古文「せ」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「せ」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

過去・使役・サ変未然形を100問で見分ける

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📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ

→ 解説記事「古文「せ」の識別」を読む

このドリルでわかること

はじめに:「せ」の正体(4パターン)

古文の「せ」は識別問題で頻出。大きく 4種類 あります。

種類 接続/品詞 判別ポイント 例
① 過去の助動詞「き」 未然形「せ」 連用形接続 「せ+ば〜まし」(反実仮想) 夢と知りせば覚めざらましを
② サ変動詞「す」 未然形「せ」 一語のサ変 「す」一語+打消/推量 対面せず/物語せむ
③ 使役の助動詞「す」 未然形・連用形「せ」 四段・ナ変・ラ変未然形接続 させる相手(人に・人して)がいる。「〜せ+ず/む/けり/たまふ」 人に行かせず(行かせない)
④ 尊敬の助動詞「す」 連用形「せ」 四段・ナ変・ラ変未然形接続 高貴な人が自分でする「〜せ+たまふ」(二重敬語) 書かせ給ふ(お書きになる)

識別の鉄則

識別の鉄則

  1. 直前の語の活用形と品詞 を見る
  2. サ変「す」一語 → サ変未然形「せ」
  3. 四段・ナ変・ラ変の未然形+「せ」 → 使役・尊敬の「す」(未然形か連用形かは下に付く語で決める)
  4. 下接語 を見る
  5. 連用形+「せ+ば〜まし」 → 過去「き」未然形(反実仮想)
  6. 名詞など(動詞の未然形でない語)+「せ+ず」「せ+む」 → サ変「す」未然形
  7. 「せ+たまふ」 → 使役・尊敬の助動詞「す」連用形(高貴な人が自分でするなら尊敬の二重敬語)
  8. 反実仮想「ませば〜まし/せば〜まし」 は重要構文。「もし〜だったら、〜だろうに」
  9. 使役と尊敬の助動詞「す」の見分け
  10. 下に尊敬語が続く(たまふ・おはす)+ 高貴な主語が自分でする → 尊敬の二重敬語
  11. 下に尊敬語がない、または、させる相手(人に・人して)がいる → 使役

上の「識別の鉄則」は、文法の考え方を順に並べたもの。
こちらは 試験本番で3秒で答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 連用形+「せば〜まし」が見えたら 過去「き」未然形 で即決

  • 直前が 連用形 の「せ+ば」 と「文の後ろに まし」がセットで出てきたら → 反実仮想「もし〜だったら〜だろうに」
  • これは古文の重要構文。ただし「物語せば」(名詞+サ変)、「行かせば」(四段の未然形+使役)もあるので、直前が連用形かを必ず見る。
  • 例:「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」

コツ② 「せ給ふ/せたまふ」を見たら 使役か尊敬か を2秒で判定

  • 直前の動詞が 四段・ナ変・ラ変の未然形 → 助動詞「す」連用形「せ」(「たまふ」は連用形に付く)
  • 主語が 天皇・中宮など最高位+自分で動作 → 尊敬の二重敬語「お〜になる」
  • 主語が貴人でも 別の人にやらせている → 使役「〜させなさる」
  • 「(人)に〜せ給ふ」のように、させる相手を表す 「(人)に」 があれば使役(場所・時の「に」や、「人に見す」のように下の動詞がもともととる「に」と区別する)。

コツ③ 直前の語が 意味を持つ独立した名詞 ならサ変「す」未然形

  • 「対面せず」「消息せむ」「物語せばや」 → 名詞+サ変「す」の組合せ
  • 「せ+ず/せ+む/せ+ばや」 → サ変「す」未然形「せ」が定番。
  • 名詞か動詞語尾かをまず判定。

コツ④ 「仰せ/思せ/きこえさせ」など 一語の敬語動詞 に注意

  • 「仰す(おほす)」「思す(おぼす)」は それ自体で尊敬語。「せ」を切り出さない。
  • 「きこえさす」も使役の助動詞ではなく 謙譲語の一語。
  • 形を見て「一語動詞」と判断できれば、識別問題から除外できる。

