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結論:基礎を終えた私大志望が、過去問の前に「数をこなす」ための一冊
この本は、古文単語と文法をひと通り終えた高校生・受験生が、実際の私立大学の入試問題でたくさん演習を積むための問題集です。河合塾の私大古文演習シリーズの中では中位にあたり、レベルは中堅〜有名私大(大東亜帝国〜GMARCHあたり)が目安。今のあなたの位置でいうと、「基礎は終わったけれど、まだ志望校の過去問は早い」段階の人にちょうどいい立ち位置です。逆に、これから古文を始める人が最初に手に取る本ではありません。
基本情報
| 書名 | 「有名」私大古文演習 |
|---|---|
| 出版社 | 河合出版 |
| 著者 | 池田修二・太田善之 |
| シリーズ | 河合塾SERIES |
| ページ数 | 約140ページ |
| 定価 | 990円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 中堅〜有名私大(標準〜やや難) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(基礎を終えた私大志望の「演習の橋渡し」に最適) |
この本の特徴(中身)
中身は、有名私立大学の過去問から選んだ20題が中心です。文章のジャンルや時代がかたよらないよう精選されているので、物語・日記・随筆など、いろいろなタイプの古文に触れられます。レイアウトの工夫として、問題文と現代語訳(解釈)が上下に並べてあるので、どこを訳し間違えたかを照らし合わせやすいのが特長。解説も丁寧で、設問の解き方を示す「設問解説」、読解の流れを追う「本文解説」、語の背景知識を補う「この『ことば』に注目!」など、複数の角度から1題をしっかり振り返れる作りになっています。各題に解答時間の目安や難易度の表示もあります。
👍 良い点
- 解説が手厚く、独学でも振り返りやすい。設問の解法だけでなく、本文の読み方や語の背景まで複数の切り口で説明があるので、1題を解いて終わりにせず、なぜ間違えたかを自分で詰められます。
- 本文と現代語訳が並んでいて復習しやすい。訳のどこでつまずいたかを行単位で照合できるので、「なんとなく合っていた/外していた」をはっきりさせられます。
- 1冊で実戦的な私大古文を20題こなせる。バラバラな文章ジャンルを集めてあるので、本番で初めて見る文章への対応力(=慣れ)が無理なく積めます。
🤔 気になる点
- 初学者にはまったく向かない。古文単語・助動詞・敬語などの基礎が頭に入っていない状態で始めると、解説が「分かっている前提」に感じられて手が止まります。先に基礎を1冊終えてから。
- 題数は20題と、ドリル的に大量演習する本ではない。「とにかく数をこなして体に叩き込みたい」人には物足りなく感じることがあります。1題ずつ丁寧に復習する使い方が前提です。
- 最難関大の対策としては力不足。早慶・上智など首都圏の難関私大をねらうなら、これだけでは負荷が足りず、上位の演習書や過去問へ進む必要があります。
合う人・合わない人
合う人:古文単語と文法をひと通り終え、これから私立大学(中堅〜GMARCHあたり)をねらう高校2年後半〜受験生。過去問に入る前に、実戦的な文章でもう少し演習量を積みたい人。丁寧な解説で1題ずつ復習する勉強が合う人。
合わない人:これから古文を始める人や、単語・文法がまだあやしい人(先に基礎固めを)。国公立の二次や早慶・上智など最難関をねらう人(負荷が足りない)。短時間で大量の問題を機械的にこなしたい人。
『首都圏「難関」私大古文演習』との違い
どちらも同じ河合出版の私大古文演習シリーズですが、レベルが違います。本書『「有名」私大古文演習』は中堅〜有名私大(GMARCHあたりまで)が目安なのに対し、『首都圏「難関」私大古文演習』はGMARCH〜早慶上智クラスの、より難しい文章を扱います。使い分けの目安はシンプルで、まず本書で私大古文の演習に慣れ、志望校がより難関なら「難関」版へ進むという流れ。志望校がGMARCHまでなら本書+過去問で十分なことも多く、いきなり難関版に手を出すと挫折しやすいので、自分の今の実力と志望校に合わせて選んでください。
おすすめの使い方
- まず1題を、本番のつもりで解答時間の目安を計りながら解く(辞書や答えは見ない)。
- 答え合わせは点数だけで終わらせず、本文と現代語訳を1行ずつ照らし、訳を外した箇所・設問を落とした理由を解説でつぶす。
- 間違えた文章は数日後にもう一度、今度は最初からスラスラ訳せるか音読で確認する。これを20題くり返してから志望校の過去問へ進む。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★☆☆ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★★☆ |
| 総合 | ★★★☆☆(基礎後の演習の橋渡しに優秀。初学者と最難関志望には不向き。) |
塾長としての総合評価は「◯(おすすめ)」です。派手さはありませんが、基礎を終えた私大志望が過去問に入る前のひと押しとして、解説の丁寧さとレイアウトの分かりやすさは安心して勧められます。ただし、合う人がはっきり分かれる本でもあります。基礎が固まっていない段階だと解説についていけず、逆に最難関志望には負荷が軽い。自分の現在地が「単語・文法は終わった/でも本番の文章はまだ不安」のど真ん中にある人にとっては、コストパフォーマンスの高い一冊です。
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まとめ
まとめると、『「有名」私大古文演習』は、基礎を終えた中堅〜有名私大志望者が、過去問の前に実戦的な古文を20題こなして「初見の文章への慣れ」を作るための演習書です。解説が手厚く、本文と訳を並べた復習しやすいレイアウトが魅力。一方で初学者や最難関志望には向きません。なお、まだ単語・文法に不安がある人や、本書に入る前にもう少し土台を固めたい人は、当サイトの無料の古文・漢文教材(解説とPDF)で基礎を確認してから取り組むと、この本の効果がぐっと上がりますよ。



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