古文「たり」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「たり」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

完了・存続・断定の3用法を100問で見分ける

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📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ

→ 解説記事「古文「たり」の識別」を読む

このドリルでわかること

はじめに:「たり」の3用法

古文の「たり」は 2種類の助動詞 + 形容動詞(タリ活用)の活用語尾 で出てきます。

種類 接続 訳
① 完了・存続「たり」 連用形 〜してしまった/〜している
② 断定「たり」 体言(限定的) 〜である
③ 形容動詞タリ活用の活用語尾「たり」 漢語(堂々・漫々など)と合わせて一語 〜としている

識別の鉄則

識別の鉄則

  1. 連用形+たり → 完了・存続
  2. 体言+たり(武士たり等) → 断定(漢文訓読体)
  3. 漢語+たり で一語(堂々たり等) → 形容動詞タリ活用の活用語尾

完了・存続の見分け

用法 判別
完了 動作の完了(〜してしまった)
存続 動作やその結果の状態が続いている(〜ている・〜てある)

例:

  • 「咲きたり」(完了):咲いた
  • 「咲きてあり」 → 「咲きたり」(存続):咲いている

→ 文脈で判別。多くは存続。


「識別の鉄則」は見分けのもとになる文法の決まり。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 「たり」の直前を見れば、ほぼ決まる

「たり」の直前が 連用形(動詞や、「る・らる」などの助動詞) か 体言(名詞) か、ここだけ見る。

  • 連用形+たり(咲きたり/降りたり/祈りたり)→ 完了・存続
  • 体言+たり(武士たり/主たり/仏徒たり)→ 断定

入試で出る「たり」は完了・存続が多い。ただし直前が体言なら断定なので、まず直前を確かめる。

コツ② 断定「たり」は漢文訓読体のニオイ

断定「たり」は和文ではほぼ出ない。

  • 「武士たり」「主たり」「徒たり」「仏徒たり」のような 漢語の体言+たり が来たら断定
  • 「〜たれば」「〜たりけり」と続く時、直前が体言なら断定

断定「たり」の上には、「武士・大将・国司・住持」など身分や官職を表す漢語が来ることが多い。

コツ③ 完了か存続かは「文脈で動作中?それとも終わった?」

ニュアンスの区別は厳密にやろうとすると沼。基本は次のルートで決める。

  • 動作の完了(〜してしまった):「咲きたり」=咲いた
  • 動作やその結果の状態が続いている(〜ている):「咲きたり」=咲いている

迷ったら 存続を優先。古文「たり」は存続用法が圧倒的に多い。

コツ④ 「たる/たれ/たれ」の活用形は下接語で即決

  • たる+体言 → 連体形(咲きたる花)
  • たれ+ば/ども → 已然形(咲きたれば/たれども)
  • たれ(文末で命じる) → 命令形(ここに待ちたれ=待っていよ)

「たれ+ば」が来たら已然形+順接で「〜したので」とほぼ自動翻訳できる。

試験本番でのチェック順序

  1. 「たり」の 直前 を見る(連用形? それとも体言?)
  2. 連用形なら → 完了・存続で確定(迷ったら存続)
  3. 体言(特に漢語)なら → 断定で確定
  4. 「たる/たれ」の活用形は 直後の語 で判断

→ この順番で見れば、すばやく答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 「サ変連用+たり」(行幸したり/出仕したり)を断定と勘違いする(実は連用形+完了)
  • 「来たりたり」「来たれり」のように 四段動詞「来たる」 がまじる形で混乱する(上の「来たり」「来たれ」は四段「来たる」の連用形・已然形で、助動詞「たり」ではない。太字の「たり」「り」が完了の助動詞。ただし文末の「春来たり。」は、四段なら「来たる。」となるので、カ変「来(き)」+完了「たり」)
  • 「堂々たり」のような 形容動詞タリ活用 を断定と混同する(漢語+たり一語で形容動詞)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編


Q1.「たり」の用法を答えよ。

文を書きたり。

答え:完了・存続の助動詞「たり」終止形 解説:「書き」(四段「書く」連用形)+「たり」。「手紙を書いている/書いた」。


Q2.「たり」を識別せよ。

武士たり。

答え:断定の助動詞「たり」 解説:体言「武士」+「たり」。漢文訓読体。「武士である」。


Q3.「たり」を識別せよ。

月出でたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「出で」連用+「たり」。「月が出ていた/出てしまった」。


