古文 敬語の訳し方 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「敬語の訳し方」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

敬語動詞・補助動詞の現代語訳を100問で習熟

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このドリルでわかること

はじめに:敬語の訳し方ルール

古文の敬語は 現代語訳に正確に反映 させる必要がある。

敬語の種類 訳の形
尊敬語 お〜になる/〜なさる
謙譲語 お〜する/〜申し上げる/〜いたす
丁寧語 〜です/〜ます/〜ございます

訳し方の鉄則

尊敬語(動作主への敬意)

  • 給ふ(四段) → 〜なさる/お〜になる
  • おはす/おはします → いらっしゃる
  • 仰す/のたまふ → おっしゃる
  • 召す → お召しになる/お呼びになる
  • 御覧ず → ご覧になる
  • 大殿籠る → お休みになる
  • 思す/思しめす → お思いになる
  • きこしめす → お聞きになる/召し上がる
  • あそばす → なさる(高貴な人の動作)
  • 遣はす → 派遣なさる

謙譲語(動作の受け手への敬意)

  • 奉る → 差し上げる
  • 参る → 参上する/差し上げる
  • 申す/聞こゆ → 申し上げる
  • 仕うまつる/つかうまつる → お仕えする
  • 賜ふ(下二段) → いただく
  • 承る → お受けする/伺う
  • まかる/まかづ → 退出する/参上する

丁寧語(聞き手・読み手への敬意)

  • 侍り → 〜ございます/〜です/〜ます
  • 候ふ/さぶらふ → 〜ございます/〜です/〜ます

二重敬語(最高敬語)

せたまふ/させたまふ お〜になる/〜なさる
しめたまふ お〜なさる
仰せらる おっしゃる
思しめす お思いになる

→ 二重敬語は 天皇・皇族・摂関級 への最高敬意。


動詞別・尊敬/謙譲両用注意

動詞 尊敬 謙譲
奉る 召し上がる/お召しになる 差し上げる
参る 召し上がる(食事) 参上する/差し上げる
賜ふ 四段=お与えになる(尊敬) 下二段=いただく(謙譲)
給ふ 四段=〜なさる(尊敬) 下二段=〜いたす(謙譲・会話文のみ)

識別の鉄則

「識別の鉄則」は文法的に正しい順序。
こちらは 試験本番で3秒で答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 敬語動詞の 直訳パターン を丸暗記(語数限定なので最強)

入試で出るのは決まった敬語動詞だけ。 形と訳の1対1対応を機械的に当てはめる : – 「のたまふ/仰す」→ おっしゃる – 「おはす/おはします」→ いらっしゃる – 「思す/思しめす」→ お思いになる – 「御覧ず」→ ご覧になる – 「奉る」→ 差し上げる(謙譲)/お召しになる(尊敬) – 「申す/聞こゆ」→ 申し上げる – 「侍り/候ふ」→ 〜です・〜ます

コツ② 二重敬語は「天皇・中宮」とほぼ確定

「せたまふ/させたまふ/しめたまふ」を見たら: – 動作主は天皇・皇族・摂関級 で固定 – 訳は「お〜になる/〜なさる」(ただの尊敬と同じ訳でOK、最高敬語のニュアンスは答案に書かなくてよい)

コツ③ 「給ふ」の活用で訳が分岐(最頻出)

  • 四段の「給ふ」 → 尊敬「〜なさる」
  • 下二段の「給ふ」 → 謙譲「〜いたす/〜申し上げる」(会話・手紙中で「思ふ・見る・聞く・知る」に付く時のみ)

例:「見給ふる」(下二段連体形)→ 「拝見いたす」

コツ④ 「奉る」「参る」は 食事・服装関連 だけ尊敬

  • 「酒を奉る」「衣を奉る」→ 「召し上がる/お召しになる」(尊敬)
  • 「参る」+食事 → 「召し上がる」(尊敬)
  • それ以外の「奉る/参る」→ 謙譲(差し上げる/参上する)

試験本番でのチェック順序

  1. 敬語動詞を特定し、 暗記した訳語 を当てはめる
  2. 「給ふ」なら 活用形 で四段(尊敬)/下二段(謙譲)を判別
  3. 「奉る・参る」なら 動作の内容 で尊敬/謙譲を判別
  4. 「せたまふ」系を見たら最高敬語、訳は「〜なさる」で統一
  5. 補助動詞の場合は「お〜になる/〜申し上げる/〜です」の形で接続

