主格・連体修飾格・同格・接続助詞を100問で見分ける
このページは「誰でも古典塾」が無料で配布する古典文法ドリルです。問題用PDF・解答用PDFを無料でダウンロードできます。印刷して手元で解いてもOK、このページに表示された問題を画面で解いてもOK。
📖 識別の理屈を先に押さえたい方へ
このドリルでわかること
はじめに:「が」の正体(4パターン)
古文の「が」は 現代語と用法が異なる 点が試される。大きく 4種類 あります。
| 種類 | 接続/品詞 | 判別ポイント | 例 |
|---|---|---|---|
| ① 格助詞「が」(主格) | 体言・連体形接続 | 「〜が」と訳す。後ろの用言の主語を示す | 我が思ふ人 |
| ② 格助詞「が」(連体修飾格) | 体言・連体形接続 | 「〜の」と訳す。すぐ後ろが体言 | 君が代・我が身 |
| ③ 格助詞「が」(同格) | 体言・連体形接続 | 「〜で」と訳す。後ろの連体形が同じ人・物を説明する | やむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふ(ありけり) |
| ④ 接続助詞「が」 | 連体形接続 | 逆接「〜けれども」・単純接続「〜と・〜ところ・〜で」 | 行くが、戻る |
このほか、格助詞「が」には「〜のもの」と訳す 準体格 もあります(例:「この歌は、ある人のいはく、大伴のくろぬしがなり」〈古今集〉=大伴黒主の歌である)。数が少ないので、このドリルでは上の4つを練習します。
識別の鉄則
識別の鉄則
- 主格「が」 は現代語と同じ「〜が」(主語を示す)。連体形に付くときは「〜のが」と訳す。古文の主格「が」は「我が思ふ人」「犬君が逃がしつる」のように人を表す語に付くことが多く、「月が出づ」のような言い方はふつうしない(古文なら「月出づ」)
- 連体修飾格「が」 は現代語の「〜の」に相当(古文独特)。すぐ後ろに体言が来る(我が身・君が代)
- 同格「が」 は「〜で」。「が」のあとに連体形が来て、前と同じ人・物を説明する(その連体形の下に前と同じ体言を補える)
- 接続助詞「が」 は連体形+「が」のあとに言い切りの別の文が続く形(連体形の下に「こと・の」を補っても後ろの主語にならない)→ 逆接「〜けれども」か単純接続「〜と・〜ところ・〜で」(平安時代の終わりごろから使われ、中世の文に多い)
- 「我が・君が・誰が」は「が」の すぐ後ろ で決まる:体言なら 連体修飾格(我が身=私の身)、用言なら 主格(我が思ふ人=私が思う人)
上の「識別の鉄則」は「が」の用法の決まり。
ここからは、それを 試験本番ですばやく使う ための見分け方です。
コツ① 「我が/君が/誰が」は「が」の すぐ後ろ で決める
すぐ後ろが体言なら連体修飾格「〜の」、用言なら主格「〜が」。 例:「我が心」→「私の心」(連体修飾格)/「我が思ふ人」→「私が思う人」(主格) 最後に体言(人)があっても、「が」がかかるのはすぐ後ろの「思ふ」。「私の思う人」と訳せても、働きは主格。
コツ② 「が」の 直後 で見分ける
- 直後が 体言(名詞) → 連体修飾格「〜の」(例:我が家)
- 直後が 用言(動詞・形容詞) で、「が」がその主語 → 主格「〜が」(例:我が思ふ人)
- 後ろの 連体形が前と同じ人・物を説明 している → 同格「〜で」
- 連体形+「が」のあとに 言い切りの別の文 が続き、「こと・の」を補っても後ろの主語にならない → 接続助詞「〜けれども/〜と・〜で」(読点があるだけでは決まらない)
コツ③ 同格「が」は「〜が、(連体形)[+前と同じ体言]」のパターン
「が」のあとに 連体形 が来て、その下に前と同じ人・物を補える → 同格。 例:「いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり」(源氏物語・桐壺)→「それほど高貴な身分ではない方で、際立って帝のご寵愛を受けていらっしゃる方がいた」 「が」の後ろが「世に出でず。」のように、そのまま述語として文を言い切っていれば同格ではない(接続助詞か主格)。読点があるだけでは決まらない。
コツ④ 接続助詞「が」は、主語にならないことを確かめてから訳す
連体形+「が」のあと 言い切りの別の文 が続き、連体形の下に「こと・の」を補っても後ろの主語にならない → 接続助詞。 逆接「〜けれども」で通れば逆接、逆らう関係がなければ単純接続「〜と・〜ところ・〜で」。 例:「行くが、戻る」→「行くけれども、戻る」(逆接)/「御前に参りたるが、人々多くさぶらふ」→「御前に参上したところ、人々が大勢お仕えしている」(単純接続) 「雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆる」(枕草子)のように、補った「の」が後ろの主語になれば主格(列をなしているのが、とても小さく見える)。
試験本番でのチェック順序
- 「が」の 直前 が体言か連体形かを確認
- 「が」の 直後 が体言なら連体修飾格(「我が・君が」も同じ)
- 「が」の後ろの連体形が前と同じ人・物を説明していれば同格
- 「が」が後ろの用言の主語なら主格(連体形+「が」は、下に「こと・の」を補って主語になるかを確かめる)
- 連体形+「が」のあとに言い切りの別の文が続き、主語にならなければ接続助詞(逆接か単純接続か)
→ この順番で確かめれば、 迷わず 答えが出せます。
よくある引っかけ
- 「我が心」を現代語感覚で「私が心」(主格)と誤答 → 古文では「私の心」(連体修飾格)
- 「我が思ふ人」を「私の思う人」と訳して連体修飾格にする → 「が」のすぐ後ろは用言「思ふ」なので主格
- 「〜なるが、」をすべて同格にする → 後ろが「世に出でず。」のように言い切っていれば同格ではない(多くは接続助詞。下に「人・こと」を補って後ろの主語になれば主格)。同格は、後ろに同じ人・物を説明する連体形が来る形
- 「君が代」を「君が栄える代」と主格で訳す → 「君の御代」(連体修飾格)
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
問題(Q1〜Q100)
ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。
【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
4パターンを識別する基本問題。
Q1.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が住む宿。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「君」+「が」+動詞「住む」(連体形)+体言「宿」。「が」のすぐ後ろは用言「住む」で、「が」は「住む」の主語を示すので主格。「あなたが住む家」(Q8「君が心」は、すぐ後ろが体言なので連体修飾格)。
Q2.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が代は千代に八千代に。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「代」。「君の代(治世)は千代に八千代に」。国歌「君が代」のもとになった古い歌の一節。『古今集』では初句が「わが君は」で、「君が代は」の形は『和漢朗詠集』などに見える。
Q3.次の傍線部「が」を識別せよ。
あはれなる人が、また心優しき人。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「あはれなる人」(連体形+人)+「が」+「また心優しき人」。後ろの「心優しき人」が、前の「あはれなる人」と同じ人を説明しているので同格。「情け深い人で、また心優しい人」。後ろが「〜人なり。」と言い切る形なら、「が」はその述語の主語(主格)になる。
Q4.次の傍線部「が」を識別せよ。
行くが、また戻る。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:連体形「行く」+「が」+「戻る」。「行くけれども、また戻る」(逆接)。中世以降の用法。
Q5.次の傍線部「が」を識別せよ。
母が縫ひし衣。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「母」+「が」+動詞「縫ひ」(四段「縫ふ」の連用形)+過去「き」の連体形「し」+体言「衣」。「が」のすぐ後ろは用言「縫ひ」で、「が」は「縫ひ」の主語を示すので主格。「母が縫った着物」。
Q6.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が家。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「家」。「私の家/わが家」。
Q7.次の傍線部「が」を識別せよ。
雀の子を犬君が逃がしつる。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「犬君」(召し使いの少女の名)+「が」+動詞「逃がし」(四段「逃がす」の連用形)+完了「つ」の連体形「つる」。「が」は「逃がし」の主語を示す主格。「雀の子を犬君が逃がしてしまったの」。『源氏物語』若紫の巻で、幼い若紫(のちの紫の上)が言う言葉。
Q8.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が心。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「心」。「あなたの心」。
Q9.次の傍線部「が」を識別せよ。
いみじき人が、また気高き人。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「いみじき人」(連体形+人)+「が」+「気高き人」。「並々ならぬ人であって、また気高い人」。
Q10.次の傍線部「が」を識別せよ。
春来るが、まだ寒し。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:連体形「来る」+「が」+「寒し」。「春は来るけれども、まだ寒い」(逆接)。
Q11.次の傍線部「が」を識別せよ。
誰が問ふ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「誰」(疑問代名詞)+「が」+動詞「問ふ」。「誰が尋ねる」。
Q12.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が思ふ人。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「我」+「が」+動詞「思ふ」(連体形)+体言「人」。「が」のすぐ後ろは体言ではなく用言「思ふ」で、「が」は「思ふ」の主語を示すので主格。「私が(恋しく)思う人」。「私の思う人」と訳すこともあるが、働きは主格。
Q13.次の傍線部「が」を識別せよ。
翁が植ゑし松。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「翁」+「が」+動詞「植ゑ」(ワ行下二段「植う」の連用形)+過去「き」の連体形「し」+体言「松」。「が」は「植ゑ」の主語を示すので主格。「老人が植えた松」。
Q14.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が御代。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「御代」。「あなた様のご治世」。
Q15.次の傍線部「が」を識別せよ。
心ある人が、また物静かなる人。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「心ある人」+「が」+「物静かなる人」。「心のある人であって、また物静かな人」。
Q16.次の傍線部「が」を識別せよ。
行かむと思ふが、雨降れり。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:連体形「思ふ」+「が」+「雨降れり」(「降れ」+存続「り」)。「行こうと思うけれども、雨が降っている」(逆接)。
Q17.次の傍線部「が」を識別せよ。