試験本番でのチェック順序

  1. 連用形+「せば〜まし」のセットを探す(YES → 過去「き」未然形で終了)
  2. 直後が 「給ふ/たまふ/おはす」 → 使役 or 尊敬の「す」連用形(主語と動作主で判定)
  3. 直前が 名詞 → サ変「す」未然形
  4. 「仰せ・思せ」など 一語の尊敬動詞 ではないか確認

→ この順番で 3秒 で答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 「せ給ふ」を必ず尊敬の二重敬語と決めつけない → 動作主が別人なら使役+尊敬
  • 「仰せらる」の「せ」は 動詞「仰す」の一部。助動詞ではない
  • 「せ+ず」をサ変と決めつけない → 直前が四段未然形なら使役の「す」未然形「せ」(例:「行かせず」=行かせない)
  • 「せばや」は、ふつう「サ変(名詞+す)・使役の未然形「せ」+願望の終助詞「ばや」」(物語せばや=話をしたい)。「見せばや」(見せたい)のように、下二段動詞「見す」の未然形+「ばや」のこともある

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

4パターンを識別する基本問題。


Q1.次の傍線部「せ」を識別せよ。

月を仰ぎせば、ふるさとを思ひ出でなまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「仰ぎ」四段「仰ぐ」連用形+「せ」+「ば」(仮定)+反実仮想「なまし」。「月を仰ぎ見ていたならば、ふるさとを思い出しただろうに」。反実仮想の典型。


Q2.次の傍線部「せ」を識別せよ。

人に対面せず。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「対面す」(名詞「対面」+サ変「す」)未然形+打消「ず」。「人に会わない」。


Q3.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、行かせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「行か」四段未然形+尊敬「す」連用形+尊敬「たまふ」(連用形に付く)。主語が帝(高貴)で、下に尊敬「たまふ」 → 尊敬の二重敬語。「お行きになる」。


Q4.次の傍線部「せ」を識別せよ。

主、家臣に物を取らせたまふ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「取ら」(四段「取る」未然)+使役「す」連用「せ」+尊敬「たまふ」。「主が家臣に取らせる」 → 使役。「家臣に物を取らせなさる」。


Q5.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我、鳥なりせば、君がもとへ飛び行かまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「鳥」(名詞)+断定「なり」連用形+過去「き」未然形「せ」+「ば」+反実仮想「まし」。「私が鳥であったなら、あなたのところへ飛んで行くだろうに」。


Q6.次の傍線部「せ」を識別せよ。

久しく消息せねば、心もとなし。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「消息す」(名詞「消息」+サ変「す」。便りをする)未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「(相手が)長い間便りをしないので、気がかりだ」。


Q7.次の傍線部「せ」を識別せよ。

仰せらる。

答え:下二段動詞「仰す」未然形「仰せ」の一部 解説:「仰せ」は下二段動詞「仰す」(おっしゃる)の未然形そのもの。助動詞ではない。直後の「らる」(尊敬の助動詞)は未然形接続。「仰せらる」全体で「お命じになる」「おっしゃる」の意の敬語表現。


Q8.次の傍線部「せ」を識別せよ。

この子を、しばしここにあらせたまへ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「あら」ラ変「あり」未然形+使役「す」連用形「せ」+尊敬「たまへ」命令形。「この子を」と、いさせる相手があるので使役。「この子を、しばらくここにいさせてくださいませ」。


Q9.次の傍線部「ませ」を識別せよ。

風吹かませば、波立たまし。

答え:反実仮想の助動詞「まし」未然形「ませ」 解説:「吹か」(四段未然)+「ませ」+「ば」+反実仮想「まし」。「もし風が吹いたならば、波が立つだろうに」。「ませば〜まし」は反実仮想の典型構文。


Q10.次の傍線部「せ」を識別せよ。

明日は物詣でせむ。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「物詣です」(名詞「物詣で」+サ変「す」。寺や神社にお参りする)未然形+意志「む」。「明日はお参りに行こう」。


Q11.次の傍線部「せ」を識別せよ。

中宮、御文書かせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「書か」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。主語が中宮(高貴)。「お書きになる」。


Q12.次の傍線部「せ」を識別せよ。

子に手習ひせさす。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「手習ひ」(名詞。習字)+サ変「す」未然+使役「さす」(サ変の未然形に付く)。「子に習字をさせる」。


