古文「めり・らし・なり」推定の助動詞 識別 100題ドリル

古文 めり・らし・なり の識別 100題ドリル 古文ドリル

視覚・聴覚・根拠の推定と断定を100問で見分ける

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→ 解説記事「推定の助動詞「めり・らし・なり」の違い」を読む

このドリルでわかること

はじめに

「めり」「らし」「なり」は、どれも「〜らしい・〜ようだ」と訳せる推定の助動詞ですが、「何を根拠に推定しているか」で使い分けます。さらに「なり」は断定の「なり」と紛らわしく、接続で見分けます。

傍線部を次の4タイプ(ア〜エ)に分類しましょう。

記号 語・意味 根拠・目印 接続
ア めり(視覚推定・婉曲) 目で見て「〜ように見える」 終止形(ラ変型は連体形)
イ なり(聴覚推定・伝聞) 音・声・人づて「〜と聞こえる/〜だそうだ」 終止形(ラ変型は連体形)
ウ らし(根拠ある推定) 確かな根拠「〜らしい」(和歌に多い) 終止形(ラ変型は連体形)
エ なり(断定) 「〜だ・〜である」と言い切る 体言・連体形に接続

鉄則 – めり → 目で見た推定(ア)。 らし → 根拠ある推定(ウ)。この2つは断定と紛れない。 – 「なり」は接続を必ず確認。終止形に付けば推定・伝聞(イ)/体言・連体形に付けば断定(エ)。 – 例:「鐘の音聞こゆなり(下二段の終止形+なり=聞こえるようだ→イ)」⇔「鐘の音の聞こゆるなり(連体形+なり=聞こえるのである→エ)」。土佐日記の冒頭「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」も、サ変の終止形「す」+なり(伝聞→イ)と、連体形「する」+なり(断定→エ)。 – 四段とラ変型は、接続だけでは決まらない。四段は終止形と連体形が同じ形(鳴く・言ふ など)。ラ変型(あり・形容動詞 など)には、推定・伝聞の「なり」も連体形に付く。音・声・うわさを受けていれば推定・伝聞(イ)、「〜である・〜のだ」と説明していれば断定(エ)と、文脈で決める。撥音便の「あんなり」「なんなり」(「ん」を書かない「あなり」「ななり」も)なら推定・伝聞(イ)。

識別の鉄則

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

🎯 解き方のコツ

  1. まず語を見る。「めり」ならア、「らし」ならウで確定(断定と混じらない)。
  2. 「なり」が出たら接続をチェック。直前が体言か連体形なら断定(エ)。直前が終止形なら推定・伝聞(イ)。四段・ラ変型で形が決まらないときは、音・声・うわさの文脈なら推定・伝聞(イ)、説明・言い切りなら断定(エ)。
  3. サ変「す」なら、終止「す」+なり=推定(イ)/連体「する」+なり=断定(エ)。下二段なら終止「聞こゆ」/連体「聞こゆる」で見分ける。
  4. めり=目/なり=耳・人づて/らし=根拠、と根拠で覚える。

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎(Q1〜Q20)

Q1.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

見れば、人々はや帰るめり。 答え:ア 解説:「帰る(終止)+めり」。目で見て「帰るように見える」視覚推定。


Q2.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

隣の家に、笛の音すなり。 答え:イ 解説:「す(サ変・終止)+なり」。音を聞いての聴覚推定「笛の音がするようだ」。


Q3.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)夕されば衣手寒しみ吉野の吉野の山にみ雪降るらし(古今集) 答え:ウ 解説:「降る(四段・終止)+らし」。夕方になって袖が寒いことを根拠に「吉野の山に雪が降っているらしい」と推しはかる。和歌に多い。


Q4.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

これは、都の人の家なり。 答え:エ 解説:体言「家」+なり。「〜である」と言い切る断定。


Q5.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

風吹きて、花散るめり。 答え:ア 解説:「散る(終止)+めり」。目で見ての視覚推定「散るように見える」。


Q6.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

山のあなたに、鹿の鳴くなり。 答え:イ 解説:声を聞いての聴覚推定「鹿が鳴いているようだ」。


Q7.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

かの人は、やむごとなき大臣なり。 答え:エ 解説:体言「大臣」+なり。断定「〜である」。


Q8.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(作例の歌)秋の野に、萩咲きぬらし。 答え:ウ 解説:「咲きぬ(終止)+らし」。根拠ある推定「咲いたらしい」。


Q9.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

子ども、皆寝ぬめり。 答え:ア 解説:「寝ぬ(終止)+めり」。様子を見ての視覚推定「寝てしまったようだ」。


Q10.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

夜更けて、遠く鐘の聞こゆなり。 答え:イ 解説:「聞こゆ(下二・終止)+なり」。音を聞いての聴覚推定。


Q11.次の傍線部「なれ」は、ア〜エのどれか。

我こそは、この国の主なれ。 答え:エ 解説:体言「主」+なり(已然形「なれ」、係助詞「こそ」の結び)。断定。


Q12.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

月、山の端に出づめり。 答え:ア 解説:「出づ(下二・終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q13.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)春過ぎて夏来たるらし白たへの衣干したり天の香具山(万葉集・持統天皇) 答え:ウ 解説:「来たる(四段・終止)+らし」。香具山に白い衣が干してあるのを根拠にした推定「夏が来たらしい」。百人一首では「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」の形で知られる。


Q14.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

軒のあたりに、水の流るなり。 答え:イ 解説:「流る(下二・終止)+なり」。音を聞いての聴覚推定。


Q15.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

ここは、昔の宮の跡なり。 答え:エ 解説:体言「跡」+なり。断定「〜である」。


Q16.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

道のほとりに、人多く集ふめり。 答え:ア 解説:「集ふ(終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q17.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

戸の外に、人の来(く)なり。 答え:イ 解説:「来(カ変・終止「く」)+なり」。物音を聞いての聴覚推定「人が来るようだ」。


Q18.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)龍田川もみぢ葉流る神なびのみむろの山に時雨降るらし(古今集) 答え:ウ 解説:「降る(四段・終止)+らし」。龍田川を紅葉が流れてくるのを根拠に、三室の山に時雨が降って紅葉を散らしているらしいと推しはかる。和歌に多い。なお、同じ古今集の「龍田川もみぢ乱れて流るめり」は、目で見たようすの「めり」(ア)。


Q19.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

この笛、世に名高き宝なり。 答え:エ 解説:体言「宝」+なり。断定。


Q20.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

遠き山の方を見やれば、雨降るめり。 答え:ア 解説:「降る(終止)+めり」。遠くの山を見ての視覚推定「(あのあたりは)雨が降っているようだ」。


【第2部】標準(Q21〜Q50)

Q21.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

草むらに、虫の鳴くなり。 答え:イ 解説:声を聞いての聴覚推定「虫が鳴いているようだ」。


Q22.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

答へていはく、「我はこの浦の海人(あま)なり」と。 答え:エ 解説:体言「海人(あま)」+なり。断定「〜である」。


Q23.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

庭の桜、はや咲き初むめり。 答え:ア 解説:「初む(下二・終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q24.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)ひさかたの天の香具山この夕(ゆふへ)霞たなびく春立つらしも(万葉集) 答え:ウ 解説:「立つ(四段・終止)+らし」+詠嘆の終助詞「も」。この夕べ、香具山に霞がたなびいているのを根拠にした推定「春になったらしい」(「春立つ」=春になる)。


Q25.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

壁を隔てて、人の物言ふ声すなり。 答え:イ 解説:「す(サ変・終止)+なり」。声を聞いての聴覚推定。


Q26.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

持ちたるは、めづらかなる唐の鏡なり。 答え:エ 解説:体言「鏡」+なり。断定。


Q27.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

舟、はや岸を離るめり。 答え:ア 解説:「離る(下二・終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q28.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

軒の松に、風の渡るなり。 答え:イ 解説:松を渡る風の音を聞いての聴覚推定。


Q29.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

この童は、商人(あきびと)の子なり。 答え:エ 解説:体言「子」+なり。断定。


Q30.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)うちなびく春立ちぬらし我が門の柳の末(うれ)に鶯鳴きつ(万葉集) 答え:ウ 解説:「立ち」(四段「立つ」の連用形)+完了「ぬ」の終止形+らし。我が家の門の柳の枝先で鶯が鳴いたのを根拠にした推定「春になったらしい」(「うちなびく」は「春」にかかる枕詞)。


