『大学入試 全レベル問題集 漢文 1 基礎レベル 新装版』を塾長が正直レビュー|漢文ゼロからの最初の1冊を本音で

教材レビュー
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※当サイトの解説・ドリル・定期テスト対策はすべて無料です。このコーナーは、市販教材についての塾長の正直レビューです。

生徒

生徒先生、漢文がほんとに苦手で、白文を見ると固まっちゃいます。返り点とか句形とか、基礎から問題を解きながら身につけられる薄い問題集ってありますか?
先生

先生それなら旺文社の『大学入試 全レベル問題集 漢文 1 基礎レベル』がちょうどいいよ。著者は東進ハイスクールで漢文を教えている三羽邦美先生。基礎知識のドリルで土台を作ってから、実際の入試形式の問題を7題解く、という流れになっていて、苦手な人が「最初の1冊」として迷子になりにくい作りなんだ。

結論:漢文が苦手な高校生の「リハビリ用」最初の1冊

この本は、漢文の点が安定しない高校生や、これから受験勉強を始める人が、基礎知識を確認しながら入試形式に少しずつ慣れていくための問題集です。同じシリーズに「2 共通テストレベル」「3 私大・国公立大レベル」があり、この「1」はその一番やさしい入口にあたります。だから難関大の二次試験をこれ1冊で突破する本ではありません。あくまで「漢文の基礎を、解きながら固め直す」ための土台づくりの本だと考えてください。

基本情報

書名 大学入試 全レベル問題集 漢文 1 基礎レベル 新装版
出版社 旺文社
著者 三羽邦美
シリーズ 大学入試 全レベル問題集 漢文
ページ数 本冊 約120ページ+別冊問題冊子 約96ページ
定価 1,100円(税込)※2026年6月時点
レベル 基礎レベル
塾長のおすすめ度 ◯(漢文が苦手な人の「最初の1冊」に手堅い)

この本の特徴(中身)

中身は大きく二部構成です。前半の「基礎編」は、返り点・再読文字・置き字・基本句形といった漢文のルールを、ドリル形式でひとつずつ確認していくパート。後半の「演習編」は、実際の入試問題をもとにした7題を、本番と同じように通して解くパートです。問題は別冊の冊子にまとまっていて、解答・解説は本冊側にしっかりページが割かれています。特徴的なのは、解説ですべての設問について「どこに着目して解くか」という着眼点を示してくれること。答え合わせをして終わり、ではなく「なぜその答えになるのか」「次に似た問題が来たらどう動くか」まで拾える設計になっています。

👍 良い点

  • 基礎の復習と演習が1冊でつながる。句形や返り点をドリルで思い出してから、すぐに入試形式の7題で実戦に移れるので、「知識は入れたのに問題が解けない」という典型的なつまずきを埋めやすい。
  • 解説が設問ごとに着眼点まで踏み込む。全設問で「ここを見て解く」というポイントが示されるので、自分で丸つけしても独学で力がつきやすく、塾や先生がそばにいなくても進めやすい。
  • 薄くて挫折しにくい分量。演習が7題と絞り込まれているため、ぶ厚い問題集で最初の数ページだけ汚れて終わる、という失敗をしにくい。最後までやり切る成功体験を作りやすいのは苦手な人ほど大きい。

🤔 気になる点

  • これ1冊では演習量が足りない。収録は7題なので、本書で固めた後は同シリーズの「2」「3」や別の問題集で量をこなす前提。仕上げ用ではなく、あくまで入口の本。
  • 句形の網羅性は参考書ほどではない。基礎編はあくまで復習・確認が主眼で、句形を一から体系的に教え込むタイプではない。漢文を完全にゼロから独学する人は、句形の参考書を1冊そばに置いた方が安心。
  • レベルがはっきり「基礎」。すでに共通テストで安定して点が取れている人には、やさしすぎて物足りない可能性が高い。背伸びしたい人は最初から「2」以降を検討した方がよいことも。

合う人・合わない人

合う人:漢文の点が安定しない高校生、白文や返り点で固まってしまう人、これから受験勉強を始めて「漢文を1冊やり切る成功体験」がほしい人。基礎をドリルで確認しながら、入試形式の解き方も同時に覚えたい人に向きます。
合わない人:すでに共通テスト漢文で安定して高得点が取れている人、難関国公立の二次や難関私大の重い漢文をガッツリ演習したい人。そうした人にはこの「1」はやさしすぎるので、同シリーズの上位や記述系の問題集の方が合います。

『漢文early…/ステップアップノート30漢文句形ドリル』との違い

同じ基礎層で定番なのが河合出版の『ステップアップノート30 漢文句形ドリルと演習』です。あちらは「句形を1テーマずつドリルで叩き込む」ことに特化した、いわば文法の筋トレ本。対してこの全レベル問題集は、句形の確認はコンパクトに済ませ、入試形式の問題を通しで解く演習に重心があります。おすすめの使い分けは、句形があやしい人はまず『ステップアップノート30』で型を入れ、その後この『全レベル問題集 1』で「実際の問題でどう使うか」を練習する流れ。順番に重ねると土台がきれいにつながります。

おすすめの使い方

  1. まず別冊の問題を見ずに本冊の基礎編ドリルを通し、返り点・再読文字・置き字・基本句形のうち「あやしい所」を洗い出す。
  2. 演習編の7題を、1題ずつ時間を区切って本番のつもりで解く。丸つけは答えの○×だけでなく、解説の『着眼ポイント』を声に出して確認する。
  3. 間違えた設問は、なぜ間違えたか(知識不足か、読み違いか)を別冊や余白にメモし、1週間後にもう一度同じ7題を解き直して定着を確かめる。
先生

先生漢文が苦手な人ほど「読めないから解けない」と思いがちだけど、実際は句形と返り点という”ルール”を知っているかどうかで差がつきます。この本のドリルは、その当たり前のルールを取りこぼさず拾い直すのに向いているので、最初の1周は「解く」より「確認する」気持ちで丁寧にどうぞ。

塾長の総合評価

読みやすさ ★★★★★
網羅性 ★★★☆☆
入門のしやすさ ★★★★★
演習・実戦 ★★★☆☆
総合 ★★★★☆(基礎の立て直しに優秀。仕上げや難関演習には別の1冊が要る)

塾の現場感覚で言うと、漢文を「捨てかけている」高校生を引き戻すのにちょうどよい1冊です。分量が軽く、解説の着眼点が親切なので、独学でも前に進めます。ただし収録7題という性質上、これだけで入試本番まで戦えるわけではなく、あくまで「土台を作り直す本」。その役割の中では完成度が高く、入口の問題集としては安心しておすすめできます。総合は、基礎特化という割り切りを評価して4としました。

大学入試 全レベル問題集 漢文 1 基礎レベル 新装版 表紙

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まとめ

『全レベル問題集 漢文 1 基礎レベル』は、漢文が苦手な人が基礎を解きながら立て直し、入試形式に慣れていくための堅実な入口です。やり切ったら同シリーズの上位や演習量の多い問題集へ進むと、力がきれいに伸びていきます。なお当サイトでも、返り点・再読文字・基本句形を無料でおさらいできる漢文プリントを用意しているので、この本のドリルと並行して使うと基礎固めがさらにスムーズになりますよ。

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