古文「ね」の識別 100題ドリル|無料PDFと解答付き

古文「ね」識別ドリル アイキャッチ 古文ドリル

打消「ず」・完了「ぬ」・動詞活用を100問で見分ける

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A4・問題用は解答スペース付き/解答用は答えと解説

📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ

→ 解説記事「古文「ね」の識別」を読む

このドリルでわかること

はじめに:「ね」の正体(5パターン)

古文の「ね」には大きく 5種類 あります。「ぬ」とセットで覚えると識別がぐっと楽になります。

種類 接続/品詞 活用形 例
① 完了の助動詞「ぬ」 命令形「ね」 連用形接続 命令形 早く行きね(行ってしまえ)
② 下二段動詞の活用語尾「ね」(尋ぬ・重ぬ・寝(い)ぬ など) 動詞の一部 未然/連用 尋ねて(尋ねて)/寝(い)ねにけり(寝てしまった)
③ 打消の助動詞「ず」 已然形「ね」 未然形接続 已然形 知らねば(知らないので)
④ ナ変動詞「往ぬ」「死ぬ」 命令形 ナ変動詞 命令形 疾く往ね(早く行け)/死ね
⑤ 下二段動詞「寝(ぬ)」 未然形・連用形 下二段動詞 未然/連用 寝(ね)ば/寝(ね)にけり

※完了「ぬ」の活用は「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」で、已然形は「ぬれ」(行きぬれば=行ってしまったので)。完了「ぬ」に已然形「ね」はないので、「〜ねば」「〜ねど」の「ね」を完了と考えないこと。

識別の鉄則

識別の鉄則

  1. 直前の語の活用形を見る
  2. 連用形+「ね」→ 完了「ぬ」の命令形(完了「ぬ」の「ね」は命令形だけ)
  3. 未然形+「ね」→ 打消「ず」(已然形)
  4. 直後を見て命令形か已然形かを判別
  5. 文末(句点・終止)・「かし」の前 → 命令形「行きね。」(ただし上に係助詞「こそ」があれば、文末でもその結びの打消「ず」已然形「名こそ知らね。」)
  6. 「ば」「ど」「ども」が続く → 已然形 → 打消「ず」「知らねば」「知らねど」
  7. 「ねば」「ねど」の「ね」(助動詞)はいつも打消
  8. 完了「ぬ」の已然形は 「ぬれ」(行きぬれば=行ってしまったので)。完了「ぬ」に已然形「ね」はない
  9. 例:「知らねば」(知らないので)/「来ねば」は「こねば」と読み打消(来ないので)。「来てしまったので」なら「来(き)ぬれば」
  10. ナ変命令形は「往ね」「死ね」の形で出る(一語動詞の語尾)
  11. 下二段「寝(ぬ)」は「ね」が 未然形・連用形 に当たる。「眠る」の意で文意が通れば下二段
  12. ほかの下二段動詞(尋ぬ・重ぬ・寝(い)ぬ など)の未然形・連用形の語尾にも「ね」がある(尋ねて・寝(い)ねにけり)。動詞の一部なので助動詞と間違えない。「尋ねば」(尋ねるならば)のように未然形+「ば」なら仮定

最初の20問はこの5パターンの基礎、後半に進むにつれて 「ね」の前後にさらに助動詞・係助詞が絡む応用問題、 さらに難関大の実戦問題へとレベルが上がります。


上の「識別の鉄則」は、文法の理屈にそって見分ける手順。
こちらは 試験本番で3秒で答えを出す ための実戦テクニックです。

コツ① 「ね」を見たら まず直後の1文字 を見る

  • 直後が 句点(。)or 終わり(「かし」も同じ)→ 命令形 → 完了「ぬ」命令形 or ナ変命令形(ただし上に係助詞「こそ」があれば、その結びの打消「ず」已然形)
  • 直後が 「ば/ど/ども」 → 已然形 → 打消「ず」已然形(完了「ぬ」の已然形は「ぬれ」なので、ここには来ない)
  • これで 「命令形の『ね』(完了「ぬ」・ナ変)」と「已然形の『ね』(打消「ず」)」 に二分される。動詞「寝(ね)」や下二段動詞の語尾の「ね」は、コツ④で見分ける。

コツ② 「〜ねば」「〜ねど」と来たら 打消 で即決

  • 前がア段(知らねば/言はねば)→ 未然形+ね → 打消「ず」
  • 前がイ段・エ段・オ段(起きねば/出でねば/来〔こ〕ねば)でも 打消「ず」。上二段・下二段・カ変などの未然形がその音になるだけ。完了なら「起きぬれば」「出でぬれば」になる
  • 例外は「ね」が動詞の一部のときだけ(寝(ね)ば=眠るならば/尋ねば=尋ねるならば。未然形+「ば」=仮定)。

コツ③ 「往ね」「死ね」が見えたら それだけで終了

  • 「往ぬ」「死ぬ」はナ変。「往ね」「死ね」は 一語の動詞の命令形。
  • 前後の活用判定はいらない。形を見た瞬間に答えを書く。

コツ④ 「寝(ね)にけり/寝(ね)て」は下二段「寝」

  • 「眠る」の意味で訳せて、直後が「にけり/て/たり」など連用形接続 → 下二段「寝(ぬ)」連用形「ね」。
  • 文意で「眠る」が通るかどうかを確認する。
  • 「寝ね」と書いてあれば、ふつう「いね」と読む下二段「寝(い)ぬ」(眠る)。傍線の「ね」はその語尾(寝(い)ねにけり=寝てしまった)。「寝(ね)ねば」と読みがあれば、後ろの「ね」は打消「ず」(眠らないので)。
  • 「尋ねて」「重ねて」など、ほかの下二段動詞の語尾の「ね」も動詞の一部(助動詞ではない)。

