徒然草『仁和寺にある法師』定期テスト対策問題|現代語訳・文法・内容の頻出設問と解答

仁和寺にある法師|定期テスト対策 確認テスト 定期テスト対策

『徒然草』の中でも定期テストでとくに出やすい章段が、この「仁和寺にある法師」(第五十二段)です。「先達はあらまほしきことなり」の教訓で有名ですね。学校のテストで実際に問われやすい形で確認問題にしました。まず本文を読み、設問に答えてから、最後の解答・解説で確かめましょう。くわしい現代語訳や背景は 徒然草『仁和寺にある法師』のやさしい解説 をどうぞ。

📥 PDFダウンロード(無料・印刷OK)
問題用紙とテスト形式で解きたい人はこちら。 📝 問題編PDF(全22問)✅ 解答・解説編PDF

本文

仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ〔①〕、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただ一人、徒歩より〔②〕詣でけり。極楽寺・高良などを拝みて、かばかり〔③〕と心得て帰りにけり。

さて、かたへの人にあひて、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ〔④〕。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど〔⑤〕、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。

少しのことにも、先達はあらまほしきことなり〔⑥〕。

設問

  1. 傍線部①「拝まざりければ」を品詞分解し、「ざり」の文法的意味(はたらき)を答えなさい。
  2. 「心うく覚えて」を現代語訳しなさい。
  3. 傍線部②「徒歩より詣でけり」を、「より」の意味がはっきりわかるように現代語訳しなさい。
  4. 「詣でけり」「帰りにけり」の文末に共通して使われている助動詞「けり」の文法的意味を答えなさい。
  5. 傍線部③「かばかり」とは、法師が何を「これだけのものだ」と思ったのか、わかりやすく説明しなさい。
  6. 「帰りにけり」の「に」は何の助動詞の何形ですか。基本形(終止形)と活用形を答えなさい。
  7. 「かたへの人」とはどのような人のことですか。意味を答えなさい。
  8. 「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ」を現代語訳しなさい。
  9. 「年ごろ思ひつること」の「年ごろ」の意味を答えなさい。
  10. 「果たしはべりぬ」の「はべり」は、どの種類の敬語(尊敬・謙譲・丁寧)ですか。また、ここでは誰に対する敬意ですか。
  11. 「尊くこそおはしけれ」の「おはし」は、どの種類の敬語(尊敬・謙譲・丁寧)ですか。基本形(終止形)も答えなさい。
  12. 傍線部④「尊くこそおはしけれ」について、(1)この一文に使われている文法のきまりの名前を答え、(2)結びの「けれ」の活用形を答えなさい。
  13. 「何事かありけん」の「か」と「けん(けむ)」について、(1)係助詞「か」によって生じている文法のきまりの名前、(2)「けん(けむ)」の文法的意味を答えなさい。
  14. 傍線部⑤「ゆかしかりしかど」の「ゆかし」の意味を答えなさい。
  15. 「神へ参るこそ本意なれ」の「本意」の読み方(ひらがな)と意味を答えなさい。
  16. 「山までは見ず」とあるが、山を見なかったのは誰ですか。
  17. 「とぞ言ひける」では、係助詞「ぞ」を受けて文末が「ける」となっています。このきまりの名前と、「ける」の活用形を答えなさい。
  18. この章段で、作者が「先達はあらまほしきことなり」と述べて伝えたかった教訓を、わかりやすく説明しなさい。
  19. 傍線部⑥「先達はあらまほしきことなり」を現代語訳しなさい。
  20. 傍線部⑥「あらまほしき」を品詞分解しなさい(どこで区切れ、それぞれ何かを答える)。
  21. 法師が山に登らなかったのはなぜですか。本文の言葉を使って説明しなさい。
  22. 【文学史】『徒然草』の作者・成立した時代・ジャンル(種類)を答えなさい。
▼ 解答・解説を見る(まず自分で解いてから)

問1 拝ま(マ行四段動詞「拝む」未然形)/ざり(打消の助動詞「ず」連用形)/けれ(過去の助動詞「けり」已然形)/ば(接続助詞)。
「ざり」は打消。全体で「拝まなかったので」。已然形+「ば」で順接の確定条件(〜ので)になります。

問2 「もの足りなく(残念に)思って。」
「心うし」は「気にくわない・情けない・もの足りない」の意味で、ここは石清水へお参りできていないことを残念に思う気持ちを表します。

