過去・詠嘆の2用法を100問で見分ける
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📖 先に理屈を固めたい人へ:「けり」の識別・用法 解説 を読んでから解くと正答率が上がります。
このドリルでわかること
はじめに:「けり」の2用法
過去の助動詞「けり」は、 連用形接続。 2つの意味を持つ識別最頻出語。
| 用法 | 訳 | 判別ポイント |
|---|---|---|
| ① 過去(伝聞・回想) | 〜た/〜たそうだ | 物語・歴史書の地の文 |
| ② 詠嘆 | 〜だなあ/〜だったのか | 和歌・心情表現・気づきの瞬間 |
「き」との違い: – 「き」:自分の体験した過去 – 「けり」:間接的・伝聞・気づき・詠嘆
活用
| 活用形 | 形 | 用例 |
|---|---|---|
| 未然 | (けら) | ほぼ和歌のみ |
| 連用 | (なし) | — |
| 終止 | けり | 男ありけり |
| 連体 | ける | 散りける花 |
| 已然 | けれ | 散りければ |
| 命令 | (なし) | — |
識別の鉄則
- 散文(物語・歴史書)の地の文 → 多くは過去(伝聞)
- 和歌の中の「けり」 → 多くは詠嘆(〜だなあ)
- 「○○けり」と気づいた瞬間 → 詠嘆的(〜だったのか)
- 「〜なりけり」(体言・連体形+断定「なり」連用形+けり) → 気づきの詠嘆(〜であったのだなあ)が多い。形容詞の「〜かりけり」は、この形だけでは決まらない(地の文なら過去)
- 「けれ」は已然形(「ば」「ども」と接続、または「こそ」の結び)
- 「ける」は連体形(体言の前、または「ぞ・なむ・や・か」の結び)
紛らわしい「けり」「ける」「けれ」
- 形容詞已然形「〜けれ」:「悲しけれ」「高けれ」(ク/シク活用)
- 「にけり」と「なりけり」の切り方:「にけり」は完了「ぬ」連用形「に」+けり(〜てしまった)、「なりけり」は断定「なり」連用形+けり(〜であった)。「久しくなりにけり」「もの悲しくなりけり」の「なり」は動詞「なる」の連用形。「あはれなりけり」の「なり」は形容動詞の活用語尾(Q53)
- 「けむ」(過去推量):「○○けむ」は別助動詞
- 「らむ」「めり」など、ほかの助動詞との混同
→ 直前接続(連用形か) と 意味(〜た/〜だなあ) で判別。
上の「識別の鉄則」は、文法の理屈にそって見分ける手順。
こちらは 試験本番ですばやく答えを出す ための実戦テクニックです。
コツ① 傍線部が 和歌の中 なら、まず詠嘆
傍線部が 和歌の中 にあれば、多くは「詠嘆(〜だなあ)」。 百人一首・古今集・新古今集など、傍線部が五七五七七の中にあれば まず詠嘆 と考える。ただし「…と詠みけり」のように、歌のあとの地の文にある「けり」は過去。 例:「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」(小野小町) → 「けり」は詠嘆。 ※「夏来にけらし」の「けらし」(=けるらし)は「〜たらしい」と訳し、含まれる「けり」は過去として扱う(Q2・Q29)。
コツ② 物語の 冒頭・地の文 なら過去(伝聞)
「昔、男ありけり。」「今は昔、〜ありけり。」のような 物語の冒頭定型 は過去。 地の文で淡々と出来事を述べているなら過去で確定。
→ 伊勢物語・竹取物語・宇治拾遺などの 冒頭 は迷わず過去。
コツ③ 「気づき」の文脈 → 詠嘆
登場人物の 会話文・心の声・独白 に出てくる「けり」は詠嘆が多い。 「あ、〜だったのか!」と訳して通じれば詠嘆。 例:「かくてもあられけるよと、あはれに見るほどに」(徒然草・第十一段。「かくてもあられけるよ」は心の中のことば=こうしても住んでいられるのだなあ) ただし、会話文の中でも、昔のことを聞き伝えのとおりに語る「けり」は過去(伝聞)。
→ 「〜なりけり」(断定「なり」+けり)も、気づきの詠嘆が多い。形容詞の「〜かりけり」は、それだけでは決まらない(地の文なら過去)。
コツ④ 形が紛らわしいときは 直前 を見る
- 連用形+「けり」 → 助動詞「けり」確定
- 形容詞の語幹(高・遠)や「〜し」(悲し)に「けれ」が続く → 形容詞已然形(助動詞ではない!) 例:「悲しけれ」「高けれ」← これは形容詞の已然形
→ 「高けれ」(ク活用)「悲しけれ」(シク活用)は形容詞の已然形の一部で、助動詞ではない。「高かりけれ」「悲しかりけれ」(カリ活用の連用形+けり)なら助動詞「けり」。
試験本番でのチェック順序
- 和歌の中か? → 詠嘆
- 物語の冒頭・地の文か? → 過去(伝聞)
- 会話文・心情・気づき → 詠嘆
- 「〜なりけり」(体言・連体形+断定「なり」+けり) → 詠嘆が多い(「〜かりけり」は、この形だけでは決まらない)
→ この順番で見れば、すばやく答えが出ます。
よくある引っかけ
- 「けれ」が形容詞已然形のことも(悲しけれ・高けれ)
- 「ける」が連体形(ぞ・なむ・や・かの結び/体言の前)
- 「けむ」(過去推量)と読み違える → 「む」がついていないか必ず確認
🎯 解き方のコツ(時短テクニック)
問題(Q1〜Q100)
ここから100問を表示します。スマホでも解けるよう、答えと解説は各問の直下に表示しています。「解答が見えると解いた気にならない」という方は、上のPDFをダウンロードして印刷で解いてください。
【第1部】基礎編(Q1〜Q20)
過去と詠嘆の純粋な区別。
Q1.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
昔、男ありけり。