試験本番でのチェック順序

  1. 「往ね」「死ね」かどうか見る(YES → ナ変命令で終了)
  2. 「ね」が動詞の一部かどうか見る(寝(ね)・寝(い)ね・尋ね など → 下二段動詞の未然形・連用形)
  3. 直後を見る(「ば/ど/ども」が続く、または上の「こそ」の結び → 已然形 → 打消「ず」)
  4. 文末・「かし」・引用の「と」の前で、上が連用形 → 完了「ぬ」命令形

→ この順番で 3秒 で答えが出ます。

よくある引っかけ

  • 「来ねば」を「き+ね+ば」と読んで完了にしてしまう → 完了「ぬ」に已然形「ね」はない。「こねば」と読み、打消(来ないので)。「来てしまったので」なら「来(き)ぬれば」
  • 「出でねば」は「出づ」が下二段で未然形・連用形同形。でも「ねば」の「ね」は打消なので、「出で」は未然形と決まる(出ないので)
  • 「寝(ね)」を「ね」だけで判別しようとして失敗する → 必ず文意「眠る」を確認する
  • 文末の「ね」をすぐ命令形と決めてしまう → 上に「こそ」があれば結びの打消「ず」已然形(色こそ見えね)

🎯 解き方のコツ(時短テクニック)

問題(Q1〜Q100)

ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。

【第1部】基礎編(Q1〜Q20)

5パターン(完了命令・下二段動詞の語尾・打消已然・ナ変命令・下二段「寝」)をただ識別する基本問題。


Q1.次の傍線部「ね」を識別せよ。

早く行きね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「行き」は四段「行く」の連用形。連用形+「ね」、文末で命令の意 → 完了「ぬ」命令形。「早く行ってしまえ」の意。


Q2.次の傍線部「ね」を識別せよ。

知らねば、答へず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」は四段「知る」の未然形。未然形+「ね」+「ば」 → 打消已然形。「ば」は已然形接続で「〜なので」の意。「知らないので、答えない」の訳。


Q3.次の傍線部「ね」を識別せよ。

月出でねば、暗し。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「出で」は下二段「出づ」の未然形(連用形と同形)。直後「ば」で已然形と確定。「ねば」の「ね」は打消「ず」の已然形(完了「ぬ」なら已然形は「ぬれ」で「出でぬれば」になる)なので、「出で」はここでは未然形。「月が出ないので暗い」。


Q4.次の傍線部「ね」を識別せよ。

疾く往ね。

答え:ナ変動詞「往ぬ」命令形「往ね」 解説:「往ぬ」(ナ行変格活用、意味は「立ち去る・行く」)の命令形「往ね」。「疾く」は副詞「速く」の意。「早く立ち去れ」の命令。


Q5.次の傍線部「ね」を識別せよ。

知る人の家を尋ねて行く。

答え:下二段動詞「尋ぬ」連用形「尋ね」の活用語尾 解説:「尋ね」は下二段「尋ぬ」(たづぬ)の連用形で、傍線の「ね」はその活用語尾(動詞の一部)。下の「て」は連用形に付く接続助詞。「知人の家を訪ねて行く」。下二段「尋ぬ」の活用:尋ね・尋ね・尋ぬ・尋ぬる・尋ぬれ・尋ねよ。 ※ 助動詞の「ね」ではない。「ね」の前で切らず、一語の動詞として見る。


Q6.次の傍線部「ね」を識別せよ。

静かに寝(ね)にけり。

答え:下二段動詞「寝(ぬ)」連用形「ね」 解説:直後「にけり」は連用形接続の助動詞「ぬ」連用形「に」+ 過去「けり」。「ね」自体が下二段「寝(ぬ)」の連用形。「静かに眠ってしまった」の意。


Q7.次の傍線部「ね」を識別せよ。

言はねば、知らず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「言は」は四段「言ふ」の未然形。「言わないので、知らない」。


Q8.次の傍線部「ね」を識別せよ。

早く帰りね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「帰り」は四段「帰る」の連用形。文末で命令。「早く帰ってしまえ」。


Q9.次の傍線部「ね」を識別せよ。

死ねと言ふ。

答え:ナ変動詞「死ぬ」命令形「死ね」 解説:「死ぬ」(ナ行変格活用)の命令形は「死ね」。「死ねと言う」の意。古文では命令形が会話に登場する例がある。


Q10.次の傍線部「ね」を識別せよ。

思はねど、口に出す。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「思は」は四段「思ふ」の未然形。「ど」は已然形接続の逆接「〜けれども」。「思っていないけれども、口に出す」。


Q11.次の傍線部「ね」を識別せよ。

春来(こ)ねば、花咲かず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:カ変「来」未然形「こ」+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ば」(順接確定=〜ので)。「春が来ないので、花が咲かない」。「来ねば」はいつも「こねば」と読み、打消(完了「ぬ」に已然形「ね」はなく、「来てしまったので」なら「来(き)ぬれば」)。


Q12.次の傍線部「ね」を識別せよ。

行かねば、ここに居る。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「行か」は四段「行く」の未然形。「行かないので、ここにいる」。


