古文「しか」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「しか」の識別 100題ドリル(無料PDF・解答付き) 古文ドリル

過去の助動詞「き」の已然形・副詞「しか(然)」・願望の終助詞「てしか・にしか」を100問で見分ける

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解説記事「古文「しか」の識別 100題識別」を読む

このドリルでわかること

はじめに:「しか」の正体(3用法)

古文の「しか」は、直前の語の形と、文中での位置を見れば見分けられます。入試では過去の助動詞「き」の已然形「しか」が圧倒的に頻出です(係り結びや「〜しかば」「〜しかど」の形)。

用法 接続(直前の形)
① 過去の助動詞「き」の已然形 連用形+しか 〜た(已然形→ば/ど/ども、こそ結び) ありしか
② 副詞「しか(然)」 接続なし(用言の前に置く) そのように しか言ふ・しか思ふ
③ 願望の終助詞「てしか・にしか」 連用形+てしか/にしか(文末) 〜したいものだ 見てしか

過去「き」の活用は(せ)/○/き/し/しか/○。已然形が「しか」です。已然形なので、後ろに「ば・ど・ども」がつくか、係助詞「こそ」の結びになります。②の「しか」は「さ・かく」と並ぶ指示の副詞、③は「てしが(な)・にしが(な)」とも書く願望の終助詞です。なお、現代語の「〜しか…ない」(限定の副助詞)は近世(江戸時代)以降に広まった用法で、平安時代までの古文にはまず出てきません。

識別の鉄則

識別の鉄則

  1. 「しか」の直前が連用形(あり・言ひ・見・聞き 等)→ 過去の助動詞「き」の已然形
  2. 文中に係助詞「こそ」があれば、その結びとして文末が「〜しか」(已然形)になる=過去「き」。
  3. 「〜しか」「〜しか(も)」の形も過去「き」已然形
  4. 用言の前に置かれて「そのように」と訳せる → 副詞「しか(然)」(しか言ふ・しか思ふ)。直前の語には接続しない。
  5. 文末の「てしか」「にしか」(「てしがな」「にしがな」とも)→ 願望の終助詞(〜したいものだ)。「て」「に」の直前は連用形。
  6. 現代語の「〜しか…ない」(限定の副助詞)は近世(江戸時代)以降に広まった用法で、平安時代までの古文の文章には現れない。古文で「しか」を見たらまず過去「き」、次に副詞・願望の終助詞を疑う

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

🎯 解き方のコツ(試験本番で3秒)

コツ① 直前が「連用形」かを見る

  • 「ありしか」「言ひしか」「見しか」「聞きしか」→ 連用形+しか=過去「き」の已然形

コツ② 「こそ」「ば」「ど・ども」を探す

  • 「こそ〜しか」は係り結び(已然形結び)=過去「き」。
  • 「〜しかば」(〜たので)「〜しかど(も)」(〜たけれど)も過去「き」已然形。

コツ③ 用言の前は副詞、文末「てしか・にしか」は願望

  • しか言ふ」「しか思ふ」→ 用言の前で「そのように」=副詞「しか(然)」
  • 「見てしか(な)」「なりにしか(な)」→ 文末で「〜したいものだ」=願望の終助詞「てしか・にしか」

よくある引っかけ

  • 現代語の「〜しか…ない」(限定)は近世以降の用法で、古文には出てこない。反射的に「だけ」と訳さず、まず過去「き」を疑う。
  • カ変「来」+しか=「来(き)しか」、サ変「す」+しか=「せしか」も過去「き」已然形(特殊な接続)。
  • 係助詞「こそ」があれば文末「しか」は已然形結び=過去「き」。
  • 「〜てしかば」「〜にしかば」のように下へ続く形の「しか」は過去「き」已然形(「て・に」は完了「つ・ぬ」の連用形などで、願望ではない)。文末で言い切る「てしか(な)・にしか(な)」だけが願望の終助詞。

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

連用形+しか(過去「き」已然形)と、副詞「しか(然)」・願望の終助詞「てしか・にしか」を純粋に見分ける。


Q1.次の傍線部「しか」を識別せよ。

ありしかば、出でぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「あり」はラ変「あり」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「しかば」で「あったので」。已然形+ば。


Q2.次の傍線部「しか」を識別せよ。

人々、しか言ひて笑ふ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は下の「言ふ」を修飾する副詞。「人々はそのように言って笑う」。過去「き」已然形なら直前に連用形が必要だが、ここは文節の頭に立ち、直前の語に接続していない。


Q3.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しかば、あやし。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「見」は上一段「見る」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「見しかば」で「見たところ」。


Q4.次の傍線部「しか」を識別せよ。

言ひしかど、聞かず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「言ひ」は四段「言ふ」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「言ひしかど」で「言ったけれども」。已然形+ど。


Q5.次の傍線部「しか」を識別せよ。

めづらしき花を見てしか

答え:願望の終助詞「てしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「見」は上一段「見る」連用形。文末の「てしか」(「てしが・てしがな」とも)は自分の願望「〜したいものだ」を表す終助詞。「珍しい花を見たいものだ」。「こそ」がないのに「しか」で言い切る文は、まず願望を疑う。


Q6.次の傍線部「しか」を識別せよ。

聞きしかば、驚きぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「聞き」は四段「聞く」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「聞いたので」。


Q7.次の傍線部「しか」を識別せよ。

思ひしかども、かなはず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「思ひ」は四段「思ふ」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「思ったけれども」。已然形+ども。


Q8.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しか思ふ人も多し。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「思ふ」を修飾する副詞。文頭にあり、直前に連用形がないので過去「き」已然形ではない。「そのように思う人も多い」。


Q9.次の傍線部「しか」を識別せよ。

来(き)しかば、待ちけり。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「来(き)」はカ変「来」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「来たので」。カ変連用形は「き」。


Q10.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しかば、悔ゆ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「せ」はサ変「す」未然形。サ変・カ変には「き」が未然形にも付く特殊接続があり、「せしか」で過去「き」已然形。「したので」。


Q11.次の傍線部「しか」を識別せよ。

ふるさとにとく帰りにしか

答え:願望の終助詞「にしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「帰り」は四段「帰る」連用形。連用形+「にしか」(「にしが・にしがな」とも)=願望の終助詞。「故郷に早く帰ってしまいたいものだ」。


Q12.次の傍線部「しか」を識別せよ。

ありがたくこそ侍りしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「侍り」はラ変「侍り」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。文中の係助詞「こそ」を受けた已然形結び(係り結び)。「ございました」。


Q13.次の傍線部「しか」を識別せよ。

まづ、しか心得よ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「心得」を修飾する副詞。「心得よ」は下二段「心得(こころう)」の命令形。「まず、そのように心得よ」。


Q14.次の傍線部「しか」を識別せよ。

受けしかば、喜びぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「受け」は下二段「受く」連用形(e段)。連用形+しか=過去「き」已然形。「受け取ったので」。


Q15.次の傍線部「しか」を識別せよ。

名をこそ聞きしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「聞き」は四段「聞く」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「名前を聞いた」。


Q16.次の傍線部「しか」を識別せよ。

心ゆくまで月を眺めてしかな。

答え:願望の終助詞「てしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「眺め」は下二段「眺む」連用形。「てしか」に終助詞「な」が付いた「てしかな(てしがな)」の形。「心ゆくまで月を眺めたいものだなあ」。


Q17.次の傍線部「しか」を識別せよ。

立ちしかば、見送りぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「立ち」は四段「立つ」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「立った(出発した)ので」。


Q18.次の傍線部「しか」を識別せよ。

あはれにこそ覚えしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「覚え」は下二段「覚ゆ」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「しみじみと思われた」。


Q19.次の傍線部「しか」を識別せよ。

翁もまた、しか答ふ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「答ふ」を修飾する副詞。「老人もまたそのように答える」。指示の副詞「さ・かく・しか」はまとめて覚える。


Q20.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月日経しかば、忘れぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「経」は下二段「経(ふ)」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「月日が経ったので」。


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

「〜しかば/〜しかど/こそ〜しか」の形を中心に、過去「き」已然形を確実に見抜く(副詞・願望の終助詞も交ざる)。


Q21.次の傍線部「しか」を識別せよ。

雨降りしかば、道あしし。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「降り」は四段「降る」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「雨が降ったので、道が悪い」。