父が仰せ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「父」+「が」+体言「仰せ」。「父の仰せ」。
Q18.次の傍線部「が」を識別せよ。
父が言ひしこと。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「父」+「が」+動詞「言ひ」(連用形)+過去「き」の連体形「し」+体言「こと」。「が」のすぐ後ろは用言「言ひ」なので主格(Q17「父が仰せ」は、すぐ後ろが体言なので連体修飾格)。「父が言ったこと」。
Q19.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が身。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「身」。「私の身/わが身」。
Q20.次の傍線部「が」を識別せよ。
笛吹く人が、また歌詠みけり。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「笛吹く人」(連体形+人)+「が」+「また歌詠みけり」。後ろは過去「けり」の終止形で文を言い切っているので、同じ人を説明する連体形ではなく同格ではない(Q3・Q9・Q15のように「〜人」で終わる形とちがう)。「が」は「詠み(けり)」の主語を示す主格。「笛を吹く人が、また歌を詠んだ」。
基礎編 /20
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
接続助詞と格助詞の見分け、文脈での判別を含む応用問題。
Q21.次の傍線部「が」を識別せよ。
宮も君が心を知り給はず。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「心」+「を知り給はず」。「知り給はず」の主語は「宮」で、「君が心」はその目的語。「が」は体言「心」にかかる連体修飾格。「宮様もあなたの心をご存じない」。
Q22.次の傍線部「が」を識別せよ。
月明らかなる夜なるが、にはかに雲出でて、月隠れぬ。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「夜なる」(断定「なり」の連体形)+「が」。後ろは「月隠れぬ」(完了「ぬ」の終止形)で文を言い切っているので同格ではなく、後ろの主語は「雲」「月」なので主格でもない。「月の明るい夜であるのに、急に雲が出て、月が隠れてしまった」と前後が逆らう関係なので逆接。
Q23.次の傍線部「が」を識別せよ。
風吹くが、波は立たず。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「吹く」連体形+「が」+「波は立たず」。風が吹けばふつう波が立つのに立たない、という予想に反する関係なので逆接。「風は吹くけれども、波は立たない」。接続助詞「が」は平安時代の終わりごろから使われるようになった。
Q24.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が心、君は知らじ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「心」。「私の心」。
Q25.次の傍線部「が」を識別せよ。
兄が出でて行きし後、家の内いと寂し。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「兄」+「が」+下二段「出づ」の連用形「出で」+「て」+「行き」+過去「き」の連体形「し」+体言「後」。「が」は「出で(て行き)」の主語を示す主格。「兄が出て行った後、家の中はたいそう寂しい」。
Q26.次の傍線部「が」を識別せよ。
子は父が仰せに従ふ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「父」+「が」+体言「仰せ」+格助詞「に」+動詞「従ふ」。「従ふ」の主語は「子」なので、「が」は体言「仰せ」にかかる連体修飾格。「子は父の仰せに従う」。
Q27.次の傍線部「が」を識別せよ。
いみじき宿世の人なるが、いま落ちぶれぬ。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「人なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「いま落ちぶれぬ」。後ろの「落ちぶれぬ」は完了「ぬ」の終止形で文を言い切っているので同格ではない。下に「人」を補うと「人である人」と重なるので主格でもない。「並々ならぬ宿縁の人であるのに、今は落ちぶれてしまった」と前後が逆らう関係なので逆接。
Q28.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が身を恨み給ふな。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「身」。「私の身を恨みなさるな」。
Q29.次の傍線部「が」を識別せよ。
文をやるが、返り事もせず。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:四段「やる」の連体形+「が」+「返り事もせず」。手紙を送ったのに返事がない、という予想に反する関係なので逆接。「手紙を送るけれども、(相手は)返事もしない」。
Q30.次の傍線部「が」を識別せよ。
あるじが来れば、皆立ちて迎ふ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「あるじ」+「が」+カ変「来」の已然形「来れ」+「ば」。「が」は「来れ」の主語を示す主格。「主人が来ると、皆が立って迎える」。
Q31.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が御志。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「御志」。「あなた様のお志」。
Q32.次の傍線部「が」を識別せよ。