問3 「徒歩で(歩いて)参詣した。」
「より」は手段・方法を表す格助詞で「〜で」の意味です。「徒歩より詣でけり」で「歩いて参拝した」となります。(「より」には起点・経由・比較などの用法もあるので、文脈で見分けましょう。)

問4 過去(〜た)。「けり」は過去・詠嘆の助動詞ですが、ここは出来事を語る地の文なので「過去(〜た)」でとります。「詣でけり」=参詣した、「帰りにけり」=帰ってしまった。

問5 法師は、麓にある極楽寺や高良(こうら)神社などだけを拝んで、「石清水(八幡宮)への参拝はこれだけのものだ」と思い込んだ、ということ。本当の本殿は山の上にあるのに、それを知らなかったのです。

問6 基本形=「ぬ」(完了の助動詞)/活用形=連用形
「帰り(連用形)+に(完了「ぬ」連用形)+けり(過去)」で、「帰ってしまった」という意味になります。連用形の「に」は完了の「ぬ」と見分けましょう。

問7 「かたへの人」=そばにいる人・仲間(連れの人)。ここでは、法師が帰ってから話しかけた身近な相手のことです。

問8 「長年(ずっと)思っていたことを、果たしました。」
「年ごろ」=長年・ここ数年。「はべり」は丁寧の補助動詞で「〜ます・〜ございます」。「ぬ」は完了の助動詞「〜てしまった・〜た」です。

問9 「年ごろ」=長年・数年来・ここ数年(ずっと)。「年ごろ思ひつること」=「長年思い続けてきたこと」。日数の「ごろ(頃)」ではない点に注意します。

問10 丁寧の敬語(補助動詞「はべり」=「〜ます・〜ございます」)。聞き手であるかたへの人(話し相手)に対する敬意です。法師がそばの人に丁寧に話している場面なので、丁寧語になります。

問11 尊敬の敬語。基本形は「おはす」(「あり・をり」の尊敬語で「いらっしゃる」)。ここでは「尊くおはしけれ」で「尊くていらっしゃった」と、石清水の神(八幡神)を敬っています。

問12 (1)係り結び(の法則)。係助詞「こそ」があるため、文末が已然形で結ばれています(こそ―已然形)。
(2)「けれ」は過去の助動詞「けり」の已然形

問13 (1)係り結び(の法則)。係助詞「か」を受けて、文末が連体形「けん(けむ)」で結ばれています(か―連体形)。ここは疑問の気持ちを表します。
(2)「けん(けむ)」は過去の推量(過去の原因推量)の助動詞で、「〜たのだろう(何があったのだろう)」の意味です。

問14 「ゆかし」=知りたい・見たい・心がひかれる。ここは「(みんなが山へ登る理由を)知りたかった」の意。

問15 読み=ほい。意味=本来の目的・かねてからの願い(本心)。「神へ参るこそ本意なれ」=「神へ参拝することこそが本来の目的だ」。

問16 仁和寺にある法師(石清水へお参りに行った、あの法師)。この場面はずっと法師の行動を述べているので、「山までは見ず」の主語も法師です。

問17 きまりの名前=係り結び(の法則)(係助詞「ぞ」―連体形)。「ける」の活用形=連体形
係助詞「ぞ」を強調で受けて、文末の「けり」が連体形「ける」になっています(ぞ―連体形)。

問18 どんな小さなことでも、先導してくれる経験者・案内人がいるほうがよい、という教訓。思い込みや早合点(はやがてん)で大事なところを見落とし、失敗しないように、ということを伝えています。

問19 「ちょっとしたことにも、案内者(先導してくれる人)はあってほしいものである。」
「先達」=案内人・指導者。「あらまほし」=あってほしい・望ましい。「なり」は断定の助動詞です。

問20 あら(ラ行変格動詞「あり」未然形)/まほしき(希望の助動詞「まほし」連体形)。
「まほし」は「〜したい・〜てほしい」という希望を表す助動詞で、「あらまほし」=「あってほしい・あってほしい状態だ=望ましい」となります。

問21 法師は「神へ参拝することこそが本来の目的だ(神へ参るこそ本意なれ)」と思い込み、山の上に本殿があるとは知らず、山までは見なかったから。(みんなが山に登っているのを不思議に思いながらも、確かめずに帰ってしまった。)

問22 作者=兼好法師(吉田兼好)/時代=鎌倉時代の末期(14世紀前半)/ジャンル=随筆

※この問題はオリジナル作成です(教科書・市販問題集の転載ではありません)。本文は古典原文(著作権の対象外)を用いています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました