本動詞(差し上げる)・補助動詞(〜申し上げる)・尊敬(お召しになる等)を100問で見分ける
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📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ
このドリルでわかること
はじめに:「奉る」の正体(3用法)
古文の「奉る」は、直前が体言か連用形か、そして体言ならだれが何をする場面か(貴人に物を差し出すのか、貴人が自分で着る・乗る・食べるのか)を見れば見分けられます。基本は謙譲語ですが、貴人が自分で衣服を着る・乗り物に乗る・飲食物を食べる(飲む)場面では尊敬語になります。
| 用法 | 接続・条件 | 訳 | 例 |
|---|---|---|---|
| ① 本動詞・謙譲 | 体言(貴人に差し出す物)+奉る | 差し上げる/献上する | 歌奉る |
| ② 補助動詞・謙譲 | 連用形+奉る | 〜申し上げる | 思ひ奉る |
| ③ 本動詞・尊敬 | 貴人が自分で着る・乗る・食べる(飲む)場面の、衣服・乗り物・飲食物+奉る | お召しになる/お乗りになる/召し上がる | 宮、御衣奉りて出で給ふ |
識別の鉄則
識別の鉄則
- 直前が動詞の連用形(見・思ひ など)→ 補助動詞・謙譲「〜申し上げる」。
- 直前が体言で、貴人に差し出す物(歌・文 など)→ 本動詞・謙譲「差し上げる」。衣服・乗り物・飲食物でも、貴人に差し出す場面ならこれ(宮に御衣を奉る)。
- 直前が体言で、貴人が自分で衣服を着る・乗り物に乗る・飲食物を食べる(飲む)場面(御衣・御車に・御薬 など)→ 本動詞・尊敬「お召しになる/お乗りになる/召し上がる」。主語(だれが着る・乗る・食べるか)を確かめる。
- 「奉る」は基本「謙譲」。貴人が着る・乗る・食ふ(飲む)場面だけ尊敬、と覚える。
- 敬意の方向は、謙譲の「奉る」なら動作の受け手(差し上げる相手・〜申し上げる相手)へ、尊敬の「奉る」なら動作の主体(着る・乗る・食べる人)へ。
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
🎯 解き方のコツ(試験本番ですばやく)
コツ① まず直前が連用形か体言か
- 連用形+奉る(見奉る・思ひ奉る)→ 補助動詞「〜申し上げる」。
- 体言+奉る → 本動詞。次に「貴人に差し出すのか・貴人が自分で着る/乗る/食べるのか」で訳を決める。
コツ② 体言なら「差し出す」のか「貴人が着る・乗る・食べる」のか
- ふつうの物(歌・文・贈り物)→「差し上げる」(謙譲)。
- 衣服・乗り物・飲食物は主語を見る。貴人が自分で着る(御衣)→「お召しになる」、乗る(御車に)→「お乗りになる」、食べる・飲む(御薬)→「召し上がる」(いずれも尊敬)。
- 衣服・乗り物・飲食物でも、貴人に差し出す(「宮に御衣を奉る」「院に御馬を奉る」)なら「差し上げる」(謙譲)。
コツ③ 「奉る」は原則謙譲、貴人が着る・乗る・食ふときだけ尊敬
- 迷ったら謙譲(差し上げる/〜申し上げる)。
- 「お召しになる・お乗りになる・召し上がる」と訳すのは、貴人が自分で衣服を着る・乗り物に乗る・飲食物を食べる(飲む)場面だけ。
よくある引っかけ
- 「奉り給ふ」は謙譲「奉る」(受け手への敬意)+尊敬「給ふ」(主体への敬意)で、二方面(二方向)の敬語。二重敬語(「せ給ふ」など、同じ人への尊敬を重ねたもの)ではない。
- 「御衣」「御車」「御薬」があっても、すぐ前が連用形(着せ・乗せ・すすめ など)なら補助動詞の謙譲(御衣着せ奉る=お着せ申し上げる)。
- 「参る」(行くの謙譲=参上)と「奉る」(与ふの謙譲=差し上げる)の重点の違い。
- 敬意の方向は、謙譲の「奉る」なら動作の受け手、尊敬の「奉る」(着る・乗る・食ふ)なら動作の主体。いつも受け手とはかぎらない。
問題(Q1〜Q100)
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【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
本動詞(差し上げる)・補助動詞(〜申し上げる)・尊敬(お召しになる等)を見分ける。
Q1.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
歌奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「歌」は体言(差し出す物)。本動詞で「与ふ」の謙譲=「歌を差し上げる」。謙譲。
Q2.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
思ひ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「思ひ」は四段「思ふ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お思い申し上げる」。謙譲。
Q3.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
文奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「文」は体言(差し出す物)。本動詞で「お手紙を差し上げる」。謙譲。
Q4.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
宮、御衣(おんぞ)奉りて、月を見給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「宮」(貴人)。「御衣」は衣服で、宮が自分で着て月を見る場面(差し上げる相手はいない)。「着る」の尊敬=「お召し物をお召しになって、月をご覧になる」。尊敬。
Q5.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
待ち奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「待ち」は四段「待つ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お待ち申し上げる」。謙譲。
Q6.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
姫君、御車(みくるま)に奉る。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お乗りになる) 解説:主語は「姫君」(貴人)。「御車に」と乗り物に「に」がつき、姫君が自分で乗る場面。「乗る」の尊敬=「お車にお乗りになる」。尊敬。
Q7.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
贈り物奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「贈り物」は体言(差し出す物)。本動詞で「贈り物を差し上げる(献上する)」。謙譲。
Q8.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
見奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「見」は上一段「見る」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「拝見する(見申し上げる)」。謙譲。
Q9.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
宮、御薬(くすり)奉りて、臥し給ひぬ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「宮」(貴人)。宮が自分で薬を飲んで横になる場面。「飲む」の尊敬=「お薬を召し上がって、横におなりになった」。尊敬。
Q10.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