Q22.次の傍線部「しか」を識別せよ。

仰せられしかば、かしこまりぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「仰せられ」は「仰せらる」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「おっしゃったので、かしこまった」。


Q23.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いと興ありとこそ思ひしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「思ひ」は四段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「たいそう趣があると思った」。


Q24.次の傍線部「しか」を識別せよ。

約せしかど、来ず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「約せ」はサ変「約す」未然形。「せしか」で過去「き」已然形。「約束したけれども、来ない」。已然形+ど。


Q25.次の傍線部「しか」を識別せよ。

暮れしかば、宿借りぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「暮れ」は下二段「暮る」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「日が暮れたので、宿を借りた」。


Q26.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いみじくこそ悲しかりしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「悲しかり」は形容詞「悲し」連用形(カリ活用)。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「たいそう悲しかった」。


Q27.次の傍線部「しか」を識別せよ。

風吹きしかば、波荒し。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「吹き」は四段「吹く」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「風が吹いたので、波が荒い」。


Q28.次の傍線部「しか」を識別せよ。

花のみこそ咲きしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「咲き」は四段「咲く」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「花だけが咲いた」。「のみ」が限定で「しか」自体は過去助動詞である点に注意。


Q29.次の傍線部「しか」を識別せよ。

別れしかど、忘れず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「別れ」は下二段「別る」連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「別れたけれども、忘れない」。


Q30.次の傍線部「しか」を識別せよ。

人の言ふこと、げにしかあらむ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」はラ変「あり」を修飾する副詞。「しかあり」(そのようである)は副詞「しか」の代表的な型。「人の言うことは、なるほどそうなのだろう」。


Q31.次の傍線部「しか」を識別せよ。

訪ね来しかば、留守なりき。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「来(き)」はカ変連用形。「来しかば」で過去「き」已然形。「訪ねて来たところ、留守だった」。


Q32.次の傍線部「しか」を識別せよ。

心細くこそ覚えしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「覚え」は下二段「覚ゆ」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「心細く思われた」。


Q33.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いと寒かりしかば、火を焚く。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「寒かり」は形容詞「寒し」連用形(カリ活用)。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「たいそう寒かったので、火を焚く」。


Q34.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いかで都へ上(のぼ)りにしか

答え:願望の終助詞「にしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「上り」は四段「上る」連用形。連用形+「にしか」=願望の終助詞。「いかで」は願望表現と呼応して「なんとかして」。「なんとかして都へ上ってしまいたい」。


Q35.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月見しかば、故郷を思ふ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「見」は上一段「見る」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「月を見たところ、故郷を思う」。


Q36.次の傍線部「しか」を識別せよ。

たびたびこそ申ししか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「申し」は四段「申す」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「たびたび申し上げた」。


Q37.次の傍線部「しか」を識別せよ。

雪積もりしかば、道閉ぢぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「積もり」は四段「積もる」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「雪が積もったので、道がふさがった」。


Q38.次の傍線部「しか」を識別せよ。

世の人みな、しか言ふ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「言ふ」を修飾する副詞。「世間の人はみなそのように言う」。直前の「みな」に付いているのではなく、文節の頭に立っている。


Q39.次の傍線部「しか」を識別せよ。

あやしと見しかど、過ぎぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「見」は上一段「見る」連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「不思議だと見たけれども、通り過ぎた」。


Q40.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いとうれしくこそ侍りしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「侍り」はラ変「侍り」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「たいそううれしうございました」。


Q41.次の傍線部「しか」を識別せよ。

言伝(ことづ)てしかば、安し。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「ことづて」は下二段「ことづつ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「言伝てしたので、安心だ」。


Q42.次の傍線部「しか」を識別せよ。

この物語、果てまで読みてしか

答え:願望の終助詞「てしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「読み」は四段「読む」連用形。文末の「てしか」=願望の終助詞。「この物語を最後まで読みたいものだ」。


Q43.次の傍線部「しか」を識別せよ。

帰りしかば、人もなし。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「帰り」は四段「帰る」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「帰ったところ、人もいない」。