Q13.次の傍線部「ね」を識別せよ。

露置きね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「置き」は四段「置く」の連用形。文末・命令。「露が降りてしまえ」(願望的命令)。


Q14.次の傍線部「ね」を識別せよ。

我れ寝(ね)ねば、夢を見ず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「寝(ね)」は下二段「寝(ぬ)」の未然形。傍線の「ね」はその下に付いた打消「ず」の已然形で、+接続助詞「ば」(已然形+ば=〜ので)。「私は眠らないので、夢を見ない」。下二段「寝(ぬ)」の活用:ね・ね・ぬ・ぬる・ぬれ・ねよ(未然形・連用形は同じ「ね」)。動詞「寝」そのものが「ね」なので、その後ろの「ね」は助動詞。


Q15.次の傍線部「ね」を識別せよ。

人に待たれねば、急がず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「待たれ」は四段「待つ」未然形「待た」+受身の助動詞「る」未然形「れ」。その下に未然形接続の打消「ず」已然形「ね」+「ば」(〜ので)。「れ」は未然形と連用形が同じ形だが、「ねば」の「ね」は打消なので未然形と決まる。「人に待たれていない(待っている人もいない)ので、急がない」。


Q16.次の傍線部「ね」を識別せよ。

御供仕うまつりね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「仕うまつり」は四段「仕うまつる」の連用形。命令形「ね」で「お供してしまえ/お供せよ」の意。


Q17.次の傍線部「ね」を識別せよ。

月隠れねば、なほ明し。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:下二段「隠る」未然形「隠れ」+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ば」(順接確定)。「月が隠れないので、なお明るい」。下二段の未然形と連用形は同形「隠れ」だが、「ねば」の「ね」は打消なので、ここは未然形(完了なら「隠れぬれば」)。


Q18.次の傍線部「ね」を識別せよ。

物言はねども、目に物言ふ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「言は」は四段未然形。「ども」は已然形接続の逆接。「口では物を言わないけれども、目で物を言う」。


Q19.次の傍線部「ね」を識別せよ。

寝(い)ねにけり。

答え:下二段動詞「寝(い)ぬ」連用形「寝(い)ね」の活用語尾 解説:「寝ね」は「いね」と読み、下二段「寝(い)ぬ」(眠る)の連用形。傍線の「ね」はその活用語尾。+完了「ぬ」連用形「に」+過去「けり」。「眠ってしまった」の意。下の「に」は連用形に付く完了「ぬ」なので、「寝(い)ね」は連用形と確定。下二段「寝(い)ぬ」の活用:いね・いね・いぬ・いぬる・いぬれ・いねよ(Q6の「寝(ね)」とは別の動詞)。


Q20.次の傍線部「ね」を識別せよ。

知りね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「知り」は四段「知る」連用形。文末・命令で「知ってしまえ/知れ」の意。


基礎編 /20


【第2部】標準編(Q21〜Q50)

「ね」の後に別の助動詞・係助詞が続くパターン、ナ変動詞、下二段「寝」の活用、係り結び絡みを増やします。


Q21.次の傍線部「ね」を識別せよ。

雨止まねば、行かず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「止ま」は四段「止む」(やむ)の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(〜ので)。「雨が止まないので、行かない」。「雨が降ってしまったので」と言うなら、完了「ぬ」の已然形「ぬれ」を使って「雨降りぬれば」になる(「降りねば」という形はない)。


Q22.次の傍線部「ね」を識別せよ。

来ねかし。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「来(き)」カ変連用形。終助詞「かし」(念を押す)の前で命令形。「来てしまえよ」。


Q23.次の傍線部「ね」を識別せよ。

知らねど、答ふ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」未然形+打消已然形+逆接「ど」。「知らないけれども、答える」。


Q24.次の傍線部「ね」を識別せよ。

死ねよ。

答え:ナ変動詞「死ぬ」命令形「死ね」 解説:「死ね」一語で命令形。下に終助詞「よ」が付いて命令を強める。


Q25.次の傍線部「ね」を識別せよ。

よく寝(い)ねたればこそ、心地よけれ。

答え:下二段動詞「寝(い)ぬ」連用形「寝(い)ね」の活用語尾 解説:「寝ね」は「いね」と読み、下二段「寝(い)ぬ」(眠る)の連用形。傍線の「ね」はその活用語尾。下の「たれ」は連用形に付く完了「たり」の已然形で、+「ば」(〜ので)+係助詞「こそ」。結びは形容詞「心地よし」の已然形「心地よけれ」(こそ〜已然形の係り結び)。「よく眠ったからこそ、気分がよいのだ」。「たり」は連用形に付くので、「寝(い)ね」は連用形。


Q26.次の傍線部「ね」を識別せよ。

急ぎ往ね。

答え:ナ変動詞「往ぬ」命令形「往ね」 解説:「往ぬ」(ナ変、立ち去る)の命令形。「急いで立ち去れ」。


Q27.次の傍線部「ね」を識別せよ。

思はねばこそ、口に出さね。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「思は」未然形+打消已然形「ね」+「ばこそ」(強調確定)。「思わないからこそ、口に出さないのだ」。文末「ね」も同じく打消已然(係助詞「こそ」の結び)。


Q28.次の傍線部「ね」を識別せよ。

人来(こ)ねば、独りなり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:カ変「来」未然形「こ」+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ば」(順接確定)。「人が来ないので、独りである」。