→ この順番で 3秒 で答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 補助動詞の「給ふ」を「与える」と訳す → 補助動詞は「〜なさる」
  • 「申す」を「言う」と訳す → 必ず「申し上げる」(謙譲を反映)
  • 「侍り」を「いる」と訳す → 補助なら「〜です・〜ます」、本動詞でも「お仕えする/ございます」
  • 二重敬語を訳に反映できない → 「お〜になる」「〜なさる」と尊敬の形を明示

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

主要敬語の基本訳。


Q1.現代語訳せよ。

帝、御文書かせたまふ

答え:「帝が、お手紙をお書きになる」 解説:「せたまふ」二重敬語(尊敬)。


Q2.現代語訳せよ。

御文を奉る

答え:「お手紙を差し上げる」 解説:「奉る」謙譲。「差し上げる」。


Q3.現代語訳せよ。

「これは尊し」と申す

答え:「『これは尊い』と申し上げる」 解説:「申す」謙譲。「申し上げる」。


Q4.現代語訳せよ。

我れも参り侍り

答え:「私も参上いたします(ございます)」 解説:「侍り」丁寧。「〜います/いたします/ございます」。


Q5.現代語訳せよ。

中宮、御文を御覧ず

答え:「中宮が、お手紙をご覧になる」 解説:「御覧ず」尊敬。「ご覧になる」。


Q6.現代語訳せよ。

御所に参る

答え:「御所に参上する」 解説:「参る」謙譲。「参上する」。


Q7.現代語訳せよ。

法皇、御幸おはす

答え:「法皇が、御幸でいらっしゃる」 解説:「おはす」尊敬。「いらっしゃる」。


Q8.現代語訳せよ。

君に仕うまつる

答え:「君にお仕えする(お仕え申し上げる)」 解説:「仕うまつる」謙譲。


Q9.現代語訳せよ。

上、仰せらる

答え:「上が、おっしゃる」 解説:「仰す」+「らる」(尊敬)。二重敬語。


Q10.現代語訳せよ。

大納言、御前に候ふ

答え:「大納言が、御前に控えている/お仕えしている」 解説:「候ふ」(謙譲)。


Q11.現代語訳せよ。

帝、御物の怪に苦しませたまふ

答え:「帝が、物の怪にお苦しみになる」 解説:「せたまふ」二重敬語(尊敬)。


Q12.現代語訳せよ。

我れ、御前にまかる

答え:「私が、御前に参上する/退出する」 解説:「まかる」謙譲。文脈で「参上」「退出」が分かれる。


Q13.現代語訳せよ。

院、大殿籠る

答え:「院が、お休みになる」 解説:「大殿籠る」尊敬の特殊形(寝る)。


Q14.現代語訳せよ。

御物を賜ふ(下二段)。

答え:「御物をいただく」 解説:「賜ふ」下二段は謙譲。「いただく」。


Q15.現代語訳せよ。

「いま参り候ふ」と申す。

答え:「『いま参上いたします』と申し上げる」 解説:「候ふ」丁寧+「申す」謙譲。


Q16.現代語訳せよ。

中宮、御文書かせたまふを、人にも見せさせたまふ

答え:「中宮が、お手紙をお書きになって、人にもお見せになる」 解説:両方とも尊敬の二重敬語。


Q17.現代語訳せよ。

帝、御覧ぜさせたまふ

答え:「帝が、ご覧になる」 解説:「させたまふ」は最高敬語(二重尊敬)。「御覧ず」自体も尊敬語で、それに二重尊敬を重ねた表現。なお、主語が最高位の人物でない場合は「使役+尊敬(〜させなさる)」となる場合もあり、文脈で判別する。


Q18.現代語訳せよ。

御簾を上げさせたまへ

答え:「御簾をお上げください/お上げになる」(命令) 解説:「させたまふ」命令形。お命じになる尊敬の命令。


Q19.現代語訳せよ。

御供仕うまつり侍り

答え:「お供申し上げております/お供させていただいております」 解説:「仕うまつる」謙譲+「侍り」丁寧。


Q20.現代語訳せよ。

法皇、御使ひを遣はす

答え:「法皇が、御使いを派遣なさる」 解説:「遣はす」尊敬の特殊形。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