薫物(たきもの)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「薫物」は体言(差し出す物=練り香)。本動詞で「薫物(練り香)を差し上げる」。謙譲。
Q11.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
頼み奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「頼み」は四段「頼む」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お頼り申し上げる」。謙譲。
Q12.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
姫君、紅(くれなゐ)の御袴(はかま)奉りて、ゐ給へり。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「姫君」(貴人)。姫君が自分で袴を着けて座っている場面。「着る」の尊敬=「紅のお袴をお召しになって、座っていらっしゃる」。尊敬。
Q13.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
花奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「花」は体言(差し出す物)。本動詞で「花を差し上げる」。謙譲。
Q14.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
迎へ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「迎へ」は下二段「迎ふ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お迎え申し上げる」。謙譲。
Q15.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
院、御舟(ふね)に奉る。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お乗りになる) 解説:主語は「院」(貴人)。「御舟に」と乗り物に「に」がつき、院が自分で乗る場面。「乗る」の尊敬=「お舟にお乗りになる」。尊敬。
Q16.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御返り奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御返り」は体言(差し出す物=返事)。本動詞で「お返事を差し上げる」。謙譲。
Q17.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
送り奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「送り」は四段「送る」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お送り申し上げる」。謙譲。
Q18.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
神に御酒(みき)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「神に」と差し上げる相手があり、「御酒」は差し出す物。本動詞で「神にお酒を差し上げる」。謙譲。(飲食物でも、自分が飲むのではなく差し出す場面なので尊敬ではない。)
Q19.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
殿、御狩衣(かりぎぬ)奉りて、野に出で給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「殿」(貴人)。「御狩衣」は衣服で、殿が自分で着て野に出かける場面。「着る」の尊敬=「狩衣をお召しになって、野にお出かけになる」。尊敬。
Q20.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
数珠(ずず)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「数珠」は体言(差し出す物)。本動詞で「数珠を差し上げる」。謙譲。
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
体言か連用形か、貴人に差し出すのか貴人が自分で着る・乗る・食べるのかを確実に見分ける。
Q21.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御消息(せうそこ)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御消息」は体言(手紙・便り)。本動詞で「お便りを差し上げる」。謙譲。
Q22.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
慰め奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「慰め」は下二段「慰む」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お慰め申し上げる」。謙譲。
Q23.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
寒き夜なれば、宮は御衣(おんぞ)かさねて奉る。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「宮」(貴人)。寒い夜なので、宮が自分でお召し物を重ねて着る場面。「着る」の尊敬=「寒い夜なので、宮はお召し物を重ねてお召しになる」。「かさねて」の「て」の後なので本動詞。尊敬。
Q24.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御琴(こと)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御琴」は体言(差し出す物=楽器)。本動詞で「お琴を差し上げる」。謙譲。
Q25.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
知り奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「知り」は四段「知る」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「存じ上げる」。謙譲。
Q26.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
上(うへ)、御湯(ゆ)少し奉りて、大殿籠(おほとのごも)りぬ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「上」(貴人)。上が自分でお湯を少し飲んでお休みになる場面。「飲む」の尊敬=「お湯を少し召し上がって、お休みになった」(「大殿籠る」は「寝」の尊敬)。尊敬。
Q27.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御鏡(かがみ)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御鏡」は体言(差し出す物)。本動詞で「お鏡を差し上げる」。謙譲。
Q28.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
守り奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「守り」は四段「守る」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お守り申し上げる」。謙譲。
