推し量っている。断定「なり」はラ変型なので、連体形「なる」に付く。「あの人は、頼りになる人ではないだろう」。
Q20.用法を答えよ。
我れ歌の道を捨つまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。下二段「捨つ」の終止形+まじ。「私は和歌の道を捨てまい」。
基礎編 /20
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
連体形「まじき」・連用形「まじく」・已然形「まじけれ」など活用形を含む練習。
Q21.用法を答えよ。
言ふまじきことを言ふ。
答え:打消当然(連体形「まじき」) 解説:体言「こと」に係る連体形。「言ふまじきこと」は、人として言ってはならないこと(道理)を表す。「言うべきでないことを言う」。
Q22.用法を答えよ。
我れ、ふたたびここへは来(く)まじ。
答え:打消意志 解説:1人称。カ変「来」の終止形「く」+まじ(「来る」は連体形なので「来るまじ」とはしない)。「私は二度とここへは来るまい」。
Q23.用法を答えよ。
なんぢ、ゆめこの寺の花を折るまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえは、決してこの寺の花を折ってはならない」。
Q24.用法を答えよ。
隣の人は、このことをまだ知るまじ。
答え:打消推量 解説:3人称「隣の人」のことを推し量っている。「隣の人は、このことをまだ知らないだろう」。
Q25.用法を答えよ。
いまだ若ければ、よろづのことをえ知るまじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。「まだ若いので、すべてのことを知ることはできないだろう」。
Q26.用法を答えよ。
雪降るまじき夜なり。
答え:打消推量(連体形) 解説:「雪が降らないだろう夜である」。
Q27.用法を答えよ。
われ、今はかの人にふみ書くまじ。
答え:打消意志 解説:1人称「われ」。四段「書く」の終止形+まじ(未然形「書か」には付かない)。「私は、もうあの人に手紙を書くまい」。
Q28.用法を答えよ。
かれはあやしき者なれば、なんぢ、道を問ふまじ。かの寺の法師にこそ問はめ。
答え:不適当 解説:2人称「なんぢ」に、「法師にこそ問はめ(法師に尋ねるのがよい)」とよりよい方を示して勧めている。「あれは怪しい者なので、おまえは道を尋ねないほうがよい。あの寺の法師に尋ねるのがよい」。
Q29.用法を答えよ。
「かしこへは行くまじ」と、父、子を戒む。
答え:禁止 解説:父が子(言われた相手=2人称)を戒める言葉。「『あそこへは行ってはならない』と、父が子をいましめる」。
Q30.用法を答えよ。
なんぢ、命危ふければ、今宵は出づまじ。夜明けてこそ出でめ。
答え:不適当 解説:2人称「なんぢ」に、「夜明けてこそ出でめ(夜が明けてから出るのがよい)」とよりよい方を示して勧めている。下二段「出づ」の終止形+まじ。「おまえは、命が危ないので、今夜は出かけないほうがよい。夜が明けてから出かけるのがよい」。
Q31.用法を答えよ。
空のけしきを見るに、今宵は風しづまるまじかめり。
答え:打消推量(補助活用「まじかる」) 解説:主語は無生物「風」。補助活用の連体形「まじかる」+推定「めり」が撥音便で「まじかんめり」となり、「ん」を書かない形。「空の様子を見ると、今夜は風がおさまりそうにないようだ」。
Q32.用法を答えよ。
我れ忘るまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私は忘れまい」。
Q33.用法を答えよ。
世を捨てたる人は、名利を求むまじ。
答え:打消当然 解説:主語「世を捨てたる人」(出家した人一般)について、守るべき道理を述べている。下二段「求む」の終止形+まじ。「出家した人は、名誉や利益を求めるべきでない」。
Q34.用法を答えよ。
宮は、今宵は御琴も弾かせたまふまじ。
答え:打消推量(尊敬連用と組合せ) 解説:主語は3人称「宮」。尊敬「せたまふ」が付いていても、3人称なので打消推量。「宮は、今夜はお琴もお弾きにならないだろう」。
Q35.用法を答えよ。
なんぢ、御前にては、ゆめあらぬさまにふるまふまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえは、御前では、決してふさわしくないふるまいをしてはならない」。
Q36.用法を答えよ。
この海、舟にてもえ渡るまじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。「この海は、舟でも渡ることができないだろう」。