両用語・複合敬語・特殊敬語。


Q21.現代語訳せよ。

帝、御酒を参る

答え:「帝が、お酒を召し上がる」 解説:「参る」は飲食では尊敬「召し上がる」。両用注意。


Q22.現代語訳せよ。

上、御衣を奉る

答え:「上が、お召し物をお召しになる」 解説:「奉る」は衣服では尊敬「お召しになる」。


Q23.現代語訳せよ。

中将、御琴をいと美しく弾き給ふ

答え:「中将が、お琴をたいそう美しくお弾きになる」 解説:「給ふ」四段=尊敬「〜なさる/お〜になる」。


Q24.現代語訳せよ。(会話文)

「我れもさ思ひたまふる

答え:「私もそう思っております」 解説:「たまふる」(下二段「給ふ」連体形)は謙譲の補助動詞で、会話文(または手紙)でのみ用いる。文法的には謙譲だが、訳す際は丁寧の「〜ております/〜ます」で取るのが定番。動作の対象を高めるよりも、聞き手に対する丁重さを表す。


Q25.現代語訳せよ。

殿、御文を賜ふ(四段)。

答え:「殿が、お手紙をお与えになる(くださる)」 解説:「賜ふ」四段=尊敬「お与えになる/くださる」。


Q26.現代語訳せよ。

我れ、御文を賜は

答え:「私が、お手紙をいただいた」 解説:「賜はる」(受身的・謙譲)。「いただく」。


Q27.現代語訳せよ。

帝、御覧じて仰せらる。

答え:「帝が、ご覧になっておっしゃる」 解説:「御覧ず」(尊敬)+「仰せらる」(尊敬二重)。


Q28.現代語訳せよ。

大臣、御位を奉らんとす。

答え:「大臣が、御位を差し上げよう(譲ろう)とする」 解説:「奉る」謙譲。受け手(高位の方)を敬う。


Q29.現代語訳せよ。

「いまやまかり出で侍りなむ」

答え:「いまや退出いたしましょう」 解説:「まかり出づ」謙譲(退出する)+「侍り」丁寧。


Q30.現代語訳せよ。

御前にさぶらふ人々、皆寝入りぬ。

答え:「御前に控えている人々は、皆寝入ってしまった」 解説:「さぶらふ」(候ふ)は謙譲(控える)。


Q31.現代語訳せよ。

中宮、御物語をいと愛でさせたまふ

答え:「中宮が、物語をたいそうおほめになる/お賞美になる」 解説:「させたまふ」二重敬語。


Q32.現代語訳せよ。

君、御覧ぜらるらむ。

答え:「君が、ご覧になっているだろう」 解説:「御覧ず」(尊敬)+「らる」(尊敬)。


Q33.現代語訳せよ。

承り侍りぬ」と申す。

答え:「『承りました(お受けいたしました)』と申し上げる」 解説:「承る」謙譲(受ける)+「侍り」丁寧+「申す」謙譲。


Q34.現代語訳せよ。

院、御僧の事聞こしめしけり。

答え:「院が、御僧のことをお聞きになった」 解説:「聞こしめす」尊敬(聞くの尊敬)。


Q35.現代語訳せよ。

我れ、御前に御文を聞こえつ。

答え:「私が、御前にお手紙を申し上げた」 解説:「聞こゆ」謙譲(「言ふ」の謙譲)。


Q36.現代語訳せよ。

「これ、御覧じ候へ

答え:「『これ、ご覧くださいませ』」 解説:「御覧ず」尊敬+「候へ」丁寧の命令形。


Q37.現代語訳せよ。

帝、御もてあそびの御物かし召したり。

答え:「帝が、お遊び道具を畏れ多くもお取り寄せになった」 解説:「召す」尊敬(呼ぶ・取り寄せる)。


Q38.現代語訳せよ。

「殿は今、御寝なる」

答え:「殿は今、お休みになっている」 解説:「御寝なる」尊敬(お休みになる)。「大殿籠る」と同義。


Q39.現代語訳せよ。

上、御遊びあそばす

答え:「上が、管弦のお遊びをなさる」 解説:「あそばす」尊敬(高貴な人の動作・特に遊芸)。


Q40.現代語訳せよ。

中宮、御梳らせたまふ

答え:「中宮が、御髪をお梳きになる」 解説:「せたまふ」二重敬語。


Q41.現代語訳せよ。

「君のおほせのこと承りて侍り」

答え:「『君のおおせのこと、承っております(お受けしております)』」 解説:「承る」謙譲+「侍り」丁寧。


Q42.現代語訳せよ。

帝、御物の怪に悩みたまふを、皇后いと心苦しと思しめす

答え:「帝が、物の怪にお悩みになるのを、皇后はたいそうお気の毒だとお思いになる」 解説:「たまふ」尊敬+「思しめす」尊敬(「思ふ」の尊敬)。


Q43.現代語訳せよ。

御使ひ、御物を奉り、退き出づ。

答え:「お使いが、お品を差し上げて、退出する」 解説:「奉る」謙譲+「て」接続。


Q44.現代語訳せよ。(会話文)

「我れ、君のために仕うまつり侍らばや」

答え:「『私が、君のためにお仕えしたいものでございます』」 解説:「仕うまつる」謙譲+「侍り」丁寧+「ばや」(願望)。


Q45.現代語訳せよ。

大納言、いとたけ高くおはす

答え:「大納言は、たいそう背がお高くいらっしゃる」 解説:「おはす」尊敬(あり・いるの尊敬)。


Q46.現代語訳せよ。

上、御覧じつけて、仰せらる。

答え:「上が、お見つけになって、おっしゃる」 解説:「御覧ず」尊敬+「仰せらる」二重尊敬。


Q47.現代語訳せよ。

「我が宿にまかりたりしに、人もなし」

答え:「『私の家に下って(退出して)行ったところ、人もいなかった』」 解説:「まかる」謙譲(参上・退出)。文脈で「下って行く」。


Q48.現代語訳せよ。

中宮、御湯召したり

答え:「中宮が、お風呂を召された(お入りになった)」 解説:「召す」尊敬(取り寄せる・利用なさる)。


Q49.現代語訳せよ。

院、御物を賜はたまふ

答え:「院が、御品をお与えになる(くださる)」 解説:「賜はす」(賜ふ+す尊敬)+「たまふ」尊敬。最高敬語の重ね。


Q50.現代語訳せよ。

畏まり侍り」と申す。

答え:「『かしこまりました』と申し上げる」 解説:「畏まる」(恐縮する)+「侍り」丁寧+「申す」謙譲。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