答え:過去(伝聞) 解説:物語の冒頭定型。「(昔)男がいた」。伊勢物語の冒頭。
Q2.次の傍線部に含まれる「けり」の用法を答えよ。(新古今集・百人一首)
春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山。
答え:過去(「けらし」=過去「けり」の連体形「ける」+推定「らし」がつまった形) 解説:カ変「来」連用形「来(き)」+完了「ぬ」連用形「に」+「けらし」。「けらし」は「けるらし」がつまった形で、「〜たらしい」と訳す。「春が過ぎて夏が来たらしい」。和歌の中の「けり」は詠嘆が多いが、「けらし」の「けり」は「〜た」と訳す過去として扱う(「けらし」に詠嘆の気持ちを読み取る説もある)。なお万葉集の原形は「夏来たるらし…衣干したり」で、「夏来にけらし…衣干すてふ」は新古今集・百人一首の形。
Q3.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
京に上りけり。
答え:過去 解説:地の文。「京に上った」。単純過去。
Q4.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
来て見れば、人もなし。「わが思ふ人は、はや帰りけり」と思ふ。
答え:詠嘆(気づき) 解説:心の中のことば(「」の中)。来てみて人がいないのを見て、はじめて気づいている。「私の思う人は、もう帰ってしまっていたのだなあ」。気づきの詠嘆。
Q5.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
朝、戸を押し開けて、「朝顔の花ぞ咲きける」と喜ぶ。
答え:詠嘆(連体形・係助詞「ぞ」の結び) 解説:「ぞ」+「ける」(連体結び)。戸を開けて見つけたことを喜んで言う会話文の中なので詠嘆。「朝顔の花が咲いていたのだなあ」。
Q6.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
唐土に渡りける僧。
答え:過去(伝聞) 解説:体言「僧」の前で連体形。「中国に渡ったとかいう僧」。伝聞調。
Q7.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
月清く照りけり。(和歌中)
答え:詠嘆 解説:和歌の中なら詠嘆「月が清く照っているなあ」。
Q8.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
文を見て、「古き友は、なほ生きたりけり」とうれしく思ふ。
答え:詠嘆(気づき) 解説:完了(存続)「たり」連用形「たり」+「けり」。手紙を見てはじめて知った、心の中のことばなので詠嘆。「古い友は、まだ生きていたのだなあ」。
Q9.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
嵐山に登りけり。
答え:過去 解説:単純な過去の事実。「嵐山に登った」。
Q10.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
心安く眠りけり。
答え:過去 解説:「(昨夜)心安く眠った」。地の文の過去。
Q11.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。(和歌の結句)
花ぞ散りける。
答え:詠嘆(連体形・「ぞ」の結び) 解説:「ぞ」+「ける」(連体結び)。和歌の中の「けり」なので詠嘆。「花が散ったのだなあ」。
Q12.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
月清く照りければ、夜もすがら琴を弾きけり。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「照り」連用+「けれ」+「ば」。「月が清く照っていたので、一晩中琴を弾いた」。
Q13.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
我が父、いま静かに眠りけり。
答え:詠嘆(気づき) 解説:「(知らなかったが)父が静かに眠っているのだなあ」。
Q14.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
朝起きて、「夜のほどに、庭に雪は降りけり」と言ふ。
答え:詠嘆 解説:朝起きてはじめて気づいたことを言う会話文の中なので詠嘆。「夜のうちに、庭に雪が降っていたのだなあ」。気づきの詠嘆。
Q15.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
男、女のもとに通ひけり。
答え:過去 解説:物語の典型。「男が女のところに通っていた」。伊勢物語に多い。
Q16.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
風吹き、波荒く立ちけり。
答え:過去 解説:地の文。「風が吹き、波が荒く立った」。
Q17.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
いとあはれにありがたしと聞こえける人。
答え:過去(伝聞・連体形) 解説:「人」(体言)の前。「たいそう感じ入って素晴らしいと評判だった人」。
Q18.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
文の道に入りけり。
答え:過去 解説:四段動詞「入る」連用形「入り」+過去「けり」終止形。「(その人は)学問の道に入った」。