春行くが、なほ花散らず。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「行く」連体+「が」+「散らず」。「春が行くのに、なお花が散らない」。
Q33.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が生まれし日。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「我」+「が」+連用「生まれ」+過去「き」連体「し」+体言「日」。「が」のすぐ後ろは用言「生まれ」で、「が」は「生まれ」の主語を示すので主格。「私が生まれた日」。
Q34.次の傍線部「が」を識別せよ。
月清き夜なるが、また風静かなり。
答え:接続助詞「が」(単純接続) 解説:「夜なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「また風静かなり」。後ろの「静かなり」は終止形で文を言い切っているので同格ではなく、その主語は「風」なので主格でもない。前後に逆らう関係はなく、「また」で付け加えているので単純接続。「月の清らかな夜で、そのうえ風も静かだ」。
Q35.次の傍線部「が」を識別せよ。
雪の降り出づるが、いとあはれなり。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「降り出づる」(下二段「降り出づ」の連体形)+「が」+「あはれなり」。「雪の降り出づる」の下に「こと・の」を補うと「あはれなり」の主語になるので主格。「雪が降り始めるのが、たいそうしみじみと趣深い」。
Q36.次の傍線部「が」を識別せよ。
父が怒り給ふ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「父」+「が」+動詞「怒り」(四段「怒る」の連用形)+尊敬「給ふ」。「怒り」はここでは名詞ではなく動詞で、「給ふ」と続いて述語になっている。「が」はその主語を示すので主格。「父がお怒りになる」。
Q37.次の傍線部「が」を識別せよ。
物言はぬ人なるが、人の心をよく知り給ふありけり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「人なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「人の心をよく知り給ふ」(「給ふ」は連体形)+「ありけり」。「給ふ」の下に前と同じ「人(方)」を補えるので同格。「口数の少ない人で、人の心をよくわかっていらっしゃる方がいた」。
Q38.次の傍線部「が」を識別せよ。
心安らかなる人が、いと頼もし。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「心安らかなる人」+「が」+形容詞「頼もし」(終止形)。後ろに同じ人を説明する連体形がなく、「頼もし」で言い切っているので同格ではない。「が」は「頼もし」の主語を示す主格。「心穏やかな人が、たいそう頼もしい」。
Q39.次の傍線部「が」を識別せよ。
春雨降るが、花咲かず。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「降る」連体+「が」+「咲かず」。「春雨が降るけれども、花が咲かない」。
Q40.次の傍線部「が」を識別せよ。
母上は、君が御身をのみ案じ給ふ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「御身」。「案じ給ふ」の主語は「母上」なので、「が」は体言「御身」にかかる連体修飾格。「母上は、あなた様のお体のことばかりを心配していらっしゃる」。
Q41.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が思ふこと、人に語らじ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「我」+「が」+動詞「思ふ」(連体形)+体言「こと」。「が」は「思ふ」の主語を示す主格。「私が思っていることは、人に話すまい」。
Q42.次の傍線部「が」を識別せよ。
年老いたる翁なるが、目もよく見えぬ、杖にすがりて来たり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「翁なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「目もよく見えぬ」(打消「ず」の連体形「ぬ」)。「見えぬ」の下に前と同じ「翁」を補えるので同格。「年老いた翁で、目もよく見えない翁が、杖にすがってやって来た」。
Q43.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が来るを待つ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「君」+「が」+カ変「来」の連体形「来る」+格助詞「を」+動詞「待つ」。「が」は「来る」の主語を示す主格(「君が来る」のまとまりが「待つ」の目的語になっている)。「あなたが来るのを待つ」。
Q44.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が心、いまだ定まらず。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「心」。「私の心は、まだ定まらない」。
Q45.次の傍線部「が」を識別せよ。
都より来たる人なるが、物よく知りたる、この里に住みけり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「人なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「物よく知りたる」(存続「たり」の連体形)。「知りたる」の下に前と同じ「人」を補えるので同格。「都から来た人で、物事をよく知っている人が、この里に住んでいた」。
Q46.次の傍線部「が」を識別せよ。
鶯鳴くが、春なほ浅し。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「鳴く」連体+「が」+「浅し」。「鶯が鳴くけれども、まだ春は浅い」。