Q4.「たり」を識別せよ。

兄は大納言たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「大納言」(官職名の漢語)+「たり」。「兄は大納言である」。


Q5.「たり」を識別せよ。

風吹きたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「吹き」連用+「たり」。


Q6.「たり」を識別せよ。

庭に花ぞ咲きたる。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「咲き」連用+「たる」(連体形)。係助詞「ぞ」の結びなので、文末でも連体形になる。


Q7.「たり」を識別せよ。

仏に祈りたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「祈り」連用+「たり」。


Q8.「たり」を識別せよ。

雪降りたれば、道見えず。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」 解説:「降り」連用+「たれ」+「ば」。


Q9.「たり」を識別せよ。

名高き将軍たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「将軍」(漢語)+「たり」(漢文訓読体)。「名高い将軍である」。


Q10.「たり」を識別せよ。

鳥鳴きたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「鳴き」連用+「たり」。


Q11.「たり」を識別せよ。

嵐山に登りたる人。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「登り」連用+「たる」+体言「人」。


Q12.「たり」を識別せよ。

月隠れたりければ、暗し。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:「隠れ」連用+「たり」連用+「けり」已然+「ば」。


Q13.「たり」を識別せよ。

物言ひたれども、答へず。

答え:完了・存続「たり」已然形+逆接「ども」 解説:「言ひ」連用+「たれ」+「ども」。


Q14.「たり」を識別せよ。

春来たり。

答え:完了・存続の助動詞「たり」終止形 解説:「来(き)」(カ変連用)+完了「たり」終止形。「春が来ている」。完了「たり」は連用形接続。文末なので終止形で、四段動詞「来たる」なら文末は「来たる」となるから、ここは「来(き)+たり」(Q58の「来たれり」と比べよう)。


Q15.「たり」を識別せよ。

人々、山寺に詣でたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「詣で」(下二段「詣づ」連用形)+「たり」。「人々が山寺にお参りした」。


Q16.「たり」を識別せよ。

風やみて、静かなる夜になりたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「なり」は四段動詞「なる(成る)」の連用形+「たり」。「風がやんで、静かな夜になっている」。断定の助動詞「なり」に「たり」は付かない。


Q17.「たり」を識別せよ。

歌の道にて名を得たり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「得(え)」(下二段「得(う)」の連用形)+「たり」。「和歌の道で名声を得ている」。


Q18.「たり」を識別せよ。

古き友、いま生きたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「生き」連用+「たり」。「古い友は、今、生きている」(存続)。


Q19.「たり」を識別せよ。

都に生まれたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「生まれ」連用+「たり」。


Q20.「たり」を識別せよ。

雪深く積もりたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「積もり」連用+「たり」。「雪が深く積もっている」。


基礎編 /20


【第2部】標準編


Q21.「たり」を識別せよ。

琴の道を究めたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「究め」(下二段「究む」連用形)+「たり」。「琴の道をきわめた」。


Q22.「たり」を識別せよ。

法皇、御幸したりけり。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:「し」(サ変連用)+「たり」連用+「けり」。


Q23.「たり」を識別せよ。

古き寺、いまも残りたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「残り」連用+「たり」。「古い寺が、今も残っている」(存続)。


Q24.「たり」を識別せよ。

われ、この寺の住持たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「住持」(漢語=寺の長である僧)+「たり」。「私はこの寺の住職である」。


Q25.「たり」を識別せよ。

月、清く照りたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「照り」連用+「たり」。


Q26.「たり」を識別せよ。

風吹き、波立ちたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「立ち」連用+「たり」。


Q27.「たり」を識別せよ。

花の散りたるを見て、歌を詠む。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「散り」(四段「散る」連用形)+「たる」(連体形。下に「の・こと」を補って読む準体法)+格助詞「を」。「花が散っているのを見て、歌を詠む」。