Q44.次の傍線部「しか」を識別せよ。

げにとこそ思ひしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「思ひ」は四段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「なるほどと思った」。


Q45.次の傍線部「しか」を識別せよ。

召ししかば、参りぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「召し」は四段「召す」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「お呼びになったので、参上した」。


Q46.次の傍線部「しか」を識別せよ。

母も、しか教へき。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「教ふ」を修飾する副詞。文末の「き」は連用形「教へ」に付いた過去「き」の終止形。「母もそのように教えた」。傍線部自体はあくまで副詞である点に注意。


Q47.次の傍線部「しか」を識別せよ。

旅寝(たびね)せしかば、夢も見ず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「せ」はサ変「す」未然形。「せしか」で過去「き」已然形。「旅寝をしたので、夢も見ない」。


Q48.次の傍線部「しか」を識別せよ。

心にしみてこそ聞きしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「聞き」は四段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「心にしみて聞いた」。


Q49.次の傍線部「しか」を識別せよ。

待ちしかど、来ずなりぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「待ち」は四段「待つ」連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「待ったけれども、来ないままになった」。


Q50.次の傍線部「しか」を識別せよ。

世を捨てて、深き山に入りにしか

答え:願望の終助詞「にしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「入り」は四段「入る」連用形。文末の「にしか」=願望の終助詞。「俗世を捨てて、深い山に入ってしまいたいものだ」。


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

形容詞のカリ活用+しか、紛らわしい連用形、副詞「しか」・願望「てしか・にしか」を見抜く。


Q51.次の傍線部「しか」を識別せよ。

めでたくこそ侍りしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「侍り」はラ変連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「すばらしうございました」。


Q52.次の傍線部「しか」を識別せよ。

昔は、しかありき。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「あり」を修飾する副詞。「ありき」は連用形「あり」+過去「き」終止形。「昔はそのようであった」。語順が逆の「ありしか」(連用形+已然形)との違いに注意。


Q53.次の傍線部「しか」を識別せよ。

あさましくこそ覚えしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「覚え」は下二段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「あきれるほどに思われた」。


Q54.次の傍線部「しか」を識別せよ。

老いしかば、力なし。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「老い」は上二段「老ゆ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「老いたので、力がない」。


Q55.次の傍線部「しか」を識別せよ。

山ほととぎすの初音をだに聞きてしか

答え:願望の終助詞「てしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「聞き」は四段「聞く」連用形。文末の「てしか」=願望の終助詞。「だに」は願望表現と呼応して「せめて〜だけでも」。「せめて山ほととぎすの初音だけでも聞きたいものだ」。


Q56.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いかにとこそ問ひしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「問ひ」は四段「問ふ」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「どうしたのかと尋ねた」。


Q57.次の傍線部「しか」を識別せよ。

恋ひしかば、文書く。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「恋ひ」は上二段「恋ふ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「恋しく思ったので、手紙を書く」。


Q58.次の傍線部「しか」を識別せよ。

をかしくこそ見えしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「見え」は下二段「見ゆ」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「趣深く見えた」。


Q59.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しか聞きて、急ぎまかでぬ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「聞く」を修飾する副詞。「聞きしか」(連用形+しか)なら過去「き」だが、ここは「しか聞き」の語順で「しか」が前に立つ。「そのように聞いて、急いで退出した」。


Q60.次の傍線部「しか」を識別せよ。

あまた集まりしかど、定まらず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「集まり」は四段「集まる」連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「大勢集まったけれども、決まらない」。


Q61.次の傍線部「しか」を識別せよ。

戦(たたか)ひしかば、勝ちぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「戦ひ」は四段「戦ふ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「戦ったので、勝った」。


Q62.次の傍線部「しか」を識別せよ。

かばかりとこそ見えしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「見え」は下二段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「これほどと見えた」。


Q63.次の傍線部「しか」を識別せよ。

歌の道を究(きは)めてしか

答え:願望の終助詞「てしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「究め」は下二段「究む」連用形。文末の「てしか」=願望の終助詞。「和歌の道を究めたいものだ」。


Q64.次の傍線部「しか」を識別せよ。

出で立ちしかば、見送りき。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「出で立ち」は四段「出で立つ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「出発したので、見送った」。