Q29.次の傍線部「ね」を識別せよ。

問へど答へねば、いと怒れり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:下二段「答ふ」未然形「答へ」+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ば」(順接確定)。「尋ねたけれど答えないので、ひどく怒った」。


Q30.次の傍線部「ね」を識別せよ。

死ねかし。

答え:ナ変動詞「死ぬ」命令形「死ね」 解説:「死ね」+念押しの終助詞「かし」。古文の罵り表現。


Q31.次の傍線部「な」を識別せよ。

我れ帰りなばや、と思ふ。

答え:完了の助動詞「ぬ」未然形「な」(「ね」ではない引っかけ) 解説:四段「帰る」連用形「帰り」+完了「ぬ」未然形「な」+終助詞「ばや」(自己の願望「〜したい」)。「私は帰ってしまいたい、と思う」。完了「ぬ」の活用:な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね。「な」と「ね」を取り違えやすい引っかけ。 ※ 願望なら「帰りなばや」と未然形「な」を使うのが古文の正格。


Q32.次の傍線部「ね」を識別せよ。

寝(ね)ねばこそ夢見ね。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「寝(ね)」は下二段「寝(ぬ)」の未然形。傍線の「ね」は打消「ず」已然形+「ばこそ」(〜からこそ)。文末の「見ね」の「ね」も打消「ず」已然形(係助詞「こそ」の結び)。「眠らないからこそ、夢を見ないのだ」。


Q33.次の傍線部「ぬ」を識別せよ。

あらはさぬこと。

答え:打消の助動詞「ず」連体形「ぬ」 解説:四段「あらはす」未然形「あらはさ」+打消「ず」連体形「ぬ」+体言「こと」。「表に出さないこと」。体言の前なので連体形「ぬ」(已然形「ね」と混同しない)。


Q34.次の傍線部「ね」を識別せよ。

早く立ちね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「立ち」は四段「立つ」連用形。命令で「早く立ってしまえ/立ち去ってしまえ」。


Q35.次の傍線部「ね」を識別せよ。

物言はねばこそ、奥ゆかしけれ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「言は」は四段「言ふ」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ば」(〜ので)+係助詞「こそ」。下の結び「奥ゆかしけれ」は形容詞「奥ゆかし」已然形=係り結び。「物を言わないからこそ、(もっと知りたいと)心ひかれるのだ」。「言はねこそ」とはふつう言わない(「こそ」は已然形にじかには付かない)。


Q36.次の傍線部「ね」を識別せよ。

夏はいまだ来(こ)ねど、いと暑し。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「来(こ)」はカ変「来」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ど」(逆接=〜けれども)。「夏はまだ来ないけれども、とても暑い」。「来ねど」も「こねど」と読み、打消(完了「ぬ」なら已然形は「ぬれ」で「来(き)ぬれど」)。


Q37.次の傍線部「ね」を識別せよ。

その名こそ知らね。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」は四段「知る」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」。上の係助詞「こそ」の結びなので、已然形で文が終わる。文末の「ね」でも、上に「こそ」があり前が未然形なら、命令形ではなく打消。「その名前(だけ)は知らないのだ」。詠嘆の終助詞「な」は終止形に付くので、已然形「ね」の下には付かない。


Q38.次の傍線部「ね」を識別せよ。

我行かねばこそ、事なかりけれ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「行か」は四段「行く」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ばこそ」(〜からこそ)。結びは「事なかりけれ」(形容詞「事なし」連用形+過去「けり」已然形)で、こそ〜已然形の係り結び。「私が行かなかったからこそ、何事もなかったのだ」。


Q39.次の傍線部「ね」を識別せよ。

梅の花、はや咲きねかし。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「咲き」は四段「咲く」の連用形。連用形+完了「ぬ」命令形「ね」+念押しの終助詞「かし」。「梅の花よ、早く咲いてくれよ」。


Q40.次の傍線部「ね」を識別せよ。

寝(ね)たり。

答え:下二段動詞「寝(ぬ)」連用形「ね」 解説:傍線は動詞「寝(ね)」そのもの。直後「たり」は連用形接続の存続・完了。「寝(ね)」は下二段「寝(ぬ)」の連用形。「眠っている」の意。


Q41.次の傍線部「ね」を識別せよ。

物食はねば、痩す。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「食は」は四段「食ふ」未然形。「食べないので、痩せる」。


Q42.次の傍線部「ぬれ」を識別せよ。

死ぬれども蘇る。

答え:ナ変動詞「死ぬ」已然形「ぬれ」 解説:ナ変「死ぬ」已然形「死ぬれ」+接続助詞「ども」(逆接確定=〜けれども)。「死ぬけれども蘇る」。ナ変活用:な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね。已然形は「ぬれ」で「ね」(命令形)と混同しないこと。


Q43.次の傍線部「ね」を識別せよ。

子の帰らねば、母、門に出でて待つ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「帰ら」は四段「帰る」未然形+打消已然形+「ば」(原因)。「子が帰らないので、母は門に出て待つ」。


Q44.次の傍線部「ね」を識別せよ。

急ぎ来ね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「来(き)」カ変連用形+命令形「ね」。「急いで来てしまえ」。


Q45.次の傍線部「ぬ」を識別せよ。

思ふこと、人に言はぬにしもあらず。

答え:打消の助動詞「ず」連体形「ぬ」 解説:四段「言ふ」未然形「言は」+打消「ず」連体形「ぬ」+断定「なり」連用形「に」(連体形に付く)+強めの「しも」(副助詞「し」+係助詞「も」)+「あらず」。「〜にしもあらず」で「〜ないわけでもない」。「思っていることを、人に言わないわけでもない」。徒然草第八十五段の「偽りなきにしもあらず」と同じ形。断定「なり」は連体形に付くので、「ぬ」は連体形。