Q47.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が家、京にあり。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「家」。「私の家は、京にある」。
Q48.次の傍線部「が」を識別せよ。
鳥の飛ぶが見ゆ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「飛ぶ」連体形+「が」+動詞「見ゆ」。連体形「飛ぶ」の下に「の・さま」を補うと「見ゆ」の主語になるので主格(連体形が体言のように使われている=準体法)。「鳥が飛ぶのが見える」。
Q49.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が仰せに従ひ給へ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「仰せ」。「あなた様の仰せに従いなさい」。
Q50.次の傍線部「が」を識別せよ。
人あまた呼びて尋ぬるが、知る者なし。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「尋ぬる」(下二段「尋ぬ」の連体形)+「が」+「知る者なし」。後ろの「なし」は終止形で文を言い切っているので同格ではなく、その主語は「知る者」なので主格でもない。「人を大勢呼んで尋ねるけれども、知っている者はいない」と前後が逆らう関係なので逆接。
標準編 /30
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
文脈・係り結び・引用が絡む応用問題。
Q51.次の傍線部「が」を識別せよ。
あひ知りたる人が、また同じ道を行きけり。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「あひ知りたる人」(連体形+人)+「が」+「また同じ道を行きけり」。後ろは過去「けり」の終止形で文を言い切っているので、同じ人を説明する連体形ではなく同格ではない。「が」は「行き(けり)」の主語を示す主格。「知り合いの人が、また同じ道を行った」。
Q52.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が思ふ人、いま死にぬ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「我」+「が」+動詞「思ふ」(連体形)+体言「人」。「が」は「思ふ」の主語を示す主格。「私が(恋しく)思う人が、今、死んでしまった」。
Q53.次の傍線部「が」を識別せよ。
月明らけき夜なるが、木の下はなほ暗し。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「夜なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「木の下はなほ暗し」。後ろの「暗し」は終止形で文を言い切っているので同格ではなく、その主語は「木の下」なので主格でもない。「月の明るい夜であるのに、木の下はやはり暗い」と前後が逆らう関係なので逆接。
Q54.次の傍線部「が」を識別せよ。
鳥のさへづるが、いとあはれなり。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「さへづる」連体形+「が」+形容動詞「あはれなり」。「鳥のさへづる」は「鳥がさえずること」の意味の連体形で、それが「あはれなり」の主語なので主格。「鳥がさえずるのが、たいそうしみじみと趣深い」。
Q55.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が御志ありて、世に伝はる。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「御志」。「あなた様のお志があって、世に伝わる」。
Q56.次の傍線部「が」を識別せよ。
知らぬ人が問ふ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「知らぬ人」連体+「が」+動詞「問ふ」。「知らない人が尋ねる」。
Q57.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が国の人、もろこしに渡る。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「国」。「我が国の人が、中国に渡る」。
Q58.次の傍線部「が」を識別せよ。
いみじき才ありし人なるが、世に出でず。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「人なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「世に出でず」。後ろの「出でず」は終止形で文を言い切っているので同格ではない。下に「人」を補うと「人である人」と重なるので主格でもない。「並々ならぬ才能があった人であるけれども、世に出ない」と前後が逆らう関係なので逆接。
Q59.次の傍線部「が」を識別せよ。
春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる――この歌、人皆知るが、その心、知らず。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「知る」連体+「が」+「知らず」。「この歌を人々皆知っているが、その心は知らない」。
Q60.次の傍線部「が」を識別せよ。
いと尊き人なるが、人前にては謙りて、自らを卑しめ給ふ。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「人なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「人前にては謙りて、自らを卑しめ給ふ」。後ろは「給ふ」で文を言い切っているので同格ではない。下に「人」を補うと「人である人」と重なるので主格でもない。「たいそう尊い人であるのに、人前ではへりくだって、自分を低く扱いなさる」と前後が逆らう関係なので逆接。