Q37.用法を答えよ。
あだなる契りは結ぶまじきものぞ。
答え:打消当然(連体形「まじき」) 解説:「〜まじきものぞ」と、世の人が守るべき道理を述べている。「はかない約束は、結ぶべきでないものだぞ」。
Q38.用法を答えよ。
われら二人は、命あらむかぎり別るまじ。
答え:打消意志 解説:1人称「われら」。下二段「別る」の終止形+まじ。「私たち二人は、命のあるかぎり別れまい」。
Q39.用法を答えよ。
その所領、奪はるまじ。
答え:打消推量 解説:受身「る」終止形+「まじ」。「その所領は奪われないだろう」。
Q40.用法を答えよ。
「御簾の外には出づまじ」と、母君、姫君を戒めたまふ。
答え:禁止 解説:母君が姫君(言われた相手=2人称)を戒める言葉。下二段「出づ」の終止形+まじ。「『御簾の外に出てはならない』と、母君が姫君をおいましめになる」。
Q41.用法を答えよ。
海月の骨は、いかに求むとも、え得まじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。「得」はア行下二段で、終止形は「う」(「え得まじ」は「えうまじ」と読む)。「クラゲの骨は、どんなに探しても手に入れることはできないだろう」(ありえないもののたとえ)。
Q42.用法を答えよ。
かの翁は、この宝を人に売るまじ。
答え:打消推量 解説:3人称「かの翁」のことを推し量っている。「あの老人は、この宝を人に売らないだろう」。
Q43.用法を答えよ。
怠るまじき御つとめなり。
答え:打消当然(連体形「まじき」) 解説:体言「御つとめ」に係る連体形で、守るべき道理を表す。「怠るべきでないお勤めである」。
Q44.用法を答えよ。
人に見すまじく思ふ。
答え:打消意志(連用形) 解説:「見す」終止形+「まじく」連用形。「人に見せまいと思う」。
Q45.用法を答えよ。
我れ、今よりのちは、あやまちすまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。サ変「す」の終止形+まじ。「私は、これからは、あやまちをするまい」。
Q46.用法を答えよ。
なんぢ、ゆめゆめ人の物を盗むまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえは、決して人の物を盗んではならない」。
Q47.用法を答えよ。
この川の水、とみには澄むまじかりけり。
答え:打消推量(補助活用・過去) 解説:主語は無生物「水」。補助活用の連用形「まじかり」+過去「けり」。「この川の水は、すぐには澄みそうになかった」。
Q48.用法を答えよ。
なんぢ、この猫はいとほしければ、捨つまじ。家にて養はむこそよからめ。
答え:不適当 解説:2人称「なんぢ」に、「家にて養はむこそよからめ(家で飼うのがよい)」とよりよい方を示して勧めている。下二段「捨つ」の終止形+まじ。「おまえ、この猫はかわいそうだから、捨てないほうがよい。家で飼うのがよい」。
Q49.用法を答えよ。
人に仕ふる身は、主に背くまじ。
答え:打消当然 解説:主語「人に仕ふる身」(仕える者一般)について、守るべき道理を述べている。「人に仕える身は、主人に背くべきでない」。
Q50.用法を答えよ。
われ、このことをば人に語るまじ。
答え:打消意志 解説:1人称「われ」。「私は、このことは人に話すまい」。
標準編 /30
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
係り結び・敬語連動・難関大頻出の引っかけパターン。
Q51.用法を答えよ。
上は、この歌をばよしとも仰せらるまじ。
答え:打消推量(尊敬+まじ) 解説:主語は3人称「上(帝)」。尊敬「らる」が付いていても、3人称なので打消推量。「帝は、この歌をよいともおっしゃらないだろう」。
Q52.用法を答えよ。
われは、この人をぞ見捨つまじき。
答え:打消意志(係助詞「ぞ」の結びで連体形「まじき」) 解説:1人称「われ」。下二段「見捨つ」の終止形+まじ。係助詞「ぞ」の結びなので連体形「まじき」。「私は、この人こそは見捨てまい」。
Q53.用法を答えよ。
親は、子のことに惑ふまじきを、なほ心の闇に惑ひぬ。
答え:打消当然(連体形+逆接「を」) 解説:前半は、世の親一般が守るべき道理を述べている。連体形「まじき」+接続助詞「を」(〜のに)。「親は子のことで迷うべきではないのに、やはり(子を思う)心の闇に迷ってしまった」。
Q54.用法を答えよ。
学ぶ人こそ、知らぬことを問ふを恥づまじけれ。