Q46.次の傍線部「ね」を識別せよ。

寝(ね)ば、恋しき人の夢に見えむ。

答え:下二段動詞「寝(ぬ)」未然形「ね」 解説:傍線は動詞「寝(ね)」そのもの。下二段「寝(ぬ)」の未然形「ね」+接続助詞「ば」(未然形+ば=仮定「もし〜ならば」)。「眠ったならば、恋しい人が夢に現れるだろう」。「ねば」の形でも、「ね」が動詞「寝」そのものなら打消ではない(打消なら「寝(ね)ねば」)。


Q47.次の傍線部「ね」を識別せよ。

御前にとく参りねかし。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「参り」は四段「参る」(謙譲語)の連用形。連用形+完了「ぬ」命令形「ね」+念押しの終助詞「かし」。「(貴人の)御前に早く参上してしまえよ」。


Q48.次の傍線部「ね」を識別せよ。

知らねばや。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」未然形+打消已然形+接続助詞「ば」+係助詞「や」(疑問)。「知らないからか」「知らないので?」。


Q49.次の傍線部「ね」を識別せよ。

舟を出ださねば、なほ浦にとどまる。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「出ださ」は四段「出だす」(いだす)の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「舟を出さないので、まだ浦にとどまっている」。


Q50.次の傍線部「ね」を識別せよ。

急ぎ立ちねかし。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「立ち」連用形+命令形+念押し「かし」。「急いで立ち去ってしまえよ」。


標準編 /30


【第3部】応用編(Q51〜Q80)

「ね」の前後に複数の助動詞、敬語、和歌、係り結び、引用構文が絡む応用問題。 助動詞の接続表と活用表をしっかり頭に入れたうえで取り組んでください。


Q51.次の傍線部「ね」を識別せよ。

風吹かねば、波立たず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「吹か」未然形+打消已然形+「ば」(原因)。「風が吹かないので、波が立たない」。


Q52.次の傍線部「ね」を識別せよ。

雪消えねば、なほ冬のここちす。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「消え」は下二段「消ゆ」の未然形(連用形と同じ形)。「ねば」の「ね」は打消「ず」の已然形なので、ここは未然形(完了なら「消えぬれば」)。「雪が消えないので、まだ冬のような気がする」。


Q53.次の傍線部「ぬれ」を識別せよ。

春来(き)ぬれば、花咲く。

答え:完了の助動詞「ぬ」已然形「ぬれ」 解説:「来(き)」はカ変「来」の連用形。連用形+完了「ぬ」已然形「ぬれ」+「ば」(原因)。「春が来たので、花が咲く」。完了「ぬ」の活用は な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね で、已然形は「ぬれ」。「春来ねば」なら「こねば」と読み、打消(Q11「春が来ないので」)。


Q54.次の傍線部「ね」を識別せよ。

衣を重ねて着れど、なほ寒し。

答え:下二段動詞「重ぬ」連用形「重ね」の活用語尾 解説:「重ね」は下二段「重ぬ」(かさぬ)の連用形で、傍線の「ね」はその活用語尾(動詞の一部)。下の「て」は連用形に付く接続助詞。「着れど」は上一段「着る」已然形+逆接「ど」。「衣を重ねて着るけれども、やはり寒い」。


Q55.次の傍線部「ね」を識別せよ。

我が思ふこと言はねど、知らる。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「言は」未然形+打消已然形+逆接「ど」。「私が思うことを口に出さないけれども、(相手に)知られる」。


Q56.次の傍線部「ね」を識別せよ。

帰りねかし、と思ふ。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:引用「と」の前で命令形「ね」+念押し「かし」。「帰ってしまえよ、と思う」。


Q57.次の傍線部「ね」を識別せよ。

あらはならねば、人知らず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「あらはなら」は形容動詞「あらはなり」(ナリ活用)の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(〜ので)。「(事が)表に現れていないので、人は知らない」。語幹「あらは」に直接「ず」は付かない(「あらはならず」「あらはならねば」の形になる)。


Q58.次の傍線部「ね」を識別せよ。

我が心を知らねばや、人のかく恨むらむ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」未然形+打消已然形+「ば」+係助詞「や」(疑問)。結びは推量「らむ」の連体形(や〜連体形の係り結び)。「私の心を知らないからであろうか、あの人はこのように恨んでいるのだろう」。


Q59.次の傍線部「ね」を識別せよ。

早く起きね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「起き」は上二段「起く」連用形+命令形「ね」。「早く起きてしまえ」。


Q60.次の傍線部「ね」を識別せよ。

寝(ね)ましかば、ほととぎすの声をば聞かざらまし。

答え:下二段動詞「寝(ぬ)」未然形「ね」 解説:傍線は動詞「寝(ね)」そのもの。下二段「寝(ぬ)」の未然形「ね」+反実仮想の助動詞「まし」の未然形「ましか」+「ば」。「ましかば〜まし」で「もし〜だったら、〜だっただろうに」。「もし眠っていたら、ほととぎすの声を聞かなかっただろう(起きていたので聞けた)」。「まし」は未然形に付くので、「寝(ね)」は未然形。