Q29.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
院は、御直衣(なほし)奉りて、端(はし)近くおはします。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「院」(貴人)。院が自分で直衣を着て、端近く(縁側の近く)にいらっしゃる場面。「着る」の尊敬=「直衣をお召しになって、端近くにいらっしゃる」。尊敬。
Q30.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御文を書きて奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「書きて」の後、物(御文)を差し出す本動詞。「お手紙を書いて差し上げる」。謙譲。
Q31.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
大将、御馬(むま)に奉りて、急ぎ給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お乗りになる) 解説:主語は「大将」(貴人)。「御馬に」と乗り物に「に」がつき、大将が自分で馬に乗る場面。「乗る」の尊敬=「お馬にお乗りになって、お急ぎになる」。尊敬。
Q32.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御覧ぜさせ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「御覧ぜさせ」は連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お見せ申し上げる」。謙譲。
Q33.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
殿、御酒(みき)あまた奉りて、酔ひ給ひぬ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「殿」(貴人)。殿が自分でお酒をたくさん飲んで酔う場面。「飲む」の尊敬=「お酒をたくさん召し上がって、お酔いになった」。尊敬。
Q34.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
玉(たま)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「玉」は体言(差し出す物)。本動詞で「玉を差し上げる」。謙譲。
Q35.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
助け奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「助け」は下二段「助く」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お助け申し上げる」。謙譲。
Q36.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御扇(あふぎ)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御扇」は体言(差し出す物)。本動詞で「お扇を差し上げる」。謙譲。(扇は手に持つ物で、着用の衣服ではないため謙譲。)
Q37.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
殿、御装束(さうぞく)奉りて、内裏(うち)へ参り給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「殿」(貴人)。「御装束」は衣服(正装)で、殿が自分で着て宮中へ参上する場面。「着る」の尊敬=「ご装束をお召しになって、宮中へ参上なさる」。尊敬。
Q38.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御文を見せ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「見せ」は下二段「見す」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お見せ申し上げる」。謙譲。
Q39.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
帝、御膳(おもの)少し奉りて、夜(よる)の御殿(おとど)に入らせ給ひぬ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「帝」。帝が自分でお食事を少し食べて、ご寝所にお入りになる場面。「食ふ」の尊敬=「お食事を少し召し上がって、夜の御殿(ご寝所)にお入りになった」。尊敬。
Q40.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御土産(つと)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御土産」は体言(差し出す物)。本動詞で「お土産を差し上げる」。謙譲。
Q41.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
恋ひ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「恋ひ」は上二段「恋ふ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お慕い申し上げる」。謙譲。
Q42.次の傍線部「奉れ」を識別せよ。
宮は、鈍色(にびいろ)の御衣(おんぞ)奉れり。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「宮」(貴人)。宮が着ている姿を述べる文。「奉れ」は四段の已然形(命令形とする説もある)で、下の「り」は存続。「着る」の尊敬=「宮は、鈍色(喪の色)のお召し物をお召しになっている」。尊敬。
Q43.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御硯(すずり)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御硯」は体言(差し出す物)。本動詞で「お硯を差し上げる」。謙譲。(着る・乗る・食べる物ではないので尊敬ではない。)
Q44.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
いつき奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「いつき」は四段「いつく」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「大切にお世話申し上げる」。謙譲。
Q45.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
若君、御果物(くだもの)奉りて、「いとあまし」とのたまふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「若君」(貴人の子)。若君が自分で果物を食べて「とても甘い」と言う場面。「食ふ」の尊敬=「果物を召し上がって、『とても甘い』とおっしゃる」。尊敬。
Q46.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御經(きやう)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御經」は体言(差し出す物・奉納する物)。本動詞で「お経を差し上げる(奉納する)」。謙譲。
Q47.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
慕ひ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「慕ひ」は四段「慕ふ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お慕い申し上げる」。謙譲。
