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結論:難関志望者が「文章の中で語彙を仕上げる」ための上級単語帳
この本は、いわゆる最初に持つ単語帳ではありません。基本の古文単語を一度覚え、文法もある程度固めた人が、難関大の文章をスラスラ読めるレベルへ引き上げるための仕上げ用です。英語でいう「速読英単語」の古文版で、入試レベルの長文を読みながら、その中に出てくる重要語を自然に覚えていく作りになっています。だから 語彙力と読解力を同時に伸ばしたい上位者 にこそ向いた一冊で、早慶・難関国公立を狙う人の二冊目・仕上げ用と考えると失敗しません。
基本情報
| 書名 | 読み解き古文単語 改訂版 |
|---|---|
| 出版社 | Z会 |
| 著者 | 横屋芳明 |
| シリーズ | 読み解きシリーズ(Z会) |
| 定価 | 990円(税込)※2026年6月時点 |
| レベル | 難関(難関国公立・早慶など上位向け。文章+約1000語) |
| 塾長のおすすめ度 | ◯(難関志望の「仕上げ」に効く。最初の一冊にはしない。) |
この本の特徴(中身)
中身は「速読英単語」とよく似た構成です。見開きの片側に十数行の古文、もう片側にその現代語訳が載っていて、文章を読み終えた後に、そこに出てきた重要単語の意味や解説をまとめて確認できます。Z会によると、主要大学の過去問を分析した必須語が約400語、それに派生語・関連語を加えて合計およそ1000語を扱います。別冊の文法編も付いていて、単語だけでなく連語(決まった言い回し)の説明も入っているので、語彙と文法を文章の中でまとめて鍛えられるのが最大の特徴です。なおこの本には問題(設問)は付いていません。あくまで「読んで覚える」ための教材です。
👍 良い点
- 文章の中で語彙が身につく。単語と意味だけを丸暗記する本と違い、実際の入試レベルの古文を読みながら覚えるので、本番で意味が思い出しやすく、読解のスピードも上がります。
- 難関レベルの語彙まで広くカバー。必須語に派生語・関連語を加えて約1000語に触れられ、別冊文法編で連語(言い回し)まで補えるので、上位校で問われる細かい語感まで届きます。
- 価格が手ごろで持ち運びやすい。990円(※2026年6月時点)で読解の練習も語彙の確認もまとめてできるため、過去問演習と並行する一冊として費用対効果が高いです。
🤔 気になる点
- 初学者には重い。基本単語や文法が固まっていない段階で始めると、本文の古文そのものが読めず挫折しやすいです。最初の一冊には向きません。
- 設問がなく、自分で負荷をかける必要がある。問題演習用ではないので、ただ読み流すと身につきにくく、訳と照らし合わせる・繰り返すといった使い方を自分で工夫しないと効果が薄れます。
- イラストや語呂で楽しく覚えるタイプではない。文章中心の硬めの作りなので、絵やイメージで覚えたい人や、暗記が苦手な人には地味でとっつきにくく感じられることがあります。
合う人・合わない人
合う人:基本的な古文単語と文法をひと通り終え、早慶・難関国公立など上位校を本気で狙っている人。過去問を読むと「単語はわかるのに文章全体の意味がつかめない」と感じる、語彙と読解を一段引き上げたい受験生に最適です。
合わない人:古文単語をこれから覚え始める人、共通テストで基礎点を確実に取りたい段階の人、文法がまだ不安な人。また、絵や語呂で楽しく覚えたいタイプの人には合わない可能性が高いです。
『速読古文単語』との違い
同じZ会から出ている『速読古文単語』は、一語ずつにイラストと例文が付いた、共通テスト〜中堅レベルの必修300語をやさしく覚えるための本です。これに対して『読み解き古文単語』は、難関大の文章を読みながら約1000語に触れる、明らかに上級者向けの読解型。順番でいえば、まず『速読古文単語』などで基礎語彙を固め、過去問が重く感じるようになってから『読み解き古文単語』で仕上げる、という使い分けがきれいにはまります。いきなり本書から入るのは避けたほうが無難です。
おすすめの使い方
- まず右ページの古文を、訳を見ずに自力で読んでみる。わからない箇所に印を付け、どこでつまずいたかを意識する。
- 左ページの現代語訳と照らし合わせ、取り違えた単語・言い回しを確認する。次の見開きの単語解説で意味と用法をしっかり頭に入れる。
- 数日後に同じ文章をもう一度読み返し、印を付けた箇所が訳なしでスラスラ読めるかを確認する。これを繰り返して文章ごと自分のものにする。
塾長の総合評価
| 読みやすさ | ★★★☆☆ |
|---|---|
| 網羅性 | ★★★★★ |
| 入門のしやすさ | ★★☆☆☆ |
| 演習・実戦 | ★★★☆☆ |
| 総合 | ★★★☆☆(難関の語彙仕上げに優秀。ただし初学者には重く、使うタイミングを選ぶ一冊。) |
塾長としての評価は、「使う人と時期さえ合えば非常に良い本」です。難関大を狙う生徒が、基礎を終えた後の二冊目・仕上げ用として持つなら、語彙力と読解力を同時に伸ばせる効率の良い教材だと思います。一方で、最初の単語帳としてすすめると本文の難しさで手が止まりやすく、評価が大きく下がります。本の質が低いのではなく、対象者がはっきりしている本だ、というのが正直なところです。だからおすすめ度は、誰にでもの◎ではなく、人とタイミングを選ぶ◯としました。
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まとめ
『読み解き古文単語 改訂版』は、難関大志望者が文章の中で語彙と読解を一気に仕上げるための上級向け単語帳です。基礎が固まった人には心強い一冊ですが、初学者がいきなり手を出すと挫折しやすいので、自分の今の力と相談して選んでください。「まだ基礎が不安」「文法から見直したい」という人は、当サイトの無料の古文文法プリントや基礎単語のまとめで土台を作ってから本書に進むと、効果がぐっと高まります。



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