Q61.次の傍線部「ね」を識別せよ。

口にこそ言はね、心には深く思ひけり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「言は」は四段「言ふ」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」。上の係助詞「こそ」の結びが已然形「ね」で、そこで文が終わらず下へ続くので、逆接(〜けれども)の意味になる。「口にこそ出さないけれども、心では深く思っていた」。


Q62.次の傍線部「ね」を識別せよ。

月待たねども、出でぬ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「待た」未然形+打消已然形+逆接「ども」。「月が出るのを待たないけれども、(月は)出てしまった」。


Q63.次の傍線部「ね」を識別せよ。

道を人に尋ねば、教へてむ。

答え:下二段動詞「尋ぬ」未然形「尋ね」の活用語尾 解説:「尋ね」は下二段「尋ぬ」の未然形で、傍線の「ね」はその活用語尾(動詞の一部)。未然形+「ば」=仮定(もし〜ならば)。下の「てむ」は完了「つ」未然形+推量「む」(きっと〜だろう)。「もし道を人に尋ねたら、きっと教えてくれるだろう」。 ポイント:「〜ねば」の形でも、「ね」が下二段動詞の語尾なら打消ではない。打消なら「尋ね」+「ね」+「ば」で「尋ねねば」(尋ねないので)になる。


Q64.次の傍線部「ね」を識別せよ。

雨止みぬ。いざ出でね。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「出で」は下二段「出づ」の連用形(未然形と同じ形)。文末の「ね」は命令形で、命令形「ね」があるのは完了「ぬ」(打消「ず」に命令形「ね」はない)。連用形+完了「ぬ」命令形「ね」。「雨は止んだ。さあ、出かけてしまえ」。Q3「月出でねば」(下に「ば」が付く已然形=打消)と見分ける。前の「止みぬ」の「ぬ」は完了「ぬ」の終止形。


Q65.次の傍線部「ね」を識別せよ。

思ひ寄らねば、答へず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「思ひ寄ら」は四段「思ひ寄る」未然形+打消已然形+「ば」。「思いつかないので、答えられない」。


Q66.次の傍線部「ね」を識別せよ。

いざ往ね。

答え:ナ変動詞「往ぬ」命令形「往ね」 解説:「いざ」は誘う・促す副詞「さあ」。「さあ、行け/立ち去れ」。


Q67.次の傍線部「ね」を識別せよ。

悲しさのあまり、物も言はれねば、ただ泣きけり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「言はれ」は四段「言ふ」未然形「言は」+可能の助動詞「る」未然形「れ」(打消と組んで「〜できない」)。+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「悲しさのあまり、何も言うことができないので、ただ泣いた」。「れ」は未然形・連用形が同じ形だが、「ねば」の「ね」は打消なので未然形。


Q68.次の傍線部「ね」を識別せよ。

霜置かねばこそ、菊の色も移ろはね。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「置か」は四段「置く」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ばこそ」(〜からこそ)。結びの「移ろはね」(四段「移ろふ」未然形+打消「ず」已然形)も打消の「ね」で、こその結び。「霜が降りないからこそ、菊の色も変わらないのだ」。


Q69.次の傍線部「ね」を識別せよ。

憂きことは、みな忘れねかし。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「忘れ」は下二段「忘る」の連用形(未然形と同じ形)。下に念押しの終助詞「かし」があるので「ね」は命令形=完了「ぬ」命令形(打消「ず」に命令形「ね」はない)。「つらいことは、みな忘れてしまえよ」。


Q70.次の傍線部「ね」を識別せよ。

心慰めねば、悲しさ消えず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「慰め」は下二段「慰む」未然形+打消已然+「ば」(原因)。「心を慰めないので(気晴らしをしないので)、悲しさが消えない」。


Q71.次の傍線部「ね」を識別せよ。

夜もすがら寝(ね)ねばこそ、月見つれ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「寝(ね)」は下二段「寝(ぬ)」の未然形。傍線の「ね」はその下の打消「ず」已然形+「ばこそ」(〜からこそ)。下の「つれ」(完了「つ」已然形)は係助詞「こそ」の結び。「一晩中眠らなかったからこそ、月を見たのだ」。


Q72.次の傍線部「ね」を識別せよ。

物食はねど、太れり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「食は」未然形+打消已然+逆接「ど」。「食べないけれども、太っている」。


Q73.次の傍線部「ね」を識別せよ。

早く帰りねかし、と母言ふ。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「帰り」連用形+命令形+「かし」。引用「と」の前。「早く帰ってしまえよ、と母が言う」。


Q74.次の傍線部「ね」を識別せよ。

寝(い)ねぬる人。

答え:下二段動詞「寝(い)ぬ」連用形「寝(い)ね」の活用語尾 解説:「寝ね」は「いね」と読み、下二段「寝(い)ぬ」の連用形(傍線の「ね」はその活用語尾)。+完了「ぬ」連体形「ぬる」+体言「人」。「寝てしまった人」。「ぬる」は連用形に付く完了「ぬ」なので、「寝(い)ね」は連用形。


Q75.次の傍線部「ね」を識別せよ。

思はねば、口に出さず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「思は」未然形+打消已然+「ば」(原因)。「思わないので、口に出さない」。


Q76.次の傍線部「ね」を識別せよ。

「いづちへも往ね」とぞ言ひける。

答え:ナ変動詞「往ぬ」命令形「往ね」 解説:「往ね」はナ変「往ぬ」の命令形(傍線の「ね」はその活用語尾)+「と」(引用)。下の「ぞ…ける」は係り結び(「ける」は過去「けり」の連体形)。「『どこへでも行ってしまえ』と言った」。