Q48.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
大臣(おとど)、紫の御指貫(さしぬき)奉りて、歩み出で給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「大臣」(貴人)。「御指貫」は衣服(袴の一種)で、大臣が自分で着て歩み出る場面。「着る」の尊敬=「紫の指貫をお召しになって、歩み出なさる」。尊敬。
Q49.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御琵琶(びは)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御琵琶」は体言(差し出す物=楽器)。本動詞で「お琵琶を差し上げる」。謙譲。
Q50.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
殿、御湯漬(ゆづけ)奉りて、急ぎ出で給ひぬ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「殿」(貴人)。殿が自分で湯漬けを食べてから急いで出かける場面。「食ふ」の尊敬=「お湯漬けを召し上がって、急いでお出かけになった」。尊敬。
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
二方面の敬語「奉り給ふ」、衣服・乗り物・飲食物の尊敬と謙譲、紛らわしい文脈を見分ける。
Q51.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
御文を奉り給ふ。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「奉り」連用形、直前「御文を」(物)で本動詞「差し上げる」。後ろの「給ふ」は尊敬。謙譲「奉る」は手紙を受け取る人への敬意、尊敬「給ふ」は手紙を出す人(主語)への敬意で、二方面(二方向)の敬語。「お手紙を差し上げなさる」。
Q52.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御衣(おんぞ)着せ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「着せ」は下二段「着す」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お召し物をお着せ申し上げる」。衣服(御衣)があっても、直前が連用形なので尊敬ではなく補助動詞の謙譲。
Q53.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
春宮(とうぐう)に太刀(たち)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「春宮に」と差し上げる相手があり、「太刀」は差し出す物。本動詞で「春宮に太刀を差し上げる(献上する)」。謙譲。
Q54.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御粥(かゆ)すすめ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「すすめ」は下二段「すすむ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お粥をおすすめ申し上げる」。飲食物(御粥)があっても、直前が連用形なので尊敬ではなく補助動詞の謙譲。
Q55.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御車に乗せ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「乗せ」は下二段「乗す」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お車にお乗せ申し上げる」。乗せる主語は話し手側なので謙譲。
Q56.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
暑き日なれば、宮は御単衣(ひとへ)ばかり奉りて、臥し給へり。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「宮」(貴人)。暑い日なので、宮が単衣だけを着て横になっている場面。「着る」の尊敬=「暑い日なので、宮は単衣だけをお召しになって、横になっていらっしゃる」。尊敬。
Q57.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御調度(てうど)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御調度」は体言(道具類=差し出す物)。本動詞で「お道具を差し上げる」。謙譲。
Q58.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
思ひ奉り給ふ。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「奉り」は連用形「思ひ」の後で補助動詞「〜申し上げる」。後ろの「給ふ」は尊敬。謙譲「奉る」は思われる相手への敬意、尊敬「給ふ」は主語への敬意で、二方面(二方向)の敬語。「お思い申し上げなさる」。
Q59.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
雨降れば、宮は御車(みくるま)に奉りて帰り給ひぬ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お乗りになる) 解説:主語は「宮」(貴人)。「御車に」と乗り物に「に」がつき、宮が自分で車に乗って帰る場面。「乗る」の尊敬=「雨が降るので、宮はお車にお乗りになってお帰りになった」。尊敬。
Q60.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
宮を隠し奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「隠し」は四段「隠す」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「宮をお隠し申し上げる」。謙譲。
Q61.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御衣(おんぞ)を縫ひて奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「縫ひて」の後、物(御衣)を差し出す本動詞。「お召し物を縫って差し上げる」。着る動作ではないので謙譲。
Q62.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
仏を供養し奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「供養し」はサ変「供養す」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「仏をご供養申し上げる」。謙譲(仏への敬意)。
Q63.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
姫君、椿餅(つばいもちひ)など少し奉りて、絵など御覧ず。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「姫君」(貴人)。姫君が自分で椿餅を少し食べて、絵をご覧になる場面。「食ふ」の尊敬=「椿餅などを少し召し上がって、絵などをご覧になる」。尊敬。
