竹取物語のあらすじを簡単に解説|日本最古の物語と古文のポイント

竹取物語のあらすじを簡単に解説|日本最古の物語と古文のポイント 作品解説

「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり」——この一文で始まる『竹取物語』は、現存する日本最古の物語で、古文を習うと最初に出会う作品のひとつです。物語の流れと、テストで問われる古文のポイントを中学生でもわかるように整理しました。

生徒
生徒竹取物語って、かぐや姫のお話ですよね。テストでは何を聞かれるんですか?
先生
先生そう、あのかぐや姫の物語だよ。まずはあらすじの5場面と、冒頭の文法をおさえれば十分。順番に見ていこう。

竹取物語の基本データ

成立 平安時代前期(9世紀末〜10世紀初めごろ)
作者 未詳(不明)
ジャンル 作り物語(伝奇物語)
別名 かぐや姫の物語/竹取の翁の物語
有名な評価 『源氏物語』の中で「物語の出で来はじめの祖(おや)」=物語の元祖と紹介されている

竹取物語のあらすじ(5つの場面)

① かぐや姫の誕生

竹取の翁が光る竹の中から、三寸(約9cm)ほどの小さな女の子を見つけます。翁夫婦が育てると、わずか3か月で美しい娘に成長し、「なよ竹のかぐや姫」と名づけられました。

② 五人の貴公子の求婚と無理難題

評判を聞いた五人の貴公子が求婚します。かぐや姫は結婚の条件として、それぞれにこの世に存在しない宝物を持ってくるよう求めました(仏の御石の鉢、蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣、竜の首の玉、燕の子安貝)。五人は偽物を作ったり失敗したりして、誰も成功しません

③ 帝の求婚

うわさは帝(天皇)にも届き、帝もかぐや姫を妃にしようとしますが、かぐや姫はこれも断ります。以後、帝とかぐや姫は手紙(和歌)を交わす関係が続きます。

④ 昇天(月へ帰る)

やがてかぐや姫は「自分は月の都の住人で、満月の夜に迎えが来る」と告げます。帝は兵を送って守らせますが、月からの使者の前では誰も力が出せず、かぐや姫は天の羽衣を着て月へ帰ってしまいます。

⑤ 不死の薬と富士山

かぐや姫は帝に不死の薬と手紙を残します。しかし帝は「姫のいない世で不死になっても意味がない」と、最も天に近い山の頂でそれを焼かせました。だから、その山を「不死(ふじ)の山=富士山」と呼ぶ——という地名起源で物語は結ばれます。

先生
先生流れは①誕生→②求婚→③帝→④昇天→⑤富士山の5段。とくに最後の「不死の山=富士山」という地名の由来はよく問われるよ。

主な登場人物

人物 説明
かぐや姫 竹の中から生まれた月の都の住人。物語の主人公
竹取の翁(さぬきのみやつこ) かぐや姫を育てた竹取り。物語の語り手的存在
五人の貴公子 石作の皇子・車持の皇子・阿倍御主人・大伴御行・石上麻呂。無理難題に挑む
帝(みかど) かぐや姫に求婚するが断られる

テストで問われる古文ポイント

冒頭の一文「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり」だけでも、古文文法の基本がつまっています。

  • 「けり」=過去(伝聞・詠嘆)の助動詞。物語の語り出しは「〜けり」が定番です。
  • 「名をば、さぬきのみやつことなむいひける」——ここに係助詞「なむ」があり、文末が連体形「ける」で結ばれます(係り結びの法則)。
  • 地の文に多い「に」の識別や、会話文の敬語(帝への敬意=尊敬・謙譲・丁寧)も頻出です。

古文常識ミニ:「求婚」と「和歌」

平安時代、男性が女性に求婚するときは和歌を贈るのが作法でした。竹取物語で貴公子や帝が歌を詠むのはそのためです。和歌の背景知識を知っておくと、読解がぐっと楽になります。

テスト直前チェック

  • 竹取物語は「物語の出で来はじめの祖」=物語の元祖(『源氏物語』の評)
  • かぐや姫は月の都の住人で、最後は昇天する
  • 結末は富士山の地名起源(不死の薬を焼いた山)
  • 冒頭「ありけり」のけり=過去、「なむ…ける」の係り結び