Q65.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いみじとこそ聞きしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「聞き」は四段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「すばらしいと聞いた」。


Q66.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しかのみならず、雨さへ降りぬ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しかのみならず」は「しか(そのように)+のみ+ならず」で「そればかりでなく」。「しか」は前の内容を指す副詞。「そればかりでなく、雨まで降った」。漢文訓読でも頻出の言い回し。


Q67.次の傍線部「しか」を識別せよ。

別れ告げしかば、涙落つ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「告げ」は下二段「告ぐ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「別れを告げたところ、涙が落ちる」。


Q68.次の傍線部「しか」を識別せよ。

ありがたくこそ承(うけたまは)りしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「承り」は四段「承る」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「ありがたく承った」。


Q69.次の傍線部「しか」を識別せよ。

契りし人に、今ひとたび逢ひてしか

答え:願望の終助詞「てしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「逢ひ」は四段「逢ふ」連用形。文末の「てしか」=願望の終助詞。「契りし」の「し」は過去「き」の連体形。「約束したあの人に、もう一度逢いたいものだ」。


Q70.次の傍線部「しか」を識別せよ。

思ひ初(そ)めしかば、忘られず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「初め」は下二段「初む」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「思いはじめたので、忘れられない」。


Q71.次の傍線部「しか」を識別せよ。

暮らししかど、心慰まず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「暮らし」は四段「暮らす」連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「一日を過ごしたけれども、心が慰まない」。


Q72.次の傍線部「しか」を識別せよ。

このことのみこそ案じしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「案じ」はサ変「案ず」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「このことだけを心配した」。「のみ」が限定で、「しか」は過去助動詞。


Q73.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しかせよと、仰せらる。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」はサ変「す」を修飾する副詞。「せよ」はサ変の命令形。「そうせよとおっしゃる」。


Q74.次の傍線部「しか」を識別せよ。

申し受けしかば、いそぎ参る。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「受け」は下二段「受く」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「お受けしたので、急いで参上する」。


Q75.次の傍線部「しか」を識別せよ。

寝(い)ねしかど、寝(ね)られず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「寝(い)ね」は下二段「寝(い)ぬ」連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「横になったけれども、眠れない」。


Q76.次の傍線部「しか」を識別せよ。

憂きことの多かる世を、逃(のが)れにしか

答え:願望の終助詞「にしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「逃れ」は下二段「逃る」連用形。文末の「にしか」=願望の終助詞。「つらいことの多いこの世から、逃れてしまいたいものだ」。


Q77.次の傍線部「しか」を識別せよ。

よろこびてこそ受けしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「受け」は下二段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「喜んで受け取った」。


Q78.次の傍線部「しか」を識別せよ。

旅立ちしかば、便りもなし。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「旅立ち」は四段「旅立つ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「旅立ったので、便りもない」。


Q79.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月のみこそ照らししか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「照らし」は四段「照らす」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「月だけが照らした」。「のみ」が限定で「しか」は過去助動詞。


Q80.次の傍線部「しか」を識別せよ。

げに、しかあるべきことなり。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「あり」を修飾する副詞。「なるほど、そうであるはずのことだ」。連語「しかるべき」はこの「しかあるべき」が縮まった形。


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

係り結びや、一文に二種類の「しか」が並ぶ実戦的な文脈で、三つの用法を確実に判別する。


Q81.次の傍線部「しか」を識別せよ。

都にてこそ聞きしか、かかる山里にも住む人ありけり。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「聞き」は四段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「都で聞いた(が)」。已然形で逆接的に下へ続く用法。


Q82.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しか言ひしかど、人々用ゐず。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:傍線部は「言ふ」を修飾する副詞「しか」。後ろの「言ひしかど」の「しか」は連用形「言ひ」に付いた過去「き」已然形(+ど)。一文に二種類の「しか」が並ぶ形。「そのように言ったけれども、人々は用いない」。


Q83.次の傍線部「しか」を識別せよ。

心のうちにこそ思ひしか、え言はざりき。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「思ひ」は四段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「心の中では思った(が)、言うことができなかった」。