Q64.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御琴を教へ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「教へ」は下二段「教ふ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お教え申し上げる」。謙譲。
Q65.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
砂金(さきん)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「砂金」は体言(差し出す物)。本動詞で「砂金を差し上げる(献上する)」。謙譲。
Q66.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
女御(にようご)、御小袿(こうちき)奉りて、御簾(みす)のうちにおはします。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「女御」(貴人)。女御が自分で小袿を着て、御簾の中にいらっしゃる場面。「着る」の尊敬=「小袿をお召しになって、御簾の内にいらっしゃる」。尊敬。
Q67.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御文持ちて奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「持ちて」の後、物(御文)を差し出す本動詞。「お手紙を持って差し上げる」。謙譲。
Q68.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
仕へ奉りけり。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「仕へ」は下二段「仕ふ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お仕え申し上げた」。謙譲。
Q69.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御衾(ふすま)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御衾」は寝具(かける物)。本動詞で「お夜具を差し上げる」。着用物でないので謙譲。
Q70.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
帝、御輿(みこし)に奉りて、出でさせ給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お乗りになる) 解説:主語は「帝」。「御輿に」と乗り物に「に」がつき、帝が自分で輿に乗ってお出かけになる場面。「乗る」の尊敬=「御輿にお乗りになって、お出かけになる」。尊敬。
Q71.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
帝をいさめ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「いさめ」は下二段「いさむ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「帝をお諫め申し上げる」。謙譲。
Q72.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御櫛(くし)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御櫛」は体言(差し出す物)。本動詞で「お櫛を差し上げる」。謙譲。
Q73.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
姫君、萌黄(もえぎ)の御袿(うちき)奉りて、琴(こと)弾き給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「姫君」(貴人)。姫君が自分で袿を着て琴を弾く場面。「着る」の尊敬=「萌黄色の袿をお召しになって、琴をお弾きになる」。尊敬。
Q74.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御杖(つゑ)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御杖」は体言(差し出す物)。本動詞で「お杖を差し上げる」。謙譲。(手に持つ物で着用物ではないため謙譲。)
Q75.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
姫君をいみじうかしづき奉りて。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「かしづき」は四段「かしづく」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「姫君をたいそう大切にお育て申し上げて」。謙譲。
Q76.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
院、御湯(ゆ)など奉りて、御物語せさせ給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「院」(貴人)。院が自分でお湯などを飲んで、お話をなさる場面。「飲む」の尊敬=「お湯などを召し上がって、お話をなさる」。尊敬。
Q77.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
黄金(こがね)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「黄金」は体言(差し出す物)。本動詞で「黄金を差し上げる(献上する)」。謙譲。
Q78.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
大将、御直垂(ひたたれ)奉りて、馬に乗り給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語は「大将」(貴人)。大将が自分で直垂を着て馬に乗る場面。「着る」の尊敬=「直垂をお召しになって、馬にお乗りになる」。尊敬。
Q79.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
若宮を抱(いだ)き奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「抱き」は四段「抱く」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「若宮をお抱き申し上げる」。謙譲。
Q80.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御屏風(びやうぶ)奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:直前「御屏風」は体言(差し出す物=調度)。本動詞で「御屏風を差し上げる」。着る・乗る・食べる物ではないので謙譲。
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
文脈・対象を総合して、本動詞(差し上げる)・補助動詞・尊敬を判別する。
Q81.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
帝に琴を奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:差し出す物「琴を」が直前。本動詞で「帝にお琴を差し上げる」。謙譲。
Q82.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
上、御衣(おんぞ)奉りて出でさせ給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:主語「上」(帝)、対象「御衣」(衣服)。「着る」の尊敬=「お召し物をお召しになって」。尊敬。