五人の貴公子と「無理難題」をもう少し詳しく

『竹取物語』の中心になるのが、かぐや姫が五人の貴公子に出した「無理難題(むりなんだい)」のくだりです。それぞれが何を求められ、どう失敗したのかを知っておくと、物語の面白さがぐっと深まります。五つの宝物は、どれもこの世には実在しないものばかりで、はじめから手に入れようのない品でした。かぐや姫は、本気で結婚するつもりがないからこそ、わざと不可能な条件を出したのです。

  • 石作の皇子(いしつくりのみこ)……「仏の御石の鉢(ほとけのみいしのはち)」を求められる。本物を探さず、別の古い鉢を持参してごまかそうとして見破られる。
  • 車持の皇子(くらもちのみこ)……「蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえだ)」を求められる。職人に偽物を作らせるが、報酬を払っていなかった職人が現れて嘘がばれる。
  • 阿倍御主人(あべのみうし)……「火鼠の皮衣(ひねずみのかわぎぬ)」を求められる。大金で買った品を火にくべたら燃えてしまい、偽物と判明する。
  • 大伴御行(おおとものみゆき)……「竜の首の玉(たつのくびのたま)」を求められる。自ら海に出るが、嵐に遭って恐ろしい目に遭い、あきらめる。
  • 石上麻呂(いそのかみのまろ)……「燕の子安貝(つばめのこやすがい)」を求められる。燕の巣を探るうちに高い所から落ちて命を落としてしまう。

このように、五人はみな知恵や財力でごまかそうとして失敗します。ここには、力や富では本当の価値(=かぐや姫)は手に入らないという、物語の作者のメッセージが込められていると読むこともできます。テストでは「どの貴公子がどの宝物を求められたか」「なぜ失敗したか」が記述問題で問われることがあります。

生徒
生徒5人の名前と宝物、ごちゃごちゃになりそうです……
先生
先生誰が・何を・どう失敗したか」の3点セットで一人ずつ覚えるのがコツ。記述問題でもこの3点が問われるからね。

有名な一節を原文で味わう

古文は、現代語訳だけでなく原文のリズムを声に出して読むと記憶に残りやすくなります。教科書でよく取り上げられる冒頭部分を、原文と現代語訳でならべてみましょう。

【原文】
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきのみやつことなむいひける。

【現代語訳】
今ではもう昔のことだが、竹取の翁と呼ばれる者がいた。野や山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに使っていた。その名を、さぬきのみやつこといった。

今は昔」は、説話や物語の語り出しに使われる決まり文句で、「今となっては昔の話だが」という意味です。『今昔物語集』の各話も同じ言い方で始まります。この一節を覚えておくと、ほかの古文を読むときにも役立ちます。

重要古語・文法のポイント整理

『竹取物語』を読むうえで、おさえておきたい言葉と文法をまとめます。どれも入試・定期テストで何度も出てくる基本です。

  • よろづ(万)……「いろいろ・さまざま・すべて」の意味。数の「一万」とは限りません。
  • うつくし……現代語の「美しい」ではなく、おもに「かわいい・いとしい」の意味。小さなかぐや姫を見た翁の気持ちを表すときに使われます。古今で意味が変わる代表的な語です。
  • あやし……「不思議だ」「身分が低い・粗末だ」の二つの意味があり、文脈で判断します。
  • 〜つつ……動作の反復・継続を表す接続助詞。「竹を取りつつ」=「竹を取っては(取り続けて)」。
  • 係り結びの法則……「なむ」「ぞ」「や」「か」があると文末が連体形、「こそ」があると已然形で結ばれます。「なむいひける」がその例です。

つまずきやすいポイント・入試での問われ方

『竹取物語』でつまずきやすいのは、現代語と意味のちがう古語です。とくに「うつくし=かわいい」は、定期テストでも入試でも繰り返し問われます。現代語の感覚で「美しい」と訳すとバツになるので注意しましょう。

  • 古語の意味……「うつくし」「あやし」「よろづ」などの訳を選ぶ問題。現代語と区別できるかがカギ。
  • 助動詞の識別……「けり」(過去)と「き」(過去)のちがい、「に」が何の語かを見分ける問題。
  • 係り結び……係助詞をさがして、文末の活用形(連体形・已然形)を答える問題。
  • 内容理解……「なぜかぐや姫は月へ帰ったのか」「富士山の名の由来は何か」を本文に即して説明する記述問題。