Q13.次の傍線部「せ」を識別せよ。

知りせば、来まし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「知り」四段「知る」連用形+過去「き」未然「せ」+「ば」+「まし」(反実仮想の標準形「連用形+せば〜まし」)。「(あの時)知ったならば、(今)来るだろうに」。


Q14.次の傍線部「せ」を識別せよ。

大臣、馬を走らせたまふ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「走ら」四段未然+使役「す」連用+尊敬「たまふ」。文脈「大臣が馬を走らせる」 → 使役。


Q15.次の傍線部「せ」を識別せよ。

この縄を、人に解かせたまへ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「解か」四段未然+使役「す」連用+尊敬「たまへ」命令。「人に」と、させる相手があるので使役。「この縄を、人に解かせてくださいませ」。


Q16.次の傍線部「し」を識別せよ。

法師、念仏したり。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「念仏す」(複合サ変)連用形「し」+存続「たり」。「法師が念仏していた」。サ変「す」の連用形は「し」。


Q17.次の傍線部「せ」を識別せよ。

君、御階を昇らせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「昇ら」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。主語が君(高貴)。「お昇りになる」。


Q18.次の傍線部「せ」を識別せよ。

物を言ひせば、答へまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「言ひ」四段連用+「せ」+「ば」+「まし」(反実仮想)。「物を言ったならば、答えるだろうに」。


Q19.次の傍線部「せ」を識別せよ。

旅せじ。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「旅す」(複合サ変)未然形+打消推量「じ」。「旅をしないだろう」。


Q20.次の傍線部「せ」を識別せよ。

御製を作らせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「作ら」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。「御製」(=帝の作品)を作る主体は帝、高貴な主語+下に尊敬。「お作りになる」。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

反実仮想構文、使役/尊敬の見分け、係り結びを含む応用問題。


Q21.次の傍線部「せ」を識別せよ。

雨降りせば、花散りなまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「降り」四段連用+「せ」+「ば」+「なまし」(完了「ぬ」未然「な」+反実仮想「まし」)。「雨が降ったならば、花が散ってしまっただろうに」。


Q22.次の傍線部「せ」を識別せよ。

法師なれど、精進せず。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「精進す」(複合サ変、=身を清めて仏道に励む)未然形+打消「ず」。「法師であるけれど、精進をしない」。


Q23.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、自ら楽しませたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「楽しま」(四段「楽しむ」未然)+尊敬「す」連用「せ」+尊敬「たまふ」。「自ら」とあるので動作主は帝自身。「自らお楽しみになる」(尊敬の二重敬語)。


Q24.次の傍線部「せ」を識別せよ。

知らせねば、答へず。

答え:使役の助動詞「す」未然形「せ」 解説:「知ら」四段未然+使役「す」未然+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「知らせないので、答えない」。


Q25.次の傍線部「せ」を識別せよ。

しばし待ちせば、月も出でなまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「待ち」四段「待つ」連用+「せ」+「ば」+「なまし」(反実仮想)。「もう少し待っていたならば、月も出ただろうに」。


Q26.次の傍線部「せ」を識別せよ。

いざせむ。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「いざ」(=さあ)+「す」サ変未然+意志「む」。「さあ、しよう」。


Q27.次の傍線部「せ」を識別せよ。

内裏より、使ひして召させたまへり。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「召さ」(四段「召す」未然)+使役「す」連用「せ」+尊敬「たまへ」(已然形)+完了「り」。「使ひして」(使いの者に命じて)とあるので使役。「宮中から、使いの者に呼び寄せさせなさった」。


Q28.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、いみじう嘆かせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「嘆か」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。主語が帝で、自分で嘆いているので尊敬。「帝はひどくお嘆きになる」。


Q29.次の傍線部「けれ」を識別せよ。

道狭ければ通り難し。

答え:形容詞「狭し」(ク活用)已然形「狭けれ」 解説:形容詞「狭し」(ク活用)已然形+接続助詞「ば」(原因)。「道が狭いので通りにくい」。


Q30.次の傍線部「し」を識別せよ。

殿、今日は物忌みしたまふ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「物忌みす」(複合サ変)連用形「し」+尊敬「たまふ」。「殿は今日は物忌み(家にこもって身を慎むこと)をなさる」。サ変「す」の連用形は「し」。