Q77.次の傍線部「ね」を識別せよ。

身はあてならねど、心ばへはいとよし。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「あてなら」は形容動詞「あてなり」(ナリ活用・高貴だ)の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+逆接「ど」。「身分は高くないけれども、気立てはとてもよい」。形容動詞は語幹(あて・あらは)に直接「ず」が付かず、未然形「〜なら」に付く。


Q78.次の傍線部「ね」を識別せよ。

人に見えぬ先に、急ぎ往ねかし。

答え:ナ変動詞「往ぬ」命令形「往ね」 解説:「往ね」はナ変「往ぬ」の命令形+念押しの終助詞「かし」。前の「見えぬ」の「ぬ」は打消「ず」の連体形(下二段「見ゆ」未然形「見え」+「ぬ」+体言「先」)。「人に見られないうちに、急いで立ち去れよ」。


Q79.次の傍線部「ね」を識別せよ。

日ごろ雨降らねば、川の水もいと少なし。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「降ら」は四段「降る」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「ここ数日雨が降らないので、川の水もとても少ない」。「雨が降ったので」なら「雨降りぬれば」(完了「ぬ」已然形「ぬれ」)。


Q80.次の傍線部「ね」を識別せよ。

寝(い)ねばや、と思へど、寝られず。

答え:下二段動詞「寝(い)ぬ」未然形「寝(い)ね」の活用語尾 解説:「寝ね」は「いね」と読み、下二段「寝(い)ぬ」の未然形(傍線の「ね」はその活用語尾)。+終助詞「ばや」(自分の願望、未然形接続)。「眠りたい、と思うけれども、眠れない」。「ばや」が 未然形接続 であることに注意。後ろの「寝られず」は下二段「寝(ぬ)」未然形「ね」+可能の助動詞「らる」未然形「られ」+打消「ず」。


応用編 /30


【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)

実際の大学入試(共通テスト・難関私大・国公立二次)レベル。 文章中の傍線部「ね」を識別し、必要に応じて全体の意味も解釈してください。


Q81.次の傍線部「ぬ」を識別せよ。

ありがたきもの。舅にほめらるる婿。また、姑に思はるる嫁の君。毛のよく抜くる銀の毛抜き。主そしらぬ従者。

答え:打消の助動詞「ず」連体形「ぬ」 解説:四段「そしる」未然形「そしら」+打消「ず」連体形「ぬ」+体言「従者」。「主人を悪く言わない従者」。枕草子「ありがたきもの」の段より。体言の前なので連体形。


Q82.次の傍線部「ね」を識別せよ。

宵より待てど君の来ねば、なほ待つ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「来ねば」は「こねば」と読む。カ変「来」の未然形「こ」+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(〜ので)。「宵から待っているけれど、あなたが来ないので、なお待つ」。 ポイント:完了「ぬ」に已然形「ね」はないので、「き+ね+ば」とは読めない(「来てしまったので」なら「来(き)ぬれば」)。読みがなくても「来ねば」「来ねど」は「こね」と読む。


Q83.次の傍線部「ぬ」を識別せよ。

花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れこめて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し。

答え:打消の助動詞「ず」連体形「ぬ」 解説:四段「知る」未然形「知ら」+打消「ず」連体形「ぬ」(準体的用法)+係助詞「も」。徒然草第137段の有名な一節。「家にこもって春の行く先を知らないでいることも、やはりしみじみと情趣深い」。準体用法の前なので連体形。


Q84.次の傍線部「ね」を識別せよ。

名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと(伊勢物語)――鳥はもの言はねば、いとど都の人ぞ恋しかりけむ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「言は」は四段「言ふ」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「(歌で問いかけても)鳥は物を言わないので、いっそう都の人が恋しかったのだろう」。下の「ぞ…けむ」は係り結び(「けむ」は過去推量の連体形)。和歌は伊勢物語(東下り)の本文どおりで、「――」の後は解説の文(作り文)。


Q85.次の傍線部「ね」を識別せよ。

もの隔てて聞けば、宮の御方より、御文奉り給ふ。「いとあやしき御使ひかな。早く帰りねかし。」と仰せらる。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「帰り」連用形+命令形+「かし」(念押し)。「早く帰ってしまえよ」とお命じになる。宮中の人物が使いの者に命じる場面。


Q86.次の傍線部「ね」を識別せよ。

風吹けば沖つしらなみたつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ――この歌は、伊勢物語にもみえ、人々よく知れども、その心知らねばこそ、ただ風雅とのみ思ふらめ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」未然形+打消已然+「ばこそ」(強調確定)。「その(歌に込められた)心を知らないからこそ、ただ風雅とばかり思っているのだろう」。


Q87.次の傍線部「ね」を識別せよ。

夜半にひそかに往ねと仰せられければ、御簾の内よりしのびて出でぬ。

答え:ナ変動詞「往ぬ」命令形「往ね」 解説:引用「と」の前で命令形「往ね」。「夜中にひそかに立ち去れ、とお命じになったので、御簾の中からこっそり出てしまった」。


Q88.次の傍線部「ね」を識別せよ。

心のうちに思ふことども、人に知られねばこそ、なほ深く悩むなれ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知られ」(四段未然「知ら」+受身「る」未然形「れ」。打消「ず」は未然形に付く)+打消已然+「ばこそ」。「人に知られないからこそ、なお深く悩むのだ」。