ミニ練習問題(解答つき)

  1. 「うつくしうてゐたり」の「うつくし」を現代語に訳しなさい。
  2. 「名をば、さぬきのみやつことなむいひける」で、文末が「いひける」と連体形になっている理由を答えなさい。
  3. かぐや姫が五人の貴公子に出した条件を、ひとことで説明しなさい。

【解答】
1=「かわいらしい(様子で)」。現代語の「美しい」ではなく「かわいい・いとしい」の意味です。
2=係助詞「なむ」があるため、係り結びの法則によって文末が連体形「ける」で結ばれているから。
3=この世に実在しない宝物を持ってくること(無理難題)。

先生
先生解答を見る前に、まず自分で答えを書いてみるのが大事。とくに2番の係り結びは、理由まで言葉で説明できるようにしておこう。

よくある質問(Q&A)

Q. 『竹取物語』の作者は誰ですか?
A. 作者は未詳(不明)です。平安時代前期に成立したと考えられていますが、はっきりした作者名は伝わっていません。

Q. どうして「日本最古の物語」と言われるのですか?
A. 現存する作り物語(フィクションの物語)の中でいちばん古いと考えられているからです。『源氏物語』の中でも「物語の出で来はじめの祖(おや)」=物語の元祖と紹介されています。

Q. かぐや姫はどうして月へ帰ったのですか?
A. かぐや姫はもともと月の都の住人で、地上にいる期限が来たからです。本人の意思というより、月の世界の決まりによって迎えが来た、という設定になっています。

Q. 「ふじの山=富士山」の由来は本当ですか?
A. これは物語の中での「地名起源(その地名の由来を物語で説明すること)」です。実際の富士山の語源とは別ですが、不死の薬を焼いた山だから「不死(ふじ)の山」と呼ぶ、という結びは『竹取物語』ならではの名場面です。

もう一歩深く:物語の主題

『竹取物語』は、ただのおとぎ話ではありません。地上(人間の世界)と月(理想の世界)の対比権力や財力では手に入らないもの別れの悲しさといったテーマがえがかれています。最後にかぐや姫が天の羽衣を着ると人間の心を忘れてしまう、という場面には、人の心と感情のはかなさが表れています。あらすじを覚えたら、こうした「何が描かれているのか」という視点でもう一度読み返してみると、味わいが大きく変わります。

先生
先生あらすじと文法をおさえたら、最後は「何が描かれているか」という目で読み返してみよう。ここまで来れば、テストはもう怖くないよ。

📝 確認クイズ

読んだあとの腕だめし。「▶ 答えと解説」を開く前に、まず自分で考えてみましょう。

Q1. 『竹取物語』は『源氏物語』の中でどのように紹介されている?

  • ア.物語の出で来はじめの祖(=物語の元祖)
  • イ.歌物語の祖
  • ウ.日記文学の祖
▶ 答えと解説

ア.物語の出で来はじめの祖(=物語の元祖)
『源氏物語』の中で「物語の出で来はじめの祖(おや)」=物語の元祖と紹介されています。現存する日本最古の物語です。

Q2. かぐや姫が五人の貴公子に出した結婚の条件は?

  • ア.みやびな和歌を詠むこと
  • イ.この世に存在しない宝物を持ってくること
  • ウ.三年間通い続けること
▶ 答えと解説

イ.この世に存在しない宝物を持ってくること
仏の御石の鉢・蓬莱の玉の枝・火鼠の皮衣・竜の首の玉・燕の子安貝という、この世にない宝物を求めました。誰も成功しません。

Q3. 冒頭「竹取の翁といふ者ありけり」の「けり」の意味は?

  • ア.過去
  • イ.完了
  • ウ.打消
▶ 答えと解説

ア.過去
「けり」は過去(伝聞・詠嘆)の助動詞。物語の語り出しは「〜けり」で始まるのが定番です。

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まとめ

竹取物語は、①誕生 → ②求婚と無理難題 → ③帝の求婚 → ④昇天 → ⑤富士山、という流れをおさえれば十分です。あらすじを知っていると、本文を読むスピードも理解度も大きく変わります。文法でつまずいたら、関連記事で「形からの見分け方」を確認してみてください。

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