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結論:古文文法を「図でまとめ直す」ための整理本
この本は、ゼロから文法を覚える本というより、一度ひととおり学んだ文法を、図と表で整理し直して定着させるための一冊です。語学春秋社「実況中継」シリーズらしく、講師が授業で話しているような語り口で進み、品詞・活用、用言、助動詞、敬語、助詞という入試で問われる柱を順にカバーします。文法は「覚える」より「つながりを図で見て整理する」と一気にラクになる——その発想に合う子にはぴったりの参考書です。
基本情報
| 書名 | 山村由美子 図解古文文法講義の実況中継(実況中継シリーズ) |
|---|---|
| 出版社 | 語学春秋社 |
| 著者 | 山村由美子 |
| シリーズ | 実況中継シリーズ |
| ページ数 | 約304ページ |
| 定価 | 1,320円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 基礎〜標準(共通テスト〜難関の文法整理) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(図で整理したい人に。ゼロからの一冊目には少し重め) |
この本の特徴(中身)
中身は大きく5章構成で、品詞分類と活用 → 用言 → 助動詞 → 敬語 → 助詞という、入試古文で得点に直結する順番に並んでいます。タイトルどおり図解が豊富で、活用のしくみや助動詞の意味・接続といった「表で覚えるしかない」と思われがちな部分を、ビジュアルで一覧整理してくれるのが最大の持ち味です。巻末には用言の活用法、助動詞・助詞・敬語の一覧表もまとまっており、直前期の見直しにも使えます。著者の山村由美子先生は「読解編」「単語編」とあわせた古文三部作を出しており、本書はその文法編にあたります。A5サイズで約304ページと、薄い文法書ではなく腰を据えて読むタイプです。
👍 良い点
- 図と表で「文法の全体像」が見える。活用や助動詞の意味・接続など、丸暗記で挫折しやすい部分を一覧化してくれるので、バラバラの知識が一本につながります。
- 講義口調で独学でも進めやすい。先生が隣で説明してくれるような語りなので、無味乾燥な文法書が苦手な人でも読み進められます。
- 入試で問われる順に並んでいる。助動詞・敬語・助詞など得点源を順序立てて扱い、巻末一覧表は試験直前の総点検にも使えます。
🤔 気になる点
- 完全なゼロからの一冊目には少し重い。約300ページとボリュームがあり、「主語・述語って何?」というレベルだと、もっと薄い超入門書から入った方がラクなこともあります。
- 問題演習が主役ではない。あくまで講義・整理が中心なので、これ一冊で問題量をこなして仕上げる作りではありません。別途、文法問題集や過去問が必要です。
- 図解の好みが分かれる。図中心のレイアウトは合えば最強ですが、「文章でみっちり説明してほしい」タイプの人にはかえって情報が散らばって見えることがあります。
合う人・合わない人
合う人:学校や授業で文法を一度はやったけれど、活用・助動詞・敬語がごちゃごちゃのまま頭に残っている人。表や図でスッキリ整理し直したい人。共通テスト〜中堅・難関大の古文文法を、独学で一気に固め直したい高校生・受験生。
合わない人:古文がまったくの初めてで「歴史的仮名遣いから怪しい」という人(先に超入門書を)。文法は理解済みで、あとは問題を解いて実戦力を上げたいだけの人(演習量はこの本だけでは足りません)。
『富井の古典文法をはじめからていねいに』との違い
超入門の定番『富井の古典文法をはじめからていねいに』(東進)は、本当にゼロの人を手取り足取り導く「やさしさ重視」の本です。一方この山村本は、図と表で全体を一覧整理する「まとめ・俯瞰重視」。だから、初学者は富井で土台を作り、そのあと山村で図解整理して定着、という二段構えがきれいにハマります。すでに基礎がある人なら、いきなり山村から入って一気に文法を仕上げてしまうのもアリです。
おすすめの使い方
- まず助動詞・敬語など「苦手な章」から開き、図解と一覧表でしくみを目で覚える。最初から通読しようとしなくてOK。
- 1章読んだら、手持ちの文法問題集や過去問で同じ範囲を解き、間違えたら本書の該当ページの図に戻って確認する。
- 試験前は巻末の活用表・助動詞一覧などをチェックリスト代わりに使い、図を見て即答できるか自己テストする。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★★☆ |
| 入門のしやすさ | ★★★☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★☆☆☆ |
| 総合 | ★★★☆☆(図で文法を整理し直すのに優秀。ゼロからの一冊目や演習用には別の本が要る) |
塾長としての正直な評価は「整理・定着用の良書。ただし役割を間違えないこと」です。図解で文法の全体像をつかむ力は高く、講義口調で独学にも向きます。一方で、超入門書としても問題演習書としても作られていないので、「これ一冊で文法を完結」と期待すると物足りなさが出ます。基礎を作る本・問題をこなす本と組み合わせてこそ真価を発揮するタイプです。
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まとめ
まとめると、本書は「一度習った古文文法を、図と表でまとめ直して自分のものにする」のに向いた一冊です。ゼロからなら超入門書のあとに、基礎がある人ならいきなりこの本で一気に整理、というのが上手な使い方。文法の全体像をつかんだら、あとは問題を解いて手を動かすだけです。当サイトでも古文文法の無料まとめシートや確認問題(PDF)を配布していますので、本書で整理した知識のチェックにぜひ使ってみてください。



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