Q31.次の傍線部「させ」を識別せよ。

大臣、帝に絵を御覧ぜさせたまふ。

答え:使役の助動詞「さす」連用形「させ」 解説:「御覧ぜ」(サ変「御覧ず」未然形)+使役「さす」連用形「させ」+尊敬「たまふ」。「御覧ぜさす」は、帝などにご覧になるようにさせる=「ご覧に入れる・お目にかける」(使役)。「大臣が帝に絵をご覧に入れなさる」。 ※「す」と「さす」の使い分け:「さす」は下一段・上一段・下二段・上二段・カ変・サ変未然形接続。「御覧ず」はサ変なので「さす」が付く。


Q32.次の傍線部「せ」を識別せよ。

その夜、雨降らざりせば、月を見まし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「ざり」(打消「ず」連用形)+「せ」+「ば」+反実仮想「まし」。「その夜、雨が降らなかったならば、月を見ただろうに」。


Q33.次の傍線部「せ」を識別せよ。

自ら歌詠ませたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「詠ま」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。「自ら」が示すように主語が動作主=高貴。「お詠みになる」。


Q34.次の傍線部「せ」を識別せよ。

子に水汲ませけり。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:使役「す」は未然・連用同形「せ」。下接「けり」は連用接続なので、ここの「せ」は連用形。「汲ま」(四段未然)+使役「す」連用「せ」+過去「けり」。「子に水を汲ませた」。


Q35.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我は出家せじ。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「出家す」(複合サ変)未然形「せ」+打消意志「じ」(主語が「我」)。「私は出家はするまい」。


Q36.次の傍線部「させ」を識別せよ。

母、子を寝させたまふ。

答え:使役の助動詞「さす」連用形「させ」 解説:「寝(ね)」(下二段「寝」未然)+使役「さす」連用形「させ」+尊敬「たまふ」。下二段未然形接続なので「さす」が付く。「子を寝かせなさる」。


Q37.次の傍線部「せ」を識別せよ。

行かせぬ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」+完了「ぬ」終止形 解説:「行か」四段未然+使役「す」連用+完了「ぬ」。「行かせてしまった」。


Q38.次の傍線部「せ」を識別せよ。

知らせたり。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」+存続「たり」 解説:「知ら」四段未然+使役「す」連用+存続「たり」。「知らせていた」。


Q39.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、御琴弾かせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「弾か」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。「お弾きになる」。


Q40.次の傍線部「せ」を識別せよ。

いかで物語せばや。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「物語す」(名詞「物語」+サ変「す」)未然+願望「ばや」。「何とかして話をしたい」。 ※「ばや」は未然形接続の願望終助詞。


Q41.次の傍線部「せ」を識別せよ。

君ありせば、よからまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「あり」ラ変連用+「せ」+「ば」+「まし」(反実仮想)。「あなたがいたならば、よかっただろうに」。


Q42.次の傍線部「すれ」を識別せよ。

宮仕へすれども、心ゆかず。

答え:サ変動詞「す」已然形「すれ」 解説:「宮仕へす」(複合サ変)已然形「すれ」+接続助詞「ども」(逆接)。「宮仕えをするけれども、満足できない」。


Q43.次の傍線部「させ」を識別せよ。

御代を治めさせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「さす」連用形「させ」 解説:「治め」下二段「治む」未然形+尊敬「さす」連用+尊敬「たまふ」。下二段未然形接続なので「さす」が付く。「お治めになる」。


Q44.次の傍線部「せ」を識別せよ。

雨止ませたまへ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「止ま」(四段「止む」未然)+使役「す」連用「せ」+尊敬「たまへ」命令。「(神様などに)雨を止めさせてくださいませ」。


Q45.次の傍線部「せ」を識別せよ。

この人、つゆ物思ひせず。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「物思ひす」(名詞「物思ひ」+サ変「す」)未然+打消「ず」。「つゆ〜ず」で「少しも〜ない」。「この人は少しも物思いをしない」。