複合・係り結び・物語表現。


Q51.現代語訳せよ。

帝、御琴をあそばすを、中宮、御簾の内にて聞こしめす

答え:「帝が、お琴をお弾きになるのを、中宮が、御簾の内でお聞きになる」 解説:「あそばす」「聞こしめす」両方尊敬。


Q52.現代語訳せよ。

承り侍りて、いと心嬉しく思ひたまふる

答え:「『承りまして、たいそう嬉しく思っております』」 解説:「承る」謙譲+「侍り」丁寧+「たまふる」(下二段謙譲・会話文)。


Q53.現代語訳せよ。

御使ひ、まかりまうでて、御文を奉る

答え:「お使いが、退出参上して、お手紙を差し上げる」 解説:「まかり」謙譲+「まうづ」謙譲(参上)+「奉る」謙譲。


Q54.現代語訳せよ。

上、いと畏きにて、思しめしめぐらす

答え:「上は、たいそう畏れ多いお心で、お考えめぐらしになる」 解説:「思しめす」尊敬(思うの尊敬)。


Q55.現代語訳せよ。

御覧ぜさせたまへ

答え:「『ご覧くださいませ/ご覧になってください』」 解説:「御覧ず」尊敬+「させたまふ」二重尊敬の命令。


Q56.現代語訳せよ。

大臣、御位を奉らたまふ

答え:「大臣が、御位を差し上げなさる」 解説:「奉る」謙譲+「せたまふ」尊敬二重(動作主への敬意)。謙譲+尊敬の重複。


Q57.現代語訳せよ。

「我れも参り候はむ」

答え:「『私も参上いたしましょう』」 解説:「参る」謙譲+「候は」(候ふ未然)丁寧+「む」推量・意志。


Q58.現代語訳せよ。

帝、御物思はしげにおはしましける。

答え:「帝は、何か物思いをしていらっしゃる様子でいらっしゃった」 解説:「おはします」尊敬(おはすの強調形)。


Q59.現代語訳せよ。

中宮、ものおほせら

答え:「中宮は、ものもおっしゃらない」 解説:「仰せらる」二重尊敬+打消「ず」。


Q60.現代語訳せよ。

御使ひ、まかり帰り

答え:「お使いが、退出して帰ってしまった」 解説:「まかる」謙譲(退出)+完了「ぬ」。


Q61.現代語訳せよ。

「君は、いま御寝にて侍る

答え:「『君は、いまお休みでございます』」 解説:「御寝なり」尊敬+「侍る」丁寧。


Q62.現代語訳せよ。

帝、御召して、御にてあそばす

答え:「帝が、お琴をお取り寄せになって、御前でお弾きになる」 解説:「召す」尊敬(取り寄せる)+「あそばす」尊敬。


Q63.現代語訳せよ。

上、御心地いと苦し思しめすを、かしこく慰め奉る

答え:「上が、ご気分がたいそう苦しくお思いになるのを、畏れ多くもお慰め申し上げる」 解説:「思しめす」尊敬+「奉る」謙譲(補助動詞)。


Q64.現代語訳せよ。

御覧じつけて、笑またまふ

答え:「『お見つけになって、お笑いになる』」 解説:「御覧ず」尊敬+「せたまふ」二重尊敬。


Q65.現代語訳せよ。(会話文)

承り侍れば、いとかたじけなく思ひたまふる

答え:「『承りますと、たいそう恐れ多く思っております』」 解説:「承る」謙譲+「侍り」丁寧+「たまふる」謙譲(会話)。


Q66.現代語訳せよ。

院、御文を遣はす

答え:「院が、お手紙を遣わしになる(送りなさる)」 解説:「遣はす」尊敬(送るの尊敬)。


Q67.現代語訳せよ。

大納言、御前にさぶらひて、御物語申し上ぐる

答え:「大納言が、御前にお仕えして、お話を申し上げる」 解説:「さぶらふ」謙譲+「申し上ぐる」謙譲。


Q68.現代語訳せよ。

「いとかしこき御方なれば、畏まり侍る

答え:「『たいそう恐れ多いお方なので、かしこまっております』」 解説:「畏まる」+「侍る」丁寧。


Q69.現代語訳せよ。

中宮、御文御覧じて、いみじく愛でたまふ

答え:「中宮が、お手紙をご覧になって、たいそうおほめになる」 解説:「御覧ず」尊敬+「たまふ」尊敬補助。


Q70.現代語訳せよ。

まうでつ。仕うまつるべきこと侍らば」

答え:「『参上してまいりました。お仕え申し上げるべきことがございましたら…』」 解説:「まうで来」謙譲+「仕うまつる」謙譲+「侍ら」丁寧。


Q71.現代語訳せよ。

上、御物の怪にて、苦しまたまふを、皇后夜昼祈祷させたまふ

答え:「上が、物の怪のため、お苦しみになるのを、皇后が夜昼お祈祷をおさせになる」 解説:「せたまふ」二重尊敬(重複)。


Q72.現代語訳せよ。

御覧ぜさせ奉らばや」

答え:「『ご覧にいれたい(差し上げたい)ものだ』」 解説:「御覧ぜ」尊敬未然+「させ」使役+「奉ら」謙譲+「ばや」願望。


Q73.現代語訳せよ。

帝、かしこく動かしたまふ

答え:「帝は、たいそうお心をお動かしになる」 解説:「たまふ」尊敬(補助動詞)。


Q74.現代語訳せよ。

御物賜は侍りぬ」

答え:「『御品をいただきました』」 解説:「賜はる」(受身的謙譲)+「侍り」丁寧。


Q75.現代語訳せよ。

乳母、若君を抱き奉りて、まかり出づ

答え:「お乳母が、若君をお抱き申し上げて、退出する」 解説:「奉る」謙譲(補助動詞)+「まかり出づ」謙譲。


Q76.現代語訳せよ。

中宮、御簾のうちにて、ものを仰せらるを、聞こえ

答え:「中宮が、御簾の内で何かおっしゃるのを、よく聞き取れない(×聞こえる)」 解説:「聞こえず」は「聞ゆ」打消で「聞こえない」。「聞こゆ」謙譲との区別注意。


Q77.現代語訳せよ。

さやう仕うまつるべきやうにても侍らず」

答え:「『そのようにお仕え申し上げるべきわけでもございません』」 解説:「仕うまつる」謙譲+「侍り」丁寧。


Q78.現代語訳せよ。

帝、御湯召して、入らたまふ

答え:「帝が、お風呂をお取り寄せになって、お入りになる」 解説:「召す」尊敬+「せたまふ」二重尊敬。


Q79.現代語訳せよ。

院、御奉りて、所よりたまふ

答え:「院が、お召し物をお召しになって、御所からお出かけになる」 解説:「奉る」(衣服)尊敬+「させたまふ」二重尊敬。


Q80.現代語訳せよ。

まかり侍りて、承りたることを申し侍ら

答え:「『退出いたしまして、承ったことを申し上げましょう』」 解説:「まかる」謙譲+「侍り」丁寧+「承る」謙譲+「申す」謙譲。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

源氏物語・枕草子など難関大頻出箇所。


Q81.現代語訳せよ。(源氏物語・桐壺)

いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひたまひける中に…