Q61.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が心ながらも、悲し。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「心」+助詞「ながら」+「悲し」。「私の心ながらも、悲しい」。
Q62.次の傍線部「が」を識別せよ。
仏に祈らむがためなり。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、「〜の」) 解説:「祈らむ」(未然+意志「む」連体)+「が」+「ため」。「仏に祈ろうとするためである」。「〜むがため」は古文の定型表現で「〜のため」と訳す連体修飾格。
Q63.次の傍線部「が」を識別せよ。
おのが行く方も知らず。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:代名詞「おの」(自分)+「が」+動詞「行く」(連体形)+体言「方」。「が」のすぐ後ろは用言「行く」で、「が」は「行く」の主語を示すので主格。「自分が行く方角もわからない」。
Q64.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が思ふ人は、誰がゆゑにかく嘆くらむ。
答え:①最初の「が」=主格 ②後の「が」=連体修飾格 解説: – 「我が思ふ人」:「が」のすぐ後ろは用言「思ふ」で、「思ふ」の主語を示す主格(私が思う人) – 「誰がゆゑ」:「が」のすぐ後ろは体言「ゆゑ」で、連体修飾格(誰のせいで) 「らむ」は現在推量(疑問の語「誰」を受けて連体形)。「私が思う人は、誰のせいでこのように嘆いているのだろうか」。
Q65.次の傍線部「が」を識別せよ。
若き法師なるが、歌よく詠むありけり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「法師なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「歌よく詠む」(連体形)+「ありけり」。「詠む」の下に前と同じ「法師」を補えるので同格。「若い法師で、歌を上手に詠む法師がいた」。『源氏物語』桐壺の「いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり」と同じ形。
Q66.次の傍線部「が」を識別せよ。
いとあはれなる人なるが、心の浅きこと申すよ。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「人なる」(断定「なり」連体形)+「が」+後の文。後ろは「申すよ」で文を言い切っているので同格ではない。下に「人」を補うと「人である人」と重なるので主格でもない。前後が逆らう関係なので逆接。「たいそう情け深い人であるのに、思慮の浅いことを申し上げるよ」。
Q67.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が御身、健やかにあれ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「御身」。「あなた様のお身が、健やかにあれ」。
Q68.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が家に来たる人、皆もてなさず。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「家」。「私の家に来た人を、皆もてなさない」。
Q69.次の傍線部「が」を識別せよ。
木の葉散るが、なほ風吹かず。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「散る」連体+「が」+「吹かず」。「木の葉が散るが、なお風は吹かない」(矛盾)。
Q70.次の傍線部「が」を識別せよ。
童が呼ぶ声、遠く聞こゆ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:体言「童」+「が」+動詞「呼ぶ」(連体形)+体言「声」。「が」のすぐ後ろは用言「呼ぶ」で、「が」は「呼ぶ」の主語を示すので主格(最後に体言「声」があっても、「が」がかかるのは「呼ぶ」)。「子どもが呼ぶ声が、遠くに聞こえる」。
Q71.次の傍線部「が」を識別せよ。
年若き者なるが、心ばへいとよき、主によく仕へけり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「者なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「心ばへいとよき」(形容詞「よし」の連体形)。「よき」の下に前と同じ「者」を補えるので同格。「年の若い者で、気立てがたいそうよい者が、主人によく仕えた」。
Q72.次の傍線部「が」を識別せよ。
桜花散るが、山吹はなほ盛りなり。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「散る」連体形+「が」+「山吹はなほ盛りなり」。「桜は散るけれども、山吹はまだ盛りだ」と前後が逆らう関係なので逆接。
Q73.次の傍線部「が」を識別せよ。
月隠るるが見ゆ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「隠るる」(下二段「隠る」の連体形)+「が」+動詞「見ゆ」。「隠るる」の下に「の・さま」を補うと「見ゆ」の主語になるので主格。「月が隠れるのが見える」。
Q74.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が心、いま定まりぬ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「心」。「私の心は、今、定まった」。
Q75.次の傍線部「が」を識別せよ。
