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結論:「基礎は終わった人」が難関に挑む前の助走に使う一冊
この本は、ひとことで言うと文法・単語・読解の基礎が一通り終わった人が、難関大の過去問に入る前の「助走」に使う上級問題集です。シリーズはレベル1(文法)からレベル6(難関編)まであり、本書はその5番目。立ち位置としては「有名私大・上位国公立大レベル」で、いちばん上の難関編の一歩手前にあたります。つまり最初の一冊ではなく、土台ができた人がワンランク上の文章に慣れるための本だと考えてください。
基本情報
| 書名 | 古文レベル別問題集5 上級編 |
|---|---|
| 出版社 | ナガセ(東進ブックス) |
| 著者 | 富井健二 |
| シリーズ | 東進ブックス 古文レベル別問題集 |
| ページ数 | 約232ページ(解説編 約160ページ+問題編 約72ページ) |
| 定価 | 1,100円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 難関私大・難関国公立(上級) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(基礎が固まった人の「実戦の橋渡し」に最適) |
この本の特徴(中身)
中身は「問題編」と「解説編」に分かれた二部構成です。先に問題を解き、あとから分厚い解説でじっくり復習する形になっています。いちばんの特徴は、本文を一語一語すべて品詞分解した全文解釈が4色フルカラーで載っていること。「なぜここがこう訳せるのか」が単語レベルで追えるので、答え合わせが答えの○×だけで終わりません。さらに本文の朗読音声が用意されていて(誌面の2次元コードをスマホで読み取って再生)、目だけでなく耳からも古文のリズムに慣れられます。掲載文章は実際の入試問題を分析して選ばれており、上級者向けに歯ごたえのある文章がそろっています。
👍 良い点
- 全文の品詞分解つき解説で、独学でも「なぜそう訳すか」が一語ずつ確認できる。先生に質問できない環境でも、自分で原因をつぶしていける丁寧さがある。
- 朗読音声つきで耳から古文に慣れられる。難しい文章ほど黙読だと切れ目を見失いがちだが、音で区切りをつかむと長文を読む体力がつく。
- 1冊が薄めで挫折しにくい。レベルを絞って良問を厳選しているため、過去問に入る前の「総仕上げ」として短期間で一周しやすい。
🤔 気になる点
- 最初の一冊にはまったく向かない。文法や基礎単語が固まっていない段階で手を出すと、解説の前提知識が足りず消化不良になる。レベル1〜3を飛ばすのは禁物。
- 解説が詳しい分、文字量が多い。フルカラーで見やすくはあるが、答え合わせに時間がかかる。さらっと数をこなしたい人には重く感じられる。
- 収録題数は多くない。あくまで橋渡し用なので、この一冊だけで難関大の演習量が足りるわけではない。仕上げは別途、志望校の過去問が必要になる。
合う人・合わない人
合う人:文法・古文単語をひととおり終え、共通テストレベルの古文は読めるが、有名私大や国公立の過去問になると手が止まる人。独学で、解説を読み込んで自力で復習したいタイプの人。
合わない人:まだ助動詞や敬語など基礎文法が不安な人、古文単語をほとんど覚えていない人。いきなりこの本から始めると難しすぎます。その場合はシリーズの下のレベルや、文法・単語の基礎本から戻るのが近道です。
『大学入試 全レベル問題集 古文』との違い
同じレベル別シリーズでは旺文社の『大学入試 全レベル問題集 古文』が定番のライバルです。あちらは1冊あたりの価格が手ごろで問題演習量を確保しやすく、複数の文章でとにかく数をこなしたい人向き。一方この東進版は、全文を品詞分解したフルカラー解説と朗読音声で「1題を深く復習する」のが強みです。たくさん解いて場数を踏みたいなら旺文社、1題ずつ丁寧に読み込んで弱点を完全につぶしたいなら東進、という使い分けがしやすいです。両方を併用し、東進で読み方を固めてから旺文社で量をこなす、という流れも有効です。
おすすめの使い方
- まず時間を計って問題を解き、自己採点する。間違いだけでなく『なんとなく訳せた箇所』にも印をつけておく。
- 解説編の全文解釈で、印をつけた箇所を一語ずつ品詞分解と照らし合わせ、訳の根拠を確認する。曖昧だった文法・単語はその場でノートにまとめる。
- 最後に朗読音声を聞きながら本文を音読し、すらすら読めるまで繰り返す。1題を2〜3周してから次の題へ進む。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★☆ |
| 総合 | ★★★☆☆(難関の手前を固める助走に優秀。初学者には重い) |
塾長としての総合評価は「基礎が終わった人にとっては、過去問への橋渡しとして信頼できる一冊」です。全文の品詞分解と朗読音声という独学向きの仕掛けがそろっており、解説の丁寧さは価格以上。ただし対象がはっきり上級者向けに絞られているため、誰にでも勧められる本ではありません。レベルさえ合っていれば、復習のしかた次第でしっかり実力が伸びる良書です。
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まとめ
『古文レベル別問題集5 上級編』は、基礎を終えた受験生が難関大の過去問に入る前の「最後の助走」に向いた一冊です。全文解釈と朗読音声で1題を深く復習できるのが魅力で、独学の人ほど恩恵が大きいでしょう。逆に、まだ文法や単語が不安な人はこの本の前にやることがあります。自分が今どの段階にいるか分からないという人は、当サイトの無料の古文文法・単語まとめドリルで土台を確認してから、本書に進むのがおすすめです。



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