推量・意志・勧誘・適当・婉曲・仮定を100問で見分ける
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📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ
このドリルでわかること
はじめに:「む」の正体(6用法)
古文の助動詞「む」は 1語で6つの意味 を持ちます。識別問題では「どの意味か」を答えるパターンが多い。
| 用法 | 訳 | 判別ポイント | 例 |
|---|---|---|---|
| ① 推量 | 〜だろう | 3人称が主語 | 雨降らむ |
| ② 意志 | 〜う・〜よう | 1人称が主語 | 我れ行かむ |
| ③ 勧誘 | 〜しないか・(いっしょに)〜しよう | 2人称が主語・問いかけて誘う(〜むや) | 君行かむや |
| ④ 適当 | 〜のがよい | 2人称が主語・すすめる(こそ〜め) | 君こそ早く帰らめ |
| ⑤ 婉曲 | 〜ような | 体言(こと・ほど・限り など)の前 | 思はむこと |
| ⑥ 仮定 | もし〜としたら・〜ならば | 助詞(に・には・は・も)の前 | 行かむには |
識別の鉄則
識別の鉄則
- 文中の「む」(連体形)は直後 を見る
- 体言の前 → 婉曲(「〜ような〜」)。「こと・ほど・限り・折」のような名詞の前も婉曲
- 助詞(に・には・は・も)の前 → 仮定(「もし〜としたら」)
- 接続助詞「ものを」(〜のに)の前は文の切れ目なので、2の人称で決める(我れ帰らむものを=意志)
- 文末の「む」は主語の人称 を見る(「と」で受ける会話の終わりや、係り結びの結びも文末)
- 1人称 → 意志
- 2人称 → 勧誘(「〜むや」と問いかけて誘う)・適当(「こそ〜め」などで「〜のがよい」とすすめる)
- 3人称 → 推量
- 疑問・反語の形(や・か・やは・かは・いかでか)でも、1人称なら意志・3人称なら推量。2人称でも、反語や「〜だろうか」と様子をたずねる疑問は推量(「〜むや」と誘うときは勧誘)
- 接続 は必ず 未然形
- 係り結びで連体形「む」(「ぞ・なむ・や・か」の結び)や已然形「め」(「こそ」の結び)になっても、意味の決め方は同じ
「識別の鉄則」は、上から順に当てはめて答えを決める手順。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。
コツ① まず「直後」を見ろ(婉曲・仮定を一発で切れる)
- 「む」+ 体言 → 婉曲(〜ような)即答 例:思はむこと/あらむ人/思はむほど(「ほど」は名詞)
- 「む」+ に/には/は/も(助詞) → 仮定(もし〜としたら) 例:行かむには/捨てむも
→ 直後が体言か、助詞「に・には・は・も」なら、人称を見るまでもなく確定。
コツ② 直後が文末/引用なら 人称 で3分割
直後が句点・「と」(引用)・「や/か」など文末系なら、主語の人称で決める(疑問・反語の形でも、1人称は意志・3人称は推量。2人称でも、反語や様子をたずねる疑問は推量)。 – 1人称(我・吾・予・おのれ) → 意志(〜う・〜よう) – 2人称(君・なんぢ・御身) → 勧誘・適当(〜しないか/〜のがよい) – 3人称・無生物(人・雨・花) → 推量(〜だろう)
→ 主語省略が多いので、動作主が誰か を本文で探すのが鉄則。
コツ③ 2人称の勧誘か適当かは形で判断
- 「〜むや」「〜なむや」「〜てむや」と相手に問いかけて誘う/「いざ給へ」「もろともに」と相手を誘って「(いっしょに)〜しよう」と言う → 勧誘(〜しないか)
- 相手だけに「〜するのがよい」とすすめる(「こそ〜め」の形が多い) → 適当(〜のがよい)
例:君行かむや → 勧誘 / 君こそ早く帰らめ → 適当
コツ④ 「死なむ/往なむ」はナ変+む
「死なむ」「往なむ」の「な」は、ナ変動詞「死ぬ/往ぬ」の未然形「死な/往な」の一部で、完了(強意)の助動詞「ぬ」ではない。 意味はふつうの「む」と同じく人称で決める(我れ死なむ=死のう〔意志〕/かの人死なむ=死ぬだろう〔推量〕)。「寝なむ」「散りなむ」のように連用形の下の「な」は完了(強意)「ぬ」の未然形で、「な+む」は「きっと〜だろう・〜てしまおう」。
試験本番でのチェック順序
- 直後が 体言(「ほど・限り」などの名詞も) → 婉曲(即答)
- 直後が 助詞(に・には・は・も) → 仮定
- 主語が 1人称 → 意志
- 主語が 2人称 → 問いかけて誘うなら勧誘、「こそ〜め」などですすめるなら適当(反語や、様子をたずねる疑問なら推量)
- 主語が 3人称・無生物 → 推量
→ この順番で見れば、迷わずに答えが出ます。
よくある引っかけ
- 主語省略が多い → 動作主を文脈で補う(敬語の有無もヒント。会話の話し手=1人称、話しかけられている相手=2人称)
- 「らむ」(現在推量)と混同 → 「らむ」は終止形に付く(降るらむ)。「降らむ」は四段「降る」の未然形「降ら」+「む」
- 「けむ」(過去推量)と混同 → 「けむ」は連用形に付く(行きけむ)。「助けむ」は下二段「助く」の未然形「助け」+「む」
- 連体形「む」・已然形「め」も意味は同じ(「ぞ・なむ・や・か」の結びの「む」、「こそ」の結びの「め」でも人称で決まる)
- 「いざ」(さあ)だけでは決まらない → 誘う相手がなく自分がするなら意志(いざ言問はむ=さあ尋ねよう)、「いざ給へ」「もろともに」で相手を誘うなら勧誘(自分も一緒にするので意志とする説もある)