Q28.「たり」を識別せよ。

博士たれば、人に文を教ふ。

答え:断定「たり」已然形「たれ」 解説:体言「博士」(漢語)+「たれ」+「ば」(原因・理由)。「博士であるので、人に学問を教える」。


Q29.「たり」を識別せよ。

我れ仕うまつりたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「仕うまつり」連用+「たり」。


Q30.「たり」を識別せよ。

言ひたりつる人。

答え:完了・存続「たり」連用形+完了「つ」連体形「つる」 解説:「言ひ」連用+「たり」連用+「つる」+体言「人」。


Q31.「たり」を識別せよ。

艫舳に走り回り、掃いたり拭うたり、塵拾ひ、手づから掃除せられけり。

答え:完了・存続「たり」(並列的用法) 解説:平家物語「先帝身投」。「掃い」は四段「掃く」の連用形「掃き」のイ音便、「拭う」は四段「拭ふ」の連用形「拭ひ」のウ音便で、どちらも連用形+「たり」。「〜たり〜たり」と重ねて並べる言い方。「(知盛は)船の後ろや前を走り回り、掃いたり拭いたり、ちりを拾ったりして、自ら掃除をなさった」。 ※この並列用法は中世以降に発達したもので、平安以前の和文ではあまり用いられない。


Q32.「たり」を識別せよ。

寝たる人、起きず。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「寝(ね)」連用+「たる」+体言「人」。


Q33.「たり」を識別せよ。

雨降りたるを、出でられず。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「降り」連用+「たる」(連体形)+接続助詞「を」(〜ので)。「雨が降っているので、出かけられない」。


Q34.「たり」を識別せよ。

昔、この里に住みたりける人。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」連体形「ける」 解説:「住み」(四段「住む」連用形)+「たり」連用+「ける」+体言「人」。「昔、この里に住んでいた人」。


Q35.「たり」を識別せよ。

物食はずして痩せたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「痩せ」連用+「たり」。


Q36.「たり」を識別せよ。

知りたれども、隠す。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」+逆接「ども」 解説:「知り」連用+「たれ」+「ども」。


Q37.「たり」を識別せよ。

雪降りたる夜。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「降り」連用+「たる」+体言「夜」。


Q38.「たり」を識別せよ。

かの人は、時の関白たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「関白」(漢語の官職名)+「たり」。「あの人は、その時の関白である」。


Q39.「たり」を識別せよ。

我れ仏徒たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「仏徒」+「たり」。「私は仏教徒である」。


Q40.「たり」を識別せよ。

その僧、長く山寺に籠もりたりけり。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:「籠もり」(四段「籠もる」連用形)+「たり」連用+「けり」。「その僧は、長い間山寺にこもっていた」。


Q41.「たり」を識別せよ。

幼きより文を学びたりけり。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:「学び」(四段「学ぶ」連用)+「たり」連用+過去「けり」。「幼いころから学問を学んでいたのだった」。


Q42.「たり」を識別せよ。

仕うまつりたる御方。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「仕うまつり」連用+「たる」+体言「御方」。


Q43.「たり」を識別せよ。

この人は、弓の名人たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「名人」(漢語)+「たり」(漢文訓読体)。「この人は、弓の名人である」。


Q44.「たり」を識別せよ。

戸口に立ちたる童。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「立ち」(四段「立つ」連用形)+「たる」+体言「童」。「戸口に立っている子ども」。


Q45.「たり」を識別せよ。

月、いま隠れたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「隠れ」連用+「たり」。


Q46.「たり」を識別せよ。

古き友、なほ生きたれば、訪ね給へ。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」 解説:「生き」連用+「たれ」+「ば」。


Q47.「たり」を識別せよ。

しばし、ここに待ちたれ。

答え:完了・存続「たり」命令形「たれ」 解説:「待ち」(四段「待つ」連用形)+「たれ」。已然形と同じ形だが、下に「ば・ど・ども」がなく、上に「こそ」もない文末で、相手に命じているので命令形。「しばらく、ここで待っていなさい」。


Q48.「たり」を識別せよ。

知りたりけり。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:「知り」連用+「たり」連用+「けり」。


Q49.「たり」を識別せよ。

物言ひたるを、悔やむ。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「言ひ」連用+「たる」(連体形。下に「こと」を補って読む準体法)+格助詞「を」。「何か言ってしまったことを、悔やむ」。