Q46.次の傍線部「せ」を識別せよ。

宮、こなたへ入らせたまへ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「入ら」(四段「入る」未然)+尊敬「す」連用「せ」+尊敬「たまへ」命令。呼びかけた相手(宮)が自分で入るので尊敬。「宮様、こちらへお入りくださいませ」。


Q47.次の傍線部「せ」を識別せよ。

人に問ひせば、道に迷はざらまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「問ひ」(四段「問ふ」連用)+「せ」+「ば」+反実仮想「まし」。「人に尋ねていたならば、道に迷わなかっただろうに」。「せば〜まし」の反実仮想構文。


Q48.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、宴を催させたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「催さ」(四段「催す」未然形)+尊敬「す」連用形「せ」+尊敬「たまふ」。四段の未然形に付くのは「す」(「さす」が付くのは四段・ナ変・ラ変以外)。主語は帝で、「せたまふ」で「お催しになる」(二重敬語)。


Q49.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、御手づから御文を破らせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「破ら」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。「御手づから」(ご自分の手で)とあるので、破るのは帝自身 → 尊敬。「帝がご自分の手でお手紙をお破りになる」。


Q50.次の傍線部「し」を識別せよ。

仏事したまふ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「仏事す」(複合サ変)連用形「し」+尊敬「たまふ」。「仏事をなさる」。サ変「す」の連用形は「し」。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

引用・敬語・係り結びが絡む応用問題。


Q51.次の傍線部「せ」「させ」を識別せよ。

中宮、みづから御文を書かせたまひて、女房して人にも見せさせたまふ。

答え:①「書かせ」の「せ」=尊敬の助動詞「す」連用形(二重敬語) ②「見せさせ」の「させ」=使役の助動詞「さす」連用形 解説: – 「みづから」とあるので書くのは中宮自身。「書か」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまひ」 → 二重敬語「お書きになる」 – 「女房して」(女房に命じて)とあるので見せるのは女房。「見せ」(下二段「見す」未然)+「させ」(使役「さす」連用)+尊敬「たまふ」 → 「女房に命じて人にも見せさせなさる」


Q52.次の傍線部「せ」を識別せよ。

「かくと知りせば」と、泣く泣く悔ゆ。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「知り」四段「知る」連用+「せ」+「ば」+引用「と」。下の「…ましを」が省かれた形。「『こうなると知っていたならば(…しただろうに)』と、泣きながら悔やむ」。


Q53.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、蔵人に僧を召させたまふ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「召さ」四段「召す」未然形+使役「す」連用「せ」+尊敬「たまふ」。使役「す」は未然形接続で、「たまふ」が付くので「せ」は連用形。「蔵人に」と、させる相手がある。「帝が蔵人に僧を呼び寄せさせなさる」。


Q54.次の傍線部「せ」を識別せよ。

翁、人に木を倒させけり。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「倒さ」四段未然+使役「す」連用「せ」+過去「けり」(連用形に付く)。「人に」と、させる相手がある。「翁が人に木を倒させた」。


Q55.次の傍線部「せ」を識別せよ。

家近かりせば、日ごとに訪はまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「近かり」形容詞「近し」連用形(補助活用)+過去「き」未然形「せ」+「ば」+反実仮想「まし」。「家が近かったならば、毎日訪ねただろうに」。


Q56.次の傍線部「し」を識別せよ。

いと急ぎて旅したまふ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「旅す」(複合サ変)連用形「し」+尊敬「たまふ」。「とても急いで旅をなさる」。サ変「す」の連用形は「し」。


Q57.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我れ、笛吹かせじ。

答え:使役の助動詞「す」未然形「せ」 解説:「吹か」四段未然+使役「す」未然+打消意志「じ」(主語が「我」)。「私は(人に)笛を吹かせまい」。


Q58.次の傍線部「させ」を識別せよ。

殿、人々に的を射させたまふ。

答え:使役の助動詞「さす」連用形「させ」 解説:「射」上一段「射る」未然+使役「さす」連用+尊敬「たまふ」。上一段の未然形には「さす」が付く。「人々に」と、させる相手があるので使役。「殿が人々に的を射させなさる」。


Q59.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、こなたに渡らせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「渡ら」四段「渡る」未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。来るのは帝自身なので尊敬。「帝がこちらにお越しになる」。