- 「仮定・婉曲」「適当・勧誘」をまとめて教える教科書も多い。このドリルでは、直後が体言なら婉曲・助詞なら仮定、問いかけて誘うなら勧誘・すすめるなら適当、と分けて1つに決める
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
問題(Q1〜Q100)
ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。
【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
6用法をそれぞれ識別する基本問題。
Q1.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
雨降らむ。
答え:推量 解説:主語が「雨」(3人称)。文末で「〜だろう」と推測。「雨が降るだろう」。
Q2.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ行かむ。
答え:意志 解説:主語が「我れ」(1人称)。「私は行こう」。自分の意志を述べる。
Q3.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
君行かむや。
答え:勧誘 解説:主語が「君」(2人称)。「あなたは行きませんか」と相手に行動を促す。
Q4.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
思はむこと。
答え:婉曲 解説:下に体言「こと」。「思うようなこと/思うであろうこと」と婉曲表現。
Q5.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
行かむには、馬を用意すべし。
答え:仮定 解説:「〜むには」は条件節「もし〜ならば」。「(もし)行くならば、馬を用意するべきだ」。
Q6.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
風吹かむ。
答え:推量 解説:主語「風」(3人称)。「風が吹くだろう」。
Q7.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ寝む。
答え:意志 解説:下二段「寝(ぬ)」未然形「ね」+「む」。1人称。「私は眠ろう」。
Q8.次の傍線部(助動詞「む」の已然形)の用法を答えよ。
君こそ、早く帰らめ。
答え:適当 解説:主語は「君」(2人称)。係助詞「こそ」の結びで、「む」が已然形「め」になった形。問いかけずに「〜するのがよい」とすすめる「こそ〜め」→適当。「あなたこそ、早く帰るのがよい」。
Q9.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
春来む頃。
答え:婉曲 解説:カ変「来」未然形「こ」+「む」+体言「頃」。「春が来るような頃」。
Q10.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
君行かむほどに、文書きてやらむ。
答え:婉曲 解説:「ほど」は「〜の間・〜のころ」という意味の名詞。「む」の直後が体言なので婉曲(「〜むほどに」は仮定ではない)。「あなたが出かけているような間に、手紙を書いて送ろう」。
Q11.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
月出でむ。
答え:推量 解説:主語「月」(3人称)。「月が出るだろう」。
Q12.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ知らむ。
答え:意志 解説:1人称。「私は知ろう(知っておこう)」。
Q13.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
行かむ所。
答え:婉曲 解説:体言「所」の前。「行くような所/行く所」。
Q14.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
このこと、母や知らむ。
答え:推量 解説:主語「母」(3人称)+係助詞「や」(疑問)。「や」の結びで「む」は連体形。疑問の形でも主語の人称で決める→推量。「このことを、母は知っているだろうか」。
Q15.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ書かむと思ふ。
答え:意志 解説:1人称+意志+引用「と」+「思ふ」。「私は書こうと思う」。
Q16.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
笛吹かむ人なし。
答え:婉曲 解説:体言「人」の前。「笛を吹くような人はいない」。
Q17.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
都へ上らむには、まづ文して知らすべし。
答え:仮定 解説:四段「上る」未然形「上ら」+「む」+「には」。「む」の直後が助詞→仮定。「(もし)都へ上るとしたら、まず手紙で知らせるのがよい」。
Q18.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
父帰らむ。
答え:推量 解説:主語「父」(3人称)。「父が帰るだろう」。
Q19.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ問はむ。
答え:意志 解説:1人称。「私は尋ねよう」。