答え:「どの帝の御代であったか、女御や更衣が多くお仕えしていらっしゃった中に」 解説:「候ふ」謙譲+「たまふ」尊敬。


Q82.現代語訳せよ。(源氏物語・桐壺)

いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

答え:「それほど高貴な身分ではない方で、格別に帝のご寵愛を受けていらっしゃる方がいた」 解説:「たまふ」尊敬。


Q83.現代語訳せよ。(源氏物語・桐壺)

はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方々、めざましきものにおとしめそねみたまふ

答え:「初めから自分こそはと自負していらっしゃるお方々は、(桐壺更衣を)目障りなものと見下し嫉妬なさる」 解説:「たまへる」「たまふ」尊敬補助動詞。


Q84.現代語訳せよ。(枕草子・第一段)

夏は夜。月の頃はさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛び違ひたる、また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし

答え:(敬語を含まない、参考問題) 解説:枕草子冒頭は敬語を含まない描写。識別の引っかけ。


Q85.現代語訳せよ。(枕草子・香炉峰の雪)

「少納言よ、香炉峰の雪、いかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はたまふ

答え:「『少納言よ、香炉峰の雪はどうだろう』とおっしゃるので、御格子を上げさせて、御簾を高く上げると、(中宮が)お笑いになる」 解説:「仰せらる」尊敬二重+「笑はせたまふ」尊敬二重。


Q86.現代語訳せよ。(源氏物語・若紫)

雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠の内に込めたりつるものを」とて、いと口惜しと思へ

答え:(謙譲・尊敬を含まない、参考問題) 解説:紫の上(若紫)の発言。敬語なし。


Q87.現代語訳せよ。(伊勢物語・東下り)

「これなむ都鳥」と言ふを聞きて、…と詠めりければ、舟こぞりて泣きけり

答え:「『これが都鳥だ』と(渡守が)言うのを聞いて、…と詠んだので、舟中こぞって泣いてしまった」 解説:敬語を含まない地の文。


Q88.現代語訳せよ。(土佐日記)

京に思ふ人なきにしもあらず。さる、便りごとに物も絶えず得しかど。

答え:(敬語を含まない、参考問題) 解説:土佐日記。敬語なし。


Q89.現代語訳せよ。(大鏡)

御年五十六にて隠れたまひしかば、御諡を村上の御門と申す

答え:「御年五十六でお亡くなりになったので、御諡号を村上の帝と申し上げる」 解説:「させたまふ」二重尊敬+「申す」謙譲。


Q90.現代語訳せよ。(大鏡)

入道殿、このことをいとねたく思しめしけり。

答え:「入道殿は、このことをたいそう悔しくお思いになった」 解説:「思しめす」尊敬(思うの尊敬)。


Q91.現代語訳せよ。(源氏物語・桐壺)

上達部、上人なども、あいなく目をそばめつつ、「いとまばゆき人の御おぼえなり。唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れあしかりけれ」と、…もてなやみぐさになりて、楊貴妃のためしも引き出でつべくなりゆく。

答え:(複雑な地の文。要約訳)「上達部や殿上人も、なんとなく目をそらしながら、『たいそう見ていられないほどの帝のご寵愛だ。唐土でも、こうした事の起こりに、世も乱れて困ったことだった』と、…困りものになって、楊貴妃の例も引き合いに出されそうな状態になっていく」 解説:「もて」(接頭・強調)。敬語は限定的。