Q60.次の傍線部「せ」を識別せよ。

中宮、人々に雪の山作らせたまふ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「作ら」四段未然+使役「す」連用+尊敬「たまふ」。「人々に」と、させる相手があるので使役。「中宮が人々に雪の山を作らせなさる」。


Q61.次の傍線部「させ」を識別せよ。

皇子、生まれさせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「さす」連用形「させ」 解説:「生まれ」下二段「生まる」未然+尊敬「さす」連用+尊敬「たまふ」。下二段の未然形には「さす」が付く。生まれるのは皇子自身なので尊敬。「皇子がお生まれになる」(二重敬語)。


Q62.次の傍線部「せ」を識別せよ。

とく帰りせば、親もよろこびなまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「帰り」四段「帰る」連用+「せ」+「ば」+「なまし」(反実仮想)。「早く帰っていたならば、親も喜んだだろうに」。


Q63.次の傍線部「せ」を識別せよ。

中宮の嘆かせたまへば、人みな泣く。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「嘆か」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまへ」已然+「ば」(原因)。「中宮の」の「の」は主格。「中宮がお嘆きになるので、人々は皆泣く」。


Q64.次の傍線部「せ」を識別せよ。

殿、いたう驚かせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「驚か」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。「殿はひどくお驚きになる」。


Q65.次の傍線部「せ」を識別せよ。

かの人、よも返り事せじ。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「返り事す」(名詞「返り事」+サ変「す」。返事をする)未然+打消推量「じ」。「よも〜じ」で「まさか〜ないだろう」。「あの人はまさか返事をしないだろう」。


Q66.次の傍線部「せ」を識別せよ。

供の人に道を問はせむ。

答え:使役の助動詞「す」未然形「せ」 解説:「問は」四段未然+使役「す」未然+意志「む」。「供の人に」と、させる相手がある。「お供の人に道を尋ねさせよう」。


Q67.次の傍線部「せ」を識別せよ。

殿、人に火ともさせたまふ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「ともさ」四段「ともす」未然+使役「す」連用+尊敬「たまふ」。「人に」と、させる相手があるので使役。「殿が人に灯をともさせなさる」。


Q68.次の傍線部「せ」を識別せよ。

「いざ立たせたまへ」と、女房、宮に申す。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「立た」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまへ」命令。「いざ」と宮自身に立つよう促しているので尊敬。「『さあ、お立ちくださいませ』と、女房が宮に申し上げる」。


Q69.次の傍線部「せ」を識別せよ。

主、家臣に書かせたまふ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「家臣に書かせる」 → 動作主は家臣、主は使役の指示者。使役。


Q70.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、御絵を描かせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:主語が帝で動作主も帝。下に尊敬「たまふ」 → 二重敬語「お描きになる」。


Q71.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我れ行きせば、君はとどまらまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「行き」(四段「行く」連用)+「せ」+「ば」+反実仮想「まし」。「私が行ったならば、君はとどまるだろうに」。「せば〜まし」の反実仮想構文。


Q72.次の傍線部「させ」を識別せよ。

大臣、御娘を入内せさせたまふ。

答え:使役の助動詞「さす」連用形「させ」 解説:「入内せ」(複合サ変「入内す」未然形)+使役「さす」連用形「させ」+尊敬「たまふ」。サ変の未然形に付くのは「さす」。「大臣が御娘を入内おさせになる」。使役+尊敬。


Q73.次の傍線部「せ」を識別せよ。

仰せらるるやう。

答え:下二段動詞「仰す」未然形語尾「せ」 解説:「仰す」(下二段、敬語動詞)未然形「仰せ」+尊敬「らる」連体「るる」+形式名詞「やう」。「お命じになることには」。 ※「仰す」自体が尊敬語動詞で、「せ」は活用語尾。助動詞「す・さす」の「せ」ではない。


Q74.次の傍線部「せ」を識別せよ。

知らせず。

答え:使役の助動詞「す」未然形「せ」 解説:「知ら」四段未然+使役「す」未然+打消「ず」。「知らせない」。


Q75.次の傍線部「せ」を識別せよ。

今は恋せじと思ふ。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「恋す」(名詞「恋」+サ変「す」)未然+打消意志「じ」+引用「と」。「今はもう恋はするまいと思う」。