Q19.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
子を思ひて泣くを見て、「この人も子をもつ親なりけり」と思ふ。
答え:詠嘆 解説:断定「なり」連用+「けり」。泣く姿を見て気づいた心の中のことばなので詠嘆。「この人も子を持つ親であったのだなあ」。
Q20.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
帝、隠れさせたまひけり。
答え:過去 解説:「お亡くなりになった」。歴史的事実の過去。
基礎編 /20
【第2部】標準編(Q21〜Q50)
係り結び・接続・助動詞の連結。
Q21.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
朝、庭を見て、「夜の風に、花なむ散りける」と惜しむ。
答え:詠嘆(連体形・係助詞「なむ」の結び) 解説:「なむ」→連体形結び。朝になって庭を見て気づいたことを言う会話文の中なので詠嘆。「夜の風で、花が散ったのだなあ」。地の文の「なむ〜ける」なら過去(Q60)。
Q22.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
別れてのち、「われこそ、この人をまことに思ひけれ」と知る。
答え:詠嘆(已然形・係助詞「こそ」の結び) 解説:「こそ」→已然形結び。別れたあとで気づいた心の中のことばなので詠嘆。「私こそ、この人を本当に愛していたのだなあ」。
Q23.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
「昨夜、笛の音や聞こえける」と問ふ。
答え:過去(連体形・疑問の係助詞「や」の結び) 解説:「や」係助詞→連体結び。「昨夜、笛の音が聞こえたか」と、前のできごとを尋ねる文なので「けり」は過去。疑問の意味は「や」が表す。
Q24.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
この花、たれか折りける。
答え:過去(連体形・疑問の係助詞「か」の結び) 解説:「たれか」の「か」(疑問の係助詞)→連体結び「ける」。疑問の意味は「か」が表し、「けり」は過去。「この花は、誰が折ったのか」。
Q25.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
帝、いといみじく思ほしけり。
答え:過去 解説:「帝はたいそうお思いになった」。地の文の過去。
Q26.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
雪降りけれど、出でぬ。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「降り」連用+「けれ」+「ど」。「雪が降ったけれど、出かけた」。文末の「出でぬ」は下二段「出づ」連用形+完了「ぬ」終止形(打消なら「出でず」)。
Q27.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと…と詠みけり。
答え:過去 解説:和歌を「詠んだ」という地の文。過去。
Q28.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。(和歌)
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花…と詠みけり。
答え:過去 解説:地の文での「詠んだ」。歌そのものではない。
Q29.次の傍線部を識別せよ。
春来にけらし。
答え:(参考)推定の助動詞「らし」(「けらし」=過去「けり」の連体形「ける」+「らし」がつまった形) 解説:傍線部はけりではなく推定「らし」。「来」はカ変の連用形「来(き)」、「に」は完了「ぬ」の連用形。「けらし」は「けるらし」がつまった形で、「〜たらしい」と訳す。「春が来たらしい」。
Q30.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
かの僧の見ける夢、まさしく現になりぬ。
答え:過去 解説:「見」連用+「ける」連体+体言「夢」。「あの僧が見た夢が、まさに現実になった」。自分が見た夢なら、ふつうは体験の過去「き」を使って「わが見し夢」と言う。
Q31.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
心安かりければ、また訪ねけり。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ば」(原因) 解説:形容詞カリ活用連用+「けれ」+「ば」。
Q32.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
物語を見るほどに、「いつしか日も暮れにけり」と驚く。
答え:詠嘆 解説:完了「ぬ」連用「に」+「けり」。物語を読んでいて、日が暮れたことにはじめて気づいた会話文の中なので詠嘆。「いつのまにか日も暮れてしまったのだなあ」。「にけり」の形だから詠嘆と決まるのではない(地の文の「にけり」は過去。Q89)。
Q33.次の傍線部を識別せよ。
古今集に載れる歌なりとぞ言ひ伝へたる。
答え:完了の助動詞「たり」の連体形(「ぞ」の結び。過去「けり」ではない、参考問題) 解説:「言ひ伝へ」(下二段「言ひ伝ふ」連用形)+「たる」(完了「たり」の連体形。ここでは存続「〜ている」。係助詞「ぞ」の結び)。「古今集に載っている歌であると言い伝えている」。「けり」との混同に注意。