Q20.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
君も食はむや。
答え:勧誘 解説:2人称+「や」(疑問)。「あなたも食べませんか」と勧める。
基礎編 /20
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
文脈・係り結び・引用構文を含む応用問題。
Q21.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
言はむことを、まづ聞け。
答え:婉曲 解説:体言「こと」の前。「言うようなことを、まず聞け」。
Q22.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ歌詠まむと思ひ定めつ。
答え:意志 解説:1人称+「と」+「思ひ定めつ」(決心した)。「私は歌を詠もうと決心した」。
Q23.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
春雨や降らむ。
答え:推量 解説:「や」(疑問)+「む」(連体形、結び)。主語が無生物(春雨)→ 推量。「春雨は降るだろうか」。
Q24.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
いざ、我れまづ参らむ。
答え:意志 解説:「いざ」(さあ)は人を誘うときにも使うが、ここは誘う相手がなく、主語は「我れ」(1人称)→意志。「さあ、私がまず参上しよう」。
Q25.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
行かむ人、馬を用意せよ。
答え:婉曲 解説:体言「人」の前→婉曲。「行くような人は、馬を用意せよ」。
Q26.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
鳥鳴かむ山に、いざ行かむ。
答え:婉曲 解説:体言「山」の前→婉曲。「鳥が鳴くような山に、さあ行こう」。
Q27.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
君も琴弾かむやと、人問ふ。
答え:勧誘 解説:引用の中の主語は「君」(2人称)。「〜むや」と相手に問いかけて誘う→勧誘。「『あなたも琴を弾きませんか』と、人が尋ねる」。
Q28.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
夕月夜出でむ頃、参るべし。
答え:婉曲 解説:体言「頃」の前。「夕月夜が出るような頃に、参上するべきだ」。
Q29.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
父知り給はむ。
答え:推量 解説:四段「知る」連用形「知り」+尊敬の補助動詞「給ふ」未然形「給は」+「む」。主語が父(3人称)で尊敬付き。「父はご存じだろう」。
Q30.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れも、かの花を見む。
答え:意志 解説:上一段「見る」未然形「見」+「む」。主語「我れ」(1人称)→意志。「私も、あの花を見よう」。
Q31.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
かかる雨に、人行かむかは。
答え:推量の反語 解説:「かは」(反語)。主語「人」(3人称)→推量。「こんな雨の中を、人が行くだろうか、いや行くまい」。
Q32.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れも往なむ。
答え:意志 解説:「往(い)な」ナ変「往ぬ」未然形+「む」。1人称。「私も立ち去ろう」。
Q33.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
月隠れむ夜。
答え:婉曲 解説:体言「夜」の前。「月が隠れるような夜」。
Q34.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
親のために、命を捨てむも惜しからず。
答え:仮定 解説:下二段「捨つ」未然形「捨て」+「む」+係助詞「も」。「む」の直後が助詞→仮定。「親のためなら、(もし)命を捨てるとしても惜しくはない」。
Q35.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
旅に出でむ日を、まづ父に告げよ。
答え:婉曲 解説:下二段「出づ」未然形「出で」+「む」+体言「日」→婉曲。「旅に出るような日を、まず父に告げなさい」。
Q36.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
今宵は、ここに宿りたまひなむやと、皆、客人に問へり。
答え:勧誘 解説:四段「宿る」連用形「宿り」+尊敬の補助動詞「たまふ」連用形「たまひ」+完了(強意)「ぬ」未然形「な」+「む」+「や」。尊敬語が付き、主語は問われている「客人(まらうと)」(2人称)。「〜なむや」は相手に問いかけて誘う形→勧誘。「『今夜は、ここにお泊まりになりませんか』と、皆が客に尋ねた」。
Q37.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
風吹かむ音、いと寂し。
答え:婉曲 解説:体言「音」の前。「風が吹くような音は、とても寂しい」。