Q76.次の傍線部「せ」を識別せよ。

院、久しく悩ませたまへり。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「悩ま」四段「悩む」未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまへ」(已然形)+存続「り」。「悩む」は古文では病気で苦しむこと。「院は長い間ご病気でいらっしゃる」。


Q77.次の傍線部「せ」を識別せよ。

思ふこと言はせず。

答え:使役の助動詞「す」未然形「せ」 解説:「言は」四段未然+使役「す」未然+打消「ず」。「思うことを言わせない」。


Q78.次の傍線部「せ」を識別せよ。

殿、御馬に乗らせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「乗ら」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。高貴な主語が自分で乗る。「殿がお馬にお乗りになる」。


Q79.次の傍線部「せ」を識別せよ。

風止みせば、舟漕ぎ出でなまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「止み」四段「止む」連用+「せ」+「ば」+「なまし」(反実仮想)。「風がやんでいたならば、舟を漕ぎ出しただろうに」。


Q80.次の傍線部「せ」を識別せよ。

この文を読みせば、君も泣きなまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「読み」(四段「読む」連用)+「せ」+「ば」+「なまし」(完了「ぬ」未然「な」+反実仮想「まし」)。「この手紙を読んでいたならば、あなたも泣いただろうに」。「せば〜まし」の反実仮想構文。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)


Q81.次の傍線部「させ」「せ」を識別せよ。

中宮、廂に出でさせたまひて、御簾を上げよと仰せらる。

答え:①「させ」=尊敬の助動詞「さす」連用形 ②「仰せらる」の「せ」=下二段「仰す」未然形語尾 解説: – 「出で」下二段「出づ」未然+尊敬「さす」連用「させ」+尊敬「たまひ」 → 二重敬語「お出ましになる」 – 「仰せらる」:「仰す」(下二段、敬語動詞)未然「仰せ」+尊敬「らる」終止形(「らる」は未然形に付く)


Q82.次の傍線部「せ」を識別せよ。

中宮、「この花の名は何ぞ」と問はせたまへば、人々え答へず。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「問は」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまへ」已然+「ば」。尋ねるのは中宮自身なので尊敬。「中宮が『この花の名は何か』とお尋ねになると、人々は答えることができない」。


Q83.次の傍線部「せ」を識別せよ。

院、御琴弾かせたまへば、心ある人みな涙ぐむ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「弾か」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまへ」已然+「ば」。弾くのは院自身なので尊敬。「院がお琴をお弾きになるので、心ある人々が皆涙ぐむ」。


Q84.次の傍線部「せ」を識別せよ。

雪の降りせば、いと心細からまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「降り」(四段連用)+「せ」+「ば」+反実仮想「まし」。「雪が降ったならば、とても心細いだろうに」。「せば〜まし」の反実仮想構文。


Q85.次の傍線部「せ」を識別せよ。

殿、御使ひに文を持たせたまふ。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「持た」四段「持つ」未然+使役「す」連用+尊敬「たまふ」。「御使ひに」と、させる相手があるので使役。「殿がお使いの者に手紙を持たせなさる」。


Q86.次の傍線部「せ」を識別せよ。

仰せ事承りて、退き出づ。

答え:下二段動詞「仰す」連用形「仰せ」の語尾 解説:「仰す」(下二段、敬語動詞)連用形「仰せ」+名詞「事」+四段「承る」連用。「お命じになったことを承って、退出する」。 ※「仰せ事」(おほせごと)で「お言葉、ご命令」の意の合成語。


Q87.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我も物語せじ、と思ひゐたるなり。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「物語す」サ変未然+打消意志「じ」(主語が「我」)+引用「と」。「私も話をするまい、と思っているのだ」。


Q88.次の傍線部「せ」を識別せよ。

帝、御製を作らせたまひて、世に伝へよと仰せらる。

答え:①「作らせ」の「せ」=尊敬の助動詞「す」連用形(二重敬語) ②「仰せらる」の「せ」=下二段「仰す」未然形語尾 解説: – 「作らせたまふ」:尊敬の二重敬語「お作りになる」 – 「仰せらる」:「仰す」未然+尊敬「らる」終止(「らる」は未然形に付く)