Q34.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
「鶯の鳴くこと久しくなりにけり。春も暮れぬべし」と言ふ。
答え:詠嘆 解説:動詞「なる」連用形「なり」+完了「ぬ」連用形「に」+「けり」。会話文の中で、時がたったことに気づいて言っているので詠嘆。「鶯が鳴くようになってから、長い時がたったのだなあ。春もきっと終わってしまうだろう」。
Q35.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
世の人の知らざりけることを、この翁はよく知りたり。
答え:過去(連体形) 解説:打消「ず」連用「ざり」+「ける」連体形+体言「こと」。体言を修飾する地の文の「ける」なので過去。「世の中の人が知らなかったことを、この翁はよく知っていた」。
Q36.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
月夜よし夜よしと人に告げやらば来てふに似たり待たずしもあらず。…と詠みけり。
答え:過去 解説:「詠みけり」は地の文の過去。
Q37.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
いと哀れと思ひけれど、言ひも出でず。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「思ひ」連用+「けれ」+「ど」。「たいそうかわいそうだと思ったけれど、口に出しては言わなかった」。
Q38.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
雪の降る夜、帝、御笛を吹かせたまひけり。
答え:過去 解説:「吹かせたまひ」(四段「吹く」未然形+尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「たまふ」連用形=二重敬語。帝への最高敬語)+「けり」。地の文の過去。「雪の降る夜、帝は笛をお吹きになった」。
Q39.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
あはれ、夢なりけり。
答え:詠嘆 解説:感嘆詞「あはれ」を伴う。「ああ、夢だったのだなあ」。気づきの詠嘆。
Q40.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
散りにける桜、なほ惜し。
答え:過去(連体形) 解説:完了「ぬ」連用「に」+「ける」連体+体言「桜」。体言を修飾する「ける」は「〜た」と訳す過去。「散ってしまった桜が、やはり惜しい」。
Q41.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
我れもまた老いにけり。
答え:詠嘆 解説:「老いに+けり」。「私もまた老いてしまったのだなあ」。気づき。
Q42.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
中宮、御覧じて思し召しけり。
答え:過去 解説:地の文の過去。「中宮はご覧になって、お思いになった」。
Q43.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
故里に住みける人々、皆絶え果てぬ。
答え:過去(連体・伝聞) 解説:「住み」連用+「ける」+体言「人々」。「故郷に住んでいた人々」。
Q44.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
暁の月見けれど、心は晴れず。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「見」連用+「けれ」+「ど」。「明け方の月を見たけれど」。
Q45.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
「夢か」と疑ひけり。
答え:過去 解説:「疑った」。心情描写の過去。
Q46.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
あらたまの年立ち返る朝より待たるるものは鶯の声…とぞ詠みたまひける。
答え:過去(連体形・「ぞ」の結び) 解説:「ぞ」係助詞→連体結び。地の文の「詠まれた」。
Q47.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
心づくしの秋風に海はすこし遠けれど、…
答え:形容詞ク活用已然形語尾「けれ」(過去「けり」ではない) 解説:「遠し」(ク活用)已然「遠けれ」+「ど」。識別最難関の引っかけ。直前が連用形でないので過去ではない。
Q48.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
その夜、雷いたく鳴りて、その音いみじかりけり。
答え:過去 解説:形容詞「いみじ」(シク活用)のカリ活用連用形「いみじかり」+「けり」。地の文で出来事を述べているので過去。「その夜、雷がひどく鳴って、その音はすさまじかった」。「〜かりけり」の形だけでは詠嘆と決まらない。
Q49.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
我に告げける人なし。
答え:過去(連体形) 解説:「告げ」連用+「ける」+体言「人」。「私に告げた人はいない」。
Q50.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