Q31.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

火、いよいよ燃え広ごるめり。 答え:ア 解説:「広ごる(終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q32.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

谷の方より、水の落つなり。 答え:イ 解説:「落つ(上二・終止)+なり」。水音を聞いての聴覚推定。


Q33.次の傍線部「なる」は、ア〜エのどれか。

答へけるは、「これなむ、求めし玉なる」。 答え:エ 解説:体言「玉」+なり(連体形「なる」、係助詞「なむ」の結び)。断定。


Q34.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

人々の気色、いと心苦しげなめり。 答え:ア 解説:「なる(形容動詞・連体)+めり」が「なめり」。様子を見ての視覚推定。


Q35.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

御簾の外に人々の声して、「上達部、皆参り給ふ」と言ふなり。 答え:イ 解説:「言ふ」は四段で、終止形と連体形が同じ形なので、接続だけでは決まらない。御簾の外の人々の話し声を聞いての聴覚推定「〜と言っているようだ(言っているのが聞こえる)」。


Q36.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

かの聖の住む所は、深き山の奥なり。 答え:エ 解説:体言「奥」+なり。断定。


Q37.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)さ夜中と夜は更けぬらし雁がねの聞こゆる空に月渡る見ゆ(古今集) 答え:ウ 解説:「更け」(下二段「更く」の連用形)+完了「ぬ」の終止形+らし。雁の声が聞こえる空を月が渡っていくのを根拠にした推定「夜はもう真夜中になったらしい」。


Q38.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

軒近く、鳥の羽うつ音すなり。 答え:イ 解説:「す(サ変・終止)+なり」。羽音を聞いての聴覚推定。


Q39.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

日暮れて、人かげまれなるめり。 答え:ア 解説:「まれなる(形容動詞・連体)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q40.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

この所、もとは海なりき。 答え:エ 解説:体言「海」+なり(連用形「なり」+過去「き」)。断定。


Q41.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

聞けば、都には疫病(えやみ)いみじくおこるなり。 答え:イ 解説:「おこる」は四段で、終止形と連体形が同じ形なので、接続だけでは決まらない。「聞けば」とあり、人から聞いた話を伝えているので伝聞「(都では)疫病がひどくはやっているそうだ」。


Q42.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

簾(すだれ)のうちに、人あまたゐるめり。 答え:ア 解説:「ゐる(上一段・終止)+めり」。簾ごしに見ての視覚推定「人が大勢いる(座っている)ようだ」。


Q43.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(作例の歌)富士の嶺に、雪はなほ降るらし。 答え:ウ 解説:「降る(終止)+らし」。根拠ある推定。


Q44.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

持て来たるは、よく切るる刀なり。 答え:エ 解説:体言「刀」+なり。断定。


Q45.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

軒の雫、いまだ落つなり。 答え:イ 解説:「落つ(上二・終止)+なり」。雫の音を聞いての聴覚推定。


Q46.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

病、日にそへて重るめり。 答え:ア 解説:「重る(終止)+めり」。様子を見ての視覚推定。


Q47.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

われは、その家に仕ふる女房なり。 答え:エ 解説:体言「女房」+なり。断定。


Q48.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

人づてに聞けば、かの君は、はや都へ帰り給ひぬなり。 答え:イ 解説:完了「ぬ」の終止形+なり(連体形なら「ぬる」)。終止形に付いているので推定・伝聞。「人づてに聞けば」とあるので伝聞「あの方はもう都へお帰りになってしまったそうだ」。Q51の「来(き)ぬるなり」(連体形+なり=断定)と比べよう。


Q49.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(作例の歌)春日野の若菜摘みつつ、君を待つらし。 答え:ウ 解説:「待つ(終止)+らし」。根拠ある推定。


Q50.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

池の蓮、おほかた散り果てぬめり。 答え:ア 解説:「果てぬ(終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


【第3部】応用(Q51〜Q80)

Q51.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

朝夕の風の涼しきは、秋の来(き)ぬるなり。 答え:エ 解説:「来ぬる(完了「ぬ」連体)+なり」。連体形接続なので断定「秋が来たのだ」。


Q52.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

ものの音、絶え絶えに聞こゆなり。 答え:イ 解説:「聞こゆ(下二・終止)+なり」。終止形接続で聴覚推定「聞こえるようだ」。


Q53.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

あれは、寺の僧どもの念誦(ねんず)するなり。 答え:エ 解説:「念誦する」(サ変「念誦す」の連体形)+なり。連体形接続なので断定「(あの声は)寺の僧たちが念誦しているのである」。声を聞く場面でも、上が連体形「する」なので断定になる。