Q83.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
后に文を奉り給ふ。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「奉り」連用形、直前「文を」(物)で本動詞「差し上げる」。「給ふ」は尊敬。謙譲「奉る」は后(受け手)への敬意、尊敬「給ふ」は手紙を出す人(主語)への敬意で、二方面(二方向)の敬語。「后にお手紙を差し上げなさる」。
Q84.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
あけくれ思ひ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「思ひ」は四段連用形。連用形+奉るで補助動詞。「明け暮れお思い申し上げる」。謙譲。
Q85.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御冠(かうぶり)し、御袍(はう)奉る。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:直前「御袍」は衣服(正装の上着)。「着る」の尊敬=「お袍をお召しになる」。尊敬。
Q86.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御念誦の数珠を奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:差し出す物「数珠を」が直前。本動詞で「お念誦の数珠を差し上げる」。謙譲。
Q87.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
いとほしと見奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「見」は上一段「見る」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「気の毒だと拝見する」。謙譲。
Q88.次の傍線部「奉れ」を識別せよ。
壺なる御薬(みくすり)奉れ。きたなき所の物きこしめしたれば、御心地悪しからむものぞ。(竹取物語)
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:天人がかぐや姫に言う言葉。続く「きこしめし(=召し上がっ)たれば、御心地悪しからむ」から、かぐや姫に薬を飲ませる場面とわかる。「奉れ」は四段の命令形で、「飲む」の尊敬=「壺のお薬を召し上がれ。汚れた所(人間の世界)の物を召し上がったので、ご気分が悪いでしょう」。尊敬。
Q89.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
院に御馬(むま)を奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:「院に」と差し上げる相手があり、「御馬を」は差し出す物。本動詞で「院にお馬を差し上げる(献上する)」。乗り物でも、自分が乗るのではなく差し出す場面なので謙譲(「御馬に奉る」=お乗りになる、と区別)。
Q90.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
御供に仕へ奉りけり。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「仕へ」は下二段連用形。連用形+奉るで補助動詞。「お供としてお仕え申し上げた」。謙譲。
Q91.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御前に花を奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:差し出す物「花を」が直前。本動詞で「御前に花を差し上げる」。謙譲。
Q92.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
宮、御くだもの少し奉りなどして、起き居(ゐ)給へり。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「宮」(貴人)。宮が自分で果物を少し食べなどして、起きて座っている場面。「食ふ」の尊敬=「果物を少し召し上がったりして、起きて座っていらっしゃる」。尊敬。
Q93.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
幼き宮を御馬(むま)に乗せ奉りて、口を取りて行く。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「乗せ」は下二段「乗す」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「幼い宮をお馬にお乗せ申し上げて、(馬の)口を取って行く」。乗せるのは宮に仕える人で謙譲(宮が自分で乗る尊敬の「御馬に奉る」とは違う)。
Q94.次の傍線部「奉れ」を識別せよ。
白き御衣(おんぞ)奉れる御さま、いとめでたし。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:「奉れ」は四段の已然形(命令形とする説もある)、「る」は存続「り」の連体形。白いお召し物を着ている貴人の様子(御さま)をほめる文なので、着る動作。「着る」の尊敬=「白いお召し物をお召しになっているご様子は、たいそうすばらしい」。尊敬。
Q95.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
御志(こころざし)深く頼み奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「御志」は相手(貴人)のお気持ち。「頼み」は四段「頼む」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「(あの方の)お気持ちが深いので、頼りにし申し上げる」。謙譲。
Q96.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
宝物(たからもの)を奉る。
答え:本動詞・謙譲「奉る」(差し上げる) 解説:差し出す物「宝物を」が直前。本動詞で「宝物を差し上げる(献上する)」。謙譲。
Q97.次の傍線部「奉ら」を識別せよ。
御心地悪しくて、上(うへ)は御粥(かゆ)をだにえ奉らず。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(召し上がる) 解説:主語は「上」(貴人)。ご気分が悪くて、上がお粥さえ食べられない場面。「奉ら」は四段の未然形、「え〜ず」は「〜できない」。「食ふ」の尊敬=「ご気分が悪くて、上はお粥さえ召し上がることがおできにならない」。尊敬。
Q98.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
御几帳(きちやう)引き寄せ奉りて。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「引き寄せ」は下二段連用形。連用形+奉るで補助動詞。「御几帳を引き寄せ申し上げて」。謙譲。
Q99.次の傍線部「奉り」を識別せよ。
女房の縫ひて奉りし御衣(おんぞ)を、宮、やがて奉りて出で給ふ。
答え:本動詞・尊敬「奉る」(お召しになる) 解説:前の「奉りし」は、女房が宮に「差し上げた」(謙譲)。傍線部の主語は「宮」で、差し上げられたお召し物をすぐに着て出かける場面。「着る」の尊敬=「女房が縫って差し上げたお召し物を、宮はすぐにお召しになってお出かけになる」。尊敬。
Q100.次の傍線部「奉る」を識別せよ。
はるかに恋ひ奉る。
答え:補助動詞・謙譲「奉る」(〜申し上げる) 解説:「恋ひ」は上二段「恋ふ」連用形。連用形+奉るで補助動詞。「はるかにお慕い申し上げる」。謙譲。
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