山里は冬ぞ寂しさまさりける人めも草もかれぬと思へば。
答え:詠嘆(連体形・「ぞ」の結び) 解説:百人一首・源宗于。「ぞ」→連体「ける」結び。「山里は冬こそ寂しさが増すものだったのだなあ」。和歌中の詠嘆典型。
標準編 /30
【第3部】応用編(Q51〜Q80)
複合パターン・敬語連動・複雑な係り結び。
Q51.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
いとうつくしと思しめしけり。
答え:過去 解説:尊敬「思しめす」連用+「けり」。「たいそう可愛いとお思いになった」。
Q52.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
かの人の住みける里、今は荒れ果てぬ。
答え:過去 解説:「住み」連用+「ける」連体+体言「里」。地の文の過去。「あの人が住んでいた里は、今はすっかり荒れてしまった」。
Q53.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
物の音もすずろにあはれなりければ、なほ眠らず。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ば」(原因) 解説:形容動詞ナリ連用+「けれ」+「ば」。
Q54.次の傍線部を識別せよ。
人知れずわが恋ひ死なば誰かはあはれと言はまし。
答え:(参考)反実仮想「まし」 解説:傍線部はけりではなく「まし」。「恋ひ死なば」(未然形+ば=仮定)を受けた帰結で、「(もし恋い死んだら)誰が『あわれ』と言ってくれようか、いや誰も言うまい」(「かは」は反語)。「〜ば…まし」の反実仮想。
Q55.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
夜もすがら寝られで、「秋の夜は、かくも長かりけるかな」とひとりごつ。
答え:詠嘆(連体形「ける」+詠嘆の終助詞「かな」) 解説:形容詞「長し」のカリ活用連用形「長かり」+「ける」(連体形)+終助詞「かな」。眠れずにいて秋の夜の長さに気づいたひとりごとなので詠嘆。「秋の夜は、こんなにも長いものだったのだなあ」。「〜けるかな」は詠嘆の形。
Q56.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
「心づくしの夜の長きを思ふに、よろづ哀れに侍りけり」と聞こゆ。
答え:詠嘆 解説:形容動詞「哀れなり」連用形「哀れに」+丁寧の補助動詞「侍り」連用形+「けり」。会話文の中で、今の思いを述べているので詠嘆。「物思いの尽きない夜の長さを思うと、何事もしみじみと心にしみることでございますなあ」。
Q57.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
帝、御覧じける夜、ひとへに月清かりき。
答え:過去 解説:「御覧じ」連用+「ける」+体言「夜」。
Q58.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
鶯の声に目覚めければ、起きて庭に出でぬ。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「目覚め」(下二段「目覚む」連用形)+「けれ」+「ば」。「鶯の声で目が覚めたので、起きて庭に出た」。
Q59.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
「待つかひありて、君こそ来たまひけれ」と思ひけり。
答え:過去 解説:「思ひ」連用+「けり」。「」の中の心のことばを受けて「〜と思った」と述べる地の文なので過去。「『待ったかいがあって、あなたが来てくださったのだなあ』と思った」(「」の中の「こそ〜けれ」は詠嘆)。
Q60.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
その夜、中将なむ参りける。
答え:過去(連体形・「なむ」の結び) 解説:「なむ」係助詞→連体結び。地の文で出来事を述べているので過去。「その夜、中将が参上した」。
Q61.次の傍線部を識別せよ。
来ぬ人を待つ夕暮れの秋風はいかに吹けばかわびしかるらむ。
答え:(参考)現在の原因推量「らむ」連体形(係り結び) 解説:傍線部はけりではなく「らむ」。係助詞「か」(疑問)+「わびしかる」(形容詞「わびし」カリ活用連体形)+「らむ」連体形(「か」の結び)。「来ない人を待つ夕暮れの秋風は、どのように吹くから(こんなに)わびしいのだろう」。
Q62.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
御使ひの帰り参りたるに、ありさまをねんごろに問ひけり。
答え:過去 解説:「問ひ」連用+「けり」。地の文の過去。「お使いが帰ってきたので、(向こうの)様子をていねいに尋ねた」。
Q63.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
人々、この別れをこそいみじう嘆きけれ。
答え:過去(已然形・係助詞「こそ」の結び) 解説:「こそ」係助詞→已然結び。地の文で人々の様子を述べているので過去。「人々は、この別れをたいそう嘆いたのだった」。
Q64.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
もとより知りたることなれど、なほ人に尋ねけり。