Q92.現代語訳せよ。(源氏物語・桐壺)

はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方々、めざましきものにおとしめそねみたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、まして安からず。

答え:「初めから自分こそはと自負していらっしゃるお方々は、(桐壺更衣を)心外なものと見下し嫉妬なさる」(Q83と同様) 解説:「たまへる」「たまふ」尊敬。Q83と関連。


Q93.現代語訳せよ。(枕草子・第百四十六段)

御覧じたれ」とて、御ふみ奉る

答え:「『ご覧になりました』と言って、お手紙を差し上げる」 解説:「御覧ず」尊敬+「奉る」謙譲。


Q94.現代語訳せよ。(大鏡・道長)

太政大臣道長、御年六十二にておはしましけるが、いみじく盛り栄えたまひけり。

答え:「太政大臣道長は、御年六十二歳でいらっしゃったが、たいそう盛大にお栄えになっていた」 解説:「おはします」尊敬+「たまふ」尊敬。


Q95.現代語訳せよ。(源氏物語・夕顔)

「夕顔と申し侍る人を、申したり」

答え:「『夕顔と申しております人のことを、申し上げた』」 解説:「申し」謙譲+「侍る」丁寧+「申し」謙譲の三つの敬語が並ぶ。「申す」は「言ふ」の謙譲、「侍り」は丁寧の補助動詞。


Q96.現代語訳せよ。(源氏物語・夕顔)

心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる夕顔の花」とのみ申したりければ、…

答え:「『心あてに(あの方かと)それかと見るのです。白露の光が添えている夕顔の花を』とだけ申し上げたところ」 解説:「申す」謙譲。


Q97.現代語訳せよ。(徒然草・第五十二段)

仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心憂く覚えて、ある、思ひ立ちて、ただひとり、徒歩より詣でけり

答え:「仁和寺にいた法師が、年を取るまで石清水(八幡宮)を参拝していなかったので、残念に思って、ある時、思い立って、ただ一人、徒歩で参詣した」 解説:「詣で」謙譲。


Q98.現代語訳せよ。(更級日記)

あづま路の道のはてよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたる人、いかばかりかは怪しかりけむを、いかに思ひはじめけることにか、世の中に物語といふもののあなるを、いかで見ばやと思ひつつ、…

答え:(敬語を含まない、参考問題) 解説:更級日記冒頭。自分自身(菅原孝標女)の話なので敬語なし。


Q99.現代語訳せよ。(平家物語・敦盛最期)

「あらひ奉ら」と申しければ、…熊谷、「あはれ、弓矢取る身ほど口惜しかりける事はなし。…」とて、ふたたび取つ返し、…情けなきは、よろづにつけて苦し

答え:「『お助け申し上げよう』と申し上げると、…熊谷は『ああ、弓矢を取る身ほど辛いことはない…』と言って、再び引き返した」 解説:「奉る」謙譲+「申す」謙譲。


Q100.現代語訳せよ。(源氏物語・桐壺・冒頭の全体)

いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひたまひける中に、いとやむごとなきにはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方々、めざましきものにおとしめそねみたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、まして安からず。朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし恨みを負ふ積もり、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをも憚らたまはず、ためしにもなりぬべき御もてなしなり。

答え:「どの帝の御代であったか、女御や更衣がたくさんお仕えしていらっしゃった中に、それほど高貴な身分ではないが、とりわけご寵愛を受けていらっしゃる方がいた。初めから自分こそはと自負していらっしゃるお方々は、目障りなものと見下し嫉妬なさる。同じ身分、それより下位の更衣たちは、なおさら穏やかではない。朝夕の宮仕えにつけても、人の心ばかりを掻き乱し、恨みを買うことが重なったのか、たいそう病気がちになり、なんとなく心細げに実家に帰りがちなのを、いよいよ飽くことなく愛おしいものとお思いになって、人の非難をもおさし控えになることができず、世の語り草にもなってしまいそうなお扱いである」 解説:「候ひたまひける」謙譲+尊敬。「時めきたまふ」「思ひ上がりたまへる」「おとしめそねみたまふ」「思ほす」「え〜たまはず」など多重敬語の連続。源氏物語冒頭・最頻出。


入試レベル編 /20


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