旅人が問ふ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「旅人」+「が」+動詞「問ふ」。「旅人が尋ねる」。
Q76.次の傍線部「が」を識別せよ。
いと幼き童なるが、笛ををかしう吹くありけり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「童なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「笛ををかしう吹く」(連体形)+「ありけり」。「吹く」の下に前と同じ「童」を補えるので同格。「たいそう幼い子どもで、笛を趣深く吹く子どもがいた」。
Q77.次の傍線部「が」を識別せよ。
名にし負ふ都鳥がゆゑ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「都鳥」+「が」+体言「ゆゑ」。「都鳥のゆえに」。
Q78.次の傍線部「が」を識別せよ。
我がゆゑに、君は苦しみ給ふ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「ゆゑ」。「私のせいで、あなた様は苦しんでいらっしゃる」。
Q79.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が心、定まらず。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、「〜の」) 解説:「君」(体言)+「が」+「心」。「あなたの心は、定まらない」。人称代名詞+「が」+体言は連体修飾格の典型。
Q80.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が思ひ給ふやう。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「君」+「が」+動詞「思ひ」(四段「思ふ」の連用形)+尊敬「給ふ」(連体形)+体言「やう」。「が」は「思ひ給ふ」の主語を示すので主格。「あなた様がお思いになること(その中身)」。
応用編 /30
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
Q81.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が身、いまだ若きを、なほ嘆く。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「身」。「私の身が、まだ若いのに、なお嘆く」。
Q82.次の傍線部「が」を識別せよ。
その頃、大納言の御娘なるが、琴をいみじう弾き給ふ、おはしけり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:「御娘なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「琴をいみじう弾き給ふ」(「給ふ」は連体形)+「おはしけり」。「給ふ」の下に前と同じ「御娘(方)」を補えるので同格。「その頃、大納言のお嬢様で、琴をたいそう見事にお弾きになる方がいらっしゃった」。
Q83.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が御代、千代にもがな。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「御代」+「千代にもがな」(「もがな」は願望の終助詞)。「わが君のご治世が、千年も続いてほしいものだなあ」。
Q84.次の傍線部「が」を識別せよ。
中宮、御文書かせたまふが、ことのほかに気高し。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「書かせたまふ」(尊敬「す」+「たまふ」の二重敬語)の連体形+「が」+「気高し」。「たまふ」の下に「さま」を補うと「気高し」の主語になるので主格。「中宮がお手紙をお書きになるご様子が、格別に気品がある」。後ろは「気高し」で言い切っているので同格ではない。
Q85.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が見し人の、いまは無きを嘆く。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「我」+「が」+動詞「見」(上一段「見る」の連用形)+過去「き」の連体形「し」+体言「人」。「が」のすぐ後ろは用言「見」で、「が」は「見」の主語を示す主格(「人の」の「の」は「無き」の主語を示す主格の格助詞)。「私が(かつて)会った人が、今はもういないことを嘆く」。
Q86.次の傍線部「が」を識別せよ。
飛ぶ鳥のさへづり、いと聞きにくきが、なほ耳澄まして聞く。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「聞きにくき」(形容詞「聞きにくし」の連体形)+「が」+「なほ耳澄まして聞く」。後ろは「聞く」で言い切っているので同格ではなく、「聞きにくき(の)」を補っても「聞く」の主語にはならない。「(さえずりは)たいそう聞きとりにくいけれども、それでも耳を澄まして聞く」と前後が逆らう関係なので逆接。
Q87.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が心ぞ嘆かるる。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「心」+係助詞「ぞ」+「嘆か」(四段「嘆く」の未然形)+自発「る」の連体形「るる」(「ぞ」の結び)。「が」は体言「心」にかかる連体修飾格。「私の心が、自然と嘆かれる」。
Q88.次の傍線部「が」を識別せよ。
月明らかなる夜なるが、雲なくしてさやけし。
答え:接続助詞「が」(単純接続) 解説:「夜なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「雲なくしてさやけし」。後ろの「さやけし」は終止形で文を言い切っているので同格ではない。下に「夜」を補うと「夜である夜」と重なるので主格でもない。前後に逆らう関係はないので単純接続。「月の明るい夜で、雲もなく澄みきっている」。
