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結論:単語・文法の「次の一歩」に置く演習集
この本は、ゼロから古文を始める人の一冊目ではなく、単語帳と文法を一通りやった高校生が、はじめて入試問題に挑むための「橋渡し」の問題集です。前半(基礎編)で頻出文法を約30項目に整理し直し、後半(実践編)で入試の良問13題を解いていきます。タイトルに「基礎」とありますが中身は意外と本格派で、共通テストや中堅私大あたりを目標にする人が、基礎を体系立てて固め直すのにちょうどいい立ち位置です。
基本情報
| 書名 | 古文 基礎問題精講 |
|---|---|
| 出版社 | 旺文社 |
| 著者 | 倉繁正鬼 |
| シリーズ | 問題精講シリーズ |
| 定価 | 1,210円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 基礎〜標準(高校基礎〜共通テスト・中堅私大) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(単語・文法を一通り終えた人の最初の演習に最適) |
この本の特徴(中身)
構成は「基礎編(文法)+実践編(入試演習)」の二部構成です。基礎編は動詞・助動詞・助詞・語の識別・敬語・和歌などを見開き単位で整理し、例題で確認していきます。実践編では『竹取物語』『源氏物語』といった頻出作品から選ばれた入試問題13題に取り組みます。本冊は2色刷りで、解説は単に答えを示すだけでなく、なぜその読み方になるのかを文法的な根拠までさかのぼって説明してくれるのが特長です。問題数を絞ってある分、一題ずつをていねいに復習させる作りになっています。
👍 良い点
- 文法の総点検と入試演習が一冊で完結する。バラバラに覚えた知識を、入試で問われる形に並べ直してくれるので「知っているのに解けない」が減ります。
- 解説が論理的で根拠まで踏み込む。答えの丸暗記ではなく、助動詞の識別や敬語の方向など「なぜそう訳すか」を筋道立てて説明してくれるので、独学でも納得しながら進められます。
- 収録13題が頻出作品の良問でムダがない。あれもこれもと詰め込まず、入試で繰り返し出る典型を厳選しているので、一冊やり切れば「入試の古文ってこういう感じか」という型がつかめます。
🤔 気になる点
- 本当の初学者には少し重い。タイトルの「基礎」を真に受けて文法ゼロの状態で始めると、解説の言葉がやや学術的で難しく感じます。先に基本の文法をひと通り入れてからのほうが効きます。
- 実践編が13題と少なめで演習量は物足りない。これ一冊で入試本番の問題量に慣れるには足りないので、仕上げには別の問題集や過去問を足す前提で考えたほうがよいです。
- 古文単語の網羅は守備範囲外。単語の意味は前提として進むので、語彙は別途、単語帳で並行して固める必要があります。
合う人・合わない人
合う人:古文単語と基本文法を一度は学んだうえで、まだ入試問題はあまり解いたことがない高校2年生〜3年生前半の人。共通テストや中堅私大を目標にしていて、「文法の総ざらい」と「初めての入試演習」を一冊でまとめてやりたい人に向いています。
合わない人:古文をこれから始める完全な初学者や、文法用語そのものがあやふやな人。逆に、すでに入試問題をある程度解けていて、難関大向けにとにかく演習量を積みたい人にも、13題では物足りません。
『大学入試 全レベル問題集 古文1(基礎レベル)』との違い
同じ旺文社の『全レベル問題集 古文1』は最初から入試の読解問題を解かせる、より演習に振った薄めの一冊です。対してこの『基礎問題精講』は、前半に文法の整理パートが付いている分、知識の抜けを埋めながら演習に入れるのが違いです。「文法にまだ不安が残る」人は基礎問題精講から、「文法はだいたい大丈夫、とにかく問題を解いて慣れたい」人は全レベル問題集1から、という使い分けがおすすめです。
おすすめの使い方
- まず基礎編(文法パート)を最初から通読し、知らない・あやしい項目に印を付けながら一周する。ここは演習というより「総点検」の気持ちで。
- 次に実践編の入試問題を1題ずつ、時間を区切って自力で解く。解いたら必ず本文を最後まで自分で現代語訳してから解説を読む。
- 解説で間違えた原因が「文法」なら基礎編の該当ページに戻って復習する。13題すべてを2周して、根拠を言葉で説明できる状態を目指す。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★☆☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★★☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★☆☆ |
| 総合 | ★★★☆☆(文法の総点検+初めての入試演習に好適。完全な初学者にはやや重い) |
塾長としての総合評価は「基礎固めの締め」と「入試演習の入口」をつなぐ良書です。タイトルの印象より中身は硬派で、解説の論理性は高く、独学でも力が付きます。一方で13題という演習量の少なさと、初学者には言葉がやや難しい点があるので、入れる位置を間違えなければ非常に効く一冊、というのが正直なところです。最初の一冊ではなく「二冊目」として使うのが正解です。
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まとめ
まとめると、単語と文法をひと通り終えた人が、入試問題に踏み出す前の橋渡しに置くのがこの本のいちばん効く使い方です。文法を整理し直しつつ、良問13題で「入試の型」をつかむ。仕上げには過去問や演習量の多い問題集を足してください。当サイトでは無料の文法ドリルや識別の解説も用意しているので、この本の基礎編と並行して使うと、抜けの確認に役立ててもらえます。



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