Q54.次の傍線部「なる」は、ア〜エのどれか。

山深く分け入れば、いづこにか、犬の吠ゆなる。 答え:イ 解説:「吠ゆ(下二段・終止)+なり」。係助詞「か」の結びで「なり」は連体形「なる」になっているが、上が終止形「吠ゆ」(連体形なら「吠ゆる」)なので推定(イ)。犬の声を聞いての聴覚推定「どこで犬が吠えているのだろうか(声が聞こえる)」。


Q55.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

灯(ともしび)の影、かすかにゆらぐめり。 答え:ア 解説:「ゆらぐ(終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q56.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

よく見れば、これは作りたる花なり。 答え:エ 解説:体言「花」+なり。断定「造花である」。


Q57.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(作例の歌)我が宿の梅、今を盛りと咲くらし。 答え:ウ 解説:「咲く(終止)+らし」。根拠ある推定。


Q58.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

暁、鶏(とり)の鳴くなり、いざ立たむ。 答え:イ 解説:鶏の声を聞いての聴覚推定「鳴いているようだ」。


Q59.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

このわたりに、いやしからぬ人のおはすなり。夜ごとに、をかしき琴の音聞こゆ。 答え:イ 解説:「おはす(サ変・終止)+なり」(連体形なら「おはする」)。終止形に付いているので推定。毎夜聞こえる琴の音を根拠に「身分の低くない方がいらっしゃるようだ」と推しはかる聴覚推定。


Q60.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

雪うち積もりて、道も埋もれぬめり。 答え:ア 解説:「埋もれぬ」(下二段「埋もる」の連用形+完了「ぬ」の終止形)+めり。目で見ての視覚推定「道も(雪に)埋もれてしまったようだ」。


Q61.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

その帝は、世を治むること九年なりき。 答え:エ 解説:体言「九年」+なり(連用形+き)。断定。


Q62.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

山風のたよりに、遠く人の笛吹くなり。 答え:イ 解説:「吹く」は四段で、終止形と連体形が同じ形。山風に運ばれてくる笛の音を聞いての聴覚推定「遠くで人が笛を吹いているようだ」。


Q63.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)この川にもみぢ葉流る奥山の雪げの水ぞ今まさるらし(古今集) 答え:ウ 解説:「まさる(四段・終止)+らし」。係助詞「ぞ」の結びで、この「らし」は連体形(「らし」は終止形も連体形も同じ形)。川を紅葉が流れてくるのを根拠に「奥山の雪どけの水が今増しているらしい」と推しはかる。


Q64.次の傍線部「なれ」は、ア〜エのどれか。

これこそ、年ごろ尋ねし父の形見なれ。 答え:エ 解説:体言「形見」+なり(已然形「なれ」、「こそ」の結び)。断定。


Q65.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

客、酔ひて、いたく乱るめり。 答え:ア 解説:「乱る(下二・終止)+めり」。様子を見ての視覚推定。


Q66.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

帳のうちに、人のうち嘆くけはひすなり。 答え:イ 解説:「す(サ変・終止)+なり」。気配・音を聞いての聴覚推定。


Q67.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

文を開きて見れば、別れを告ぐる言葉なり。 答え:エ 解説:体言「言葉」+なり。断定。


Q68.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

人の言ふを聞けば、この寺の観音、いと験(しるし)あなり。 答え:イ 解説:「あなり」は、ラ変「あり」の連体形「ある」+なりが撥音便で「あんなり」となり、「ん」を書かない形。ラ変型には推定・伝聞の「なり」も連体形に付き、撥音便の形は推定・伝聞のしるし。「人の言ふを聞けば」とあるので伝聞「この寺の観音は、たいそう霊験があるそうだ」。


Q69.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(作例の歌)水鳥の立ちし騒ぎに、敵(あた)の寄せ来(く)らし。 答え:ウ 解説:「来(カ変・終止「く」)+らし」。水鳥の騒ぎを根拠にした推定。