答え:打消当然(「こそ」の結びで已然形「まじけれ」) 解説:主語「学ぶ人」(学ぶ者一般)について、守るべき道理を述べている。上二段「恥づ」の終止形+まじ。係助詞「こそ」の結びなので已然形「まじけれ」。「学ぶ人こそ、知らないことを尋ねるのを恥じるべきではない」。
Q55.用法を答えよ。
人の身は、千年をえ経(ふ)まじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。下二段「経」の終止形「ふ」+まじ。「人の身は、千年を過ごすことはできないだろう」。
Q56.用法を答えよ。
「君、ゆめこの契りをたがへたまふまじ」と、女、男に言ふ。
答え:禁止 解説:女が男(言われた相手=2人称「君」)に、「ゆめ(決して)」と強く止めている。「『あなた、決してこの約束をお破りになってはなりません』と、女が男に言う」。
Q57.用法を答えよ。
宮、御心地悪しくおはしませば、なんぢ、いと近くは参るまじ。御簾の外にこそ候はめ。
答え:不適当 解説:2人称「なんぢ」に、「御簾の外にこそ候はめ(御簾の外に控えているのがよい)」とよりよい方を示して勧めている。「宮はご気分がすぐれないので、おまえは、あまりおそば近くには参上しないほうがよい。御簾の外に控えているのがよい」。
Q58.用法を答えよ。
帝は、今年は御位を譲り給ふまじ。
答え:打消推量 解説:主語は3人称「帝」。尊敬「給ふ」が付いていても、3人称なので打消推量。「帝は、今年は位をお譲りにならないだろう」。
Q59.用法を答えよ。
法師なりとも、歌を詠むまじきにあらず。
答え:打消当然(連体形)の二重否定 解説:「法師」という立場の道理を述べている。四段「詠む」の終止形+まじ連体形「まじき」+断定「なり」連用形「に」+「あらず」。「法師であっても、歌を詠むべきでないということはない(詠んでもよい)」。
Q60.用法を答えよ。
「今は人にも会ふまじ」と言ひて、山に籠もりぬ。
答え:打消意志 解説:「 」の中は話し手自身のことで、主語は話し手(1人称)。「『もう人にも会うまい』と言って、山にこもった」。
Q61.用法を答えよ。
軽き身の者は、身に過ぎたる位を望むまじ。
答え:打消当然 解説:主語「軽き身の者」(身分の低い者一般)について、守るべき道理を述べている。「身分の低い者は、身分に過ぎた位を望むべきでない」。
Q62.用法を答えよ。
我れこの暗き道踏み迷ふまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私はこの暗い道で迷うまい」。
Q63.用法を答えよ。
人を使ふ身は、心狭くてはあるまじ。
答え:打消当然 解説:主語「人を使ふ身」(人を使う立場の者一般)について、守るべき道理を述べている。ラ変「あり」には連体形「ある」に付く(「あるまじ」)。「人を使う立場の者は、心が狭くあるべきではない」。
Q64.用法を答えよ。
潮満ち来れば、渚にはえとどまるまじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。「潮が満ちてくるので、渚にはとどまることができないだろう」。
Q65.用法を答えよ。
かの人は、世を背くまじかなり。
答え:打消推量(伝聞「なり」と接続) 解説:3人称「かの人」のことを推し量っている。補助活用の連体形「まじかる」+伝聞推定「なり」が撥音便で「まじかんなり」となり、「ん」を書かない形。「あの人は、出家しないということだ」。
Q66.用法を答えよ。
なんぢら、ゆめいたく騒ぐまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢら」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえたちは、決してひどく騒いではならない」。
Q67.用法を答えよ。
この山道は雪深くて、え越ゆまじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。下二段「越ゆ」の終止形+まじ。「この山道は雪が深くて、越えることはできないだろう」。
Q68.用法を答えよ。
宮仕へする人は、あやしき装ひを人に見すまじ。
答え:打消当然 解説:主語「宮仕へする人」(宮仕えする人一般)について、守るべき道理を述べている。下二段「見す」の終止形+まじ。「宮仕えする人は、みっともない身なりを人に見せるべきでない」。
Q69.用法を答えよ。
我れ、御供に侍るまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。ラ変「侍り」はラ変型なので、連体形「侍る」に付く。「私はお供としてお仕えするまい」。