Q50.「たり」を識別せよ。

かの僧は、われらが師たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「師」(漢語)+「たり」。「あの僧は、私たちの師である」。


標準編 /30


【第3部】応用編


Q51.「たり」を識別せよ。

この道の奥を心得たりける人。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」連体形 解説:「心得(こころえ)」(下二段「心得(こころう)」連用形)+「たり」連用+「ける」+体言「人」。「この道の奥深いところを理解していた人」。


Q52.「たり」を識別せよ。

我れ歌詠みたるを、人皆称ふ。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「詠み」連用+「たる」(連体形。下に「歌」を補って読む準体法)+格助詞「を」。「私が詠んだ歌を、人は皆ほめたたえる」。


Q53.「たり」を識別せよ。

風吹きたれば、舟漕ぎ出でぬ。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」 解説:「吹き」連用+「たれ」+「ば」。


Q54.「たり」を識別せよ。

夜更けぬ。門をかたく閉ぢたれ。

答え:完了・存続「たり」命令形「たれ」 解説:「閉ぢ」(上二段「閉づ」連用形)+「たれ」(命令)。「夜がふけた。門をしっかり閉めておけ」。


Q55.「たり」を識別せよ。

古き寺に祈りたる僧。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「祈り」連用+「たる」+体言「僧」。


Q56.「たり」を識別せよ。

もとは武士たりしが、いまは世を捨てて僧となれり。

答え:断定「たり」連用形+過去「き」連体形「し」 解説:体言「武士」+「たり」連用+「し」+「が」(逆接)。「以前は武士であったが、今は出家して僧になっている」。


Q57.「たり」を識別せよ。

心を尽くしたるを、人知らず。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「尽くし」連用+「たる」(連体形。下に「こと」を補って読む準体法)+格助詞「を」。「心を尽くしていることを、人は知らない」。


Q58.「たり」を識別せよ。

春すでに来たれり。

答え:助動詞「たり」ではない(四段動詞「来たる」の已然形「来たれ」の一部。下の「り」は完了「り」終止形) 解説:四段「来たる」(きたる、=やって来る)已然形「来たれ」+完了「り」終止形。完了「り」はサ変未然+四段已然接続(「サ未四已(さみしい)」)。助動詞「たり」の已然形「たれ」の下に「り」が付くことはない。「春がもう来ている」。


Q59.「たり」を識別せよ。

物のあはれを知りたる人にあらず。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「知り」連用+「たる」+体言「人」+「にあらず」。


Q60.「たり」を識別せよ。

国司たれば、民を治む。

答え:断定「たり」已然形「たれ」 解説:体言「国司」(漢語の官職名)+「たれ」+「ば」(原因)。「国司であるので、民を治める」。


Q61.「たり」を識別せよ。

雪深く積もりたれば、道閉ざさる。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」 解説:「積もり」連用+「たれ」+「ば」。


Q62.「たり」を識別せよ。

かの僧の父は大臣たりけり、と人語る。

答え:断定「たり」連用形+過去「けり」 解説:体言「大臣」(漢語)+「たり」連用+「けり」終止+引用「と」。「『あの僧の父は大臣であった』と人が語る」。


Q63.「たり」を識別せよ。

詩の才に秀でたる人。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「秀で」(下二段「秀づ」連用形)+「たる」+体言「人」。「漢詩の才能にすぐれている人」。


Q64.「たり」を識別せよ。

雨止みたる夜。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「止み」連用+「たる」+体言「夜」。


Q65.「たり」を識別せよ。

物言ふ間もあらずして、立ち去りたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「立ち去り」連用+「たり」。


Q66.「たり」を識別せよ。

仏の道を修行したる聖。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「修行し」(サ変「修行す」の連用形)+「たる」+体言「聖」。「仏道を修行している聖(徳の高い僧)」。


Q67.「たり」を識別せよ。

笛吹きたる人こそ、心にくけれ。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「吹き」(四段「吹く」連用形)+「たる」+体言「人」+係助詞「こそ」(結びは形容詞「心にくし」の已然形「心にくけれ」)。「笛を吹いている人こそ、奥ゆかしい」。