Q84.次の傍線部「しか」を識別せよ。

ありしかばこそ、今も恋しけれ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「あり」はラ変「あり」連用形。連用形+しか=過去「き」已然形。「しかばこそ」で「あったからこそ」。已然形+ば+こそ。


Q85.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いかでこの姫君を得(え)てしかな、見てしかな。

答え:願望の終助詞「てしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「得(え)」は下二段「得(う)」連用形。「てしかな(てしがな)」=願望の終助詞+な。「いかで」と呼応して「なんとかしてこの姫君を手に入れたいものだ、見たいものだ」。後半の「見てしかな」も同じ用法。


Q86.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いみじう労(ら)たくこそ覚えしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「覚え」は下二段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「たいそういとしく思われた」。


Q87.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しか定めしかば、今さら違ふべからず。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:傍線部は「定む」を修飾する副詞「しか」。後ろの「定めしかば」の「しか」は連用形「定め」に付いた過去「き」已然形(+ば)。「そのように定めたのだから、今さら背いてはならない」。


Q88.次の傍線部「しか」を識別せよ。

げにと聞こえしかば、うなづきぬ。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「聞こえ」は下二段「聞こゆ」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「なるほどと申し上げたので、うなずいた」。


Q89.次の傍線部「しか」を識別せよ。

月をのみこそ眺めしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「眺め」は下二段「眺む」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「月ばかりを眺めていた」。「のみ」が限定で「しか」は過去助動詞。


Q90.次の傍線部「しか」を識別せよ。

我ばかりかく思ふらむと思ひしかど、さもあらざりけり。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「思ひ」は四段連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「私だけがこう思うのだろうと思ったけれども、そうでもなかった」。


Q91.次の傍線部「しか」を識別せよ。

我も山人(やまびと)となりにしかな。

答え:願望の終助詞「にしか」の一部(〜したいものだ) 解説:「なり」は四段「なる」連用形。「にしかな(にしがな)」=願望の終助詞+な。「私も山に住む人になってしまいたいものだなあ」。


Q92.次の傍線部「しか」を識別せよ。

御消息(せうそこ)ありしかばこそ、まゐりしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「まゐり」は四段「参る」連用形。文中の係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「お便りがあったからこそ、参上した」。


Q93.次の傍線部「しか」を識別せよ。

鐘の音をこそ聞きしか、姿は見ず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「聞き」は四段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「鐘の音は聞いた(が)、姿は見ない」。


Q94.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いにしへの人も、しか言へり。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「言ふ」を修飾する副詞。「言へり」は四段已然形+完了「り」。「昔の人もそのように言っている」。


Q95.次の傍線部「しか」を識別せよ。

あはれと見しかば、忘れがたし。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「見」は上一段「見る」連用形。連用形+しか+ば=過去「き」已然形。「しみじみと見たので、忘れがたい」。


Q96.次の傍線部「しか」を識別せよ。

申ししかど、許されず。

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「申し」は四段「申す」連用形。連用形+しか+ど=過去「き」已然形。「申し上げたけれども、許されない」。


Q97.次の傍線部「しか」を識別せよ。

人の心は、昔もしかありけむ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「あり」を修飾する副詞。「けむ」は過去推量。「人の心は、昔もそうであったのだろう」。直前の「も」は係助詞で、「しか」がそれに接続しているのではない。


Q98.次の傍線部「しか」を識別せよ。

いと心苦しくこそ覚えしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:「覚え」は下二段連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「たいそう気の毒に思われた」。


Q99.次の傍線部「しか」を識別せよ。

しか思はば、とくこそ帰るべけれ。

答え:副詞「しか(然)」(そのように) 解説:「しか」は「思ふ」を修飾する副詞。「思はば」は未然形+ば(仮定)。「こそ〜べけれ」の係り結びにも注意。「そう思うなら、早く帰るのがよい」。


Q100.次の傍線部「しか」を識別せよ。

生きてあらば、かくは嘆かざらまし、とこそ思ひしか

答え:過去の助動詞「き」の已然形「しか」 解説:末尾の「思ひ」は四段「思ふ」連用形。係助詞「こそ」を受けた已然形結び。「生きていたら、こうは嘆かないだろうに、と思った」。


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