Q70.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

馬、草に飽きて、いま臥(ふ)すめり。 答え:ア 解説:「臥す(終止)+めり」。目で見ての視覚推定。


Q71.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

門をたたく音す。これは、殿よりの御使ひの来(く)るなり。 答え:エ 解説:「来る」(カ変「来(く)」の連体形)+なり。連体形接続なので断定「(この音は)お屋敷からのお使いが来たのである」。Q17の「来(く)なり」(終止形+なり=推定)と比べよう。


Q72.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

軒端を、しきりに雨のうつなり。 答え:イ 解説:「うつ(四段・終止)+なり」。雨音を聞いての聴覚推定。


Q73.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

かの女、このごろ心地わづらふめり。 答え:ア 解説:「わづらふ(終止)+めり」。様子を見ての視覚推定。


Q74.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

御簾のうちに、琴をかき鳴らすなり。 答え:イ 解説:「鳴らす(四段・終止)+なり」。琴の音を聞いての聴覚推定。


Q75.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

帝のおはします所は、内裏といふ所なり。 答え:エ 解説:体言「所」+なり。断定。


Q76.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(作例の歌)秋萩の散りゆく見れば、鹿鳴きぬらし。 答え:ウ 解説:「鳴きぬ(終止)+らし」。根拠ある推定。


Q77.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

戸を叩きて、何やらん告ぐるなり。 答え:エ 解説:「告ぐる(下二・連体)+なり」。連体形接続なので断定「告げるのだ」。


Q78.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

月の明かき庭に人もなく、ただ静かなめり。 答え:ア 解説:「静かなる(形容動詞・連体)+めり」が「静かなめり」。人のいない月夜の庭を見ての視覚推定「ひっそりとしているように見える」。


Q79.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

隣にて、人の声高に物言ふなり。 答え:イ 解説:「言ふ(四段・終止)+なり」。声を聞いての聴覚推定。


Q80.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

この皮衣(かはごろも)は、まことの火鼠(ひねずみ)の皮なり。 答え:エ 解説:体言「皮」+なり。断定。


【第4部】入試(Q81〜Q100)

Q81.次の傍線部「なる」は、ア〜エのどれか。

夜もすがら、軒の雨のそそくなるを聞きて、明かしつ。 答え:イ 解説:「そそく(四段)+なり」の連体形「なる」(下の「を」に続く)。四段は終止形と連体形が同じ形なので、接続だけでは決まらない。雨音を聞いている場面なので、聴覚推定と判断する。「一晩中、軒に雨が降りそそいでいるらしい音を聞いて、夜を明かした」。


Q82.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

よく見れば、人と見えしは枯れたる木なりけり。 答え:エ 解説:体言「木」+なり(+けり)。断定「枯れ木であったのだ」。


Q83.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

門のうちをのぞけば、車あまたあめり。 答え:ア 解説:「あめり」は、ラ変「あり」の連体形「ある」+めりが撥音便で「あんめり」となり、「ん」を書かない形。ラ変型には「めり」も連体形に付く。門の中をのぞいて見ての視覚推定「牛車がたくさんあるようだ」。


Q84.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)ぬき乱る人こそあるらし白玉のまなくも散るか袖のせばきに(古今集・在原業平) 答え:ウ 解説:「ある(ラ変「あり」の連体形)+らし」。「らし」はラ変型には連体形に付く。係助詞「こそ」の結びで已然形(「らし」は形が変わらない)。布引の滝のしぶき(白玉)が絶え間なく散るのを根拠に「(玉を通したひもを)抜いて玉を散らしている人がいるらしい」と推しはかる。


Q85.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

几帳のかげに、衣のふれ合ふ音すなり。 答え:イ 解説:「す(サ変・終止)+なり」。衣ずれの音を聞いての聴覚推定。


Q86.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

答へていはく、「この道を行けば、京にいたるなり」と。 答え:エ 解説:「いたる(四段・連体)+なり」。四段「いたる」は終止形・連体形が同形なので、接続だけでは決まらず、ここは「〜のだ」と説明する文意から連体形+なりの断定と判断する。