答え:過去 解説:「尋ね」(下二段「尋ぬ」連用形)+「けり」。地の文の過去。「もともと知っていたことだけれど、それでも人に尋ねた」。
Q65.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
「この文をば、人にや見せける」と問ふ。
答え:過去(連体形・疑問の係助詞「や」の結び) 解説:「や」係助詞→連体結び。「この手紙を、人に見せたのか」と、前にしたことを尋ねる文なので「けり」は過去。疑問の意味は「や」が表す。
Q66.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
雪のいと深く降り積もりければ、馬も通はず。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「積もり」連用+「けれ」+「ば」。
Q67.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる…と詠みけり。
答え:過去 解説:「詠み」連用+「けり」。歌のあとの「と詠みけり」は歌の外の地の文なので過去。「〜と詠んだ」。
Q68.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
月の明かりければ、夜起きたりける人々、なほ歩み出でぬ。
答え:過去(連体形) 解説:完了「たり」連用+「ける」+体言「人々」。
Q69.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
心細く悲しければ、なほ涙とどまらず。
答え:形容詞シク活用「悲し」の已然形「悲しけれ」の一部(過去「けり」ではない) 解説:「悲しけれ」はシク活用形容詞の已然形(語幹「悲」+活用語尾「しけれ」)。引っかけ。直前は連用形ではない。
Q70.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
心づくしの秋風の吹くを聞きて、「もの悲しくなりけり」と思ふ。
答え:詠嘆 解説:動詞「なる」連用形「なり」+「けり」。秋風を聞いて自分の心に気づいた、心の中のことばなので詠嘆。「もの悲しくなったのだなあ」。
Q71.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
使ひの者ぞ、このよしを告げける。
答え:過去(連体形・係助詞「ぞ」の結び) 解説:「ぞ」係助詞→連体結び。地の文で出来事を述べているので過去。「使いの者が、このことを告げたのだった」。
Q72.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
翁、「昔、この寺に尊き聖住み侍りけり」と語る。
答え:過去 解説:「住み」連用+丁寧の補助動詞「侍り」連用形+「けり」。会話文の中でも、昔のことを聞き伝えのとおりに語る「けり」は過去(伝聞)。「昔、この寺に尊い聖が住んでおりました」。
Q73.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
故大臣の植ゑける梅、今年もいとおもしろく咲きたり。
答え:過去 解説:「植ゑ」(ワ行下二段「植う」連用形)+「ける」+体言「梅」。地の文の過去。「亡くなった大臣が植えた梅が、今年もたいそう美しく咲いている」。
Q74.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
帰り侍りけれど、心は留まる。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ど」(逆接) 解説:「侍り」連用+「けれ」+「ど」。
Q75.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
文の返りごともなければ、男、いとど恋しさまさりけり。
答え:過去 解説:「まさり」(四段「まさる」連用形)+「けり」。地の文で男の様子を述べているので過去。「手紙の返事もないので、男はいっそう恋しさがつのった」。
Q76.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
その庵を見て、「あらまほしき有様にぞありける」と思ふ。
答え:詠嘆(連体形・「ぞ」の結び) 解説:断定「なり」連用形「に」+係助詞「ぞ」+ラ変「あり」連用形+「ける」(「ぞ」の結び)。「にぞありける」は「なりけり」の間に「ぞ」が入った形。庵を見て気づいた心の中のことばなので詠嘆。「理想的なありさまであったのだなあ」。
Q77.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
人も通はぬ深き山に、翁ひとり住みけり。
答え:過去 解説:「住み」連用+「けり」。地の文の過去。「人も通わない深い山に、翁がひとりで住んでいた」。
Q78.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。
我れ知らぬことぞ多かりける。
答え:詠嘆(連体形・「ぞ」の結び) 解説:形容詞カリ活用連用+「ける」(「ぞ」の結び)。「我れ」が自分のことに気づいて言う文なので詠嘆(「〜かりける」の形だけで決まるのではない)。「知らないことが多いのだなあ」。
Q79.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。
人の去りてのち、「あはれ、思ふことをこそ言はざりけれ」と悔ゆ。