Q38.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ住まむ所、いまだ定めず。
答え:婉曲 解説:体言「所」の前。「私が住むような所は、まだ決めていない」。
Q39.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
春来むやと、人ごとに問ふ。
答え:推量の疑問 解説:カ変「来」未然形「こ」+「む」+係助詞「や」(疑問)。主語が無生物(春)→ 推量。「春が来るだろうか、と人ごとに尋ねる」。
Q40.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
行かむには、誰か供をすべき。
答え:仮定 解説:「〜むには」は「もし〜としたら」(仮定)。「誰か」の係助詞「か」の結びで、サ変「す」の終止形+助動詞「べし」の連体形「べき」。「(もし)行くとしたら、誰がお供をするのがよいか」。
Q41.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ食はむ。
答え:意志 解説:1人称。「私は食べよう」。
Q42.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
雨止まむ。
答え:推量 解説:主語「雨」(3人称)。「雨が止むだろう」。
Q43.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
君も食はむかし。
答え:適当 解説:主語は「君」(2人称)。問いかけ(や)でも「いっしょに」と誘うのでもなく、相手に「〜するといいよ」とすすめる→適当。「かし」は念押し(〜よ)で、それだけでは決まらない。「あなたも食べるといいよ」。(Q20「君も食はむや」は問いかけて誘うので勧誘)
Q44.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ書かむものは、人に見せじ。
答え:婉曲 解説:「もの」は名詞(下に「は」が付いている)。体言「もの」の前→婉曲。「私が書くようなものは、人に見せまい」。(Q92の「ものを」は接続助詞(〜のに)で、ここの名詞「もの」とは別)
Q45.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
いざ給へ、参らむ。
答え:勧誘 解説:「いざ給へ」(さあ、いらっしゃい)と相手を誘って、「(いっしょに)参りましょう」と言う→勧誘。(話し手も一緒に参るので意志とする説もある)
Q46.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
夢かと思はむほどの心地ぞする。
答え:婉曲 解説:「ほど」は「程度」という意味の名詞。「む」の直後が体言なので婉曲。「夢かと思うような(ほどの)気持ちがする」。
Q47.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
笛吹かむこと、難し。
答え:婉曲 解説:体言「こと」の前。「笛を吹くようなことは、難しい」。
Q48.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
人々ためらふ。我れや先に言ひ出でむ。
答え:意志 解説:主語「我れ」(1人称)+係助詞「や」(疑問)。「や」の結びで「む」は連体形。疑問の形でも主語の人称で決める→意志。「人々がためらっている。私が先に言い出そうか」。
Q49.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ往なむと、思ひ立つ。
答え:意志 解説:「往な」ナ変未然+「む」+引用「と」。1人称。「私は立ち去ろう、と思い立つ」。
Q50.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
心知らむ人。
答え:婉曲 解説:体言「人」の前。「心を知っているような人」。
標準編 /30
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
敬語・係り結び・引用が複雑に絡む応用問題。
Q51.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
中宮、「文書かむ」と仰せらる。
答え:意志 解説:「文書かむ」は中宮のことば。話し手(中宮)が自分のすることを言っている=1人称→意志。「仰せらる」は「おっしゃる」。「中宮が『手紙を書こう』とおっしゃる」。
Q52.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ参らむ。されど、いまだ装束も整はず。
答え:意志 解説:1人称。「私は参上しよう。しかし、まだ身支度も整っていない」。
Q53.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
春や来む、と心に待つ。
答え:推量の疑問 解説:「春」が主語(無生物)+係助詞「や」(疑問)+カ変「来」未然形「こ」+「む」(連体、結び)。「春が来るだろうか、と心の中で待つ」。
Q54.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
宮はいつか帰りたまはむと、人々待ちきこゆ。
答え:推量 解説:尊敬の補助動詞「たまふ」未然形「たまは」+「む」。「いつか」の係助詞「か」の結びで「む」は連体形。主語は「宮」(3人称)→推量。「『宮様はいつお帰りになるだろうか』と、人々はお待ち申し上げる」。