Q89.次の傍線部「せ」を識別せよ。

物言はせばや、と心に願ふ。

答え:使役の助動詞「す」未然形「せ」 解説:「言は」四段未然+使役「す」未然+願望「ばや」。「(人に)物を言わせたい、と心に願う」。


Q90.次の傍線部「せ」を識別せよ。

中宮、ものの怪に苦しませたまふを、加持し奉る僧、夜もすがら祈りまどふ。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「苦しま」四段未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまふ」。「中宮が物の怪にお苦しみになるのを、加持祈祷申し上げる僧が、一晩中祈りに励む」。


Q91.次の傍線部「せよ」を識別せよ。

よし、わが言ふままにせよ。

答え:サ変動詞「す」命令形「せよ」 解説:「す」サ変命令形は「せよ」。「よし、私の言うとおりにせよ」。


Q92.次の傍線部「せ」を識別せよ。

人のせぬことを好む。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「す」サ変未然+打消「ず」連体形「ぬ」+体言「こと」。「人の」の「の」は主格。「人がしないことを好む」。


Q93.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我れ独り住みせば、寂しからまし。

答え:過去の助動詞「き」未然形「せ」 解説:「住み」(四段「住む」連用)+「せ」+「ば」+反実仮想「まし」。「私が独り住んだならば、寂しいだろうに」。「せば〜まし」の反実仮想構文。


Q94.次の傍線部「せ」を識別せよ。

院の、去年住ませたまひし御殿は、今は荒れにけり。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「住ま」四段「住む」未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまひ」連用+過去「き」連体「し」+体言「御殿」。「院の」の「の」は主格。住むのは院自身なので尊敬。「院が去年お住みになった御殿は、今はすっかり荒れてしまった」。


Q95.次の傍線部「させ」を識別せよ。

宮、嘆く人をみづから慰めさせたまふ。

答え:尊敬の助動詞「さす」連用形「させ」 解説:「慰め」下二段「慰む」未然+尊敬「さす」連用+尊敬「たまふ」。「みづから」とあるので、慰めるのは宮自身 → 尊敬。「宮が、嘆いている人をご自身でお慰めになる」(二重敬語)。


Q96.次の傍線部「せ」を識別せよ。

我れ、人を悲しませじ。

答え:使役の助動詞「す」未然形「せ」 解説:「悲しま」四段「悲しむ」未然+使役「す」未然+打消意志「じ」(主語が「我」)。「私は人を悲しませまい」。


Q97.次の傍線部「し」を識別せよ。

法皇、御幸したまふ。

答え:サ変動詞「す」連用形「し」 解説:「御幸す」(複合サ変)連用形「し」+尊敬「たまふ」。「法皇が御幸なさる」。サ変「す」の連用形は「し」。


Q98.次の傍線部「せ」を識別せよ。

御袖を春雨に濡らさせたまへるかな。

答え:尊敬の助動詞「す」連用形「せ」(二重敬語) 解説:「濡らさ」四段「濡らす」未然+尊敬「す」連用+尊敬「たまへ」(已然形)+完了「り」連体「る」+詠嘆「かな」。「御袖」とあるので、濡らしたのは高貴な人自身 → 尊敬。「お袖を春雨にお濡らしになったことよ」。


Q99.次の傍線部「せ」を識別せよ。

殿、僧どもにいみじう祈らせたまへど、御物の怪なほ離れず。

答え:使役の助動詞「す」連用形「せ」 解説:「祈ら」四段未然+使役「す」連用+尊敬「たまへ」已然+逆接「ど」。「僧どもに」と、させる相手があるので使役。「殿が僧たちにひどく祈らせなさるけれども、物の怪はやはり離れない」。


Q100.次の傍線部「せ」を識別せよ。

人の言ふことを、聞きもせず。

答え:サ変動詞「す」未然形「せ」 解説:「聞き」四段「聞く」連用+係助詞「も」+サ変「す」未然+打消「ず」。「連用形+も+す」で「〜もする」の意。「せ」の直前は係助詞「も」で、下に打消「ず」も付くので過去「き」ではない(過去「き」の未然形「せ」はふつう「せば」の形でだけ使う)。「人の言うことを、聞きもしない」。


入試レベル /20


合計 /100


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