Q89.次の傍線部「ね」を識別せよ。

我もまたかかる病にかからむことを知らねば、人ごととばかり思ひゐたるなり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」未然形+打消已然+「ば」(原因)。「私もまたこのような病にかかるであろうことを知らないので、(病気を)他人事とばかり思っているのだ」。


Q90.次の傍線部「ね」を識別せよ。

人々は皆寝(い)ねぬれど、我ひとり寝(ね)ねば、虫の音のみぞ聞こゆる。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:傍線の前の「寝(ね)」は下二段「寝(ぬ)」の未然形。傍線の「ね」はその下に付いた打消「ず」已然形+「ば」(〜ので)。前半の「寝(い)ねぬれど」は下二段「寝(い)ぬ」連用形「寝(い)ね」+完了「ぬ」已然形「ぬれ」+逆接「ど」。「人々は皆寝てしまったけれど、私ひとりは眠らないので、虫の声ばかりが聞こえる」。下の「ぞ…聞こゆる」は係り結び(連体形)。


Q91.次の傍線部「ね」を識別せよ。

内裏より召しありければ、御供仕うまつりねと命じ給ふ。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「仕うまつり」連用形+命令形「ね」。「お供してしまえ/お供せよ」とお命じになる。


Q92.次の傍線部「ね」を識別せよ。

月の出でぬ夜は、なほさうざうし。隈なき月のかげに照らされねば、人の心の奥も見えず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「照らされ」(四段「照らす」未然+受身「る」未然形「れ」。打消「ず」は未然形に付く)+打消已然+「ば」(原因)。「くまない月の光に照らされないので、人の心の奥も見えない」。


Q93.次の傍線部「ね」を識別せよ。

早く立ちね、と道行く人を急がし給ふ。

答え:完了の助動詞「ぬ」命令形「ね」 解説:「立ち」連用形+命令形+引用「と」。「早く立ち去ってしまえ、と道行く人をせかしなさる」。


Q94.次の傍線部「ね」を識別せよ。

我が宿は道もなきまで荒れにけりつれなき人を待つとせし間に――心ある人にあらねば、この歌のかなしさも深くは感ぜず。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「に」は断定「なり」の連用形、「あら」はラ変「あり」未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ば」(已然形+ば。ここは「〜と、いつも」の恒常条件)。「(ものの情趣がわかる)心ある人でないと、この歌の悲しさも深くは感じない」。和歌は古今集の僧正遍昭の歌(本文どおり)で、「――」の後は解説の文(作り文)。


Q95.次の傍線部「ね」を識別せよ。

いみじき宿世の人にしあらねば、かかる目にも遭はぬなり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「あら」(ラ変未然)+打消已然+「ば」(原因)。「並々ならぬ宿縁の人ではないので、このような目にも遭わないのだ」。


Q96.次の傍線部「ね」を識別せよ。

よろづのことを人に任せて、自ら見ねばこそ、かく事も乱るれ。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「見」は上一段「見る」の未然形(連用形と同じ形)。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ばこそ」(〜からこそ)。結びは下二段「乱る」の已然形「乱るれ」(こその結び)。「何事も人に任せて、自分で見ないからこそ、このように物事も乱れるのだ」。「見」は未然形・連用形が同じ形だが、「ねば」の「ね」は打消なので未然形。


Q97.次の傍線部「ね」を識別せよ。

笛の音絶えねば、人々なほ起きゐたり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「絶え」は下二段「絶ゆ」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「笛の音が絶えないので、人々はまだ起きていた」。 ※ 「絶え」は形の上では連用形とも同じだが、「ねば」の「ね」は打消なので未然形と決まる(完了「ぬ」なら「絶えぬれば」)。


Q98.次の傍線部「ね」を識別せよ。

春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる(古今和歌集)

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「見え」下二段「見ゆ」未然形(連用形と同形)+打消已然「ね」。上の係助詞「こそ」の結びが已然形「ね」で、文が下に続くので逆接(〜けれども)になる。後半の「香やはかくるる」は別の係助詞「やは」による結びで、「かくるる」(下二段「隠る」連体形)は「やは」を受けた連体形結び。「色は見えないけれども、香りはどうして隠れるだろうか、いや隠れない」の意。古今集の有名な歌。


Q99.次の傍線部「ね」を識別せよ。

山里を過ぐるに、「住む人のあらねばこそ、かくは荒れたれ」と見ゆる家あり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:ラ変「あり」未然形「あら」+打消「ず」已然形「ね」+接続助詞「ば」+係助詞「こそ」。結びは「荒れたれ」(下二段「荒る」連用形「荒れ」+存続「たり」已然形「たれ」)。「山里を通り過ぎると、『住む人がいないからこそ、こんなにも荒れているのだ』と見える家がある」。係り結び「こそ〜已然形」を含む問題。


Q100.次の傍線部「ね」を識別せよ。

世に語り伝ふること、まことはあいなきにや、多くは皆虚言なり。(徒然草)――されど、その道を知らねば、人は聞くままにまことと思ふなり。

答え:打消の助動詞「ず」已然形「ね」 解説:「知ら」は四段「知る」の未然形。未然形+打消「ず」已然形「ね」+「ば」(原因)。「しかし、その道(専門の分野)を知らないので、人は聞いたままに本当だと思うのだ」。前の文は徒然草第七十三段の書き出し(本文どおり)で、「――」の後は解説の文(作り文)。


入試レベル /20


合計 /100


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