Q87.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

主(あるじ)の心ばへ、いとあはれに、人をいたはるめり。 答え:ア 解説:「いたはる(終止)+めり」。様子から判断する視覚推定(婉曲)。


Q88.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

をちかたに、舟こぐ音のかすかにすなり。 答え:イ 解説:「す(サ変・終止)+なり」。遠くの櫓の音を聞いての聴覚推定。 (※「する」ではなく終止「す」+なり。連体形「する」と取り違えないこと(サ変の已然形は「すれ」)。)


Q89.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)難波潟潮満ち来(く)らし雨衣田蓑(たみの)の島に鶴(たづ)鳴き渡る(古今集) 答え:ウ 解説:「満ち来(く)」(カ変「来」の終止形「く」)+らし。田蓑の島をさして鶴が鳴きながら飛んでいくのを根拠に「潮が満ちてくるらしい」と推しはかる。


Q90.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

この人は、もとは藤原のなにがしと聞こえし人なり。 答え:エ 解説:体言「人」+なり。断定。


Q91.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

花は盛り過ぎて、葉がちになりゆくめり。 答え:ア 解説:「なりゆく(終止)+めり」。木の様子を見ての視覚推定。


Q92.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

奥に物言ふ声を聞けば、この家のあるじななり。 答え:イ 解説:「な」は断定「なり」の連体形「なる」で、「なるなり」が撥音便で「なんなり」となり、「ん」を書かない形が「ななり」。ラ変型の連体形に付く「なり」で、撥音便の形なので推定・伝聞。声を聞いての聴覚推定「(話しているのは)この家の主人であるようだ」。


Q93.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

この瓜は、いとよく熟(う)れたるなり。一つ召せ。 答え:エ 解説:「熟れたる」は完了(存続)「たり」の連体形。「たり」はラ変型なので形だけでは決まらないが、撥音便の「たんなり・たなり」ではなく、音・声・うわさも受けていない。瓜のようすを「よく熟しているのだ」と言い切って勧めているので断定。


Q94.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)秋の夜は露こそことに寒からし草むらごとに虫のわぶれば(古今集) 答え:ウ 解説:「寒からし」は、形容詞「寒し」の連体形「寒かる」に「らし」が付いた「寒かるらし」がつまった形。「らし」はラ変型(形容詞のカリ活用など)には連体形に付く。係助詞「こそ」の結びで已然形(「らし」は形が変わらない)。草むらごとに虫がわびしげに鳴くのを根拠にした推定「秋の夜は露がとりわけ寒いらしい」。


Q95.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

夜深く、時を告ぐる鼓(つづみ)の鳴るなり。 答え:イ 解説:「鳴る(終止)+なり」。鼓の音を聞いての聴覚推定。


Q96.次の傍線部「めり」は、ア〜エのどれか。

旅人、道に迷ひて、いとわびしげなめり。 答え:ア 解説:「わびしげなる(形容動詞・連体)+めり」が「わびしげなめり」。様子を見ての視覚推定。


Q97.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

北の方は、按察使(あぜち)の大納言の御むすめなり。 答え:エ 解説:体言「むすめ」+なり。断定。


Q98.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

深き夜、遠き寺に鐘つくなり。ひとり聞きて、昔を思ふ。 答え:イ 解説:「つく(四段・終止)+なり」。四段「つく」は終止形・連体形が同形なので、接続だけでは決まらず、鐘の音を聞いての聴覚推定「遠い寺で鐘をついているようだ」という文意で判断する。


Q99.次の傍線部「らし」は、ア〜エのどれか。

(歌)秋風にほころびぬらし藤袴つづりさせてふきりぎりす鳴く(古今集・在原棟梁) 答え:ウ 解説:「ほころび」(連用形)+完了「ぬ」の終止形+らし。「つづりさせ(ほころびを縫え)」と鳴くきりぎりす(今のこおろぎ)の声を根拠に、「秋風に藤袴(の花)がほころんだらしい」と推しはかる(花の名の「袴」を衣の袴に見立てた、たわむれの歌)。


Q100.次の傍線部「なり」は、ア〜エのどれか。

をりふし、御簾のうちに、箏(さう)の琴をしらぶる音すなり。 答え:イ 解説:「す(サ変・終止)+なり」。琴を調べる音を聞いての聴覚推定。 (「しらぶる」は下の「音」に続く連体形で、「なり」の接続とは関係しない。「なり」の上は終止形「す」。)


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