Q55.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
いみじき宿世の人にあらむ。
答え:推量 解説:「に」は断定「なり」の連用形、「あら」はラ変「あり」の未然形+「む」。主語は話題の人(3人称)→推量。「(その人は)並々ならぬ宿縁の人であろう」。
Q56.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ仕うまつらむと申す。
答え:意志 解説:1人称+意志+引用「と」+謙譲「申す」。「私はお仕え申し上げよう、と申し上げる」。
Q57.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
笛の音絶えむ夜。
答え:婉曲 解説:体言「夜」の前。「笛の音が絶えるような夜」。
Q58.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
宮は、この絵を上に御覧ぜさせたまはむ。
答え:推量 解説:サ変「御覧ず」未然形「御覧ぜ」+使役「さす」連用形「させ」+尊敬の補助動詞「たまふ」未然形「たまは」+「む」。「御覧ぜさす」は「(人に)ご覧に入れる」。主語は「宮」(3人称)→推量。「宮様は、この絵を帝にお見せになるだろう」。
Q59.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
嘆かむこと、目に見ゆ。
答え:婉曲 解説:体言「こと」の前。「嘆くようなことが、目に浮かぶ」。
Q60.次の傍線部(助動詞「む」の已然形)の用法を答えよ。
この文の返り事は、御身こそ書かめ。
答え:適当 解説:主語は「御身」(2人称=あなた)。「こそ」の結びで「む」が已然形「め」になった「こそ〜め」で、相手に「〜するのがよい」とすすめる→適当。「この手紙の返事は、あなたこそ書くのがよい」。
Q61.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
をかしからむ物語あらば、見せたまへ。
答え:婉曲 解説:形容詞「をかし」未然形「をかしから」+「む」+体言「物語」→婉曲。「おもしろいような物語があれば、見せてください」。(仮定を表すのは「あらば」(未然形+ば)のほう)
Q62.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
かの聖は、明日、山深く分け入らむ。
答え:推量 解説:主語「かの聖」(3人称)→推量。「あの聖は、明日、山深く分け入るだろう」。
Q63.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
物思ふ我れも、いまは忘れなむと思ふ。
答え:意志 解説:下二段「忘る」連用形「忘れ」+完了(強意)「ぬ」未然形「な」+「む」+引用「と」+「思ふ」。1人称で、「〜むと思ふ」と自分の思いを言う形→意志。「物思いに沈む私も、もう忘れてしまおうと思う」。
Q64.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
雨いやまさらむ。
答え:推量 解説:副詞「いや」(=ますます)+四段「増さる」未然形+「む」。「雨がますますひどく増すだろう」。
Q65.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
この文、かの人のもとへ持て行きてむやと、童に言ふ。
答え:勧誘 解説:四段「持て行く」連用形「持て行き」+完了(強意)「つ」未然形「て」+「む」+「や」。主語は話しかけられている「童」(2人称)。「〜てむや」は相手に「〜してくれないか」と問いかけて誘う形→勧誘。「『この手紙を、あの人のところへ持って行ってくれないか』と、召し使いの子に言う」。
Q66.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
唐土に渡らむ人、希にあらむ。
答え:婉曲 解説:体言「人」の前→婉曲。「中国に渡るような人は、めったにいないだろう」(後の「あらむ」の「む」は推量。傍線部ではない)。
Q67.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
老いむ身、いかでか若く保たむ。
答え:婉曲 解説:上二段「老ゆ」未然形「老い」+「む」+体言「身」→婉曲。「老いていくような身を、どうして若いまま保てようか」。
Q68.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
夜も更けぬ。我れは、いま帰らむかし。
答え:意志 解説:主語「我れ」(1人称)。「かし」は念押し(〜よ)。1人称→意志。「夜も更けた。私は、もう帰るとしよう」。(Q43のように主語が2人称で、相手にすすめるなら適当)
Q69.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れは、思はむこと言はむ。
答え:前の「む」=婉曲、後の「む」=意志 解説: – 「思はむこと」:体言「こと」の前 → 婉曲「思うようなこと」 – 「言はむ」:主語「我れ」(1人称)→ 意志「言おう」 全体:「私は、思うようなことを言おう」。
Q70.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