Q70.用法を答えよ。
われは、老いぬとも、学びをやむまじ。
答え:打消意志 解説:1人称「われ」。下二段「やむ(やめる)」の終止形+まじ(「やめる」は今のことば)。「私は、年をとっても、学ぶことをやめまい」。
Q71.用法を答えよ。
なんぢ、世は偽り多ければ、たやすく人を信ずまじ。心をよく見てこそ信ぜめ。
答え:不適当 解説:2人称「なんぢ」に、「心をよく見てこそ信ぜめ(心をよく見てから信じるのがよい)」とよりよい方を示して勧めている。サ変「信ず」の終止形+まじ(連体形「信ずる」には付かない)。「おまえ、世の中にはうそが多いので、たやすく人を信じないほうがよい。心をよく見きわめてから信じるのがよい」。
Q72.用法を答えよ。
大臣は、今日は御車にも乗らるまじ。
答え:打消推量(尊敬「る」と組合せ) 解説:主語は3人称「大臣」。四段「乗る」の未然形「乗ら」+尊敬「る」の終止形+まじ。敬語が付いていても、3人称なので打消推量。「大臣は、今日はお車にもお乗りにならないだろう」。
Q73.用法を答えよ。
なんぢ、ゆめこなたへは来(く)まじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめ(決して)」と強く止めている。カ変「来」の終止形「く」+まじ(「来る」は連体形)。「おまえは、決してこちらへは来てはならない」。
Q74.用法を答えよ。
あさましき御振舞、許すまじきものなり。
答え:打消当然(連体形) 解説:「〜まじきものなり」と、世の人が守るべき道理を述べている。「あきれるようなお振る舞いは、許すべきでないものである」。
Q75.用法を答えよ。
我れ、命惜しむまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私は命を惜しむまい」。
Q76.用法を答えよ。
「夜更けぬれば、今宵は浮かれ出でたまふまじ。明日の夜こそよからめ」と、女房、中将に聞こゆ。
答え:不適当 解説:女房が中将(言われた相手=2人称)に、「明日の夜こそよからめ(明日の夜がよいでしょう)」とよりよい方を示して勧めている。「『夜も更けたので、今夜は浮かれてお出かけにならないほうがよいでしょう。明日の夜がよいでしょう』と、女房が中将に申し上げる」。
Q77.用法を答えよ。
暁に、え起くまじくもあらず。
答え:不可能(連用形「まじく」+「もあらず」の二重否定) 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。上二段「起く」の終止形+連用形「まじく」+係助詞「も」+「あらず」。「明け方に、起きることができないわけでもない」。
Q78.用法を答えよ。
この君ぞ、世に久しくはおはすまじき。
答え:打消推量(係助詞「ぞ」の結びで連体形「まじき」) 解説:3人称「この君」のことを推し量っている。サ変「おはす」の終止形+まじ。係助詞「ぞ」の結びなので連体形「まじき」。「この若君こそ、この世に長くはいらっしゃらないだろう」。
Q79.用法を答えよ。
仏に仕ふる人は、生ける物を殺すまじ。
答え:打消当然 解説:主語「仏に仕ふる人」(僧一般)について、守るべき道理を述べている。「仏にお仕えする人は、生き物を殺すべきでない」。
Q80.用法を答えよ。
古き友なれば、なんぢ、知らぬ顔して過ぐまじ。一言なりとも言ひかはさむこそよからめ。
答え:不適当 解説:2人称「なんぢ」に、「言ひかはさむこそよからめ(言葉を交わすのがよい)」とよりよい方を示して勧めている。上二段「過ぐ」の終止形+まじ。「昔からの友だちなのだから、おまえは、知らないふりをして通り過ぎないほうがよい。ひと言でも言葉を交わすのがよい」。
応用編 /30
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
難関大過去問頻出パターン。
Q81.用法を答えよ。
この家の主は、今宵は帰るまじ。
答え:打消推量 解説:3人称「この家の主」のことを推し量っている。「この家の主人は、今夜は帰らないだろう」。
Q82.用法を答えよ。
我れ、心を二つに分くまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。下二段「分く」の終止形+まじ(連体形「分くる」には付かない)。「私は、心を二つに分けまい」。
Q83.用法を答えよ。