答え:詠嘆(已然形・係助詞「こそ」の結び) 解説:打消「ず」連用「ざり」+「けれ」(「こそ」の結び)。相手が去ったあとで気づいて悔やむ心の中のことばなので詠嘆。「ああ、思っていることを言わなかったのだなあ」。
Q80.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。
「夢ばかり見えしほどの面影だになかりけり」と嘆く。
答え:詠嘆 解説:形容詞「なし」のカリ活用連用形「なかり」+「けり」。嘆いて言う会話文の中のことばなので詠嘆。「ほんの少し見えたほどの面影さえも、ないのだなあ」(「夢ばかり」は「ほんの少し」の意)。
応用編 /30
【第4部】入試レベル(Q81〜Q100)
難関大頻出。古典作品の冒頭・名場面。
Q81.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。(伊勢物語・初段)
昔、男、初冠して、奈良の京春日の里にしるよしして、狩りに往にけり。その里にいとなまめいたる女はらから住みけり。
答え:過去 解説:物語冒頭の地の文。「住んでいた」。
Q82.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。(伊勢物語・東下り)
三河の国、八橋といふ所に至りぬ。そこを八橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。
答え:過去(連体形) 解説:「いひ」(四段「いふ」連用形)+「ける」(連体形)+係助詞「は」。「〜たのは」と訳す地の文の過去。「そこを八橋と言ったのは、川の流れが蜘蛛の足のように分かれているので、橋を八つ渡してあることから、八橋と言ったのだった」(文末の「なむ〜いひける」も過去)。
Q83.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。(竹取物語・冒頭)
今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
答え:過去 解説:「使ひ」(四段「使ふ」連用形)+「けり」。物語の冒頭の地の文なので過去。「(取った竹を)いろいろなことに使っていた」。
Q84.次の傍線部を識別せよ。(百人一首・藤原俊成)
世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
答え:形容詞ク活用「なし」の已然形「なけれ」の活用語尾(「こそ」の結び。過去「けり」ではない、参考問題) 解説:「なけれ」は形容詞「なし」(ク活用・語幹「な」)の已然形で、係助詞「こそ」の結び。「こそ〜けれ」の形でも、「けれ」の上が連用形でなく形容詞の語幹なら助動詞「けり」ではない。「世の中よ、(つらさからのがれる)道はないのだ。思いつめて入った山の奥でも、鹿が(悲しげに)鳴いているようだ」。
Q85.次の傍線部を識別せよ。(百人一首・崇徳院)
瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ
答え:強意の係助詞「ぞ」(結びは連体形「思ふ」。「けり」を含まない、参考問題) 解説:「ぞ」は強意の係助詞で、結びの「思ふ」は連体形(四段動詞は終止形と連体形が同じ形)。この歌に「けり」はない。「(岩にせきとめられて分かれた急流がまた一つになるように)今は別れても、のちにはきっと逢おうと思う」。
Q86.次の傍線部を識別せよ。(古今集・在原業平)
月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして…と詠める歌なり。
答え:完了の助動詞「り」の連体形(「ける」ではない、参考問題) 解説:「詠め」(四段「詠む」已然形)+「る」(完了「り」の連体形)+体言「歌」。「り」はサ変の未然形・四段の已然形に付く。「〜と詠んだ歌である」。「ける」との混同に注意。
Q87.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。(古今集・紀貫之)
結ぶ手のしづくに濁る山の井のあかでも人に別れぬるかな。…と詠みけり。
答え:過去 解説:地の文の「詠んだ」。
Q88.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。(古今集・凡河内躬恒)
月夜にはそれとも見えず梅の花香をたづねてぞ知るべかりける
答え:詠嘆(連体形・係助詞「ぞ」の結び) 解説:「知る」+助動詞「べし」の連用形「べかり」+「ける」(係助詞「ぞ」の結びで連体形)。和歌の中の「けり」なので詠嘆。「月の明るい夜には、(白い梅の花は月の光にまぎれて)それと見分けられない。梅の花は香をたずねてこそ、ありかを知ることができるのだなあ」。
Q89.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。(古今集・在原業平/伊勢物語)
月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして…と詠みて、夜のほのぼのと明くるに、泣く泣く帰りにけり。
答え:過去 解説:完了「ぬ」連用「に」+「けり」。歌を詠んだあとの男の行動を述べる地の文なので過去。「夜がほのぼのと明けるころに、泣く泣く帰っていった」。「にけり」の形でも、地の文なら過去。
Q90.次の傍線部を識別せよ。(古今集・紀友則)
久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ
答え:現在の原因推量の助動詞「らむ」(参考問題) 解説:花が散っているのは目の前のことで、その理由を推し量る「らむ」(現在の原因推量)。「日の光がのどかな春の日に、どうして落ち着いた心もなく花が散っているのだろう」。この歌に「けり」はない。
Q91.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。(古今集・小野小町)
色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける
答え:詠嘆(連体形・「ぞ」の結び) 解説:「ぞ」→連体「ける」結び。「世の中の人の心の花であったのだなあ」。和歌中の詠嘆典型。最頻出。
Q92.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。(古今集・凡河内躬恒)
春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる…と詠みければ、人々みな感じあへり。
答え:過去「けり」已然形「けれ」+接続助詞「ば」(原因) 解説:「詠み」連用+「けれ」+「ば」。歌のあとの地の文。「〜と詠んだので、人々はみな感心しあった」。
Q93.次の傍線部を識別せよ。(枕草子・第一段)
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
答え:完了の助動詞「たり」の連体形(二つとも存続「〜ている」。「けり」ではない、参考問題) 解説:「紫だち」「たなびき」(どちらも四段の連用形)+「たる」(完了「たり」の連体形・存続)。一つめは体言「雲」に続き、二つめは文末の連体止め。「紫がかっている雲が細くたなびいている(のがよい)」。
Q94.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。(更級日記・冒頭)
あづま路の道のはてよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたる人、いかばかりかは怪しかりけむを、いかに思ひはじめけることにか、世の中に物語といふもののあなるを、いかで見ばやと思ひつつ、つれづれなる昼間、宵居などに、姉、継母などやうの人々の、その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、…
答え:過去(連体形) 解説:「思ひはじめ」(下二段「思ひはじむ」連用形)+「ける」(連体形)+体言「こと」。作者は少女時代の自分を「生ひ出でたる人」と人ごとのように書いているので、自分の昔のことでも「き」でなく「けり」を使っている(地の文の過去)。「どのように思い始めたことであろうか」。すぐ前の「怪しかりけむ」の「けむ」は過去推量なので、見まちがえない。
Q95.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。(源氏物語・桐壺・冒頭)
いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
答え:過去(連体形) 解説:尊敬「たまふ」連用+「ける」+体言「中」。「(多くの女御や更衣がお仕えしていらっしゃった)中で」。源氏物語冒頭・難関大最頻出。
Q96.次の傍線部「けり」の用法を答えよ。(源氏物語・桐壺)
いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。
答え:過去 解説:「あり」連用+「けり」。冒頭の有名な「ありけり」。
Q97.次の文章に過去の「けり」は使われているか。(平家物語・冒頭)
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
答え:使われていない(「けり」を含まない、参考問題) 解説:文末は「あり」「あらはす」「ごとし」「滅びぬ」「同じ」で、過去の「けり」は使われていない。「滅びぬ」の「ぬ」は完了、「奢れる」の「る」は完了(存続)「り」の連体形。世の中の道理を述べる文なので、過去の助動詞を使わない。
Q98.次の傍線部「けれ」の用法を答えよ。(徒然草・序段)
つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
答え:形容詞シク活用「ものぐるほし」の已然形「ものぐるほしけれ」の一部(過去「けり」ではない) 解説:「こそ+ものぐるほしけれ」(係り結び・已然形結び)。シク活用形容詞の已然形であり、過去「けり」ではない。最頻出引っかけ。
Q99.次の傍線部を識別せよ。(方丈記・冒頭)
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
答え:完了の助動詞「たり」の連体形(存続「〜ている」。「けり」ではない、参考問題) 解説:「とどまり」(四段「とどまる」連用形)+「たる」(完了「たり」の連体形・存続)+体言「ためし」。「長くとどまっている例はない」。「けり」と区別する。
Q100.次の傍線部「ける」の用法を答えよ。(伊勢物語・芥川)
昔、男ありけり。女のえ得まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でて、いと暗きに来けり。芥川といふ河を率て行きければ、草の上におきたりける露を、「かれは何ぞ」となむ男に問ひける。
答え:過去(連体形・「なむ」の結び) 解説:「なむ」係助詞→連体「ける」結び。「『あれは何か』と男に問うたのだ」。伊勢物語芥川段・難関頻出。
入試レベル編 /20
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