Q89.次の傍線部「が」を識別せよ。
君が御身を案じ奉る人、世に多し。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「君」+「が」+体言「御身」。「案じ奉る」の主語は「人」なので、「が」は体言「御身」にかかる連体修飾格(「奉る」は謙譲の補助動詞)。「あなた様のお体をご心配申し上げる人が、世の中に多い」。
Q90.次の傍線部「が」を識別せよ。
名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「わ」(我)+「が」+動詞「思ふ」(連体形)+体言「人」。「が」は「思ふ」の主語を示す主格。『伊勢物語』九段(東下り)の歌。「(都という)名を持っているのならば、さあ尋ねよう、都鳥よ。私が恋しく思う人は無事でいるかいないかと」。
Q91.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が心ながら、いかにせむ。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:「我」+「が」+体言「心」+助詞「ながら」。「私の心ながら、どうしようか」。
Q92.次の傍線部「が」を識別せよ。
嵐の風吹くが、舟出でぬ。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「吹く」連体+「が」+「出でぬ」(完了「ぬ」の終止形)。「嵐の風が吹いているのに、舟は出てしまった」(逆接)。
Q93.次の傍線部「が」を識別せよ。
月の出づるが心もとなし。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「出づる」(下二段「出づ」の連体形)+「が」+形容詞「心もとなし」(終止形)。「月の出づる」の下に「の・こと」を補うと「心もとなし」の主語になるので主格。「月が出るのが、待ち遠しい(じれったい)」。
Q94.次の傍線部「が」を識別せよ。
我が思ひ嘆くこと、限りなし。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「我」+「が」+動詞「思ひ嘆く」(連体形)+体言「こと」。「が」は「思ひ嘆く」の主語を示す主格。「私が思い嘆くことは、限りがない」。
Q95.次の傍線部「が」を識別せよ。
唐土の人なるが、和歌をも詠み給ふ。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「人なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「和歌をも詠み給ふ」。後ろは「給ふ」で文を言い切っているので同格ではない。下に「人」を補うと「人である人」と重なるので主格でもない。「中国の人であるのに、和歌までもお詠みになる」と、「も」が示すように予想に反する関係なので逆接。
Q96.次の傍線部「が」を識別せよ。
宮、御琴を弾き給ふが、ほのかに聞こゆ。
答え:格助詞「が」(主格) 解説:「弾き給ふ」(「給ふ」は連体形)+「が」+動詞「聞こゆ」。「給ふ」の下に「音」を補うと「聞こゆ」の主語になるので主格。「宮が御琴をお弾きになる音が、かすかに聞こえる」。
Q97.次の傍線部「が」を識別せよ。
春過ぎて夏来ぬるが、まだ涼し。
答え:接続助詞「が」(逆接) 解説:「来ぬる」(カ変「来」の連用形+完了「ぬ」の連体形)+「が」+「まだ涼し」。後ろは「涼し」で言い切っていて、夏が来たのに涼しいという逆らう関係なので逆接。「春が過ぎて夏が来てしまったけれども、まだ涼しい」。
Q98.次の傍線部「が」を識別せよ。
心ある人なるが、和歌の道に心入れ給ふ。
答え:接続助詞「が」(単純接続) 解説:「人なる」(断定「なり」の連体形)+「が」+「和歌の道に心入れ給ふ」。後ろは「給ふ」で文を言い切っているので同格ではない(「〜心入れ給ふありけり」なら同格)。下に「人」を補うと「人である人」と重なるので主格でもない。前後に逆らう関係はないので単純接続。「風流を解する人で、和歌の道に熱心でいらっしゃる」。
Q99.次の傍線部「が」を識別せよ。
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひ給ひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
答え:格助詞「が」(同格) 解説:『源氏物語』桐壺の巻の冒頭。「あらぬ」(打消「ず」の連体形)+「が」+「すぐれて時めき給ふ」(「給ふ」は連体形)+「ありけり」。「あらぬ」の下にも「時めき給ふ」の下にも同じ「人(方)」を補えるので同格。「どの帝の御代であったか、女御や更衣が大勢お仕えしていらっしゃった中に、それほど高貴な身分ではない方で、際立って帝のご寵愛を受けていらっしゃる方がいた」。この「が」を主格とみる説もあるが、学校文法では同格の代表例として扱う。
Q100.次の傍線部「が」を識別せよ。
行く川のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。たましきの都のうちに棟を並べ、甍を争へる、高き、いやしき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或は去年焼けて今年作れり。或は大家ほろびて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。
答え:格助詞「が」(連体修飾格、=「〜の」) 解説:方丈記。「二三十人」+「が」+体言「中」。「二三十人の中で、わずかに一人二人である」。
入試レベル /20
合計 /100
もっとドリルを解きたい方へ
「誰でも古典塾」では、テーマ別に 83テーマ × 100題 = 8,300題 のドリルを無料配布しています。
📝 100問で文法を固めたら、本番形式で力試し!
学校の定期テストや入試前の総点検には、作品・単元ごとの 確認テスト(古文・漢文の定期テスト対策 一覧) がおすすめ。各テーマ20問+印刷用PDF付き。


コメント