心知らむ人にこそ、見すべけれ。
答え:婉曲 解説:「知らむ人」+係助詞「こそ」+助動詞「べし」已然形「べけれ」(こその結び。已然形で結ぶのが原則)。「心を知っているような人にこそ、見せるべきだ」。
Q71.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れもまた仏に祈らむ。
答え:意志 解説:1人称+意志。「私もまた仏に祈ろう」。
Q72.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
君行かむ所、いづくぞ。
答え:婉曲 解説:「行かむ所」:体言「所」前 → 婉曲「行くような所」。「あなたが行くようなところは、どこか」。
Q73.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ、いまさら嘆かむやは。
答え:意志の反語 解説:「やは」(反語)。主語「我れ」(1人称)→意志。「私は、今さら嘆こうか、いや嘆くまい」。
Q74.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
鳥鳴かむ朝、目覚めなむ。
答え:婉曲 解説:体言「朝」の前→婉曲。「鳥が鳴くような朝には、目を覚ましてしまおう」。
Q75.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
人の問はむには、ありのままに答へよ。
答え:仮定 解説:四段「問ふ」未然形「問は」+「む」+「には」。「む」の直後が助詞→仮定。「(もし)人が尋ねるとしたら、ありのままに答えなさい」。
Q76.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
人、わが心を知らむやは。
答え:推量の反語 解説:四段「知る」未然形「知ら」+「む」+「やは」(反語)。主語「人」(3人称)→推量。「人が私の心を知っているだろうか、いや知るまい」。
Q77.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
仏に祈らむ人。
答え:婉曲 解説:体言「人」前。「仏に祈るような人」。
Q78.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
いざ参りたまへと言へど、我れ参らむやは。
答え:意志の反語 解説:「いざ参りたまへ」は相手のことば。傍線部の主語は「我れ」(1人称)+「やは」(反語)→意志。「『さあ、参上なさい』と言うけれども、私が参上しようか、いや参上するまい」。
Q79.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
鳥や鳴かむ、と耳を澄ます。
答え:推量 解説:「鳥」(3人称)+「や」(疑問)+「む」(連体結び)。「鳥が鳴くだろうか、と耳を澄ます」。
Q80.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ寝なむ。
答え:意志 解説:「寝(ね)」下二段連用+完了「ぬ」未然「な」+「む」。1人称。「私は眠ってしまおう」。
応用編 /30
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
Q81.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
唐土に渡らむ人、すくなからむ。
答え:推量 解説:「すくなから」(形容詞「すくなし」未然形)+「む」。「中国に渡るような人は、少ないだろう」。
Q82.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
月見む人は、いざ給へ。
答え:婉曲 解説:上一段「見る」未然形「見」+「む」+体言「人」→婉曲。「いざ給へ」は「さあ、いらっしゃい」。「月を見るような人は、さあ、いらっしゃい」。
Q83.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ、なほ生かさむと思ふ。
答え:意志 解説:「生かさ」四段「生かす」未然+「む」+引用「と」+「思ふ」。1人称。「私は、まだ生かそうと思う」。
Q84.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
春の野に咲かむ花、いまだ知らず。
答え:婉曲 解説:体言「花」前。「春の野に咲くような花を、まだ知らない」。
Q85.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
この雨に、花はみな散りなむ。
答え:推量 解説:四段「散る」連用形「散り」+完了(強意)「ぬ」未然形「な」+「む」。主語「花」(3人称)→推量。「な+む」は「きっと〜だろう」。「この雨で、花はきっとすっかり散ってしまうだろう」。
Q86.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
父の御志、いかでか忘れむ。
答え:意志の反語 解説:「いかでか」(=どうして)+「忘れむ」(1人称・意志)。「父のお志を、どうして忘れようか、いや忘れまい」(反語)。
Q87.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
物のあはれを知らむ人にこそ。
答え:婉曲 解説:「知らむ人」体言前+係助詞「こそ」+結び省略(「見すべけれ」など)。「物のあわれを知っているような人にこそ(見せるべきだ)」。