Q68.「たり」を識別せよ。

昔、都に仕へたりける翁、いま語る。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」連体形「ける」 解説:「仕へ」(下二段「仕ふ」連用形)+「たり」連用+「ける」+体言「翁」。「昔、都でお仕えしていた老人が、今語る」。


Q69.「たり」を識別せよ。

我れ仏徒たれば、戒律を守る。

答え:断定「たり」已然形「たれ」 解説:体言「仏徒」+「たれ」+「ば」(原因)。


Q70.「たり」を識別せよ。

物のあはれを知りたれども、口に出さず。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」+逆接「ども」 解説:「知り」連用+「たれ」+「ども」。


Q71.「たり」を識別せよ。

月、雲に隠れたれば、星明らかなり。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」 解説:「隠れ」連用+「たれ」+「ば」。


Q72.「たり」を識別せよ。

仏の前に花を捧げたる人。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「捧げ」(下二段「捧ぐ」連用形)+「たる」+体言「人」。「仏の前に花をささげている人」。


Q73.「たり」を識別せよ。

京の都の栄えたる世。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「栄え」(下二段「栄ゆ」連用形)+「たる」+体言「世」。「京の都が栄えていた時代」。


Q74.「たり」を識別せよ。

年ごろ仕うまつりたるを、君忘れ給はず。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「仕うまつり」連用+「たる」(連体形。下に「こと」を補って読む準体法)+格助詞「を」。「長年お仕えしてきたことを、主君はお忘れにならない」。


Q75.「たり」を識別せよ。

鶯鳴きたりけり。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:「鳴き」連用+「たり」連用+「けり」。


Q76.「たり」を識別せよ。

古き寺、いま壊れたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「壊れ」連用+「たり」。「古い寺が、今、壊れている」(存続)。


Q77.「たり」を識別せよ。

風吹き、雲流れたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「流れ」連用+「たり」。


Q78.「たり」を識別せよ。

日暮れぬれど、旅人なほ急ぎたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「急ぎ」(四段「急ぐ」連用形)+「たり」。「日が暮れてしまったが、旅人はなお急いでいる」。


Q79.「たり」を識別せよ。

春雨降りたりけり。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:「降り」連用+「たり」連用+「けり」。


Q80.「たり」を識別せよ。

われ、帝の臣たり。

答え:断定「たり」 解説:体言「臣」(漢語)+「たり」(漢文訓読体)。「私は帝の家臣である」。


応用編 /30


【第4部】入試レベル


Q81.「たり」を識別せよ。

雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、…

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:枕草子「香炉峰の雪」。「降り」連用+「たる」(連体形)+接続助詞「を」(〜のに)。「雪がたいそう高く降り積もっているのに、いつもと違って御格子をお下ろしして」。


Q82.「たり」を識別せよ。

京にて生まれたりし女子、国にてにはかに失せにしかば、…

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「き」連体形「し」 解説:土佐日記の一節。「京で生まれた女子」。


Q83.「たり」を識別せよ。

無期ののちに、「えい。」といらへたりければ、僧たち笑ふこと限りなし。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:宇治拾遺物語「児のそら寝」。「いらへ」(下二段「いらふ」連用形)+「たり」連用+過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ば」。「ずいぶん時間がたってから『はい』と返事をしたので、僧たちが笑うことこの上ない」。


Q84.「たり」を識別せよ。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:方丈記の冒頭(本文どおり)。「とどまり」(四段「とどまる」連用形)+「たる」+体言「ためし」。「長くとどまっている例はない」。


Q85.「たり」を識別せよ。

しかるを忠盛備前守たりし時、鳥羽院の御願、得長寿院を造進して、…

答え:断定「たり」連用形+過去「き」連体形「し」 解説:平家物語「殿上闇討」。体言「備前守」(官職名)+「たり」連用+過去「き」連体形「し」+体言「時」。「ところが、忠盛が備前守であった時、鳥羽院の御願寺として得長寿院を造って献上して」。


