動詞の活用には九種類あります。見分け方の基本は、その動詞に打消の助動詞「ず」を付けてみることです。「ず」のすぐ上の音がア段なら四段活用、イ段なら上二段活用、エ段なら下二段活用です。これに対し、上一段活用は「ひ・い・き・に・み・ゐ(干る・射る・着る・煮る・見る・率る)」など語数が限られ、下一段活用は「蹴る」一語のみ、カ行変格活用は「来(く)」、サ行変格活用は「す・おはす」、ナ行変格活用は「死ぬ・往ぬ(去ぬ)」、ラ行変格活用は「あり・をり・侍り・いますがり」だけです。これら特殊な活用は語をまるごと覚えてしまうのが近道です。次の各例文を読み、後の問いに答えよ。
本文
※例文は学習用に作成しています。
① 春になれば、花おのづから咲く。
② 夜もすがら、虫の声を聞く。
③ 老いたる僧、文を書かず。
④ 山の端に月の出づるを待つ。
⑤ 暁に、鳥のはやく起く。
⑥ 童、笛を吹きて遊ぶ。
⑦ 庭の桜を朝な朝な見る。
⑧ 旅人、川の水を過ぎて行く。
⑨ 師の教へを受くるは尊し。
⑩ 童ども、毬を蹴る。
⑪ 客人、はるばると都より来。
⑫ 朝ごとに香をす。
⑬ 秋深く、虫の死ぬを哀れむ。
⑭ 嵐すぎて、空に星あり。
⑮ 日暮れて、客も家路に往ぬ。
⑯ 翁、竹の中に光るものを得。
設問
- 傍線①「咲く」の活用の種類を答えよ。
- 次の問いに答えよ。
- 傍線①「咲く」に打消の助動詞「ず」を付けるとどうなるか、ひらがなで書け。
- そのとき「ず」のすぐ上の音は何段か。
- 傍線②「聞く」の活用の種類を答えよ。
- 傍線③「書か」の活用の種類を答えよ。
- 傍線③「書か」の活用形を答えよ。
- 傍線④「出づる」の活用の種類を答えよ。
- 傍線④「出づる」の活用形を答えよ。
- 傍線⑤「起く」の活用の種類を答えよ。
- 次の問いに答えよ。
- 傍線⑤「起く」に打消の助動詞「ず」を付けるとどうなるか、ひらがなで書け。
- そのとき「ず」のすぐ上の音は何段か。
- 傍線⑥「吹き」の活用形を答えよ。
- 傍線⑦「見る」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑧「過ぎ」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑧「過ぎ」の終止形(基本形)を答えよ。
- 傍線⑨「受く」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑨「受く」の終止形(基本形)を答えよ。
- 傍線⑩「蹴る」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑪「来」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑪「来」の活用形を答えよ。
- 傍線⑫「す」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑬「死ぬ」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑭「あり」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑮「往ぬ」の活用の種類を答えよ。
- 傍線⑯「得」の活用の種類を答えよ。
- 本文中の傍線部のうち、上一段活用の動詞を一つ選び、番号で答えよ。
- 本文中の傍線部のうち、下一段活用の動詞を一つ選び、番号で答えよ。
- 本文中の傍線部のうち、変格活用(カ変・サ変・ナ変・ラ変)の動詞をすべて選び、番号で答えよ。
- 【記述】打消の助動詞「ず」を付ける見分け方では、四段・上二段・下二段をどのように区別するか。「ず」の直前の音に着目して説明せよ。
- 【記述】上一段活用・下一段活用・各変格活用は語数が限られている。下一段活用にあたる動詞を一語挙げ、あわせてラ行変格活用の動詞をすべて挙げよ。
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問1 四段活用/「咲く」に「ず」を付けると「咲か(さか)ず」となり、直前が「か=ア段」なので四段活用。
問2 「さかず」/「ず」のすぐ上の音は「か」で、ア段。よって四段活用と分かる。
問3 四段活用/「聞か(きか)ず」となり、直前が「か=ア段」なので四段活用。
問4 四段活用/「書か(かか)ず」と、すでに「ず」が付いた形。直前が「か=ア段」なので四段活用。
問5 未然形/「書か」は下に打消「ず」が付いており、未然形。
問6 下二段活用/基本形「出づ」。「出で(いで)ず」となり、直前が「で=エ段」なので下二段活用。
問7 連体形/「出づる」は体言(「を」を受ける名詞的なまとまり)に続く形で、下二段活用の連体形。
問8 上二段活用/基本形「起く」。「起き(おき)ず」となり、直前が「き=イ段」なので上二段活用。
問9 「おきず」/「ず」のすぐ上の音は「き」で、イ段。よって上二段活用と分かる。
問10 連用形/「吹き」は下に接続助詞「て」が付いており、連用形。四段活用の連用形はイ段になる。
問11 上一段活用/「見る」は上一段活用(ひ・い・き・に・み・ゐ の「み」にあたる)。語をまるごと覚える。
問12 上二段活用/基本形「過ぐ」。「過ぎ(すぎ)ず」となり、直前が「ぎ=イ段」なので上二段活用。
問13 過ぐ(すぐ)/上二段活用の終止形。
問14 下二段活用/基本形「受く」。「受け(うけ)ず」となり、直前が「け=エ段」なので下二段活用。
問15 受く(うく)/下二段活用の終止形。
問16 下一段活用/「蹴る」は下一段活用にあたる唯一の動詞。語ごと覚える。
問17 カ行変格活用/「来(く)」はカ変。「来(こ)・来(き)・来(く)・来(くる)・来(くれ)・来(こ/こよ)」と活用する。
問18 終止形/「はるばると都より来。」と言い切っているので、カ変「来(く)」の終止形。
問19 サ行変格活用/「す」はサ変。「せ・し・す・する・すれ・せよ」と活用する。
問20 ナ行変格活用/「死ぬ」はナ変(ほかに「往ぬ・去ぬ」)。「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」と活用する。
問21 ラ行変格活用/「あり」はラ変(ほかに「をり・侍り・いますがり」)。「ら・り・り・る・れ・れ」と活用する。
問22 ナ行変格活用/「往ぬ(いぬ)」はナ変。「死ぬ」と同じく「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」と活用する。
問23 下二段活用/基本形「得(う)」。「得(え)ず」となり、直前が「え=エ段」なので下二段活用。語数の少ない下二段の代表例。
問24 ⑦「見る」(上一段活用)。※上一段は「ひ・い・き・に・み・ゐ」の語に限られる。
問25 ⑩「蹴る」(下一段活用)。※下一段は「蹴る」一語のみ。
問26 ⑪「来」(カ変)・⑫「す」(サ変)・⑬「死ぬ」(ナ変)・⑭「あり」(ラ変)・⑮「往ぬ」(ナ変)。
問27 <記述例> 動詞に「ず」を付け、「ず」のすぐ上(直前)の音が何段かで見分ける。直前がア段なら四段活用、イ段なら上二段活用、エ段なら下二段活用と区別する。
問28 <記述例> 下一段活用の動詞は「蹴る」。ラ行変格活用の動詞は「あり・をり・侍り・いますがり」の四語。いずれも語数が限られるので語ごと暗記するとよい。
※この問題は誰でも古典塾オリジナルです。
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