Q88.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
風吹かむ夕は、なほものあはれなり。
答え:婉曲 解説:体言「夕」の前→婉曲。「風が吹くような夕方は、いっそうしみじみとした趣がある」。
Q89.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
敵はやがて来む。我れはここにて死なむ。
答え:前の「む」=推量、後の「む」=意志 解説: – 「来む」:カ変「来」未然形「来(こ)」+「む」。主語「敵」(3人称)→ 推量「すぐに来るだろう」 – 「死なむ」:ナ変「死ぬ」未然形「死な」+「む」。主語「我れ」(1人称)→ 意志「死のう」(「な」は動詞の一部で、完了「ぬ」ではない) 全体:「敵はすぐに来るだろう。私はここで死のう」。
Q90.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
春の野に若菜摘まむ人、いまだ来ず。
答え:婉曲 解説:体言「人」前。「春の野に若菜を摘むような人が、まだ来ない」。
Q91.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
いざ、もろともに参らむかし。
答え:勧誘 解説:「いざ」(さあ)「もろともに」(いっしょに)と相手を誘い、「かし」で念を押す→勧誘。「さあ、いっしょに参上しましょうよ」。(話し手も一緒に参るので意志とする説もある)
Q92.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れは都へ帰らむものを、人の留むるぞ憂き。
答え:意志 解説:四段「帰る」未然形「帰ら」+「む」+接続助詞「ものを」(〜のに)。「ものを」は接続助詞で、名詞ではない。接続助詞の前で文がいったん切れるので、文末と同じく主語の人称で決める。主語「我れ」(1人称)→意志。「私は都へ帰ろうと思うのに、人が引き止めるのがつらい」。(「憂き」は係助詞「ぞ」の結びで連体形)
Q93.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
人皆死にたるに、我れひとり生かむやは。
答え:意志の反語 解説:四段「生く」未然形「生か」+「む」+「やは」(反語)。主語「我れ」(1人称)→意志。「人々が皆死んでしまったのに、私一人が生きようか、いや生きまい」。
Q94.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
命あらむ限りは、この恩を忘れじ。
答え:婉曲 解説:ラ変「あり」未然形「あら」+「む」+体言「限り」(名詞)→婉曲。「命があるような限りは(生きている限りは)、この恩を忘れまい」。
Q95.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
思はむ人。
答え:婉曲 解説:四段「思ふ」未然形「思は」+「む」+体言「人」。「思っているような人」(婉曲)。
Q96.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
我れ笛吹かむ、と言ひて、笛を取り出づ。
答え:意志 解説:1人称+意志+引用「と」。「『私が笛を吹こう』と言って、笛を取り出す」。
Q97.次の傍線部(助動詞「む」の已然形)の用法を答えよ。
月清けき夜なり。君こそ、歌詠みたまはめ。
答え:適当 解説:主語は「君」(2人称)。尊敬の補助動詞「たまふ」未然形「たまは」+「む」の已然形「め」(係助詞「こそ」の結び)。「こそ〜め」で相手に「〜するのがよい」とすすめる→適当。「月の清らかな夜だ。あなたこそ、歌をお詠みになるのがよい」。
Q98.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
中納言、「春の山の花を、宮にも見せたてまつらむ」とて、一枝折りたまふ。
答え:意志 解説:「見せたてまつらむ」は中納言のことば。下二段「見す」連用形「見せ」+謙譲の補助動詞「たてまつる」未然形「たてまつら」+「む」。話し手(中納言)が自分のすることを言う=1人称→意志(「たてまつる」は宮への敬意)。「中納言は、『春の山の花を、宮様にもお見せ申し上げよう』と言って、一枝お折りになる」。
Q99.次の傍線部「む」の用法を答えよ。
雪の降らむ折は、必ず文をおこせよ。
答え:婉曲 解説:四段「降る」未然形「降ら」+「む」+体言「折」→婉曲(「は」は「折」に付いた助詞)。「雪が降るような時には、必ず手紙をよこしなさい」。
Q100.次の傍線部を識別せよ。
唐土の人は、これをいみじと思へばこそ、記しとどめて世にも伝へけめ、これらの人は、語りも伝ふべからず。
答え:過去推量の助動詞「けむ」の已然形 解説:「けめ」で1語(「け」+「め」ではない)。連用形に付く過去推量の助動詞「けむ」が、係助詞「こそ」の結びで已然形になった形(「伝へ」は下二段「伝ふ」の連用形)。「〜けめ、」と文が切れずに続くので逆接(〜ただろうが)。「中国の人は、これをすばらしいと思うからこそ、書き留めて後世にも伝えたのだろうが、この国の人は、語り伝えることもしないだろう」。徒然草・第十八段。 ※「む」と「けむ」は別の助動詞(「む」は未然形、「けむ」は連用形に付く)。
入試レベル /20
合計 /100
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