Q86.「たり」を識別せよ。

我が祖、武士たりけり。

答え:断定「たり」連用形+過去「けり」 解説:体言「武士」+「たり」連用+「けり」。


Q87.「たり」を識別せよ。

白き衣、山吹などのなえたる着て、走り来たる女子、あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、…

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:源氏物語「若紫」。「走り来(き)」(カ変「走り来(く)」の連用形)+「たる」+体言「女子」。「白い下着に山吹襲などの着なれた衣を着て、走って来た女の子は、大勢見えていた子どもたちとは似ても似つかず」。「来たる」を四段動詞とみる考え方もあるが、和文の源氏物語ではカ変「来」+「たり」とみるのがふつう。


Q88.「たり」を識別せよ。

夜もすがら歩みたれば、足いたし。

答え:完了・存続「たり」已然形「たれ」 解説:「歩み」(四段「歩む」連用形)+「たれ」+「ば」(原因・理由)。「一晩中歩いたので、足が痛い」。


Q89.「たり」を識別せよ。

「はや夜も明けなむ。」と思ひつつゐたりけるに、鬼はや一口に食ひてけり。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」 解説:伊勢物語「芥川」。「ゐ」(上一段「ゐる」連用形)+「たり」連用形+過去「けり」連体形「ける」+接続助詞「に」。「『早く夜が明けてほしい』と思いながら座っていたところ、鬼がたちまち(女を)一口に食べてしまった」。


Q90.「たり」を識別せよ。

主君たれば、その命に背かず。

答え:断定「たり」已然形「たれ」 解説:体言「主君」(漢語)+「たれ」+「ば」(原因・理由)。已然形+「ば」は確定条件。「主君であるので、その命令に背かない」。


Q91.「たり」を識別せよ。

仕うまつりたりつる年月。

答え:完了・存続「たり」連用形+完了「つ」連体形「つる」 解説:「仕うまつり」連用+「たり」連用+「つる」+体言「年月」。


Q92.「たり」を識別せよ。

かの人、大将たりければ、兵みな従ひけり。

答え:断定「たり」連用形+過去「けり」已然形「けれ」 解説:体言「大将」(漢語)+「たり」連用+「けれ」+「ば」(原因)。「あの人は大将であったので、兵は皆従った」。


Q93.「たり」を識別せよ。

露の置きたる朝の庭。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「置き」(四段「置く」連用形)+「たる」+体言「朝」。「露が降りている朝の庭」。


Q94.「たり」を識別せよ。

師の言ひ置きたりけるを、いまも忘れず。

答え:完了・存続「たり」連用形+過去「けり」連体形「ける」 解説:「言ひ置き」(四段「言ひ置く」連用形)+「たり」連用+過去「けり」連体形「ける」(下に「こと」を補って読む準体法)+格助詞「を」。「師が言い残していたことを、今も忘れない」。


Q95.「たり」を識別せよ。

雪深き山に閉ざされたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「閉ざさ」(四段「閉ざす」未然形)+受身「る」連用形「れ」+「たり」。「雪深い山に閉じこめられている」。


Q96.「たり」を識別せよ。

嫡男たれば、父の跡を継ぐ。

答え:断定「たり」已然形「たれ」 解説:体言「嫡男」(漢語=跡取りの長男)+「たれ」+「ば」(原因)。「跡取りの長男であるので、父の跡を継ぐ」。


Q97.「たり」を識別せよ。

物言ひたる罪、いま赦されず。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「言ひ」連用+「たる」+体言「罪」。


Q98.「たり」を識別せよ。

花、盛りを過ぎたり。

答え:完了・存続「たり」 解説:「過ぎ」(上二段「過ぐ」連用形)+「たり」。「花は盛りを過ぎてしまった」。


Q99.「たり」を識別せよ。

昔の人の書き置きたるを、世に伝ふ。

答え:完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:「書き置き」(四段「書き置く」連用形)+「たる」(連体形。下に「もの」を補って読む準体法)+格助詞「を」。「昔の人が書き残しているものを、世に伝える」。


Q100.「たり」を識別せよ。

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

答え:両方とも完了・存続「たり」連体形「たる」 解説:枕草子冒頭。原文どおり。「紫がかっている雲が、細くたなびいている(のがよい)」。文末の「たなびきたる」は、下に「(のが)をかし」などを補って読む連体形止め。


入試レベル /20


合計 /100


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