なんぢ、ゆめゆめ人の過ちを笑ふまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめゆめ(決して)」と強く止めている。「おまえは、決して人の過ちを笑ってはならない」。
Q84.用法を答えよ。
いみじき御才(ざえ)、誰にも劣るまじ。
答え:打消推量 解説:主語は無生物「御才(学問の才能)」。「すばらしい学問の才能は、誰にも劣らないだろう」。
Q85.用法を答えよ。
かばかりの人には、ふたたびえ会ふまじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。「これほどの人には、二度と会うことはできないだろう」。
Q86.用法を答えよ。
公の御文は、おろかにすまじきものなり。
答え:打消当然(連体形) 解説:「〜まじきものなり」と、世の人が守るべき道理を述べている。サ変「す」の終止形+まじ(連体形「する」には付かない)。「おおやけの文書は、おろそかにするべきでないものである」。
Q87.用法を答えよ。
花の色、いまだ衰ふまじく見ゆ。
答え:打消推量(連用形「まじく」) 解説:主語は無生物「花の色」。下二段「衰ふ」の終止形+連用形「まじく」+「見ゆ」。「花の色は、まだ衰えそうにないように見える」。
Q88.用法を答えよ。
我れ、信を破るまじと誓ふ。
答え:打消意志 解説:「信義を破るまいと誓う」。
Q89.用法を答えよ。
大将殿は、今日は参りたまふまじ。
答え:打消推量(尊敬と組合せ) 解説:主語は3人称「大将殿」。尊敬「たまふ」が付いていても、3人称なので打消推量。「大将殿は、今日は参上なさらないだろう」。
Q90.用法を答えよ。
なんぢ、ゆめゆめこの箱を開けて見るまじ。
答え:禁止 解説:2人称「なんぢ」に「ゆめゆめ(決して)」と強く止めている。上一段「見る」の終止形+まじ。「おまえは、決してこの箱を開けて見てはならない」。
Q91.用法を答えよ。
足を病みたれば、都までは、え歩むまじ。
答え:不可能 解説:副詞「え」が「まじ」と呼応しているので不可能。「足を痛めているので、都までは歩くことができないだろう」。
Q92.用法を答えよ。
もののふは、主の御ためには命を惜しむまじ。
答え:打消当然 解説:主語「もののふ」(武士一般)について、守るべき道理を述べている。「武士は、主君のためには命を惜しむべきでない」。
Q93.用法を答えよ。
我れ、今は物思ひはすまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。サ変「す」の終止形+まじ(未然形「せ」には付かない)。「私は、もう思い悩むことはするまい」。
Q94.用法を答えよ。
かかるめでたき宴は、またもあるまじ。
答え:打消推量 解説:主語は無生物「宴」。ラ変「あり」の連体形「ある」+まじ。「これほどすばらしい宴は、二度とないだろう」。
Q95.用法を答えよ。
位高き人は、軽々しきことを言ふまじ。
答え:打消当然 解説:主語「位高き人」(身分の高い人一般)について、守るべき道理を述べている。「位の高い人は、軽々しいことを言うべきでない」。
Q96.用法を答えよ。
歌詠む人は、この歌を知らで過ぐまじきを、我は知らずして過ぎぬ。
答え:打消当然(連体形+逆接) 解説:前半は「歌詠む人」が守るべき道理を述べている。上二段「過ぐ」の終止形+連体形「まじき」+接続助詞「を」(〜のに)(連体形「過ぐる」には付かない)。「歌を詠む人は、この歌を知らずに過ごすべきではないのに、私は知らないまま過ごしてしまった」。
Q97.用法を答えよ。
我れ、これより一歩も退くまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私はこれより一歩も退くまい」。
Q98.用法を答えよ。
近く仕うまつる人は、仰せなくては御前を退くまじ。
答え:打消当然 解説:主語「近く仕うまつる人」(おそば仕えの者一般)について、守るべき道理を述べている。「おそば近くお仕えする人は、お言葉がなくては、御前から下がるべきでない」。
Q99.用法を答えよ。
この寺は、千歳を経とも滅ぶまじ。
答え:打消推量 解説:主語は無生物「この寺」。「経とも」は下二段「経(ふ)」の終止形+逆接の仮定「とも」。「滅ぶ」は四段・上二段の両方に活用し、終止形はどちらも「滅ぶ」。「この寺は、千年たっても滅びないだろう」。
Q100.用法を答えよ。
我れ、ふみの道、ゆるがせにすまじ。
答え:打消意志 解説:1人称。「私は学問の道をゆるがせにすまい(サ変「す」終止+まじ)」。
入試レベル /20
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